ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2011.05.06
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カテゴリ: 外国史
クロニクル ダービー始まる

1780年5月7日

1780年というと、日本史では、田沼時代にあたります。アメリカでは独立戦争の最中、フランス革命はまだ始まっていない。そんな時期でした。

なにしろ、現在から231年も前のことでした。この日イギリスはロンドン郊外のダービー伯爵領、エプソムで最初のダービーレースが開かれました。

そうなのです。ダービーはイギリスの1人の名門貴族が自らの所領で始め、今も彼の姓をそのまま冠しているのです。

名門ダービー伯爵家の第12代当主、スタンリーは無類の馬好きでした。彼は貴族同士が自分の持ち馬自慢に賭けレース(競馬)をすることが流行っていたことから、自らの所領に、競馬用のコースをしつらえ、サラブレッド4歳馬、牡馬、牝馬混合のレースをダービー杯と称して始めたのでした。

彼自身、まさか今日まで続く超ビッグレースに育つとは想像もしていなかったでしょう。しかし国王まで観戦に訪れたレースは、貴賓たちの重要な社交の場となり、また馬好きたちの功名心をくすぐり、毎年初夏に繰り返し行われるようになったのです。

そうなると、上昇志向のブルジョワたちの関心も集め、何とかダービーレースを観戦できる(当時はダービー伯の招待者のみが入場できたのです)身分になりたいと、それは大変な関心を集めたのです。

何しろ、国王以下王族も大挙出席される催しです。イギリス中の貴族が贅を凝らした服装で


こうして、ダービーはイギリスの国民的行事に成長していったのです。このダービー現在は、6月の第1水曜日に行われています。教会に通う日である日曜日に、競馬のレースを行うような不謹慎なことは、イギリスの紳士・淑女は潔しとしないのですね。

ダービーの行われる日は、ダービーデーとして、諸官庁や一流企業はどこも休業とする粋な計らいが行われているのです。この辺が何でも日曜日の日本とは違うところですね。

ところで、このレース、2度の世界大戦中だけは、エプソムを避けて、別の場所で行われました(それでも実施され続けたのです)が、現在もなおエプソムで行われ続けています。

国王臨席の伝統もなお守られており、王室所有のサラブレッドが出場することもあります。
開かれた王室の好例の一つというべきなのでしょうね。日本の皇室も、もう少しオープンで良いようにおもうのですが…。





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最終更新日  2011.05.07 01:24:34
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