ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2019.01.14
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カテゴリ: 社会風俗
クロニクル 文学座分裂

1963(昭和38)年1月14日

文学座は、1937(昭和12)年に岸田國士、久保田万太郎、岩田豊雄の3名を発起人として設立された、日本新劇界の名門劇団です。俳優座や民芸と共に三大新劇団とも称されます。

その文学座で56年前のこの日、芥川比呂志を筆頭に、同座の中堅・若手劇団員29名が劇団に退団届を提出し、英文学者の福田恆存と共に劇団「雲」を設立、脱退者全員が参加することを表明しました。

この集団脱退は、日本の演劇界始まって以来の大事件として、マスコミの注目を集め、その後に脱退劇を巡る、様々な報道がなされました。ただし、テレビや夕刊紙の普及以前のことですから、週刊新潮などの報道も、決してセンセーショナルなものではなかったのですが…。

報道によると、脱退劇は、全て隠密裏に進められ、文学座幹部の中村伸郎や杉村春子らは、当日になるまでこの集団脱退に、全く気付かなかったそうです。この集団脱退の背景には、ベテランと中堅・若手陣とのズレがあり、彼らに大きな不満が蓄積していたことがあったようです。

脱退した29名の中には、芥川比呂志、高橋昌也、加藤和夫、仲谷昇、小池朝雄、名古屋章、神山繁、三谷昇、岸田今日子、文野朋子、加藤治子ら、その後も演劇やテレビ、映画などで活躍した人たちが含まれていました。

また文学座は、この集団脱退のあった同年の11月に、正月公演に決まっていた三島由紀夫の戯曲 『喜びの琴』の上演を、思想上の行き違いを理由に中止しました。このことをきっかけに、同劇団の幹部・中堅の矢代静一、松浦竹夫、中村伸郎、北見治一、賀原夏子、丹阿弥谷津子、南美江、村松英子ら14名が、再度同劇団を集団で脱退するという事件に見舞われています。





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最終更新日  2019.01.15 02:08:36
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