ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2012.01.18
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カテゴリ: 社会風俗
庶民生活あれこれ(15)

今日の1枚は、「パリのボヘミアン」というシリーズ物の連作から、「屑鉄ひろい(ラヴァジュール)」と題された1枚を取り上げました。

ラヴァジュール

強い雨が斜めに叩きつける中、流しの馬車(今ならタクシーですね)も拾わず、駆け出しそうな勢いで家路を急ぐご婦人は、傘は持っているところから下層のプチブルとして描かれています。

前景では屑鉄拾いの男性が、雨をものともせずズボンをたくし上げ、袖まくりもして、さらに片方のズボンつりもはずして、一心不乱に排水溝をあさって、古釘などを集めています。大雨の日は、排水溝の流れも強く、古釘などは集めやすくなるのです。

こうした屑鉄ひろいは、当時のパリでは、ラヴァジュールと呼ばれていました。元々の意味は、「特定の対象を荒らしまわって、被害を与えるゴロツキ」を示す言葉です。人々が屑鉄ひろいを、そのような眼で見ていたことが伝わってきます。

この男性は、帽子をかぶっています。この帽子は当時のパリの警察官の帽子に良く似ています。これは、この男性がパリ警視庁の許可を得て、この仕事をしていることを示しています。帽子が許可証の役を果たしているのです。

路上の仕事への規制が、次第に厳しくなってきていることが、ここに示されています。

この絵にも、秀逸なト書きがついていますので、以下に紹介します。
「こう見えたって立派な社会的地位なのだ、ピンや古釘を拾い集めることも… それなのに俺たちを荒らす者(ラヴァジュール)と呼ぶなんて…。 財政を食い物にして(ラヴァンジェ)給料を獲っているご大層な仕事をする連中が、いるっていうのによー…」



翻って現代日本、財政状況の厳しさを知りながら、消費税の増税に強い反対があるのはなぜか。今の政治家と官僚では、増税しても財政の健全化に繋がらず、これ幸いとバラマキに使うに違いないという、強い不信感を拭えないことにある。こう考えているからでしょうね。私もその1人ですが…





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最終更新日  2012.01.18 11:46:52
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