ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2012.01.25
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カテゴリ: 社会風俗

庶民生活あれこれ (22)

今日の1枚は、「青鞜派」と題するシリーズから、「私のような女に」と題する石版画を選びました。ここではお馴染みになった『シャリヴァリ』紙の1844年5月23日号に載ったものです。

フランスでは、1840年代に入ると、有識者の女性の中から、女性解放を唱える人たちが出てきます。ショパンとの愛憎半ばした激しい恋で知られるジョルジュ・サンドの功績が大きいのですが、彼女の活動に刺激を受けて文筆活動をはじめた女性の中から、夫を捨ててリストとの同棲生活に踏み切ったダニエル・ステルンなど、今日に名を残す何人もの女性たちが登場しました。

こうした女性たちには、上層ブルジョワからプチブルまで、広い範囲のブルジョワ階級の出身者に混じって、フローラ・トリスタンら無産市民の出身者も混じっており、次第に影響力を拡げていたのです。

彼女らの影響力が、無視できないものになりつつあることを理解した男たちにとって、それは家父長制への挑戦として映ります。当然男たちは、戸惑い困惑します。ドーミエは、そうした男たちの戸惑いもまた絵にしたのです。

青鞜派

先ずはト書きを見ましょう。

「私のような女に、ズボンのボタンを付けてと言うの… あんたって馬鹿じゃないの…」   「そうなのか! 彼女はキュロットをはくだけじゃ満足できなくて、私の顔にそれを投げつけなきゃ、収まらないというわけか!」

私だって書きますわよ」とばかりに、文筆活動に乗り出したものの、誰もが文才に恵まれているわけではなく、思うように行かずにいらだっている妻は、思わず空気の読めない夫に八つ当たりをしたのでしょう。

家庭の外にばかり関心を向ける妻の変化に戸惑い、どうしていいか分からない夫の困惑が、見事に切り取られていますね。






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最終更新日  2012.01.25 13:45:05
コメント(10) | コメントを書く


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Re:庶民生活あれこれ (22)(01/25)  
沙羅樹.  さん
日本でもそんな時代がありましたね。
今では女性も外でバリバリ働いていますがね。
でも出産子育て後の復帰はまだまだ大変ですね。 (2012.01.25 21:25:46)

女性  
そう言えば、ショパンもリストも、強い女性に恋しましたね。
音楽家を支えるには、自立した女性でないとダメなのかもしれませんね。

しかしこの男性、なぜ、ステテコ姿なのでしょうか (2012.01.26 00:20:21)

Re:庶民生活あれこれ (22)(01/25)  
Mrs. Linda  さん
『書きますわよ』のはしりですね。げに、恐ろしきは女です。男は黙って耐えるのが美徳なのでしょうか。

まあ、誇張して書いているのでしょうが・・・・

当時の風俗を垣間見られるのが、面白いです。 (2012.01.26 04:06:53)

Re:庶民生活あれこれ (22)(01/25)  
強い女性・・音楽家の奥さまは気丈じゃなくちゃいけないのかなぁ・・?(笑)。

この男性の格好には何か理由があるのでしょうか・・・?(笑)。 (2012.01.26 08:10:12)

Re:庶民生活あれこれ (22)(01/25)  
吉祥天2260  さん
何の根拠もなく「男だから偉い」という思いこみの男性と青鞜派に触発されて「思い起こせば・・・」と積年の恨みを爆発させた女性と・・・
双方冷静になってそれぞれが認め合う迄にはずいぶん混乱があったでしょうね (2012.01.26 12:19:24)

Re[1]:庶民生活あれこれ (22)(01/25)  
ザビ神父  さん
沙羅樹.さん
>日本でもそんな時代がありましたね。
>今では女性も外でバリバリ働いていますがね。
>でも出産子育て後の復帰はまだまだ大変ですね。
-----
出産子育て後の復帰 育児休業の充実と、保育施設の充実は、現代日本の焦眉の急です。政・財・官のトライアングルはこの点にもっと真剣にならないと、財政も年金も経済も全てアウトなんですが、分かってないというか暢気というか…
                      ザビ (2012.01.26 12:59:37)

Re:女性(01/25)  
ザビ神父  さん
音屋でおじゃるさん
>そう言えば、ショパンもリストも、強い女性に恋しましたね。
>音楽家を支えるには、自立した女性でないとダメなのかもしれませんね。

★ これは音楽の買い被りでしょう。リストとショパンは全く違いますし、サンドとマリー・ダグーも一緒には出来ないですよ。才能同士が惹かれながらも反発しあい、どろどろの関係になりながらも、病気のショパンの面倒を見たのがサンドでした。サンドは根っからの感性の人、ダグーは理知の人です。


>しかしこの男性、なぜ、ステテコ姿なのでしょうか
-----
ズボンをはこうとしてボタンが取れているのに気がついた。そこで気軽に妻に、ボタンツケを依頼した。それが妻のカンにさわった。こうでしょう。
「神田川」じゃないですが、「君でもボタンツケなら出来るんじゃない…」とでも言って渡したところ、それも出来ない妻が屈辱のあまり逆上したとも想像できますが、そんなト書きはありません。さすがのドーミエもそうは書けなかったのでしょう。
                  ザビ (2012.01.26 13:09:31)

Re[1]:庶民生活あれこれ (22)(01/25)  
ザビ神父  さん
Mrs. Lindaさん
>『書きますわよ』のはしりですね。げに、恐ろしきは女です。男は黙って耐えるのが美徳なのでしょうか。

>まあ、誇張して書いているのでしょうが・・・・

>当時の風俗を垣間見られるのが、面白いです。
-----
この絵で、ドーミエは突っ張る女性徒頼りない男性、双方を滑稽視しています。
                      ザビ
(2012.01.26 13:10:58)

Re[1]:庶民生活あれこれ (22)(01/25)  
ザビ神父  さん
しいな☆pinkroseさん
>強い女性・・音楽家の奥さまは気丈じゃなくちゃいけないのかなぁ・・?(笑)。

★ そんなことはないでしょう。ただし、当時の音楽家の待遇は、そんなに良いとは言えませんから、生活の苦労は大変だったでしょうが…

>この男性の格好には何か理由があるのでしょうか・・・?(笑)。
-----
これは穿こうとしたズボンの、ボタン付けを頼んで、騒ぎになったという設定なのでしょう。
                  ザビ
(2012.01.26 13:13:56)

Re[1]:庶民生活あれこれ (22)(01/25)  
ザビ神父  さん
吉祥天2260さん
>何の根拠もなく「男だから偉い」という思いこみの男性と青鞜派に触発されて「思い起こせば・・・」と積年の恨みを爆発させた女性と・・・
>双方冷静になってそれぞれが認め合う迄にはずいぶん混乱があったでしょうね
-----
何事も自然体にならないと長続きしませんね。
日本でもウーマンリヴ運動は、支持が広がりませんでした。その衰退後になって、女性の社会進出が進んだように思います。
                  ザビ
(2012.01.26 13:16:15)

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