ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2011.04.09
XML
カテゴリ: 国際関係
放射性汚染水の海洋投棄を憂う(2)

国際法違反というのは、以下のようなことです。海洋汚染に関する国際的な取り決めは、1972年に通称「海洋投棄に関するロンドン条約」として、結ばれました。正式名称を、「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」と言い、日本は1980年に批准して、同年11月に発効しています。

このロンドン条約は、原則として放射性廃棄物の海洋投棄を禁止しています。これに対して「原子力保安院」は、同条約が禁止しているのは、船や飛行機からの海洋投棄であって、陸上施設からの投棄には、規定は存在しない」として、投棄を正当化しています。

この保安院の主張を、菅首相以下関係閣僚が認めたからこそ、高濃度の汚染水に比べれば低レベルであっても、原子炉等規正法に定める安全基準からすると、500倍にも及ぶ汚染水を、人為的に海洋に投棄する無法が実行されたのでしょう。

「保安院」の主張が屁理屈に過ぎないことは。法の専門家ではない私にも簡単に分ります。船や飛行機からの投棄を規制しながら、陸上施設からの投棄に法の網をかけなかったのはなぜか。この理屈は実に簡単です。

それは、「どんな国であろうと、自国の領海内に、それも海岸線に、安全とされる基準値以上の放射線汚染水を投棄するという、そんな馬鹿な真似はするはずがない」ということを、当然の前提として、条約が結ばれたからです。

基準値を超える汚染水を、もし投棄しなければならないとすれば、どこか遠くへ運んで投棄するに違いない。こう考えたからこそ、運搬手段である船や飛行機による投棄に網をかけたのです。

従って、「保安院」の主張は、明らかに国際法の理解を欠いた、強引なこじつけに過ぎず、国際的に見て、どこからも支持されないどころか、日本という国は、どこかの「ならず者国家」以下の、何を仕出かすか分らない国だという印象を、世界中に広めてしまったことになります。これで日本の国際信用はゼロになったと言える、大失策をやらかしたということです。

失われた信用は、長い時間をかけないと修復できません。そんな状態に日本国家を突き落としてしまった重大なミスを菅内閣は犯したのです。この責任は取りきれるものではありませんが、少なくとも、こんな人物を、今後も首相としておいておくとしたら、益々日本の信用は、落ちる一方です。国会は与党も野党もありません。先ずは超党派で菅のクビをとるべきです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.04.10 16:07:34
コメント(18) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ザビ神父

ザビ神父

カレンダー

お気に入りブログ

「長い夜」 New! でぶじゅぺ理さん

名古屋市 戸田川緑… New! トンカツ1188さん

公明党には、「国民… New! わからんtin1951さん

久しぶりの美容院。 New! naomin0203さん

ずいずいずっころば… New! 悠々愛々さん

コメント新着

葉月 生 @ Re:ご無沙汰しました(08/15) 神父さま お帰りなさいませ。 1ヵ月に1回…
kopanda06 @ Re:石破辞任(09/09) お久しぶりです。 降雨の中、高見観音の…
吉祥天2260 @ Re:石破辞任(09/09) どの人見てもなんだかねぇ・・・ 国のこと…
わからんtin1951 @ Re:石破辞任(09/09) テレビを観ていると、総裁選のことばかり…
naomin0203 @ Re:石破辞任(09/09) 世論的には支持があった石破さん。 党内紛…

バックナンバー

・2025.11
・2025.10
2025.09
2025.08
・2025.07

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: