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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/32/ 源義経黄金伝説■第33回西行は源頼朝に告げる「砂金は、大仏を完成させて、天下静謐(てんかせいひつ)願うためのもの。武士の約定を果たしていただけますか」 源義経黄金伝説■第33回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 「西行殿、こちらへ、」 西行は、源頼朝の家人にいうがまま、競技場に向かっていた。東大寺闇法師、十蔵は、この競技場にたどり着く前にすでに姿を消していた。 足利の症・御矢山みさやま競技場の飾り手照られた門をくぐり、その道は、観客関にあたる土壇をつききっている。西行は、競技場の真ん中に立たされていた。 競技場の観客の目が西行に注がれ,5百人はいると思われる観客の目の圧力が押し寄せてきた。急な演目の変更に、観客はどよめいていたが、やがて、それは一瞬の静寂を呼んだ。 西行は、くらくらと、緊張し、少しよろめいた。 やがて、中央土壇にいる人物がゆっくりと立ち上がり西行にかたりかけた。 源頼朝である。 最初に、西行を扇子で指し示す。 「高き所より、失礼いたします。今は私がこの祭事の主催者なのでのう。聞いて下さい。御家人衆の方々。ここにおられるは、西行法師どの、元の名は、佐藤 義清のりきよ 殿。鎮守府将軍、藤原秀郷ひでさと 殿、御子孫ぞ。私の願いにて、ここ御祭りに来ていただいた」 驚きの声があがる。平将門を討った藤原秀郷 は、この坂東地方でが、武士の鏡である。 「そしてまた、西行殿は、奥州藤原氏との御親戚だ」。再び感動の声があがる。 「さらには、今、奥州藤原氏より、奈良大仏塗金用の砂金を運んでおられる」三度、声が、ご家人からあがり、競技場に響きわたって。 源頼朝は、この御家人の歓声を受けてほんのり顔を赤らめていった。 「西行どの、ご安心めされよ。我々、鎌倉勢は、その砂金を奪おうとはいたしませんぞ。このご家人衆の前で、西行殿と砂金の事をかたるは、道中の安全をはかるため。この頼朝が、西行殿の安全をはかると言った以上、約定は守らなければなりますまい」頼朝は、さらに告げた。 「さらに、西行殿の弟、佐藤 仲清どのの所領、紀伊国田仲荘のご安堵をはかりましょうぞ。佐藤 仲清どのは高野山との争いをおこしておられる。以前は、平清盛殿から、安堵いただいたそうだが、今は、平家ではなく、我が源氏にまかせらるが常道。おわかりか。そうだ、西行殿は北面の武士であられたときは相国、平清盛殿と、また、文覚殿とご同輩と聞き及ぶ」歓声は続いた。 ■佐藤 仲清の所領、紀伊国田仲荘、その土地の所有安堵に関して、鎌倉の源頼朝が握っている事を、知らしめている。この御家人衆の前で、西行の氏素性を、検めるは、頼朝に、目的があったのだ。 「西行どの、先の月、鎌倉にて、古式よりの弓馬の道を教えていただきました。それゆえ、我が源氏の平家への、戦勝を祝うこの祭りにて、その秀郷流の兵馬の道を見せていただけぬか。この板東の武家にな、元々、佐藤家ご出自は、板東下野と聞き及びます」 きっと、西行は、土壇段桟敷上の頼朝を見上げる。「頼朝殿、黄金輸送を鎌倉殿が責任をもっていただけるというわけか」西行はしばらく黙った。 「あの砂金は、大仏を完成させて、天下静謐てんかせいひつを願うために使うもの。きっと武士の約束を果たしていただけるか」 頼朝は、いらなぶ板東御家人もの前で、西行をにぎりつぶすつもりだ。 平将門を倒した、京都の武家、藤原秀郷の9代目子孫、その子孫、西行を、鎌倉殿である、私、頼朝の前にひざまつかせるのだ。 また、奥州藤原氏の黄金の荷駄隊を見せる事により、これから握りつぶすべき、奥州藤原黄金王国が、黄金郷である事を示しそうとしていた。武威ぶいの行為である。 源頼朝は、平家を滅ぼしたその勢いをもって、奥州独立国を制服しょうとする。 その象徴の儀式として、西行と、奥州荷駄隊、この板東の後家人に祭りで見せたのだ。 奥州は、何度も、源氏の征服への挑戦を退けている。 かたわらにいる大江広元も、その証明。彼の祖祖父大江匡房まさふさも、奥州へ攻め入る戦略案を考えている大学者である。前九年の役(1051年から1062年)、後三年の役(1083年から1087年)であった、 頼朝の4代前、源氏のス-パースターである八幡太郎義家がその有名人であった。 が、今現在、最大の難敵は、、、源義経である。 奥州黄金と義経が結びついた時、それを恐れる。うちそろい、鎌倉に攻め入る悪夢をみるのだ、 そのためには、西行をはじめ、奥州の守りのひとつ、ひとつ、を切り崩しておく必要があった。 まづは、西行、そして砂金である。 「わかり申した。約定をきちりと守らしていただく」内心は冷や汗が流れているが頼朝はそれを見せるわけにはいかぬ。むろん、傍らの大江広元もまた。 「西行殿、ささ、こちらへ、」西行の前に馬と武具が準備されえていた。 「どれでもお好きな馬と弓をお選び下さい」 西行は、かって北面の武士の頃を思い出し打ている。 そして出家して後、30年にわたる高野山の荒行も。高野の山々千尋の谷、いまだにひやりとする。奈良大仏勧進の元締めたる重源殿ちょうげんにお助けいただいた。 さらに、朝廷で同僚であった文覚もんがくにも、荒行中にあっている、重源殿は、奈良東大寺で、西行、いや黄金の帰りをまっている。今、文覚は、この桟敷の頼朝の隣にすわっている。 「佐藤家の名前を汚すわけには、いくまい」この頃の家名は、絶対的価値である。 そして、源頼朝が、西行を藤原秀郷の九代目を呼ばわった事は、ある種の確認であり、西行の隠れた望みであった。西行が、藤原秀郷の正当なる後継者であると、ご家人どもが認めてのである。 この家名以外にも、西行が貫徹しなければならない約束がある。それは、慈円(じえんー藤原兼実の弟)や、藤原定家と行っている「しきしま道」の完成である。これが完成すれば、言葉によっても、日本は、京都王朝は、守られるであろう。 歌集の完成をみなければならぬ、それまでは、西行は生き述べなければならないのだ。 そして、それは、京都王朝の今はなきあの麗しい方への、生涯をかけた西行の約束の貫徹である。 走馬燈のように、西行の頭の中に、京都の思い出が蘇る、、 しかし、今は、前には、的が準備されている。 1町は続く流鏑馬道がのびていて、観客の武家の人間がかたずを飲み、西行の秀郷流の腕前を見ようとする。 続く2021年改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube #義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.30
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/31/ 源義経黄金伝説■第32回■頼朝が平泉攻撃の前線基地で、頼朝配下の坂東武者が集合し、神事として武威を見せ、武神を祭る足利の荘・御矢神社祭が頼朝の命により、所領を持つ地頭たちにより執り行われている。 源義経黄金伝説■第32回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube 第4章 一一八六年 足利の荘・御矢山みさやま ■下野しもつけ国足利荘は、奥州平泉から続く奥大道が坂東にはいる陸奥の国との国境にある。頼朝が平泉を攻めるなら前線基地となるところである。 この場所で、頼朝の命にしたがう坂東の武者たちがあつまり、神事として武威を見せる祭りは坂東武者への示威を狙っている。足利荘は、北東部に小高い丘陵地が綱なり、遠く奥州山脈に繋がっている。 その丘のひとつが御矢山みさやまであり、武神を祭る御矢神社が、近在の武士の信仰を集めていた。その山懐の一角が、御祭りを行う、御矢神社競技所が設けられていた。 この御矢神社御祭りでは、頼朝の命により、近在の所領を持つ地頭、御家人に輪番で、頭役を命じていた。 御祭り御矢神社競技所には中央に広場があり、石の祠を中心に、長径390メートル、短径260メートルの競技場状に作られていて、その周りを、間隔10メートルの土壇が10段北部斜面に向かって伸び上がっている。 土壇は、御家人各家の桟敷である。その並び方によって、鎌倉に対する忠誠心と権力構造がわかるようになっている。 むろん中央には、源頼朝家族、そして舅の北条時政を中心とする北条家がとりかこむ。天皇家勅使御桟敷があり、坂東の主な名家が、千葉氏、和田氏、佐々木氏、梶原氏、足利氏、小山氏等が取り囲んでいる。 御神事が行われた後、武技である、弓戯、相撲が夫々に郎党の参加により行われている。 有名な神事ゆえ、日本全国から、この祭りを目指して商人たちが集まっていた。参道には、商人が日本各地の珍しい産品を広げ口上を述べている。白拍子、道化師、放下師、曲芸師などが、歌を歌い、話芸を行い、面白おかしい娯楽を、一般庶民にも与えている。 日本の軍旗である長旗(流れ旗)が、各家の家紋や、信仰対象である八幡菩薩の文字などをあしらい、空風にはためいている。競技場に参加する華やかな装束の騎射武者があたりを駆け抜けている。 通例祭りは五日間ぶっ通しで行われ、白拍子の舞、猿楽、田楽などが行われた後、武芸競技が行われるのである。 「小笠懸」「相撲すまい」「草鹿」「武射」「競馬くらべうま」などが、主な種目であった。このため五千人くらいの人々が、集まる。山の中の儀式なので、宿泊のための仮小屋が、あちこちの丘上に立てられている。屋根は尾花で葺かれている。 競技場の周りには、弓矢をしつらえた北条家騎馬騎士が警護している。西行の荷駄隊は、頼朝との約束とうり、この御矢神社御祭りにたどりついている。 黒田の悪党との取引は、矢文とうり、この祭り跡で行われる。 黄金荷駄隊は、この祭りに集まる武家たちとは異彩を放っている。鎌倉の御家人は、平家を先年滅ぼした勢いのある時期の鎌倉殿の祭りとはいえ、源頼朝は、まだ征夷大将軍の位を、京都の後白河法皇からいただいていない。その源頼朝に、完全に承服はしていないのだ。それゆえ、何かの一大事に備えて各家の騎射武者を武装させて、待たせている。御祭り会場は、一種異様な緊張状態であった。 競技場からは、御家人たちの観戦のどよめきが聞こえてきた。その絶え間ない歓声が、声が津波のように繰り返し、近在の山々にこだましている。 続く2010改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.28
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/29/源義経黄金伝説■第30回平泉の藤原秀衡が、源義経こそ、鎌倉の源頼朝の打倒の旗印とし、軍勢をあげると、頭を下げる。源義経黄金伝説■第30回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube「何を気の弱いことをもうされます。この奥州の地は敢馬の地。もとより義経殿の戦ぶり、この地で培われたのではありませぬか」西行は義経に言う「……」「そのために、私はこの地を陰都かげみやことしょうと考えるのです」「かげみやこ、、ですと」「東北の地を納める京都です。政庁には京都からどなたかをお招きし。そして祭神は、崇徳帝様でおおう」義経は、西行の話に引き込まれている。この平泉を救う事、また義経を救う事を西行は話しているのである。それには、頼朝に対して平泉の黄金をつかい、頼朝をとどめる。また、平泉を安泰にするため京都から皇族をよび、崇徳を祭神として京都の陰都にしょう。そして平泉と京都が連携し鎌倉を牽制しょうという策である。■■一一八六年(文治2年)4 平泉秀衡の政庁を、西行がおとづれている。現れた秀衡に土産がございますと、西行はある巻き物を広げた。「これは…」 秀衡の前に広げられた絵図。鎌倉の地図だった。それに何やら矢印が付け加えられている。「まさか…」驚きを隠せない秀衡に、にこりとしながら西行が言った。「ほんの手土産です。秀衡様とは長い付き合いでございます。ほんのお礼ですよ。私は鎌倉の地をよく見て参りました。戦いはどうすればよいか、また守るにはどうしたらよいか。加えて、この知識と絵図を東大寺の重源殿に送り、できあがったのが、この絵図です。重源殿とは、ご存じのとおり、俺とは高野山で若きころよりの知り合いでございます。また、中国に二度渡り、中国・宋の都市建築を見て参られた。新しきまち、鎌倉の欠点、南の海岸にあります」「南の海,つまり由比ガ浜から攻撃せよとおっしゃるのか」「さようです」「水軍が必要となろうが」「そこは、それは秀衡様は、水軍にお強い吉次を初めとしてな。加えて、義経様の者共、水軍出身の方が多くございましょう。また、弁慶殿は熊野水軍ともお近い。平泉水軍、安藤水軍、熊野水軍、伊勢水軍、加えて西国の反源氏平家勢力を加えれば容易いことでこざいましょう。相手は伊豆水軍となりましょう」「おお、何と」「しかし、よろしゅうございますか。必ず総大将は義経様となされませ」「義経様こそ、反頼朝公の旗印です」「西行殿、ありがとうございます」秀衡は頭を下げている。「いやはや、これはこれ、この東大寺のためのが沙金をいただいたほんのお礼。まだまだ、秀衡様には生きていただいて、働いてもらわねばなりますまい」「ほんにのう。日本を京都と平泉を中心とした仏教王国にするためには、それが必要でございましょう」秀衡はにこやかに言った。「伊勢神宮の方はいかがかな」「それはそれは、私の知恵の糸を使い、この仕事を終えて、京都へ帰ったのち、再び、重源様をはじめ三百人ばかりの僧を、伊勢神宮に参らせるつもりでございます」「西行殿のお考えは、さようなこと、できようか」秀衡も、西行の考えに興奮して答えた。「ふふう、秀衡様、西行もそれくらいのことはできるのでございますよ。さらに、このおりに、伊勢神宮にいろいろな歌を報じます。名ある歌のいくさ人、歌人にお願いしていて、「しきしま道」による国家の防衛、平和祈願を行います」「ほお、例えば、どなたかな」「近ごろ、よい歌を作りよる藤原定家殿とか」「おおう、よくお名前は聞く。さすがは西行殿、京都の、いや日の本の歌事、「しきしま道」の総元締めでおられるのか」「いやはや、然様な者では、私はございませぬ」「ふふう、そうなれば、やはり後白河法皇様に進められ、出家なされたのも無駄ではございませんでしたな」「ふふ、そのことは、他言無用にしてくだされませ」西行は、後白河と話し合いをした案を、秀衡に話、京都と平泉の連携作戦を話し合い、その時はいつまでも続くように思われた。続く2012改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube
2022.01.27
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/29/ 源義経黄金伝説■第30回平泉の藤原秀衡が、源義経こそ、鎌倉の源頼朝の打倒の旗印とし、軍勢をあげると、頭を下げる。 源義経黄金伝説■第30回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 「何を気の弱いことをもうされます。この奥州の地は敢馬の地。もとより義経殿の戦ぶり、この地で培われたのではありませぬか」西行は義経に言う「……」「そのために、私はこの地を陰都かげみやことしょうと考えるのです」「かげみやこ、、ですと」「東北の地を納める京都です。政庁には京都からどなたかをお招きし。そして祭神は、崇徳帝様でおおう」 義経は、西行の話に引き込まれている。この平泉を救う事、また義経を救う事を西行は話しているのである。 それには、頼朝に対して平泉の黄金をつかい、頼朝をとどめる。また、平泉を安泰にするため京都から皇族をよび、崇徳を祭神として京都の陰都にしょう。そして平泉と京都が連携し鎌倉を牽制しょうという策である。 ■■一一八六年(文治2年)4 平泉 秀衡の政庁を、西行がおとづれている。現れた秀衡に土産がございますと、西行はある巻き物を広げた。「これは…」 秀衡の前に広げられた絵図。鎌倉の地図だった。それに何やら矢印が付け加えられている。「まさか…」驚きを隠せない秀衡に、にこりとしながら西行が言った。 「ほんの手土産です。秀衡様とは長い付き合いでございます。ほんのお礼ですよ。私は鎌倉の地をよく見て参りました。戦いはどうすればよいか、また守るにはどうしたらよいか。加えて、この知識と絵図を東大寺の重源殿に送り、できあがったのが、この絵図です。重源殿とは、ご存じのとおり、俺とは高野山で若きころよりの知り合いでございます。また、中国に二度渡り、中国・宋の都市建築を見て参られた。新しきまち、鎌倉の欠点、南の海岸にあります」 「南の海,つまり由比ガ浜から攻撃せよとおっしゃるのか」「さようです」「水軍が必要となろうが」 「そこは、それは秀衡様は、水軍にお強い吉次を初めとしてな。加えて、義経様の者共、水軍出身の方が多くございましょう。また、弁慶殿は熊野水軍ともお近い。平泉水軍、安藤水軍、熊野水軍、伊勢水軍、加えて西国の反源氏平家勢力を加えれば容易いことでこざいましょう。相手は伊豆水軍となりましょう」「おお、何と」 「しかし、よろしゅうございますか。必ず総大将は義経様となされませ」「義経様こそ、反頼朝公の旗印です」「西行殿、ありがとうございます」秀衡は頭を下げている。 「いやはや、これはこれ、この東大寺のためのが沙金をいただいたほんのお礼。まだまだ、秀衡様には生きていただいて、働いてもらわねばなりますまい」「ほんにのう。日本を京都と平泉を中心とした仏教王国にするためには、それが必要でございましょう」秀衡はにこやかに言った。 「伊勢神宮の方はいかがかな」「それはそれは、私の知恵の糸を使い、この仕事を終えて、京都へ帰ったのち、再び、重源様をはじめ三百人ばかりの僧を、伊勢神宮に参らせるつもりでございます」 「西行殿のお考えは、さようなこと、できようか」秀衡も、西行の考えに興奮して答えた。 「ふふう、秀衡様、西行もそれくらいのことはできるのでございますよ。さらに、このおりに、伊勢神宮にいろいろな歌を報じます。名ある歌のいくさ人、歌人にお願いしていて、「しきしま道」による国家の防衛、平和祈願を行います」「ほお、例えば、どなたかな」 「近ごろ、よい歌を作りよる藤原定家殿とか」 「おおう、よくお名前は聞く。さすがは西行殿、京都の、いや日の本の歌事、「しきしま道」の総元締めでおられるのか」「いやはや、然様な者では、私はございませぬ」 「ふふう、そうなれば、やはり後白河法皇様に進められ、出家なされたのも無駄ではございませんでしたな」 「ふふ、そのことは、他言無用にしてくだされませ」 西行は、後白河と話し合いをした案を、秀衡に話、京都と平泉の連携作戦を話し合い、その時はいつまでも続くように思われた。 続く2012改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.26
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IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/24/ 石の民「君は星星の船」 第24回■ジュリの石の壁から石の男がいなくなりパニックが起こった。祭司長マニは、ある予言を言い始め、祭司アルクの娘ミニヨンは変貌していた。 石の民「君は星星の船」第24回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 石の壁から石の男ムリムが消えてしまった。 宗教の街、樹里の巡礼たちが騒ぎだす。巡礼の目の前で信仰の対象だった石の男が消え去ったからだ。 ガントはおおあわてだ。彼ら光二とアルクが石の男の心にはいってだいぶの時間がすぎていた。間違いだった、彼らをいかすのではなかった。 巡礼向けのスーベニアショップを営むガントは反省していた、 これで、私もアルクと同じように、ああ、いやだ、かんがえただけでも恐ろしい。 あの儀式、それに妻のモリはどうなるのだ、家族は、私のスーベニアショップ店は、私の美しい着物は。 樹里の祭司たちは大騒ぎだ。 その石の壁の前でガントが棒立ちしている姿が際立っていた。 「ガント店長、何がおこったんだ」 祭司長マニだった。ガントは祭司長マニの驚きに答えて、つい本当の事を告げてしまう。 「祭司長さまお許しください。実はアルクがもどってきていたのです」「なんだと、アルクが」 「アルクが一人の若者ともどってきたのです」「それで」 「石の男の心に沈んだようです」 「ガントおまえはそれをとめなかったのか」 「とめようがなかったのです。それにアルクは、この若者が聖砲をもっているといったのです。これがすべてを解決すると」 「何、聖砲だと、本当にそういったのだな、ガント」 「そ、そうです」ガントは祭司長の顔が一瞬変わったのを見た。祭司長はひとりごちた。 「時が満ちたのかもしれん」 何の前触れもなく、男たちと女がかえってきた。 巡礼たちが声をあげた。信仰の対象である「石の男」が消えたことはこの世界の消滅を意味するのかもしれなかった。 そして、続いて男たちが出現したのだ。石の男が、心の底に取り込んでいたのだ。 時代が変化しつつあるという実感が巡礼たちの心に芽生えていた。 その恐怖が人々の心に伝染していく。 「よく、帰ってきた、アルク」祭司長マニは両手をアルクの両肩においた。 「それでは、通信機の声はあなただったのですか」アルクの耳の中の声だ。 「そうだ、だれかが、この世界からでていって、聖砲をもって帰ってくることは、石の壁に書かれていた。石の壁の文字を読めるのは私マニだけだったのだ」 やがて祭司長マニは決心したようだった。 「アルク、もう我々は後戻りできん。君はこの若者の導師となり、すべての出来事を掌れ。我々は手助けをしょう。石の男が消滅した以上、石の壁を復興させなければならん。そのためには北の詩人が必要だ」 「北の詩人はどうやら、私達のいた世界にいるようよ」ミニヨンが光二に告げる。 「君のいた世界だって」祭司長マニがたづねる。 「そう、おまけに復興ドームのVグループが秘密をにぎっているようね」 祭司アルクの娘だったミニヨンは皆が驚いているのにもかかわらず、次々と事実を述べていく。 「アルク、娘のミニヨンはどうしたのだ」マニが不思議なものを見るように訪ねた。 「彼女は変身したといっているのです」 「この中では、私が一番、石の民に近いところにいるわ」 ミニヨンが皆を無視してしゃべり続ける。 「マニ祭司長さま、お許しください。どうも、もとのミニヨンにはなかなか戻りそうもありません」アルクは冷や汗をかいている。 「いや、北の詩人の事を彼女ミニヨンは知っていた。北の詩人の事も石の壁に書かれていた」マニはしばらく考えている。 「若者よ」マニは言う。 「いや、俺は光二という」 石の民 第24回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.25
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IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/23/ 石の民「君は星星の船」 第23回 ■石の男ムリムの心底にいた彼女はミニヨンでもアリサでもないと言う。いわば進化したと。光二の指輪で彼女は石の男を消し去る。死せる者の船にこの世界の秘密が在るという。 石の民「君は星星の船」 第23回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ この声は聞いたことがある。少女のころからの。ミニヨンは意識を失っていた。 祭司アルクと光二の前に、突然、別の分心が現れる。ミニヨンだった。 『ミニヨン』アルクは叫ぶ。 『ミニヨン、なぜ、私の心の牢から脱出できたのだ』石の男ムリムが叫んでいた。 ミニヨンは光二の分身にかけよると、くすり指にある指輪を引き抜く。 『あっ、何を』光二の叫びにはかまわず、ミニヨンはその指輪を石の男に向ける。 『まさか、お前は 、いかん』 それが、石の男ムリムの最後の言葉だった。 石の男の姿は指輪からはっする光りの中で消滅していた。 『ミニヨン』 『姉さん』二人は思わず駆け寄る。 『ミニヨン、大丈夫だったか』アルクが叫ぶ。 『姉さん、生きていたのか』続けて光二が叫ぶ。アルクがむっとして、光二にどなる。 『光二、待ちたまえ、ここではっきりさせておこう、この子は私の娘ミニヨンだ。君の姉さん有沙ではない』 『姉さん、姉さんなんだろう』光二はアルクの言葉を無視してミニヨンにはなしかけていた。 『私、私はだれでもない。新しい生命よ』彼女は言った。以外な答えだった。しばらく、二人は声もでない。 『どうしたんだ。ミニヨン』アルクは戸惑っている。 『光二、アルク、私はミニヨンでも有沙でもない。進化した存在となった。ある人と石の民に会うためにね』 『何をいっているのだ。ミニヨン』アルクはゆっくりと話す。 『アルク、私は幼いころから、変わった子といわれていたでしょう』ミニヨンの顔をした彼女はアルクに尋ねた。 そういえば、祭司アルクは思い出す。 『そのころから、私は進化していたの。 まったく、ミニヨンから異なる別のものへとね。そして、私は石の男の心底で私は変身を遂げた。 まったく別の生き物としてね。だから 、ミニヨンの外観はそうでもまったく別のものなの。 さて、光二、私、有沙は変化した。あなたは私がホースから落ちるところを見ていたわね。不思議な落ち方をしたでしょう。有沙として私はある時期から変化していたの。別世界のものが私を呼んでいたの。誰かが私をホースから突き落としたのは事実だわ。 でも、その一瞬先に私の心の中に叫ぶものがあったの。《有沙、そのホースから、飛び下りなさい》とね。 その声は有無をいわさなかったわ。 私はホースから落ちて、ドーム世界で死に、この石の男の世界で蘇ったの。だから、私はミニヨンであり、有沙でもあるの』ミニヨンーアリサは長く語った。 『石の民はどこにいるのだ』アルクがたずねる。 『死せる者の船にいるわ』ミニヨンーアリサは答える。 『死せる者の船だと』 『石の男ムリムもそこから、やってきたの。すべては、この世界はその船からはじまったのよ。私は石の男の中で変身した時、それがわかったの』 石の民 第23回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ #石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.25
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/28/ 源義経黄金伝説■第29回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 西行は、義経に対して、東大寺の再建の勧進聖、重源ちょうげんから預かったものを渡す時がきたと考えた。 「さあ、義経殿。やっと二人になれたところで、重源殿からの贈り物です」 西行は義経に布包みを差し出している。 「これはどうもありがとうございます。さて、これは…」「まあ、まあ、開けてくだされ。それからお話しいたします」 西行は、にこりと微笑んだようであった。 「おお、これは、建物の図面ではござりませぬか。これを私のために…」 源義経は子供のように、喜んでいた。「そのように喜んでくだされるならば、西行は、いささか恥ずかしく思います。 いやいや無論、私が図を起こしたものではない。ほれ、お主も知ってござろう。重源様の絵図なのじゃ」 「おお、あの東大寺を再建されておられる重源様の…」「よいか、私が直々重源様に頼んだのです」「一体何故に、このような絵図を」「よいか、義経殿」 西行は真剣な顔付きとなり、義経の方へ膝からにじり寄った。 「これはあくまでも二人だけの話ですぞ」 義経は西行のただならぬ気配を感じ、顔色を変えている。 「奥州藤原氏を信じてはなりません」「何を仰せられます。あの藤原秀衡殿が…」 「まあ、義経殿。落ち着いて聞きなさい。秀衡殿は別じゃ。秀衡殿のお子様が問題なのじゃ」「子たちが一体私に対して企みを持っておられるといわれるのか」 「そうじゃ、義経殿。己が身の上考えて見なされい。いずれの身かわからぬお主を育ててくれ、勉強されてくれたは秀衡殿。が、子たちはお主のこと、よくは思っていまい。考えてもみなさい。義経殿がいることで平泉が危険になっておりますぞ」 「私に、この平泉から逃れよとおっしゃるのか、西行殿。それはあまりではございませんか。私と秀衡様のこと、西行殿はよくご存じではないでしょうか」義経は涙を流さんばかりである。 「よいか、義経殿。この絵図の通り建物を建てなおされませ。そして密かに北上川の抜け穴を作られよ」西行は、秀衡を動かし人即に手配をさせていた。「抜け穴ですと、私は敵に後ろを見せる訳にはいきません」 「万が一のための予防策でございます。そして、この造作には、この男を当てられよ」西行は後ろから、人を呼び入れた。人影が急に義経の前に現れている。 「お初にお目にかかります。南都東大寺からの使者、東大寺闇法師、十蔵と申します。重源様から命を受けて、この平泉まで参りました。どうか、この建物の作事の支配方は、私にお任せくださいませ」 西行が一人ごちた。 「不思議な縁でござりました。平清盛殿、と私は北面の武士の同僚でございました。平清盛殿は平家による日本の支配を確立し、この私は義経殿をお助けしたのです。治承・文治の源平の争いの中を、私は伊勢に草庵をかまえ、戦いとは無関係に生き残ってこれたのも、秀衡殿のお陰です。食扶持の費用は、秀衡殿にまかなっていただいた」 「西行様にとって、秀衡様はどのようなお方なのですか」 「そうでございますな。あれは私が二九才の折りでございましたか。京都で秀衡さまにお会いいたしました。そのおうた折り、佐藤家に、夢を与えて下さったのです」 「夢ですとと」 「そうです、京の戦いにもかかわらず、奥州には、この平泉のような仏教の平和郷、極楽郷があるという夢です。私が昔、この平泉を訪れた時の思い出は、、この戦乱の世に、いつも、目に焼き付いていて慰めとなるは、この平泉、束稲山の桜の姿、、なのです。あれが、この世にあっては、何か平和の証しのように私には見えたのです」 「西行様は、桜の花がそれのどまでにお好きなのか」義経がたづねる。 「私は、月と花をよく謡います。日本の「しきしま道」の根本なのです。が、この何年か身近に人の死をみすぎました。その京の地に比べ、この奥州平泉の地、なんと静かなことよ。100年の平和、その時期をお作りななれた奥州藤原氏の見事さよ」 源義経が深くためいきをつく。「西行様は、秀衡さまと御同族と聞いております」 「さようでございます」「では、勇者、藤原秀郷様の子孫ですか」 「そうです」「兄上頼朝様が西行さまに在られてごきげんはいかでございましたか」「銀の猫をいただき歓待させました」 「藤原秀郷の子孫、西行どのが、坂東新王、頼朝殿を、つまり新しい反乱王平将門まさかどをとどめるわけですか」 「私にとってもこの地は安住の地、が、この私の存在が、この平泉の地を、地獄に変えるかもしれません」義経はひとりごとを発するがごとく言った。 (続く)20210903改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.25
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/27/ 源義経黄金伝説■第28回★東北の黄金王国、平泉、秀衡の政庁である伽羅御所で、宴が行われる。源義経と西行とが挨拶をかわし、 京都鞍馬山でのいにしえの邂逅を話す。 源義経黄金伝説■第28回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 秀衡の政庁である伽羅御所で、宴が開かれていた。 秀衡が上機嫌で、招かれた西行に挨拶する。「西行殿、今日はよう来てくだされた。お知り合いを紹介しょう」 「この西行の知り合いですと、はて」 秀衡はほほえみながら 「これへ、、」 小柄な優男が、障子の向こうから現れて、西行に深々と頭をさげる。「西行様、義経でございます」 「おお、これは……もうやはり平泉に着いておられたか」 西行は、身繕いを正す。「それでは、私はあちらへ……ゆるゆるとお話下され」秀衡は気を使い、二人っきりにしてくれた。 西行は源義経に深々と頭をさげた。「私が西行、歌詠みの僧です」「西行様、ありがとうございます」 義経が、逆に西行に対してまた深く頭を下げる。「これこれどうなされた。源氏の武者が、歌詠みの老人に頭を下げるとはめんような」 「いえいえ西行様、お隠しありますな」「これは何をおっしやるのか」 西行が名乗りをあげるのは、この時が始めてである。それ以外は、鬼一眼が義経牛若丸の相手をしている。正式な紹介は今までなかったのだ。 「昔、私が鞍馬に引き取られたのも、西行様のお働きがあったと聞いております。また商人金売り吉次殿が、この平泉に私を連れて来てくれたのも、西行様のお口添えと聞いております」 「はて、またおかしなことを申される。私は単なる歌詠み。それほどの力は持っておりませぬ」 「いえいえ、お隠しあるな。私の供者、弁慶が知識の糸は、日本全国に散らばる山伏の知識糸でございます。この世の動き、知識は、世にある山伏の、すべて口から口へと伝えられております。 西行様、お礼を申し上げます。この平泉で秀衡様に我が子のように可愛がられたのも、西行様の口ききのお陰。いや、またこの私が、平家を壇の浦で滅ぼすこと ができたのも、十五才の折りよりこの平泉王国や外国で学びました戦術のお陰でございます。すべては西行様の縁えにしから始まっております」 義経はふと、十五年前の京都の鞍馬山、僧正ケ谷を思い起こしていた。 ■この後、秀衡の政庁である伽羅御所の北に離れている義経の高館へ。西行は招待されていた。 義経は、自分の屋敷で、うって変わって弱気になる。「のう、西行殿、私はだれのために戦ってきたのであろうか」 源義経は。急に気弱になって父親に話すがごとくである。 「何をおっしゃる。今、日本で天下無双の武者であられる義経殿が、何をお気の弱いことをおっしゃられる」「しかし、西行殿」源義経の顔がこわばっている。ある思いでが義経の精神な傷としていつも義経の心にある。 「私の最初の……父親の膝の記憶は、何と清盛殿なのです。母、常盤が清盛の囲い者であったからのう。養父の大蔵卿長成殿の記憶は、あまりないのです」 「……」 「それに平泉についてからは、秀衡殿の北の方、また外祖父の藤原基成殿の保護をうけました。奥州藤原氏と京都藤原氏との眼に見えぬ縁あるあるいは糸があったのです」 「……」西行は、ただ聴き入っている。義経は、自らの心の闇をのぞき、自分の過去半生を知る西行に、おもいのたけを打ち明けていた。 「考えて見れば、私の一生は、いろいろの人々の糸がもつれ合っております。源氏の糸、京都藤原氏の糸、奥州藤原氏の糸、後白河法皇様の糸、眼に見えぬ平家の糸」 義経は少し考えていたのか、しばらくおいて話した 「いま考えれば、平家の糸があればこそ、平家の長者平宗盛殿、平清宗殿を、あの戦いの折り、殺さずにおいたのじゃ。それが一層兄者頼朝を怒らせてしもうたとはのう。何という世の中だ」義経、溜め息をつく。 「そして、、、最後は西行殿が糸です。西行殿も奥州藤原氏のご縁です。それに加えて、西行の別の糸がございましょう」 「私の別の糸とは」「結縁衆の糸です。いや山伏の糸といってもいいかもしれません」 西行は、源義経の顔をみた「私は、いろいろな糸に搦め捕られて動けませぬ」源義経は、この地で、どうやら鬱状態に入っている。 西行は思う。この和子,義経は、ついに安住の地をみつけられなかったか。背景となり保護してくれる土地がなかったのか。私西行が、この地,平泉に、義経殿を送り込んだのも間違いかもしれぬ。その行為は源義経殿の悩みを増大させたのかもしれぬ。 源義経は、さらに弱気に話す。「ここ平泉が死に場所かもしれません。しかしながら、私は、清衡殿、秀衡殿のように中尊寺の守り神となることはできぬでしょう。私は奥州藤原氏の長者ではないのです」 初代清衡、二代基衡の遺骸は、守り神として、中尊寺黄金堂三味壇の床下に安置されている。 「義経殿は、みづからが、奥州藤原氏になる事をお望みか」「いや、そうではござらぬ。拙者はやはり源氏の武者、華々しく戦って死にとうござる。が、戦う相手が兄者では」ためいきをついている。 「迷われておられるのか」西行は、こころの奥深いところから、怒りがわき上がってきた。 「義経殿が迷いが、この平泉仏教王国を滅ぼされますぞ」この義経の弱気が平和郷を崩壊させる。 「しかし、この仏教王国も元々は奥州藤原氏が造られた。私が、この国の大将軍になるは荷が重うございます」 「秀衡殿のお言葉がございましょう」「その言葉、仕草が重うござる。何せ戦う相手は兄者が軍勢。また相手の武者ばらは、私が一緒に平家ご一党を滅ぼした方々。いわば戦友。その方々を相手に戦わねばならぬ」 西行は京都の松原橋の事件を思い起こしている。 「義経殿、私はこの平泉王国が好きなのです。この異国の平泉が。この平泉を私が訪れましたのは、二十六才の頃です。それは、それは、このような地が日本に あるとは…、平泉は仏教王国、聖都です。このような平和な美しい都が、末長く続いてほしいのです。この度の、私が平泉をおとづれる目的も知っておられま しょう」 「聞いております。法皇様は、この平泉が鎌倉と事を構えないように、お考えになっておられるとのこと、相違ございませんか」 「さようでございます」 「そのために、この義経が邪魔だと」 「そうおっしゃるでしょうな。が、義経殿、秀衡様は別の考えをお持ちです」「と、いうと」 「義経殿のお命を、平泉の沙金で買おうとなさっておいでなのです」 「この私の命を、、沙金でと…」 「お怒りあるな。義経殿もご存じでござろう。南都東大寺が平重盛様に先年焼かれてしまいました。その勧進使度僧を重源上人がこの私にお命じになり、この平泉までやって参りました。私西行は平泉への途上、鎌倉へ寄り、頼朝様にも会っております」 「兄者と…」義経、表情が変わる。「いえいえ、心配なさるな。義経殿へのはかりごとを、秀衡様とあらかじめ書状で取り交わしておりました」 「兄者は何と…」 「義経様も、お聞き及びでしょう。東大寺勧進が、頼朝様は金千両、それに対して秀衡様は何と金五千両。その差四千両。これではあまりに差がつきます。それで秀衡様より、内密に頼朝様に金四千両の沙金をお渡しする約束できております。それを東大寺へお送りします」 「私の命を、平泉の砂金四千両で買おうとうわけですか」「いえいえ、頼朝様のこと、今は四千両を受け取り、後々様子をお伺いになりますでしょう」 「それが平泉からの物資、必ず鎌倉を通すという約定の本当の目的なのですか」「さようでございます」 続く20210901改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.24
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2021年12月17日 | 石の民「君は星星の船」(1989年)IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/22/ 石の民 第22回■石の男ムリムは、この宇宙の創造者は私だと言い切る。石の民はそれぞれ自分の世界の神となるのだという。光二には理解できない。石の男、心の中でミニヨンは泣いていた。そして。 石の民 第22回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 石の男は、自分の心底に意識を戻す。 『光二とやら、聞きたまえ。私は石の民の一人なのだ。いいかね石の民は世界を創造できる。この世界、宇宙をつくったのは私だ。そうだ、石の民一人一人がそれぞれ世界をつくれる。 私ムリムだけが、ある事情があり、この「石の壁」に残っていたのだ。 我々ははたしてどこからきたのかわかりはせん。 ただ石の民の過去の記憶をもつ伝説の人がこの壁の前に 現れた時、我々はいくべき所と過去をしることになる』 光二にはチンプンカンプンだった。何をこのおっさんはクちゃべっているのだ。 『我々の記憶は告げている。伝説の人の名前は北の詩人と』石の男は告げた。 光二は考える。 今自分がここにいる、ここは石の男の心底だ。じゃ、今、考えている俺自身は何者なのだ。 不思議な体験だった。 『光二、君が望むのなら、君を石の民に加えてやろう。君は、君の世界をつくれる。自分自身が、世界の神となれるのだ。どうだ、いいか、私に協力したまえ』 『石の男ムリム、光二にまで、干渉するな。娘ミニヨンをかえせ。そうしなければ、聖砲を使うぞ』ジュリの祭司アルクは言った。 『しかしたずねるが、はたして、アルクよ、光二よ、君達はその聖砲をつかえるのかね。また聖砲のもつ意味合いをはたしてわかっているのか』 確かに聖砲の使い方はわからない、祭司アルクは痛い所をつかれた。 『光二、かまわん、聖砲を使え』 『無茶言うよ。、アルクのおっさんよ、使い方など俺はしらんぜ』 『この期に及んで、何をいう、光二』 『だから、俺はいったろう、しらないって』 『ははは、ばかものめ。我々のみがその聖砲の意味をしっている』石の男ムリムは笑い飛ばす。 ●とうさん、とうさん、私はもとの世界へ戻りたい。 とうさん、助けに来て。 ミニヨンは石の男の心底で毎日なきくれていた。 なぜ、私が、この石の男の心底で、それに、石の男は私をアルナと呼ぶのだろう。 アルナっていったいだれなの。 ミニヨンの前に光が現れた。 ミニヨンは恐怖で一杯になる。 また何か、悪いことが私の身におこるのだ。なぜ、私だけが。 「ミニヨン、怖いか」女の声だった。 「あなたは」 「ミニヨン、おいで」「どこへ」「この私の光のなかへ。そうすれば、お前はこの石の男の心底。牢獄から逃げられるのよ」 ミニヨンはその光の中にさそわれがまま入っていた。 光の中にはミニヨンと同じ顔をした女の子たちで一杯だった。 この声は聞いたことがある。 少女のころからの。ミ ミニヨンは意識を失っていた。 石の民 第22回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ #石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.22
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2022年01月22日 | 源義経黄金伝説(2022年版)YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/26/ 源義経黄金伝説■第27回★西行は奥州、藤原秀衡に平泉を第二の京都とする案をいかがかと尋ねる。その考えは後白河法皇にもあるのだ。 源義経黄金伝説■第27回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 西行はその平泉東稲山の、京都東山の桜に似た風景を愛でた。「変わってしまったのは、我らのほうです。西行殿、自然はこの後千年も二千年も桜の花を咲かせましょう。が、我々の桜はもう散ってしまったのです」 「何を寂しいことを申される、秀衡殿。平泉という桜も今は盛りに咲いておるではございませんか」 「しかし、西行殿。平泉という桜は、いずれ、散ってしまおう」「西行殿だからこそ、話もいたしましょう。この陸奥の黄金郷、末永く続けたく思っておるが、悩むのは、私がなくなった後のこと」「なくなるとは、また不吉な」 「いやいや、私も齢六十七。後のことを考ておかねばなりません。六年前までおられた義経殿を、ゆくゆくはこの我が領地の主としようと画策致しましたが、我が子の清衡は、いかんせん、私の言うことを聞きそうにありませぬ」 「ましてや、義経殿が、この奥州を目指していられるとの風聞もある由、そうなれば鎌倉殿と一戦交えねばなりますまい」 「西行殿、再び、平泉全土をご覧になってはどうじゃ。この平泉王国、けっして都に引けは取りますまい。この近在より取れる沙金、また京の馬より良いと言われる東北の馬が十七万騎。いかに源頼朝殿とて、戦火を交えること、いささか考えましょうぞ。そこで西行殿、ご相談だ。この秀衡、すでに朝廷より大将軍の称号をいただいておる。加えて、天皇の御子をこの平泉に遣わしていただきたい」 「何、天皇の御子を平泉に…」 「さよう。恐らく、西行殿も同じことをお考えになっておられるに相違ない。この平泉、名実ともに第二の京都といたしたいのです。今、京の荒れようは保元事変以来、かなりの酷さと聞き及びます。 どうぞ、御子をはじめ公家の方々、この陸奥ではあるが、由緒正しき仏教王国平泉へ来てくださるようにお願いいたす。秀衡この命にかえましてお守り申しそう」 平泉を第二の京都に、その考えは後白河法皇も考えていたのである。が法皇はそれにある神社を付け加えたいと考えていた。保元の乱にかかわったあの方。そして西行もかかわったあのかた。 崇徳上皇である。 京都は霊的都市である。 京都を建設した桓武は怨霊の祟りを封じ込める方策をした。当時の最新科学、風水、陰陽道である。 東北にあたる鬼門には、比叡山を置き、西北には神護寺がある。文覚の寺である。 またその対角線には坂之上田村麻呂を意味した将軍塚をおいた。将軍塚は東北征伐を意味する。 坂之上田村麻呂が征服した東北、鬼門が奥州である。 奥州平泉に比叡山にあたる神社をおけばよい。そうすれば、後白川法皇は、京都朝廷は崇徳の祟りから防衛できる。そう考えていた。 西行は、「しきしま道」すなわち言葉遣い士、言う言葉に霊力があり、西行が歌う言葉に一種霊的な力があるとした。 和歌、言葉による霊力で日本を守ろうとし、西行を始めとする歌人を周回させている。 西行はその意味で歌という言霊を使う当時の最新科学者。言葉遣い士である。 西行は、それゆえ歴史に書かれてその名が残るように行動した。 現世よりも死後歴史著述にその名が残るように行動した。そういう形で西行の名が不滅であるようにした。 西行の行動様式こそが歌人の証明であった。いわば祝詞という目出度い言葉を口にさせで、目出度い状況をつくりあげるのだ。 万葉集という詩華集以来、日本は世界最大の言霊のたゆとう国である。 平泉を第2の京都には、実質は奥州藤原氏によって立ち上げられている。後は祭事行為をどこまで、認めるかである。 「秀衡殿、そうならば、鎌倉の頼朝殿の攻撃から逃れられるとお考えか」 「甘いとお考えかもしれぬ。しかし、我が子泰衡の動き、考え方などを見るにつけても、泰衡一人で、この陸奥王国を支配し、永続させていく力はございません」 「が、源義経殿がおられましょう」「源義経殿は、いまだ、どこにおわすか」 「秀衡殿、お隠しめされるな」西行は語気強くいった。 「何と…」秀衡は慌てていた。「すでに義経殿は、秀衡殿の手に保護されておられるのではないか」西行は疑う様子が見える。 「何を証拠に…」慌てる秀衡に対して、西行は元の表情に戻っている。 「いえいえ、今の一言、この老人のざれ言、気になさらずとも良しゅうございます。もし義経殿がおられるとしたらどうするおつもりかな」 「そうよ、それ、もしおられるとすれば…。西行殿もご存じのように、津軽十三湊とさみなと、我が支配にあることご承知でしょう」 「知っております」 そうか、その方法があったのかと西行は思った。海上の道である。 「あの十三湊は、大陸との交易につこうています。今、大陸では、平清盛殿のおりとは違って、宋の力も落ちているとのこと。もし鎌倉殿の追及が激しければ、義経主従、かの国に渡っていただこうと思っております」 「おお…、それはよき考え」 「つまり、義経殿は、この日の本からいなくなるという。それで頼朝殿からの追及を逃れる。加えて法皇様の力で、この平泉政庁を第二の京都御所にしとうございます。そうすれば、この平泉仏教王国は、京都の背景を受け安泰でござる。そのためにはぜひとも…」 秀衡は砂金を使い、砂金をそれこそ、金の城壁にして平泉を守ろうとしている。 京都はそれできくだろう、 が、鎌倉は、源頼朝殿は、そうはいくまい。西行は思った。 源頼朝は、源氏の長者は、その金そのものがほしいのだから。 「その東大寺の沙金、そうした意味の使い方もございますか」 「さようです。無論、東大寺の、重源殿に渡していただければ結構。しかしそれがすべてではございまぬ。どうぞ、後白河法皇様にこの秀衡の話を、取り次いでいただけませぬか」 「わかりました。この西行がこの老いの身をおして、再び平泉の地を訪れたのも、この極楽郷、平泉の地がいかがなるかと気に致してのこと。 秀衡殿、この地、永遠に残したいという思いあればこそ、二ヵ月もかけて、この陸奥の地を踏みました。よくお受けくださいました。法皇様も喜ばれることでございましょう」 西行の思いは半ば成立している。 崇徳上皇様、法王様、喜び下されい。これで少しは鎌倉殿の勢力を押さえる事が可能かも知れない。 西行は四国の寒々した崇徳上皇綾を思った。 同じ寒さでも、ここは、崇徳上皇様にとって暖かかろう。西行は、この平泉平和郷を守りとうしたかった。 ここでなら、西行の守る西国王朝、京都の言葉の武器「しきしま」道も守れるかもしれん。 平泉の衣川べりの高い台地に、新しい館が建っている。高館たかだてと平泉に住むものどもは呼んでいる。 館の下を二人の雑色がとうりかかり、館を見上げる。 「おお、あれはどなた様のお館なのだ」「お前、知らぬのか。あれは高館御所。義経様と郎党の方々が住んでおられる」「おお、あの義経殿か。それでもお館様の伽羅御所に比べれば、小さいのう」「まあ、これは俺が聞いた話だが、泰衡様が、義経様に対して、あまりよい顔をなさってはおられぬ」「なぜだ」「それは、お前。秀衡様は、我が子泰衡様より義経様をかっておられるからだよ」 続く202108改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.22
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/25/源義経黄金伝説■第26回★平泉・秀衡屋敷で西行を待ち受ける藤原秀衡がいる。秀衡は四十年の旧交を温めようと西行を待ち望んでいたのだ。 源義経黄金伝説■第26回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 西行はようやく平泉にたどり着いていた。平泉全土の道路に1町(約108m)ごとに張り巡らされた黄金の阿弥陀佛を描いた傘地蔵が、ここが、新しい仏教世界を思わせる。 この地が仏教の守られた平和郷である事をしめしている。長い奥州の祈念が読み取れるのだ。 「おお、ここだ。この峠を越えれば平泉は望下の元だ」 「では、西行様、我々はこれにて姿を消します」東大寺闇法師、十蔵が告げた。「何、お主は、私と同じ宿所に泊まらぬつもりなのですか」 「はい、私の面体にて、藤原秀衡様に変に疑いを生じせしめらば、東大寺への勧進に影響ありましょう。私は沙金動かすときに現れます」 十蔵は、西行の前から音もなく消え去る。また十蔵につかづ張られずの、背後にいた結縁衆けちえんしゅうの気配も同じように消えている。 今、西行の前に、平和なる黄金都市平泉の町並みが広がっていた。西行の心がうごめいている。 平泉は京都とそっくりにつくられている。賀茂川にみたてられた北上川が、とうとうと水をたたえ流れている。 東の山並み束稲山は比叡山である。この桜を、西行との友情のため秀衡が植えてくれていた。 平泉は当時人口十数万人を数え、この時期の日本では京都に次ぐ第二の都市となっていた。清衡以来、わずか100年でこのように発展したのは、この黄金の力による。 奥州王国は冶金国家であり、その基本は古来出雲から流れて来た製鉄民の集まりである。金売り吉次が重要な役割につけたのも、岡山のたたら師であった出自であったからだ。 平泉・秀衡屋敷で西行を待ち受ける藤原秀衡は、この時六十七歳である。 「西行様、おおよくご無事で、この平泉にこられたました」秀衡はまじまじと、西行の顔と姿を見る。「秀衡様、お年を召されましたなあ」西行も嘆息した。 「前にお会いした時から、さあもう四十年もたちましたか。西行殿、当地に来られた本当の理由もわかっておりますが、私も年を取り過ぎました。息子たち、あるいは義経様がおられましたら、法皇の念ずるがままに、この平泉の地を法皇様の別の支配地に出来ようものを。残念です」 「季節はすぎております。お見せしたかった。おお、東稲山の桜は、きれいに咲いておりまする。その美しさは、ふふ、四十年前と変わらぬではございませぬか」 続く20210830改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.21
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/24/ 源義経黄金伝説■第25回 西行は、多賀城に居る吉次と源義経救出について話しあう。平泉に向かう奥大道を歩く 静かの一行と出会う。その後静かは黒田の悪党に拉致される。 源義経黄金伝説■第25回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 平泉で、義経が感激している時期、西行は少し離れた、多賀城たがじょう(現・宮城県多賀城市)に入っている。 奈良時代から西国王朝の陸奥国国府、鎮守府がおかれている。つまり、多賀城は西国王朝が東北地方を支配がせんがためにもうけた城塞都市である。 いわば古来からの西国征服軍と先住アイヌ民族戦争での最前線指揮所である。ここから先は、慮外の地、今までに源氏の血が多く流されしみついていた。今も奥州藤原氏勢力との国境にあり、世情騒然たる有様である。鎌倉と平泉との間に戦端が開かれるかいなか、民衆は聞き耳をたてている。 西行は、多賀城にある金売り吉次の屋敷を訪ねる。 屋敷はまるで、御殿のようであり、「大王の遠つ朝廷みかど」多賀城政庁より立派な建物と評判であり、金売り吉次の商売の繁盛を物語っている。ここ多賀城だけではなく、日本中に吉次の屋敷はあるのだ。 二人は先刻から、座敷に対峙していた。 吉次は赤ら顔でイノシシのような太い体を、ゆらゆらと動かしている。体重は常人の倍はあるだろうか。西行は、思いが顔にでていまいかと、くるしんでいる。話はうまく行ってはいない。 「吉次殿、どうしても秀衡殿の荷駄の護衛を受けてくれぬか」 吉次はふっとためいきをいき、上目つかいで、ためないながら言った。 「西行様、、、、いくら西行様のお願いとて、吉次は、今はやはり商人でございます。利のないところ商人は動きませぬ。今、藤原秀衡様は鎌倉殿と戦いの火ぶたを切られようとするところ。さような危ないところに、吉次の荷駄隊を出すことはできませぬ。やはり、昔のような事ができませぬ」 「わたしとお主との旧い縁でもか」「牛若様、いや義経様が、鎌倉殿とあのような、今は、、、やはり、時期が悪うございます」「吉次殿、お主も偉くおなりだな」 西行は吉次に嫌みを言った。一体誰のお陰で、、この身上を吉次がきづけたのかという思いが西行にはある。 「西行様、もうあの頃とは時代が違ごうてございます。今は世の中は、鎌倉殿、頼朝様に傾きつつまると、吉次は考えます」 「そういうことなら、仕方あるまい」 西行、吉次の屋敷振り返りもせず出て行く。先を急がねば、いつの間にか、姿を消していた重蔵の姿が現れている。 この2人をとりまくように、人影がまわりを取り巻き歩いている。鬼一方眼が使わせた結縁衆である。 西行は重蔵に語りかけるのでもなく、、一人ごちた。 「不思議な縁だよ。いろいろな方々との縁でわたしは生きておる。平清盛殿、文覚もんがく殿、みな、北面ほくめんの武士の同僚であった。清盛殿は平家の支配を確立し、文覚は源頼朝殿の旗揚げを画策し、この私は義経殿をお助けしたのじゃ。がしかし、この治承・文治の源平の争いの中を、この私が生き残ってこれたのも、奥州藤原秀衡ひでひら殿のお陰だ」 西行は昔を思い起こしている。 西行は、多賀城にある吉事屋敷をでて平泉に向かう奥大道を歩いていた。前を歩く小者と乳母をつれた女性が静であるとに気付き、呼び止める。 「静殿、静殿ではござらぬか」「ああ、西行様」静は西行に気づいている。静も平泉を目指していると言う。 「お子様のこと、誠にお気の毒でござる。が、御身が助かっただけでもよいとはせぬか」西行はなぐさめようとした。「我が子かわいさのため、あの憎き頼朝殿の前で舞い踊りましたものを。ああ、義経殿の和子を殺されました。ああ、くやしや」 「その事を確かめるのも、みどもの仕事であった。後白河法皇さまから、言われておったのじゃで、静殿、この後はどうされるおつもりじゃ」静は、少し考えて言った。「行く当てとてございません。母、磯禅尼とも別れたこの身でございます」 「禅師殿とのう。さようか、そうなれば白河の宿の小山家こやまけまで行ってくだされぬか。我が一族の家でござる」西行の一族、藤原家はこの板東に同族が多い。その一の家にとどまれと西行はいうのだ。 「白河の関。まさか、義経様がそこまで…」「はっきりしたことは言えぬ。が、義経殿に会える機会がないとも言えぬ」「私が、西行様と同道してはならぬとお考えですか」 「ならぬ。儂の、この度の平泉への目的は、あくまでも東大寺の勧進だ。秀衡殿から沙金を勧進いただくことだ。女連れの道中など、目立ち過ぎる。鎌倉探題の義経殿に対知る詮議も厳しかろう。それに、いくら私が七十才を過ぎた身なれば、何をいわれるかわかり申さぬ」 しづかは、ある疑いをたづねた。 「ひょっとして、西行様。わが母、磯禅尼とはなにか拘わりあいが、若き時に」静はつねから、疑問に思っていたのである。 「これ、静殿、年寄りをからかう物ではない」が、静は自分の疑問がまだ広がっていくのを感じた。 西行は、自分と乙前があったあの神泉苑で、その思い出の場所で、この若い二人が、義経と静が、出会うとは思っても見なかった。縁の不思議さを感じている、やがて西行は意を決して言葉を発した。 「これは義経殿よりの便りじゃ」「えっ、どうして、これが西行のお手に」「儂がこのみちのくへ旅立つ前のことじゃ。実は、儂の伊勢にある草庵に、義経殿の使いの方がこられて、これを鎌倉のいる静殿に渡すよう頼まれたのじゃ。あの鎌倉では危のうて渡せなんだ」 「西行さま、義経さまとは」「たぶん、平泉であえるだろう」 「平泉。どうか、私もお連れください」「それはならぬ。頼朝殿の探索厳しい、そのおりには無用だ。この地にある小山氏屋敷に止まっておられよ。きっと連絡いたそう。これが私の紹介の書状です。私の佐藤一族がこの地におる」 「きっとでございますよ」静は祈念した。 西行と分かれ旅する静たちに気付く数人の騎馬武者がいる。 遠く伊賀国黒田庄に住まいしていた悪党、興福寺悪僧、鳥海、太郎左、次郎左を中心とする寺侍、道々の輩の姿の者どもが板東をすぎる途中に、14人に膨れあがっている。その一行である。 黒田庄は東大寺の荘園であり、東大寺の情報中継基地の一つであった。大江広元からの指示を得て、西行のあとに追いついてきていた。そこでめざとく静をも見染めている。 「おい、あれは静ではないか」鳥海がつぶやいた。「おお、知っておる。見たことがあるぞ」 「あれは京一番の白拍子と謳われたのう。が、確か義経とともに吉野へ逃げて、どうやら頼朝が離したらしいのう」 鳥海が付け加えた。 「ふふう、ちょうどよい。ここでいただこうぞ」「おう、そうじゃ。女子にもとんとご無沙汰じゃのう」「よき話。幸先がよいのう。静は西行へのおさえにもなろう」 なかの三人はゆっくりと、旅装の静たちを追い越し、一定の距離で止まっている。静は何か胸騒ぎを感じた。 騎上の三人がこちらを見ているのが、痛いほどわかる。それも好色な目付きで、なめ回すように見ている。首領らしい三人とも、普通の武士ではない。加えて、心の荒れた風情が見えるのだ。 この戦乱の世でもその人間の壊れ具合が静かには手に取るようにわかる、「そこなる女性、我々の相手をしてくれぬか」静たちは無視して通り過ぎようとした。「ほほう、耳が遠いと見えるわ」「いや、違うじゃろう」「義経の声でないとのう、聞こえぬと見えるわ」すわつ、鎌倉探題の追って、静は思った。 静は走り出していた。が、三人は動物のように追いかけて捕まえている。小物と乳母はその場で切り捨てられいる。 「ふう、どうじゃ。我が獲物ぞ」「兄者、それはひどいぞ」「次郎左、よいではないか。いずれ、西行が帰って来るまで、こやつは生かしておかねばならぬからのう」「それも道理じゃ。ふふ、時間はのう、静、たっぷりとあるのじゃ」 ひげもじゃの僧衣の男がにやついている。静の顔をのぞき込んでいる。 街道の近くにある廃屋の外にひゅーっと木枯らしが吹いていた。 可哀想な獣たち。 静は、太郎佐たちを見てそう思った。 きっと、この戦乱が悪いに違いない。静は舌を咬んで死のうかと思った。が、万が一でも、義経様に会えるかもしれない。この汚れた体となっても、義経様はあの子供のような義経様は許してくださるに違いない。 静はそう思い、いやそう念じていた。この獣たちと生きて行くが上の信仰となっていた。 この獣たちは、静の体を弄ぶとき以外は、非常に優しかった。 静という商品の価値を下げてはいけないという思いと、以外と京の白拍子という、京に対する憧れが、静を丁寧に扱わせているのかもしれなかった。 「おい、鳥海。あの笛、止めさせぬか。俺はあの音を聞くとカンが立つ」太郎左が言う。 静が廃屋で、源氏ゆかりの義経からもらった形見の薄墨の笛を吹いているのである。「よいではないか、兄者。笛ぐらい吹かせてやれ」「次郎左、お前、静に惚れたか。よく庇うではないか」静は、我が体が死しても義経に会わなければならなかった。こうなった今はなおさら、 続く 201308改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.20
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鈴木純子作品よりhttp://www.yamada-kikaku.com/suzuki-junko/ IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/21/ 石の民「君は星星の船」第21回■アルクと光二は、石の男の心に沈む。が逆に石の男ムリムは、光二の心にダイブしてきた。そして光二の心の中に同じ意志の民アインを発見する。 石の民「君は星星の船」第21回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 「決まっているだろう。石の男の心底へだ」祭司アルクは言う。彼は娘ミニヨンを石の男の心そこから助けたい一心なのだ。 「ま、まだ心の準備が」光二のひざがわれそうだった。光二はミニヨンが死んだ光二の姉アリサだと信じているのだ。 「いまさら、何をいう、ここまできて」 「お前は男じゃないのか」アルクの祭司仲間ガルナが叫んでいた。今度は祭司ガルナが光二をばかにする番だった。「このおっさんにいわれると。ようし、早くいこうぜ、アルク祭司」 二人は沈んだ。 目の前にある石の壁、その中心にある石の男の中に。 『わっ、ここはいったい』『ここが、石の男の『心底』だ』 ここはリあるな世界ではない。石の男の心の中なのだ。光二のイメージとはかなり違う。灰色の霧がもやっている感じだった。二人のところに一陣の風が吹く。二人の前に石の男が立っていた。 『アルクか、しょうこりもなく帰ってきたのか。アルク、いくら私のところへ来ても、ミニヨンを返すわけにはいかんぞ』 石の男はアルクを認めると笑ったようだった。 『今度こそ、ミニヨンを返してもらう』アルクがはりきっている。 石の男は、アルクのそばにいる光二に気がついた。 『アルク、その男はだれだ』『石の男、よく聞け、この若者は聖砲をもっている。私が世界のはてまでいって探してきたのだ』 『なに、聖砲だと』 この若者が聖砲をもっている。ひょっとして。が、なぜ、アルクが聖砲の事をしっているのだ。ひょっとして「死せるものの船」になにかがあったのかもしれん。 一度この若者にかまをかけてみるか。石の男は、光二にいぶかしげに尋ねる。 『光二とやら、君は石の民ではないのか』 『石の民、いったい、なんだ。それは。俺はVグループの光二だ、フッコウドームじゃちょっとは知られた名前だ。そんなことより、ミニヨンをわたしな』 こいつは飛び切りのバカかもしれん、石の男は思った。が念には念をいれて。 光二には答えず、逆に急に石の男は光二の心にしずんでいた。 光二は樹里の人々とは異なり心理バリヤーなどはならってはいない。 なんだ、こいつの心の中は、ぐちゃぐちゃじゃないか。光二の心の中は原色のかたまりだった。 それに有沙の思いでがいっぱいだった。 これはミニヨンか、いや少し、違うようだが、何か別のものが、驚くことがあった。 光二の心のなかに、別の男の意識が隠されていた。 『お待ちしておりました。ムリム。私を助けにきてくださったのですか』この心はアインという。石の男はよく知っていた。 『ああ、やはり、君か、アイン』石の男の名前はムリムという。 『そうです、あいつに追放されてこのありさまです。この光二とかいう男の心に閉じ込められているのです』 石の男ムリムの仲間、石の民アインの心が、光二の心底に閉じ込められていた。 『この若者は石の民ではないのだな』石の男ムリムにアインがたずねる。 『そうです。あいつが私アインをとじこめる檻にしたのです』 『ところで、君は聖砲について知っているかね』 『はあ。どうもこの男、光二がもっているようなのですが、なぜか、わからんのです』 『聖砲は、我々があそこから追放された時に盗んだのですが』 『そうなのだ。なぜ、この男の手に』 『まあ、それはいい。さあ速く、この男の心からでるのだ。アイン、ひとりでも味方が欲しいところだ。私、を助けてくれ』 『が、ムリム、この男の体と私の心は結び付けられているのです』 『という事は』 『この男も連れていかざるをえないのです』 『あの船へ、対決するために』 『そうです。聖砲を使って』 『よし、とりあえず、アルクを排除するか。そして、この光二とやらを、我々のために働かそう』 石の男ムリムは自分の心底にまい戻る。 石の民 第21回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.19
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/23/ 源義経黄金伝説■第24回「我が子よ」 秀衡は、義経の体をがっしりと抱き締めていた。義経の少年のような健気さを、奥州の帝王は愛した 源義経黄金伝説■第24回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 奥州の黄金都市平泉にはすでに初雪が舞っている。10万の人口を抱える中心にある藤原秀衡屋敷が騒がしかった。多くの郎党が玄関先に並んでいる。 「我が子よ」 秀衡は、義経の体をがっしりと抱き締めていた。 それは親子の愛情よりも、もっと根深いものであった。 いわば、お互いに対する尊敬の念であろう。が、この二人の仲むつまじさが、秀衡の子供たちの嫉妬を義経に集めたのである。「よくぞ、ご無事で、この平泉まで」義経は肩を震わせている。それは平氏を打ち破った荒武者の風情ではない。「遠うございました。が、秀衡様にお会いするまでは、この義経、死んでも死にきれません」「死ぬとは不吉な。よろしいか、この平泉王国、ちょっとやそっとのことでは、頼朝を初めとする関東武士には、負けはいたしませんぞ。おお、どうなされた、義経殿」 義経は涙を流し、秀衡の前にはいつくばっていた。「くやしいのでござる。実の兄の頼朝殿の振る舞い。それほど、私が憎いのか。疎ましいのか。一体、私が平家を滅ぼしたのが、いけなかったのか。私は父の敵を打ちたかっただけなのです。おわかりでございましょう」 秀衡は、義経の肩を抱き、慰めるように言った。「おお、そうでございますよ。よーく、わかっております。その願いがなければ、あなたを戦の方法を習わせに、女真族の元まで、いかせるものですか」 奥州の帝王、藤原秀衡はゆっくりと義経の全身を見渡し、顔を紅潮させている。「そうなのです。私の戦い方は、すべてこの奥州、さらには秀衡様のお陰で渡れた女真の国で学んだものでございました。おもしろいほどに、私は勝つことができたのでございます」 義経は、頼朝のことも忘れて、目をきらきらさせて、戦の話始めていた。義経の圧倒的な戦い方は、日本古来の戦法ではなかった。外国、特に騎馬民族から学んだ戦い方、異なる戦い方をするということが、坂東武士から嫌われる原因の一つともなっていたのである。 義経は、純粋の京都人でありながら、平泉王国という外国へ行き、そこからまたもう一つ遠くの女真の国へ出向き、新しい地平を見たのであった。 義経は、自分の力を試したかったのだ。自分の力がどれほどのものか。外国で培った戦術がこの日本で、どれくらい有効なのか。義経は、そういう意味で、戦術の技術者であった。 技術者同志ということで、不思議と冶金の技術者であった金売り吉次と気があったのかもしれなかった。もっとも、吉次は、今は商人という技術者だが。 義経は京都人であった。ましてや、源氏という貴人の血を持っていた。また義経は十五歳以降源頼朝の元へ参じる二十三歳までは、奥州人でもあった。奥州は京都から見れば、異国である。義経はいわば奥州という外国生活をした訳である。後年、戦術においては、それまで存在していた戦い方を一変させた義経の戦闘方法は、いわば奥州という外国製である。 義経にとって育ての親は、藤原秀衡である。秀衡は当初義経を京都に対する政治的道具として使おうとしたであろう。 義経の素直さ。また何とも人を引き付けるいわば少年のような健気さを、この奥州の帝王は愛したのである。続く2014改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.19
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/22/ 源義経黄金伝説■第23回■鎌倉の大江屋敷で、静の母である磯禅師と、大江広元が密談している。2人共、京都王朝との微妙な関係の上にたっている。 源義経黄金伝説■第23回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 鎌倉の大江屋敷で、静の母である磯禅師と、大江広元が密談している。大江広元は西行との会談後、磯禅師を呼びつけていた。 「ここは腹を割っての相談だ。二人だけで話をしたい」 怜悧な表情をした京都の貴族であった大江広元はゆっくりとしゃべる。 「これはこれは何事でございましょう。源頼朝様の懐刀といわれます大江広元様が、この白拍子風情の禅師にお尋ねとは?」 磯禅師は身構えている。広元は京都の貧乏貴族、昇殿できない低格の貴族だった。それが、この鎌倉では確固たる権力を手にしている。侮れぬこの男と禅師は思う。 「あの静、本当はお前の娘ではあるまい」 磯禅師の返事は少し時間がかかる。やがて、答えた。 「さすがに鋭うございますね。大江様、確かにあの娘は手に入れたもの」「禅師殿、赤禿あかかむろを覚えておられるか」 急に大江広元は京都の事を問い始める。 磯禅師の頭には、赤禿の集団が京都を練り歩く姿が思い起こされた。「何をおっしゃいますやら、平清盛殿が京都に放たれた童の探索方、平家の悪口を言う方々を捕まえたというは、大江様もご存じでございましょう」 続いて白拍子が清水坂にたむろしている姿も思い出していた。 「いや、まだ話は続くのだ。この赤禿以外に、六波羅から清水寺にいたる坂におった白拍子が、公家、武士よりの悪口を収集していたと聞く。その白拍子を束ねていた女性にょしょうがあると聞く」「それが私だとおっしゃるのですか」「いやいや、これは風聞だ」「……」磯の禅師は黙った。次に来る言葉が怖かった。 ■数年前 京都 尼僧が禿かむろを呼び止めている。京都、六波羅(平家武者の屋敷群)の近くである。「どうや、あの方のこと、何かわかったか」 「あい、禅師様。残念ながら、も一つ情報がつかめまへん」「ええい、何か、何か、手づるはないのかいな」「へえ、でも禅師様…」 禿は、いいかけて言葉を止めた。自分の想像を禅師に告げたならば…。仕返しが恐ろしかった。禿の思いには、何故そのように西行様の情報を…、何か特別な思い入れがおありになられるのか…、答えはわかっているようであった。つまりは嫉妬である。 西行が天皇家の方々に恋をし、またその天皇家の方も、西行を憎からず思っていることを…。、どうしても邪魔をしなければならなかった。 ■大江広元の前、磯禅師の追憶で、顔色は変わっていた。がしかし、次の広元の言葉は禅師の予想とは違った。「が、安心せよ。本当に聞きたいのは、西行殿のことなのだ」 「え、西行様のことですか」 磯禅師はほっとした。 平家のために行っていた諜報活動を責めるのか。いやそうではない。私はお前の過去のすべてを知っているぞという威しであろう。ともかく、安堵の心が広がっている。そこは同じ京都人である。 「そうじゃ。今日、西行殿が頼朝様の前に現れた。西行殿は東大寺重源上人より頼まれて、奥州藤原氏、平泉へ行くと言う。目的は東大寺勧進だと」 「確か、西行様は、七十才にはなられるはず。西行様と重源様とは、高野山の庵生活の折りからお知り合いとか聞いております」 「そう聴いている、が、その高齢の西行殿が、よりにもよってこの時期に、平泉へ行かれるというは、何かひっかかる」 「それで、何をこの私にお尋ねになりたいのですか」「まずは、平清盛殿と西行殿の繋がりだ」 「確か、北面の武士であられたときに知己であったとか、また文覚様とも知己であったと聞いております」 「あの文覚どのと、重源どのは京都で勧進僧の両巨頭だ。清盛殿がこと。西行庵と六波羅とは指呼の間、六波羅へは足しげくなかったか」「特にそれは聞いておりません」 大江広元は、しばし考えていた。 大江広元の声が、磯禅師の耳に響く。「聞きたいのは西行とは奥州との繋がりだ。私も京都にいたとき聞いておるが、あの平泉第の吉次じゃ。あやつが数多くの公家に、奥州の黄金や財物を撒き散らしておるのは聞いておる。そこで、吉次と西行との関係を知りたい」 金売り吉次は、奥州藤原秀衡の家来であり京都七条にある平泉第ひらいずみだいの代表である。平泉第は京都の一条より北にあり、現在でいう首途かどで八幡宮のあたりを中心に、広大な屋敷を構えている。いわば異国の大使館である。 吉次の率いるの荷駄隊は、京都にて黄金を、京都在住に多くの貴族に贈り物として差し出していた。 「そういえば、平泉第は一条より北にありましたな…」「西行法師は平泉第へは通っておらなんだか」平泉第は、この京都においては、平泉王国の大使館に相当する。 「ともかくも西行様、平泉の秀衡様とも確か知己であったはず。そうなれば、京都での西行様の良き暮らしぶりも納得がいきます」「さらにだ、西行は西国をくまなく訪ねている。これは後白河法皇様の指示ではなかったか」「そこまでは私には断言できませぬ」「それもそうだな」「大江様は、西行殿をお疑いですか」「この時期に平泉に行くのが、どうもげせんのだ」 ■西行殿…、なつかしい名前を聞いた。 思わず、磯禅師の顔は紅潮している。大江広元に気付かれなかったろうか。 京都・神泉苑でのことを、磯禅師は思い出している。 多くの白拍子が踊っている。観客は多数である。その中に一際目立つ、りりしい武者がいた。磯禅師は、近くの知り合いの白拍子に尋ねる。「あの方はどなたなの」聞かれた白拍子が答えた。「ああ、あの方は佐藤義清様よ。このお近くのお住まいの佐藤家のご長男ぞ」 磯禅師は佐藤義清の方を見やって、溜め息をつくように思わずつぶやく。「佐藤義清様か」 その白拍子が、微かに笑って言う。「ほほほ、さては、磯禅師さま、一目ぼれか」磯禅師ははじらった。「ばかな、そのようなこと……」 が事実だった。頬が紅色に染まっている。 禅師の十七才の頃の思い出である。 日本を古代から中世へと、その扉を開こうとしていたのは、西行の嫌いな源氏の長者、源頼朝であった。 また頼朝の側にいるのは、貴族階級の凋落を見、新しい政治を求めて鎌倉という田舎へ流れていった貧乏貴族である。その代表が大江広元である。 源頼朝は西行の背景にいる後白河法皇に憎しみを滾らしている。 「あの大天狗、私を騙そうと言う訳か。大江、大天狗にひとあわふかせるべく手配を致せ」 源頼朝が大江広元に命令する。「いかように取りはからいます」 「西行へ、奥州藤原氏より、いだされる沙金を奪うのだ。が、平泉から鎌倉までの道中にてぞ。鎌倉についてしまえば、これから先は鎌倉の責任、黄金を奪う訳にはいかぬ」「さようでございます。また、よくよく考えますればこの沙金、奈良まで着きましたならば、西国にいまだ隠れおります平家の落人たちに渡るやも知れません」 「あの大天狗の考えそうなことよ。北の奥州藤原氏と西の平家残党から、この鎌倉を挟み撃ちにしようとな」「では、義経殿もこの謀に加わっておられると」 「可能性はある。実の子供よりも、源義経を考えておった藤原秀衡殿のことであるからな。また、後白河法皇もいたく、義経が気に入っておった。あやつは法皇の言うことなら何でも聞く」 「頼朝さま。やはり、沙金を必ず奪い取らねば、我が鎌倉の痛恨となりましょう」「さっそく梶原と相談し、しかるべく手配をいたせ」 「わかり申した。すでに手は打って御座います。私、京都におりました時より、東大寺にすこしばかり手づるがございます」 大江広元は、先手をとり、東大寺の荘園、黒田荘の悪党への使者を、すでに旅立たせていた。 使者の目的は、西行への追撃の命令である。 続く20210826改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.18
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鈴木純子作品よりhttp://www.yamada-kikaku.com/suzuki-junko/ T石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/20/ 石の民「君は星星の船」第20回 ■祭司アルクと光二は、光二のいるサーゴン星フッコウドームから、トゥーン星石の壁のあるジュリへワープした。2人で石の男の心からミニヨン(アリサ)を取り返すために。 石の民「君は星星の船」第20回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ ■ 石の民(1989年作品)■■ 第4章 ミニヨン 光二、アルク。二人は石の壁の前にたっていた。 時空間をジャンプしてきたのだ。 光二のいる第2宇宙サーゴン、ドーム都市・フッコウドームからトゥーン星「石の壁」のある宗教の町樹里ジュリまで。 突如現れたこの二人を目ざとく発見したものがいる。祭司仲間のガルナが重い体をゆすりながら、むこうから、走ってきた。 「アルク、アルクじゃないか、お前はこの土地に戻ってはならん」ガルナ祭司が言う。 「アルク、お前の顔は」 ガントはぎょっとした。あの柔和がったアルクの表情が変わっていた。祭司アルクの顔は戦士の顔になっている。驚いたガルナ祭司は、あとは、小さな声で続けた。 「アルク、わかっているだろう。だれもこないうちに、早くここからきえろ。悪い事はいわん」ガルナは心配している。 「ガント、安心しろ。君には迷惑はかけない。私は娘ミニヨンを助けるためにかえってきたのだ」 「どんな方法でミニヨンを助けるつもりだ」 「この男だ」アルクは光二を指し示した。 ガルナ祭司は光二を上から下までなめるように見る。 「こんなへんな着物をきた奴はみたことがない。おまけにガキじゃないか。こんな奴が石の男に立ち向かうのか」光二は怒る 「なんだって、おっさん。俺たちの世界では俺ぐらいのキッズが、ロボットを支配しているのさ。あんたくらいの年ならもう生きていない」 「なんだと、なんというガキだ」ガルナは怒って、光二にくってかかる。 「ガルナ、私はこの彼の力を借りねばならんのだ。彼は秘密の力をもっている」 「へへん、ざまあみろ」 「アルク、そんなこといったってな。祭司会議がなんというか」 「祭司会議がきずく前に我々は石の男の心底に潜り込んでいるさ」 「そんなこといったって、俺の責任になるんだ」ガルナは汗をかいている。冷や汗だ。 「へへん、肝っ玉のちいせえおっさんだぜ」光二は新しい世界と、これからへの期待と不安で舞い上がっている。 「何をいう。このガキめ」ガルナは顔を赤らめていた。 「光二、黙っていてくれ。いいから、ガルナ、早く解決すればいいのだから」 二人が言い争いが続く間、光二は『石の男』を見上げていた。その後ろに『石の壁』が続いているのだ。光二は身震いした。光二の世界のルールがここで通用するだろうか。光二はやや逃げ出したい気分だった。 といって、光二には、アルクがもっていた写真に写っているのが有沙だと思っていた。なぜ、この世界の人間が有沙の写真をもっているのだ。 どうせ後戻りはできない。そう光二は思った。 「姉さん、会いたい」光二はまた左手で指輪をなでていた。 たった一人の肉親、有沙。会えるならば、どんな危険でも犯さなければなるまい。話しがまとまりかけていた。 「ガルナ、見なかったことにしろ」 「そりゃあ、こまるよ、アルク」 「あっという間に、はいったことにしろ」 「がたがたいってるうちに他の人間がくる」光二がいう。 「後生だ、ガルナ」 ガルナはうなずき、横をむいた。ガルナとしては最後の譲歩だろう。 「早く。光二」 「えっ、どこへ」 「決まっているだろう。石の男の心底へだ」アルクが言い切った。 「ま、まだ心の準備が」光二のひざがわれそうだった。 石の民 第20回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.17
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T石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/19/ 石の民「君は星星の船」 第19回 Vグループのアジトに放浪孤児の大吾がいた。彼もまたジュリの祭司アルクのように、石棺を背に何かを探していた。 石の民「君は星星の船」第19回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 石の壁の司祭アルクと、Bグループの光二の二人は、アルクの娘、ミニヨンを助けるために石の壁のジュリへと、異なる時間と空間を撥ねていた。光二は、なくなった姉のアリサだと思っている。 フッコウドームのV団のアジトだった。たくさんのキッズがいる。 今、ヘッドの登はいないようだった。 代わりに、大吾がいた。大吾は2Mの大男。ワンダリングキッズの一人だった。 他のドームのヘッドの紹介状をもって登の所へ来た。登の団にワラジをぬいでいるというわけだ。ある。所属するグループを持たない放浪の戦争孤児だ。大きなスプーンで、メシを食っている。なぜか食事中も背中に大きな荷物が。 このフッコウドームのキッズは、近くにある鉱山で掘り出される貴金属を食いぶちとしていた。 この鉱山は平和チームの監督監視下にあるのだが、何人かの作業ロボットが金儲けのため、ひそかに登たちキッズのところへ貴金属をもってきていた。 登のVグループと光二のBグループは、このロボットの作業員の裏支配をめぐっても争っているのだ。 「おい、お前、いい根性しているじゃないか」Vグループのキースが言う。キースは金髪で細面の顔は残酷なイメージを、会う人にあたえる。 「ど、どいいうことですか」ロボット作業員Z113が、答えていた。「内緒で、ブツを光二のBグループへ流しているときいたぜ」 「そ、そんなこと絶対にありません。ロボットは嘘つかない」 「じゃ、お前はロボットじゃないな。ロボットじゃなきゃ用がない。おい、大吾、おしおきだぜ。ほかのロボットらもよくみておくんだな」 キースが大吾に命令する。キースはこのグループのNo2だ。 「や、やめてください。私は悪くない」Z113は目を白黒ではなく、レッド色にしていた。 大吾はZ113のボディをしめあげた。Z113のハイチタンの体がミシときしむ。 「わ、わかりました。もう、しません。キースさんやめさせてください。光二が悪いのです」 「おい、大吾、もういいぜ」が、キースの言葉にかかわらず、大吾の動きはとまらない。 「おい。大吾、やめな」キースが青くなる。 「大吾、やめろ」他のキッズも騒ぎ出す。 「やめろ、大吾」 瞬間、アジトは機械の破片が吹き荒れていた。ロボットZ113の体が爆発したのだ。「おい、何て奴だ」 「うわっ、か、怪物だ」仲間のロボットたちは、さんをみだして、アジトから逃げ出した。 「や、やりすぎだぜ、大吾」キースは大吾をなじる。これだから、ワンダリングキッズ、放浪の子たち、は困る。組織って奴がわかっていない。 「すまん」が、大吾の顔はあやまっているようには見えない。むしろ自分の力を楽しんでいるようにみえた。とにかく、わかりにくい表情なのだ。 「おい、大吾、お前、その棺桶どこから見付け出してきたんだ」キースはこの気まずい雰囲気を変えようとする。そう、大吾は背中に石棺をずっと背負ったままなのだ。 「ああ、このドームへの途中の道でな」大吾はぶっきらぼうに答える。「じゃまにならないのか」他のキッズが尋ねる。 「ああじゃまにならん」大吾が答える。「ほっとけよ、大吾の棺には大切なものがはいっているんだから」 興味をもったひとりが大吾に言う「中をみせなよ」「何か、金めのものがはいっているわけか」 「いいだろう、みせろよ」棺かつぎの大吾は歯を剥き出して、そいつに怒った。 「わ、わかったよ、お前の棺にはちかずかないよ」 「おいおい、やめておけよ。大吾の力は今見た所だろう」キースが止めた。 が、その日の晩、棺かつぎの大吾のふたを、内緒であけた奴がいる。しかし、首の骨がおられていた。その目は棺桶の中を見て見開かれていたのだ。 大吾はこの棺を見付けた以上、早く、元の世界へ帰らねばならなかった。待っている人がいるのだ。 大吾はこの石棺を探して、ジュリの里「石の壁」祭司アルクと同じ様に、星を、世界を渡り歩いていた。 石の民第19回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/F小説■石の民■(1989年作品)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所#石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.17
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2022.01.17
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2021年12月11日 | 新人類戦記第2章(1980年作品)鈴木純子作品よりhttp://www.yamada-kikaku.com/suzuki-junko/IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/18/ 石の民「君は星星の船」 第18回 祭司アルクが見せた写真を見て、自分の姉、アリサだと叫ぶ。アルクのいる世界にいけば、まだアリサが生きているのだ。アルクの提案に光二は乗った。 石の民「君は星星の船」第18回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 「このフォトを見てくれ」アルクは写真を差し出す。 「こりゃ、なんだ、えらく古ぼけた写真だなあ」 が光二はこの写真を見た瞬間、大声をあげていた。 「姉さん!、これは姉さん有沙の写真だ」 アルクもびっくりし、反論する。 「違う、私の娘ミニヨンだ」 「あんたが間違えているぜ、これは姉さんだ」 光二はアルクのさしだした写真を握り締めている。手がふるえていた。幼いときのアネキだ。 いったい、なぜ、この男は有沙の写真を持っているんだ。 そういえば光二は有沙の写真は一枚も持ってはいない。 「とにかく、光二よ、私の話を聞いてくれ。私の娘ミニヨンが「石の男」に心を奪われたのだ」「というと」 「石の男の心底に、ミニヨンが取り入れられてしまったのだ」「心底にとらわれる」 「人間が心の中にとらわれるって。それに『いしのおとこ』とはなになんだ」 「石の男とは我々の信仰の対象なのだ。この男が、我々の世界を作っていると考えられている」 「それじゃ、ミニヨンが中にいるのは名誉な事ではないのか」「それと、ミニヨンの件とは異なる。彼女は一人の女の子だ。その子が創造者の心に入るとは、不浄な事なのだ」 「俺たちの世界の価値観とは異なるようだな」 「そうだ。君は理解できまいが、とにかく、彼女を助けるためには、君のもっている聖砲が必要なんだ」ここでいろいろ言ってもしょうがない。とにかくミニヨンとやらにあってみる事だ。有沙である可能性もなきにしもあらずだ。光二はある決心をした。 「OK、あんたの言うことはわかった」 「おお、わかってくれたか」 「この指輪はあげてもよい。がそのかわり」「そのかわり」男アルクは身構えた。 「あんたのいう別の世界に連れて行ってくれ」 「それはだめだ」男は不安になる。この若者は何を考えているのだ。 「つまり、あんたのいうミニヨンに会いたいのだ」「私の娘ミニヨンに」どういうことだ。ミニヨンに会いたいだと。 「そうだ。俺は自分の姉有沙だと考えている。あって納得したいのだ」別の世界で生きている有沙に会える。ミニヨンとは有沙だ。と光二は信じ込んだ。有沙たしかに、そのほうが納得できるだろう。ただし、石の男に勝ったらの話しだが。つまり、石の男と戦わねば、ミニヨンにはあえんぞ」 よし、うまくいっている。とにかく聖砲が必要なのだ。アルクは思う。 「戦いだと、のぞむところだ」光二の血が騒いだ。別の世界で戦えるだと。 「光二、私の体につかまれ」この若者の気がかわらないうちにとアルクは思った。我々の世界に連れていってしまえば。どうせ、聖砲さえあれば、何とかなるだろう。 「あんたの世界に連れて言ってくれるのか」 「そうだ。君もそうすれば、納得するだろう」 「それはあんたも同じだろうよ、アルク」そうだ、俺は納得したいのだ。光二は思った。 二人は異なる時間と空間を撥ねていた。 石の民第18回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所ttp://www.yamada-kikaku.com/ #石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.17
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2022年01月17日 | 源義経黄金伝説(2022年版)YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/21/ 源義経黄金伝説■第22回★源頼朝屋敷を出た西行に、昔、西行が北面の武士の折、同僚であった、文覚が声をかける。 源義経黄金伝説■第22回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 源頼朝屋敷を出ようとすると、背後から声が掛かる。西行は後方を振り向く。「西行、ここで何をしておる」聞いたことのある声だが…、 やはり、、頼朝の荒法師にして政治顧問、文覚もんがくが、後ろに立っている。傍らに弟子なのかすずやかな眼差しをした僧をはべらしている。 「おお、これは文覚殿。先刻まで、大殿(頼朝)様と話をしておりました」「話だと、何かよからぬ企みではあるまいな」 文覚は最初から喧嘩腰である。 文覚は生理的に西行が嫌いだった。西行は院をはじめ、貴族の方々とも繋がりをを持ち、いわば京都の利益を代表して動いているに違いない。その西行がここにいるとすれば、目的は怪しまなければならぬ。 「西行よ、何を後白河法皇ごしらかわほうおうから入れ知恵された」 直截に聞いている。元は、後白河法皇から命令され、伊豆の頼朝に旗をあげさせた文覚であったが、今はすっかり頼朝側についている。それゆえ、この時期に、この鎌倉を訪れた西行のうさん臭さが気になったのだ。 「さあ、さあ、もし、大殿に危害を加えようとするならば、この文覚が許しはせぬぞ」 西行も、この文覚の怒気に圧倒されている。 文覚は二〇年ほど前を思い起こした。 1166年京都 「西行め、ふらふらと歌の道「しきしまみち」などに入りよって、あいつは何奴だ」 文覚は心の底から怒っていた。文覚は怒りの人であり、直情の人である。 思うことは直ぐさま行い、気に入らぬことは気に入らぬと言う。それゆえ、同じ北面の武士ほくめんのぶしのころから、気が合わないでいた。 西行は佐藤義清さとうのりきよという武士であった頃は、鳥羽院とばいんの北面の武士。院の親衛隊である。西行は、いわば古代豪族から続く政治エリートであり、それがさっさと出家し、歌の道「しきしまみち」に入った。それも政治家など上級者に、出入り自由の聖ひじりなのである。 西行は文覚に言う。「文覚どの、私はこの世を平和にしょうとおもうのです」「平和だと、うろんくさいこと言うな。おぬしの口からそんな言葉がでようとはな」「では、この国の形を変えるともしあげればどうだ」「くっつ」文覚は苦笑いしている。「その笑いは同じく国を変えようとされているからであろう」 「何年たっても私の考えがおわかりにならないのか」「わかりたくもない」「で、藤原秀衡殿を呪殺されようというわけか」「主ぬしは何を企む。平泉と何を企む。まさか、」 文覚は思う。「主は崇徳上皇にも取り入り、弟の後白河法皇に取り入り、また平泉にも取り入るつもりか」 崇徳上皇は30年前、1156年保元元年、弟の後白河法皇に敗れている。保元の乱である。この後、四国に流されている。 「文覚どの、鎌倉には法皇の命令で、今は鎌倉のお味方か」「だまれ、西行、貴様こそ、由緒正しい名ある佐藤家の武士でありながら、「しきしまみち」を使うとは先祖に対して申し開きできるか」 「文覚どの、その言葉をお主にそのまま返そうか。お主も武士でありながら呪殺を江ノ島祈願いたしておろう」「うぬ。敵、味方がはっきりしたならば、お主を平泉に行かせまいぞ」「よろしいのか。大殿とのご命令は」 確かに頼朝の命令は西行を平泉に行かせよである。 「しかたがないな。ここで雌雄を決、、、」二人はにらみ合っている。恐るべき意識の流れがそこに生じていた。 「御師匠様、おやめ下さい」 かたわらにいる子供の僧が言いた。子供ながら恐るべき存在感がある。その顔は夢みる眦に特徴がある。 「おおう、夢見ゆめみか。わかった。この西行殿が顔を覚えておけ」 「西行様、初めてお目にかかります。拙僧の名前は、夢見でございます。京都神護寺からまいりました。師匠さまの事よろしくお願いいたします」 夢見、後の明恵みようえである。法然ほうねんと宗教上で戦うこととなる。 同時に、何かの集団が近きつつあった。 「くそ、西行、味方が増えたらしいな。集団の守りで動くか。お主も。勝負はいずれ,まっておれよ」 「文覚どの 生きて合えればなあ」西行も悪態をつく。 二人はふた方向にわかれた。 「西行様、ご無事で」いつのまにか東大寺闇法師、重蔵が控えている。 が、笑いをこらえている風情である。「おお、重蔵殿か。あいすまぬ」汗をかいている。 「ふふ、私としたことが、つい歳を忘れてしまう。あやつにあうと」にが笑いをしている。「お知り合いでございますか」重蔵は、西行にもこのような面があるかと思い微笑んでいる。この有名なる京都「しきしきみち」の漢に子供のけんかのような、、「古い付き合いよ。北面の武士以来なのだよ。」 西行は目に見えぬ廻りの集団が気に成っている。 「結縁の方々、ありがとうござる。何でもございません。危機は、、もう終わり申した」重蔵の言葉に近くの樹木の影にいた気配がすべて消えていた。西行はにがりきった笑いをする。 「法眼殿の手下か」先ほどの手勢は、鬼一法眼きいちほうげんが京都から連絡した結縁衆であろう。密かに西行を守っている。 「あの子供の僧が気にかかります。夢見とか なにやら恐ろしげな、、」重蔵はつぶやいている。 薄ら寒い10月の鎌倉の朝もやの中で、西行が先ほどの情景を思い出している。「重蔵どの。頼朝殿は、流鏑馬に熟達し、当代第一の弓持ちと言われたこの西行の前で、弓矢の技を見せられたのだ」 東大寺闇法師重蔵が返した。「それは何をお考えなのでしょうや」「頼朝殿、平泉を攻めるつもりであろう」「えっつ、やはり」十蔵は西行を見た。 が西行はすでに自分の殻に入り考えにふけっている。不思議な方じゃ、重蔵は最初の出合いを思い出している。 「くそ、いらぬじゃまが、はいりおったわ。のう夢見よ」鎌倉になる文覚屋敷で。文覚が発した。 夢見、後の明恵みようえは答えた。「西行様の背後には、あるやんごとなき想いが見えます」「和歌しきしまみちに対する想いか」「いえ、そうではございません。人で御座います」「女か」「いえ、ある男の方への想いで御座います」「では、まさか、あ、おの方へか、」 文覚は、西行の想いが、待賢門院たいけんもんいんへかと思った。が,夢見ー明恵は違うという。 待賢門院の兄は徳大寺実能、西行は藤原家徳大寺実能の家人であった。待賢門院は崇徳上皇の母である。 夢見は感受性が強い、その人間の過去もうっすらと読み取る事ができる。 夢見のよく見る夢は恐ろしい。きり刻まれた体の夢だ。夢見の父は,頼朝決起の戦いでなくなっている。母は紀州豪族、湯浅氏ゆあさの出身である。 この時期の紀州は、熊野詣で大繁盛している。 紀州熊野は仏教に在来の民間密教が結びつき、一大新興宗教の集積地として機能している。 密教秘儀を身につけて貴族の保護をうける人物が、京都の政治を左右できる。桓武帝以降、宗教各派は、政治闘争を繰り返している。 摂関政治に関与できた宗派が権威を持ち荘園を所有できる。仏教各教団は、経済組織でもあり、民衆もその権威に頼ろうとした。 その夢見の夢想の中に西行が現れていた。 続く2016改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所●http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.17
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【2021年 下半期ベスト】ジャズ・アルバム BEST 30JazzMusic 三原淑治さんのグループのCDパンデミック・オノ・バンド/Pandemic Ono bandがベスト30に入りました。【2021年 下半期ベスト】ジャズ・アルバム BEST 30JazzMusichttps://www.arban-mag.com/article/ [JazzJapan]雑誌の1月発売号にはインタビューが載ります。https://www.arban-mag.com/ のHPより引用します。パンデミック・オノ・バンド/Pandemic Ono band『Pandemic Ono band』オルガンの小野みどり、ギターの三原淑治などから成る4人組。冒頭からレッド・ツェッペリンの「移民の歌」をオルガン・ジャズに改変し、独自に仕立て上げる手際の良さに驚嘆。オルガンの音色は60~70年代の英国ジャズのそれを踏襲したようにも聞こえ、ソフト・マシーンやレコメン系を愛好するリスナーにもぜひ聴いてほしい作品。洗練されたジャズを聴きこんでいる方には、このアーシーなサウンドが逆に新鮮に思えるはず。ここまで2021年下半期ベスト ジャズ・アルバムBEST30------------------------------------------PANDEMIC ONO BAND 2021/02/21 にライブ配信https://www.youtube.com/watch?v=uldiFMoT-5c&t=7s Pandemic Ono band2020年パンデミック発生の年に結成。
2022.01.16
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/20/ 源義経黄金伝説■第21回■西行と源頼朝はお互いの策謀を胸に話し合い、頼朝の矢懸場にて武技を競われる。 源義経黄金伝説■第21回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube ◎「これは、これは有り難きご教示、有り難うございました。もう夜も白んで参りました」鎌倉の酉が鬨の声を告げていた。頼朝と西行二人は一晩中語り合ったのであった。 西行はわれにかえっている。まだ鎌倉にいて、頼朝の前なのだ。 「西行殿、この鎌倉にお止まりいただけぬか」唐突な頼朝の提案であった。「いや、無論、平泉から帰られた後でよいのです」 と頼朝は付け加えた。 「それはありがたい提案ですが」 西行は考える。黄金をこの地鎌倉に留め置くつもりか。加えて西行をこの鎌倉に留めおき、平泉の動き、京都の動きを探ろうとする訳か。「いやはや、これは無理なお願いごとでございましたな。それではどうぞ、これをお受取ください。これは旅の邪魔になるやもしれませんが…」 頼朝が手にしたのは、黄金の猫である 「ほほう、これを私めに、それとも奥州藤原家に…」「いや、西行殿でございます」「私はまた猫のようにおとなしくなれという意味かと思いました」「いや、旅の安全を願ってのこと。他意はござらぬ」 1186年(文治2年)、草深き坂東鎌倉に三人の男が対峙しょうとしている。 東国で武家の天下を草創しようとする男。頼朝。 その傍らにて、京都王権にては受け入れられず、坂東にて「この国の形」を変えようとする土師氏はじしの末裔。大江広元。 対するに、京都王権の交渉家、貴族政治手法である「しきしまみち」敷島道=歌道の頂点に立つ。西行。 頼朝にとって、西行は打ち倒すべき京都の象徴であった。京都から忌み嫌われる地域で、忌み嫌われる職業、武家。いたぶるべき京都。京都貴族王権の象徴物・大仏の勧進のために来た男・武士「武芸道」からはじきでた、貴族の象徴武器である歌道「しきしまみち」に乗り換えた男。 結縁衆けちえんしゅうなる職業の狭間にいる人間とつながりのある男。 さらには、奥州藤原氏とえにしもある。坂東王国を繰り上げようとした、平将門を倒した俵俵太の末裔。 この坂東にも、そして、義経を育て平泉に送りこんだた男。対手である。その男がなぜ、わざわざ敵地に乗りこんだか。 その疑問が頼朝の心に暗雲を懸ける。 西行にとってこの頼朝との邂逅は、今までの人生の総決算にあたるかも知れぬ。その長き人生において最後の最終作品になるものかも知れなかった。心に揺らぎが起こっていた。 その瞬間、西行に重源ちょうげんと共に歩んだ高野山の荒行の光景が蘇ってきた。 山間の厳しい谷間、千尋の谷、一瞬だが、谷を行き渡る道が浮かぶ。目の前にあるその道をたどる以外にあるまい。 「西行どのこちらへ」 大江広元が頼朝屋敷の裏庭に案内される。 矢懸場が設けられている。武家の棟梁、頼朝は、毎日犬追物をたしなんでいる。的と砂道が矢来をさえぎられ続いている。 「ささ、こちらへ」促されるまま、西行は裏庭物見小屋へいざなわれる。遠くに見える人馬が、的を次々と射ぬきながら、こちらへ走ってきた、頼朝である。 「いざ、西行殿の弓矢の極意を昨晩お伺いし、腕前の程をお見せしたかったのです」「大殿は、毎日武芸にたしなみを、」 「西行殿は、我が坂東の武芸の祭りをご存知でしょうな」 坂東のしきたりが、京都の弓矢道と結びついているのが、西行には理解できた。京都人でありながら、武芸は坂東と、頼朝は言っているのだ。馬をもといた場所にとって返し、再び、馬を駆けさせ、用意された的をすべて、射抜いている。 我が坂東の武芸の祭りとは、坂東足利あしかがの庄にある御矢山みさやまで行われる八幡神を祭る坂東最大の武家の祭事である。 「西行殿、奥州平泉からお帰りに、この祭りに参加いただきたいのです」 馬上から、息をつきつつ、頼朝が叫んでいる。返事は無用という訳だ。答えようとする西行の前から姿を消し、再び馬首を元の方へ。 西行は義経を助けなければ。が、藤原氏の黄金が、果たして役に立つのか。秋風の吹きはじめた鎌倉で、西行は冷や汗がでてきている。 三度、的をすべて打ち矢って、頼朝は馬上から叫ぶ。 「さらに、西行殿、義経のおもいもの、静の生まれし子供の事聞きたいのではござろうぞ。和子は男子がゆえに不敏だが、稲村ヶ崎に投げ捨てましたぞ」と言い捨てている。後ろ姿に笑いが感じられる。 頼朝は、西行の策を、封じようとした。西行は動揺を表情に出さず。が、考えている。かたわらにいる大江広元を見た。 広元殿、政子殿がいるなかば、わづかばかりの希望あろう。 また、そうか、あるいは、静の母、磯の禅師が糸を引いているかも知れぬ。わずかだが、希望の光はある。 極楽浄土曼陀羅、あの平泉におあわす方が。早く合いたい、さすれば、この身、西行法師の体は、まだ滅ぼすわけにはいかない、平泉を陰都となし、この世の極楽を、さらには、しきしま道にて日本を守れねばならぬと、西行は思う。 頼朝は四度目もすべて撃ち終え、今度はゆっくりと馬を歩ませてきた。 「西行殿、御家、佐藤家は、紀州にその領地がありと聞きます。弟君の、佐藤仲清殿。高野と争い絶えずときく。誠でしょうか」 馬上の頼朝は、しばし、西行の回答を待っていた。 「その御領地を、この頼朝の元に預けられぬか。さすれば、高野山との争いは解決して見せようぞ」 佐藤家は、高野山山領地、荒川荘の領地におしいっている。西行のなりわいはこの弟の家からでている。 いわば佐藤家の家作からから活動資金がでている。紀伊の国、那賀郡、田仲庄は紀ノ川北岸にあり、摂関家徳大寺の知行である。 佐藤家はこの徳大寺の家人である。今では平家の威光を背景にしてきたのだ。その根っこを、頼朝は押さえよとしているのだ。 「どうでありましょうな、西行殿、この申し出は」絡め手か。やはり、頼朝殿は、この西行と義経殿の関係を気づいているか。京都でもそのとこしるは、わずかだが、、 大江広元が、秀才顔でしらぢらと西行をにらんでいる。大江広元は、水を得た魚。 大江広元が京都から呼びだされ、この鎌倉に根付いた時、歴史は変わった。 日本最優秀頭脳集団・大江家。元は韓国からくにから来た血筋。この関東坂東で同じ韓国からくにの史筋武家の平家と結びついた。 「すべてのご返事は、平泉からの帰途におこないましょうぞ」西行は、頼朝の前から去ろうとした。「まて、西行殿」 大江が呼びとめようとするが、「勝負は、後じゃ」頼朝が止めた。「はっつ」頼朝が打ち据えた的が割れていた。 的の裏側には、平泉を意味する曼荼羅が描かれているのだ。武家の棟梁頼朝が、打ち破るべき国だ。そして黄金もまた、、 そして、西行は、まだ、最大の対敵、文覚もんがくとは、対峙していない。 続く2016改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.16
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/19/源義経黄金伝説■第20回★東大寺大仏再建を計る重源は、東大寺闇法師、僧兵の中から選ばれた戦人(いくさびと)、十蔵に命令する。源義経黄金伝説■第20回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube 僧衣の男、十蔵じゅうぞうが重源ちょうげんの前に呼ばれる。十蔵は東大寺のために荒事を行う闇法師である。東大寺闇法師は僧兵の中から選ばれた戦人いくさびとである。十蔵は陰のように重源の前に、出現していた。 「十蔵殿、わざわざ、かたじけない。今度の奥州藤原氏への西行殿の勧進、大仕事です。西行殿にしたがって奥州に行ってくださるか」 「あの西行さまの……わかりました」 「さて、十蔵殿、今、述べたのは表が理由です」「重源様、まだ別の目的があるとおっしゃいますか」 「さようです。西行殿は私が思いどおりには動いてくださらぬかもしれぬ。ましてや、この時世。鎌倉の源頼朝殿が、奥州藤原氏と一戦構えるかもしれません。 よろしいですか、十蔵殿、西行殿が我々東大寺を裏切らぬとも限らせんぞ」 「西行様が東大寺や重源様を裏切ると。しかし、西行様は、もう齢七十でございましょう」 「いや、そうであらばこそ、人生最後の賭けにでられるかもしれません。西行殿は義経殿と浅からぬ縁があります。この縁はばかにはできませんぞ。十蔵殿、よいか、こころしてかかれよ」 「西行様が 東大寺の意向にしたがわぬ場合は、、」 「十蔵殿は、ただただ、東大寺のために動いて下され」 重源は気迫のこもった眼差しで、十蔵に命じた。 重源にとっても、この大仏再建の仕事は大仕事。失敗する訳にはいかなかった。重源は自らを歴史上の人物と考えていた。 重源の使命。いや生きがいは、今や東大寺の再建であった。 先に重源は平家の清盛から依頼され、神戸福原の港を開削していた。支度一番したくいちばんー日本で一番。この日の本に、重源以上の建築家集団を統べる人間は、存在しないのである。 重源は世の中に形として残るものを、生きている間に残しておきたかったのである。重源の背後には宋から来た陣和慶という建築家がいた。また朝鮮半島から渡ってきた鋳物師もいる。 そして、有り難いことに運慶、快慶が同時代人であった。 この日本有数の彫刻家、運慶工房とも思える彫刻工房を作り上げ、筋肉の動きを正確に表す、誠に力強い存在感のある彫刻像を続々と作り上げていった。日本の始まって以来、二度目の建築改革の波が押し寄せて来たかのようであった。 「重源様のご依頼でございますならば。このことをお断るわけにもいきますまい」 十蔵はにやりと笑う。そしてつけくわえた。 「西行様のこと、承知いたしました。が……」 東大寺闇法師は自らの意志などもたぬ。 その東大寺闇法師の十蔵が、何らかの意向を重源に告げようとしていた。不思議な出来事であった。「十蔵殿、まだ何か、まだ疑問がございますか」 切り返す十蔵の問いにはすごみがあった。「私十蔵の死に場所がありましょうか」 重源は冷汗をかき答えた。 死に場所だと、十蔵めが、東大寺闇法師は東大寺がために死ぬことが定め。が、 その十蔵とかいう男は、別の死に方を求めている。それも自らが東大寺闇法師中の闇法師という自信を持って言っているのだと、ようやく重源は思い答えた。 「十蔵殿、、、時と事しだいでしょうな」 それにたいして「わかりもうした」平然と言う十蔵だった。 十蔵はすばやく姿を消した。 「十蔵め、この仕事で死ぬつもりか」 重源は、十蔵が消えた方向を見遣り、つぶやく。 「まあまあ、重源様。そう悩まずともいいではございませんか。重蔵殿にまかしておかれよ。茶を一服どうでございますか」 話を聞いていたのか、後から一人の若い僧が手に何かを持って現れている。巨大な頭のハチに汗がてかっている。 栄西であった。 重源と栄西は、留学先の中国で知り合い、友人となっていた。 そして、栄西は、仏典とともに、日本の文化に大きな影響をもたらす「茶の苗」を持ち帰っていた。栄西が手にしているのは、茶である。まだ、一般庶民は、手に入れることができぬものである。 「ほほう、どうやら、茶は根付いたと見えますな。よい匂い、味じゃ。妙薬、妙薬」 重源は、栄西が差し出す茶碗をうまそうに啜った。「さすがじゃのう、栄西殿。よい味です」 その重源の様子を見て、栄西が尋ねる。 「重源様、どう思われます。この茶を関東武士たちに、広めるというのは」「何と、栄西殿。あの荒々しい板東の武者ばらに、この薬をか…」 重源は茶に噎せた。 重源は少し考え込む。やがて意を決したように、若者のように眼を輝かせながら言った。「いい考えかも知れません。思いもかけぬ組み合わせですが。京都の貴族よりも、むしろあの武人たちをおとなしくさせる薬効があるかもしれませんな」 なるほど、栄西はおもしろいことを考える。 重源や栄西には、自負があったのだ。日の本を実質動かしているのは、貴族でも武士でもない。我々、学僧なのだ。 僧が大和成立より、選ばれた階級として、日の本のすべてを構築してきたのだ。それを誰もが気付いておらぬ。が、大仏再建がすでに終わり、この東大寺再建が済めば、我々の力を認めざるを得まい。重源の作るものは形のあるもの。 そして、栄西は、茶というもので、日の本をいわば支配しようとしている。ふふ、おもしろいと重源は思った。 続く20210823改訂★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.15
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IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/17/ 石の民「君は星星の船」第17回 Vグループの2人の襲撃を助けてくれた男は、石の壁の祭司アルクだと名乗る。光二に「聖なる砲」をくれというのだ。 石の民「君は星星の船」第17回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 「どうやら、このお客人は俺たちに、喧嘩をうっているようだぜ。どうするハーマン」「それならば、歓待しないってほうはないな、ローレル」 「あとで泣いてもだめだぜ」二人ハーマンとローレルは男にとびかかっていく。 数秒後、二人ハーマンとローレルの方が大地にころがっていた。 「光二、起きろ」光二の意識が戻ってきた。「うん、いったい、あんたは」 が光二はこの男の顔を見て驚いた。光二の夢に出てくる男だったのだ。光二は倒れている二人をみる。 「どうやら、俺を助けてくれたらしいな。礼を言う」光二は大地にころがっているVグループの2人をける。 男は言った。「私がだれだかしらなくてもいい。それより、光二、聖砲をわたしてくれ。私にとって重要なものなのだ」 「聖砲だと」やはり、夢と同じ事をいいやがる。 「そうだ。私は聖砲を持っている男を探して、いろんな世界を渡ってきたのだ。君がどの世界にいるのかわからなかったのでな」 光二は一瞬、時間が泊まっているような気がした。 今、この男のいったことは何なのだ。まったく意味がわからない。今度は光二が質問をする番だ。 「一度あんたに現実に会えたら、きこうと思っていたんだ。あんたは最近俺の夢に頻繁にでてくる。あんたは、夢の中でも聖砲をさがしている。それはわかった。が俺は聖砲なぞもっちゃいないぞ」 男はにやっと笑う。「君は知らないだけさ。君の指にある」 「指だって」おもわず光二は左手で、右の指輪を押さえていた。 「まさかこの指輪が聖砲というのではないだろうな」 「それだ」男は冷淡に言う。 「あんた、いったい、誰なんだ。それにいったい、聖砲って」 「光二、君はこの事件にかかわるべきではない。これは我々の世界の事件なのだ」 「そういう一方的な言い方はないだろう」 「君は聞いても、理解できないだろう」 「あんたが聖砲という、この指輪は、姉のかたみなんだ。みずしらずのあんたに渡すわけにはいかん。あんたは何者なんだ」 「宗教の街ジュリに住んでいた石の壁の祭司だ」 「ジュリ、いしのかべ、さいし。どういう意味だ」 「だから行っただろう。この事件は君の想像力をはるかにこえている」 「お前さんねえ 」光二は少し考えている。 「私の名前はアルクだ」 「アルク、事情をはなしちゃくれないか。それもできるだけわかりやすく。あんたは俺の命の恩人というわけだ。お礼をしなきゃいけない。俺は人に借りをつくるのがきらいなんだ」 「この写真を見てくれ」アルクは光二に写真を差し出す。 石の民第17回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.14
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IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/16/ 石の民「君は星星の船」 第16回■Bグループの頭光二を対抗するVグループのローレルとハーマンが捕まえてアジトに連れて行こうとした。その状況に男が急に出現し光二に用があるという。 石の民「君は星星の船」第16回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 「光二さんよ、我々におとなしく、ついてきてもらおうか」えらく背の高い奴ハーマンがいっていた。 「くそっ。おまえ達は」光二の足元は、地上10mの空気なのだ。 「いわずとしれたVグループのキッズよ」 「Bグループのヘッド光二を捕まえたと、あっちゃあ、大手柄なわけさ。おっと、光二よ、あまりあばれると、俺たちの手から、地面へ落ちるぜ。ちょうどおまえのアネキみたいにな」にきび面のローレルがいう。 「くそう、おまえか有沙を殺したのは、」 「おいおい、人違いだぜ、俺はおまえのアネキなど、殺しちゃいない」 「じゃ、おまえか」高い奴ハーマンにいう。 「知らないぜ、光二、少なくとも、俺たちじゃないぜ」 「おい、ちょっと,だまらそうか、しめあげるか。これほど暴れられると、体をもちにくいからな」ローレルがハーマンに同意を求めた。 「そうだな、連れて行きやすくするか」Vグループのキッズは話しあっていた。 「やめろ」光二はさけんでいた。 ローレルは腰のベルトにはさんであった電撃銃を取り出す。光二の体に当てる。 「ぐう」光二は気絶していた。二人は光二を一度地上に降ろす。 ローレルとハーマンはホースの後ろに光二の体をしばりつけようとしていた。 その時、突然、目の前地上に一人の男が出現していた。 「だれだ、おまえは」ローレルが男にきずき、声をあげる。 「光二の味方か」ハーマンがわめく。 「Bグループのキッズじゃないな」 「それに平和チームの者でもないな」 「なんだ、こいつの格好は」 「仮装行列かい」 「ここは舞台じゃないんだ。関係のない奴はひっこんでろ」これだけ、ローレルとハーマンがいっても男は無言だ 男は光二の様子を探って入る。 「ちっ、気持ちのは悪い奴だぜ。おい、速く。アジトまでかえろうぜ」 「そうだな、Bグループの邪魔がはいらないうちに」 二人は気を失っている光二をホースの後ろに乗せて飛び上がろうとしていた。 その時、静かにしていたその男が、目にもとまらむ早さで、Vグループのローレルとハーマンの間に割り込んで、ホースの操縦管を持つ二人の手を、男は両手でおさえていた。 「何、何をしやがるんだ。てめえ」 「やはり、Bグループのキッズか、おまえは」男は何もいわない。 「そうかい、それじゃ、御相手しなきゃな」 「悪いことはいわない。私の相手になるな。私はその光二に用があるんだ」男が初めて声をだした。男の顔の表情は、過去が尋常ではなかった事をあらわしている。 「光二に用があるだと」Vグループの二人は顔をみあわす。 「ふふっ、残念ながら、我々もこの光二に用がある。俺達Vグループが先客だ。ものには順番がある。おっさん、そのくらいの事はわかっているだろうが」 「順番だよ、次には光二を渡してやるさ」 「ああ、もし光二が生きていればの話しだがな」二人は笑う。 「私はそんなに待つ訳にはいかん」男の目は遠くを見るような眼だった。ローレルはこの男のマリーンブルーの眼を見て、ぞっとした。 「おまえはフッコウ・ドームへの来訪者だな」 「俺たちはこのフッコウ・ドームでは少しは知られた名前なんだ、Vグループといってな」 「我々にさからおうというのは、ここフッコウ・ドームの法律を破っているのと同じさ」 「残念ながら、私にも法律がある。そのわたしの法律にしたがって光二をもらっていく」男は二人に言う。 「どうやら、このお客人は俺たちに、喧嘩をうっているようだぜ。どうするハーマン」 「それならば、歓待しないってほうはないな、ローレル」 「あとで泣いてもだめだぜ」二人は男にとびかかっていく。 石の民第16回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#舞台#アジト#小説#光#ローレル#ハーマン#石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.14
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SM聖水紀ーウオーター・ナイツー 宇宙から飛来した聖水は地球の歴史を変えようとした。人類は聖水をいかに受け入れるのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n4401dn/18/聖水紀ーウオーター・ナイツー第18回■聖水が地球のすべてを飲み込む。それが人類への愛だと聖水人はいう。一方、先んじて聖水に同化したクルツは、自分の意識が新しい星に充満しているのに驚く。聖水紀ーウオーター・ナイツー第17回第11章熱がその海域から広がっていた。空気もそれにつれて急上昇する。やがて、その熱波は地球を覆い、聖水神殿までたっしていた。人類は熱気で倒れていった。『この熱は』『どうやら、原因は宇宙要塞ですね。きっとマザーコンピュータがしかけたのでしょう』宇宙要塞ウェガは地中のマグマを刺激していた。ポイズンであるAの聖水へのが失敗した今となっては、最後の手段だった。地球全体を熱球化する。地球が聖水に支配されるよりも、自らの手で人類を抹消しょういというわけだ。が、自分のマザーコンピュータ脳球は生き残る。宇宙要塞ウェガはいわば宇宙船なのだ。『熱波をこの地に呼び寄せているものがいますね』『まさか、あのポイズンAでは』聖水騎士団フガンは審問官の前に立されていた。「生き残った聖水騎士団の一人として、地球にひとつくらいいいことをして死にたかったものですからね。怒りは人を不屈の男にします」「フガン、君ですら、この我々を裏切るのか」「裏切りですって、私は最初からあなたがたを信用なぞしておりませんよ」『しかたがない、この熱波を防ぐため、全人類を聖水に飲み込もう』「あなたがた聖水にそれほどの意義があるのですか」『ひとつの愛情の表現なのですよ』「何ですって」『できの悪い子供ほどかわいいといういだろう』「どういうことです」『フガンくん、君も我々聖水を誤解している。我々聖水は君たち人類の祖先なのだ』「はは、おわらいぐさだ。あなたがた聖水が先祖ですか。それじゃあ、出来の悪い子供は殺していいということですね。どんな権利があなたがたにあるといいうのです」フガンは笑いながら泣いていた。 大きな音がして、聖水プールが自壊した。聖水がフガンの方に流れてくる。「ははっ、どうぞ、このあわれで、まぬけな人類を同化なさい。おやじどの。いやおふくろどのか」 フガンは聖水の波に飲まれる。聖水は自らの体積を急激に膨張させていた。この大陸を被い、やがて海岸に達していた。地球の海水との対決であった。 海に達した聖水は、海水と激しい争いを繰り返していた。水H2Oを分解し、自分たちの組成に組み替えていた。それに対して海、地球の海なるものも戦いを挑んでいた。聖水と海水との境界線は熱をもっていた。蒸発する水が湯気を上らせていた。 が、聖水の方が勢いがあった。彼らはいわば、狂信者であり、ある一定の意志の元に進化しているものだった。 地球のあらゆるところで、地球の水は変化を遂げていた。地球の水は聖水に飲み込まれていた。そして、聖水へと変化していった。やがて、聖水は勢いに乗り、レインツリーと、マザーコンピュータが支配する宇宙要塞ウェガのあるアンダマン諸島、スキャン島にたっしていた。 大きく盛り上がった聖水の波は、まるで山並みの様に見えた。その大きな山塊が、レインツリーの要塞に押し寄せていた。 宇宙要塞ウェガは聖水の中にさらわれ、やがて水没する。要塞ウェガの防御機構は、この聖水山脈の前では、何の役にも立たなかった。 宇宙要塞ウェガは、地球の上に立てられている建物である。地球人の思考で作られ、地球の材料で作られている。たいして聖水は、いわば、宇宙であった。宇宙意識である。地球、そのものである宇宙要塞ウェガ中に入り込み、総てをばらばらにした。 この聖水の意識の中に、かつてのAの意識、ポイズンの意識が含まれていた。彼Aが、自分の生まれ故郷である宇宙要塞ウェガを教え、聖水全体をウェガに向かわせたのだ。 レインツリーは聖水の洪水の中で涙を流していた。赤い樹液だった。体全体の細胞から、赤い樹液は宇宙要塞ウェガの内部でも渦巻いていた。やがて、聖水がレインツリーの組織をバラバラに分断した。破砕されたレインツリーのまわりはまるで、血がいっぱいの海だった。 マザーの機械組織にも、聖水が侵入していた。防水組織も何のあるやくにもたたない。マザーコンピュータの機械意識も寸断される。その一瞬。マザーの意識にひらめいた。『我が子、タンツを助けて』 ウェガにいるレインツリーの指導者、そしてAにとっては創造者である者。「マザー」タンツも叫ぶ。 その指導者もいまやウェガに流れ込む聖水の前にはなすべき手段をもたなかった。 聖水に沈み込む指導者だった。 彼はこのような経験をしたことがあった。その記憶が蘇ってきた。「シマ、あなたなのね」彼は彼に話しかける存在にきずく。そう、私はシマとも呼ばれていた。レインツリーの指導者は思った。「そうだ。ろくでなしの老いぼれシマだ。君こそ歌姫ベラ、そして『みしるし』イコール伝説のDNA情報、聖水のミッシングリンクだったのか」「そう、シマ。白状するとね。私自身が『みしるし』だとはきずいていなかったわ。私の先祖から受け継いでいたDNA情報がどんなものだったのか」「聖水が人々を溶かし、探していたものとは人間のDNA情報だったのか」「いい、タンツ。人類は宇宙最高の生命体ではないのよ。地球人類は、聖水がかって人類誕生以前、始源の海にはなったDNA情報キャリアーが進化したものなの。間違って進化した生物なのよ。人間という形態をとるべきではなかった」 聖水人の声が、タンツの意識にはいってきた。『タンツくん、君はなぜ、我々にしたがわなかったのだ。この地球に聖水の再来をもたらした君こそが、聖水の理解者であなかったか』「むだだろう、私に何をいっても。いずれにしろ、私は死ぬのだから。何もかも無駄にすぎないのだ。聖水人よ、私の静かな死を与えてくれるのだろうね。長いつきあいではないか」『タンツくん、君に選択させてあげよう。君の死に方をね。我々聖水に同化するか、それとも、君の意志を、そのまま固定して、意識だけは永遠に生き続けるかだ』「私に地球を与えるのか、終わりなき地球を」『ともかく、タンツ、君が最後の地球人だ』「この苛酷容赦ない世界に何か救いがあるというのかね」『愛だよ』「ははっ、君たち聖水から、その言葉を聞くとはね。愛という概念が君たちに存在したのか。我々、人類は君たちから見ると下等かもしれない。が個体としてそれぞれがいろんな形の愛をもっていたのだ」『タンツくん、こう考えてくれ、我々聖水が君たち人類を飲み込むのもひとつの愛の形だと思ってくれ』『ひとつの大きな愛に君たちは包まれるのだ』「ふふん、信じられないね」地球防衛軍タンツ大佐は最後まで聖水に逆らった。第12章■地球のウォターステーションで、先んじて聖水に同化した「クルツ」は、いまの自分の存在に驚いていた。 クルツの意識は星のすべてを覆いつくしていた。この星の名はまだない。クルツがなずけるべきなのだろう。いわばクルツの星。星は聖水でみちみちている。聖水の意識イコール「クルツ」の意識だった。 分派という、意識の分割だった。聖水の意識が分派され、宗教の布教のように、クルツの意識は、地球から遠く離れた星へ送り込まれた。クルツは創造主であり、その荒れ果てた星を自分の体、聖水でもっておおった。 クルツは思う。 聖なる水は、自分も含まれるのだが、宇宙意識のひとつの形態にすぎないのではないか。 私クルツの様に、聖水は、他の星に送り込まれ、徐々に聖水の意識で覆っていく。 私達は聖水という大きな意識の血であり、肉なのだ。 地球に最初に飛来した聖なる水も、クルツと同じ様に他の星から飛来したものなのだろう。大いなる存在クルツはそう考え始めた。 (完)SF小説■聖水紀■第18回(1978年作品)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
2022.01.14
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SM聖水紀ーウオーター・ナイツー 宇宙から飛来した聖水は地球の歴史を変えようとした。人類は聖水をいかに受け入れるのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n4401dn/17/聖水紀ーウオーター・ナイツー第17回■聖水人たちは、人類に対し抵抗なく受け入れる仕組みを、人類の成長の儀式、WSとして思想に組み込む。ウォターステーションである。聖水紀ーウオーター・ナイツー第17回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com第10章■人類に各種の階層の人々はとまどっていた。自分が、聖水と同化できるのか?聖水たちは、ハードルをさげて、WS,ウォーター・ステーションという聖水に同化しやすいシステムと場所を作った。■クルツはおびえていた、自分自身でもそれがよくわかった。誰でも、いつかは通過する儀式だと、自分自身にいいきかしていた。自分自身を破壊しかねない恐れだった。クルツは町中へ来て、ウォターステーションへむかっている。今日の朝、彼は決心したのだ。地球人類にとっての決断の時、通過儀式。地球人類の一人一人が、自分で決心しなければならない儀式だった。 聖水が飛来した時から、地球の歴史が変わったといっていいだろう。新しい歴史の幕開けだった。混乱と騒擾。新しき者への生まれいずる悩み。そんなものを地球人類が体験したといっていいだろう。 クルツは、わきがじっとりとぬれているのにきずく。怖い。想像を絶するモノとのコンタクトなのだ。恐怖を感じない人間などいるだろうか。聖水が彼Kを受け入れてくれうかどうか。もし受けいれてくれなければ。 ああ、そんな事はありえまい。考えたくもない。消極的な考えは捨てなければ。クルツは思った。 冷や汗がひどい。手のひらがじっとりとしていた。季節はもう冬が近いというのに、クルツの体は、真夏の太陽に焼き付けられたかのようにじっとり汗ばんでいる。おまけににおう。恐怖ゆえのアドレナリンの分泌。自分の歩みが、いつもより、ゆっくりとしているのにきずく。 もしだめだったら、自分はこの地球にむすびつけられたままだ。この地球から逃げ出すこともできない。宇宙に飛び立つこともできない。この地面にむすびつけられたままなのだ。自由に移動することもできない。 ウォーター・ステーションの前に来ていた。いよいよだった。WSのデザイン化された文字が芽に飛び込んでくる。いよいよだ。運命の一瞬だ。生死を決めるのに等しい。アールヌボー風に飾られたWSの、地下に向かう階段の手すりを持つ。冷たい。その冷たさが、クルツののぼせ上がった頭のシンに変に響く。廊下が奥の方につずいていた。壁に昔の広告のビラがまだ残っていた。すばらしき時代、資本主義のなごりだ。大きなビルボード(広告看板)の美少女の顔がほこりだらけだった。たしかTVタレント。今はどうしているのだろう。彼女たちも、今のクルツと同じ様に、この通過儀式を受けたのだろうか。そう、TV。クルツがTVをみていたのは14、5年前だが、もう大昔のような気がした。 ゆっくりと、ビルボードが続くWSの奥へとKは進んでいく。 突然、クルツは記憶が蘇ってくる。このWSは昔、地下鉄の駅として使われていたのだ。Kは両親に連れられて、ここに来たことがある。 地下鉄。聖水以前の交通機関。今はもう使われていない。現在はこの張り巡らされた聖水ルートが、いわば交通機関なのだ。聖水に受け入れられるかどうか。 それが、今の人類個々人の最大の問題だった。クルツは昔のチケットゲートの跡を通過する。ロッカールームにたどり着く。が他の人間がロッカールームにいた。驚きがKの心を襲う。きまずい雰囲気だ。お互いに眼を合わせないように、部屋の隅にあるロッカーに陣取る。 クルツは一人でいたかった。だから、他の人にはいて欲しくなかった。失敗した時のことを考えると。 がWSのゲートをくぐったものはあともどりができない。自らの待つ運命を静かに受け入れざるを得ないのだ。 クルツは服を脱ぎ、ロッカーにほうり込む。このロッカーは処理機になっている。服は自動的に処理された。 クルツが生きていたという証拠はロッカーの中に服をほうり込んだ瞬間に消えていた。クルツの服には、彼のパーソナルヒストリーが読み込まれていた。服は個人のデータファイルなのだ。コードが自動的に消滅した。 聖水プールが広がっている。このプールは地中深くの聖水ルートとつながっている。20m平方の部分だけが、夜行灯でライテイングされていた。 遠くの方は、聖水の流れる音と暗渠が待っているだけだった。 クルツはプールの端にあるステックバーをつかみ、右足から聖水にはいっていった。 生命波を感じた。そうとしか言いようがない。自分の空だが少しずつ生命の中で溶けていくのがKにもわかった。 個人の記憶。Kの記憶がまるで大きなボウルの中にほうりこまれたような感じだった。人類数千年の記憶、そんなものかもしれない。自分が地球人類の一人であり、また全体であるような感じもする。 聖水プールはDNA情報プールだ。 人間の記憶、また細胞の記憶。DNAのひとつひとつが分解されていく。それが収斂し、別の生命体となる。Kの意識は、その儀式で自分以上の上位の概念と結び付いていた。 クルツと同じWSで成長の儀式をうけていたAの反応は異なっていた。AはWSの体験を通じて潜り込もうとしたのだ。Aは聖水に対する刺客である。体の成分が聖水に対する毒素であると創造者から言われていた。自分の氏素性が聖水に読み取られるのではないか。その恐れの方が大きかった。 が、Aの体も、クルツと同じように少しずつ溶けていった。 水人の意識レベルの会話だ。『彼Aを受け入れるかね』『彼Aを受け入れて、創造者の現在の居場所を探るという手があるね』『創造者が、彼も大仰な名前をつけたものだ』『彼もはやく、我々のことを理解してほしいね』『いやはや、彼には、理解するのは無理かもしれないがね』(続く)聖水紀ーウオーター・ナイツー第16回ーこの回は構成上第1回と重複いたします。■聖水紀■改題・聖なる水の僕(1976年作品)第17回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com
2022.01.14
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/18/ 源義経黄金伝説■第19回■源頼朝と鎌倉で話し合う西行法師は、奈良東大寺での勧進職であり、昔からの高野山聖以来の友人、重源との会話を思い出している。 源義経黄金伝説■第19回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所 ★you tube★yamadakikaku2009ーyoutubehttp://www.yamada-kikaku.com/ 西行は、奥州藤原氏のことをしゃべり終わると、急に無口になった。頼朝は、話題を変えた。歌曲音舞、そして弓道のことなどである。頼朝はこの伊豆に住みながら、いつも京都のあのきらびやかな文化を、生活を恋い焦がれていた。 武士という立場にありながら、京の文化を慈しみ愛していた。それゆえ、その京の文化に取り込まれることを恐れていた。 義経は、京の文化、雰囲気という、得も知れぬものに取り込まれ、兄頼朝に逆らったのだった。同じように義経より先に都に入った義仲も、京都という毒に当てられて死んだ口だった。 京都は桓武帝以来、霊的都市であった。 藤原道長のときの安倍晴明を始祖とする土御門家が陰陽師として勢力を張っていた。 京のことを懐かしむ頼朝に、西行は佐藤家に伝わる弓馬の術などを詳しく述べていた。これを語る西行は、本当に楽しげである。 鎌倉幕府の史書『吾妻鏡あずまかがみ』には西行と頼朝、夜をあかして話し合ったとある』 西行の頭の中に、急に奈良での重源ちょうげんとの会話が思いおこしていた。 一一八〇年の平家による南都焼き打ちにより、東大寺及び大仏は焼け落ちていた。 都の人々は、平家の横暴を憂える。また、貴族は、聖武帝以来の東大寺を焼き打ちする、平家、武家の所業が人間以外の動物に思えた。また、自分達、貴族に危機が及んでいると考えざるを得なかった。 東大寺の大仏は硝煙の中、すぐに再建に着工され、すでに大仏は開眼供養が一一八五年、後白河法皇の手で、行われていた。 大仏を囲う仮家屋や、回りの興福寺を中心とする堂宇の修復が急がれていた。今、南都は立て続く建築物が現れ、ある種の気に満ち満ちている。 西行は東大寺焼け跡にある仮建築物にいる重源(東大寺勧進僧)を訪ねている。重源は齢六十五才であったが、精力的に各地を遊説し、東大寺勧進を行っていた。また全国に散らばらせている勧進聖から、諸国の様子を手にとるように得ていた。 勧進聖は、当時の企業家である。技術集団を引き連れ、資材を集め、資金も集める。勧進の場合、費用のために半分、残りの半分は聖の手元に入る。 西行は、佐藤義清という武士であった頃は、鳥羽院の北面の武士であった。 西行の草庵は、鞍馬、嵯峨などで、草庵生活を送っていた。草庵といっても仙人のように山奥に一人孤独に住む訳ではなく、聖の住む位置はほぼ決まっていた。そして藤原家を縁とする寺塔が立て並んでいる。 また、難行苦行の生活をするのではない。政事の流れから外れて、静かに物事を考えるのである。日々の方便については、佐藤家は藤原家の分家であり、大豪族であり、日々の心配はないのだ。 数日前、伊勢の庵に重源の使いの者が訪ねてきて、ぜひ東大寺再建の様子を見に来てほしいというのだ。 若い頃、高野山の聖時代に知り合った二人だったが、すでに重源は二度、中国の宋に渡って、建築土木の技術を習得して帰国していた。 「重源殿、お久しぶりでございます。このたびの大勧進抜擢、誠に祝着至極でございます」 「おお、これは西行殿。わざわざ伊勢から奈良まで御足労をおかけいたしました。実はお願いがございます。さてさて、西行殿の高名にすがりたいのです」 「はて、それは……」 「奥州に勧進に行っていただきたいのです。奥州は遠く聖武帝しょうむていの時代より、黄金の産地。できますれば、黄金をこの東大寺のために調達いただけまいか。平泉は黄金の仏教地と聞き及びます。もし、藤原氏から、黄金が手に入りましょう」 重源は、西行と奥州藤原氏とのかかわりあいを知っていた。話の出所は後白河法皇に違いなかった。 時期が時期だ。 奥州へ、それは朝廷から藤原氏への意向を伝えるために違いない。思ったより大きい仕事だ。が、これも私を信じておられるゆえんか。 私の最後の一働きになるかもしれん。 「それと、これは平泉におられる方々への手土産です」 「何でござりますかな。重源殿のことでございますから」「これは…」 鎌倉の絵図である。 「ありがたく頂戴いたします」 西行の顔色は変わっている。相手は、当代希代の建築家・都市建築家の重源である。 「あの方の役に立てばよろしいですが」「役に立ちますとも。では、重源様、私にあのまちをよく見て参れというわけですな」 「そうです。その鎌倉の様子を、詳しく書状にしたためてください。この重源が、いろいろな技者と語らって、新たな絵図をお作りしましょう」 「ありがとうございます」「よろしいか、重源がかようにするは、京都の法皇様のためにでございます」 西行は、重源がさりげなく奥州の秀衡たちに、自分の腕前を披露しようとしていることに気がついている。 西行が去ったあと、重源に雑色ぞうしきが話しかける。 「この御時世でございます。西行様のため、「東大寺闇法師」を護衛に付けた方がよろしいのではございませんか」 「おう、よい考えです。誰か「東大寺闇法師」の中で心当たりの者はおりますか」 「十蔵じゅうぞうが、いま比叡の山から降りてきております」「わかりました。ちょうどよい。十蔵を呼んでください」 続く2016改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.14
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/17/ 源義経黄金伝説■第18回■鎌倉の源頼朝の屋敷は すでに夕刻を迎え、西行は平泉黄金王国の話を語っている。平泉を源頼朝と鎌倉の手から守るために。源義経黄金伝説■第18回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 「西行殿、これから行かれようとしている平泉ですが……」 西行は、平泉のことを意を決してしゃべる。「よく聞いてくだされました。藤原秀衡殿は、平泉に将兵を集めて住まわせることなどはしておりません。よろしゅうございますか。藤原氏の居館は、お城ではございません。平泉の町には、軍事施設はないのでございます」 「では兵はどうするのですか」「いざ戦いがあれば、平泉に駆けつけると聞き及びます。秀衡殿、源頼朝様に刃向かうつもりなどないのでございます」 頼朝は、この西行と藤原氏の関係をむろん疑っている。広元も先刻、西行と会う前に、耳元で同じ旨を告げていた。この西行の平泉への勧進は、果たして何を企んでいるのか。 平泉は城ではないというのか。まるで平泉全体が大きな寺だと、頼朝は、頭をひねりながら、西行の話を聞く。 「初代藤原清衡殿は中尊寺、二代基衡殿は毛越寺、三代秀衡殿は無量光院をお造りになったと聞いております」「それでは、歴代の藤原氏の建築は、すべて寺院だということですな」 「さようでございます。平泉は仏都でなのです。中尊寺建立の供養には、こう書かれているのです。これは初代清衡公のお言葉。長い東北の戦乱で、多くの犠牲者がた。とくに俘囚の中で死んだものが多い。失われた多くの命の霊を弔って、浄土へ導きたい。また、この伽藍は、この辺境の蕃地にあって、この地と住民を仏教文化によって浄化することである。こう書かれています」 頼朝は、冷気を浴びせるようなな視線を、西行に浴びせている。「西行殿は平泉という仏都がお気に入っておられるのですか」 頼朝のその質問に、西行の頭の中に、ある風景が浮かんでいる。平泉、束稲山の桜である。「私は花と月を愛しますがゆえに」 頼朝屋敷はすでに夕刻を迎えていた。 「なぜ、西行殿、秀衡殿を庇いなされる。ただ東大寺がために勧進とはおもわれせん。聞くところによれば、西行殿の佐藤氏と、平泉の藤原秀衡どのとは浅からぬ縁があると聞ききますが……」 頼朝は、矛先を、奥州藤原氏と西行との親密なる関係に向けてきた。この質問に、西行はいささか足元をすくわれる感じがした。 「いや、遠い親戚でございます。私は唯の歌詠み。東大寺の勧進のために、沙金をいただきに秀衡様のところへ参るだけでございます」「それならば、今は、そういうことにしておきましょう。で、西行殿」 頼朝はかすかに冷笑した。その笑いの底に潜む恐ろしいものを感じ、わずかに言葉がかすれている。「何か」 「西行殿は、昔は、北面の武士であられた。平清盛と同僚だったと聞いております。なにとぞ、この頼朝に、佐藤家の、直伝、弓の奥義などお聞か、お見せいただきたいのです」「ふ、私でよろしければ。よろしゅうございます」 話の矛先が急に変わったことに、西行は安堵した。 頼朝は、これ以上、西行を追い込むことを避けた。あまりに西行を追及すれば、この場所で西行を殺さねばなるまい。あるいは、殺さずとも、閉じ込めねばなるまい。 板東の独立のためには。 今、それは京都のいらざる怒りを買うであろう。無論、大江広元も、その案には賛成すまい。 ここは少しばかり話を流しておくことだと頼朝は思う。 一方、西行は虎穴に入らずにはと考えていたが、源頼朝という男は、虎以上に恐ろしかもしれぬ。このことはすぐさま、後白河法皇様に、書状をもって報告せねばならないだろう。この源頼朝という男の扱い方は、義経殿のようにはいかない。 源頼朝は、平清盛の同輩であった微視時代の佐藤則清を想い、今の目の前にいる西行法師が、現在行方不明の弟、源義経の行方を必ずや知っていると思う。西行法師のあとをつけるべきか。 西行と京都王朝・後白河法皇とのつながりも慮る。坂東独立を昔阻んだ俵の藤太の子孫。佐藤家の武名。いずれも鎌倉への障害を体現している西行という男。あなどりがたし。 さらに、西行が交渉し、手に入れるであろう奈良大仏・東大寺再建のための平泉の砂金の行方を如何にと策を考えていた。 続く20210821改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.12
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/16/ 源義経黄金伝説■第17回■鎌倉の源頼朝の屋敷を 西行法師が 平泉からの東大寺への沙金の輸送、その安堵のために訪れていた。 源義経黄金伝説■第17回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 驟雨が、鎌倉を覆っている。 頼朝の屋敷の門前に僧衣の男が一人たっている。警備の騎馬が二騎、二人は、この僧を物乞いかと考え、追い払おうとしていた。 「どけどけ、乞食僧。ここをどこと心得る。鎌倉公、頼朝公の御屋敷なるぞ。貴様がごとき乞食僧の訪れる場所ではない、早々に立ち去れい」語気荒々しく、馬で跳ねとばさんばかりの勢いだ。 「拙僧、頼朝公に、お話の筋があって参上した。取り次いでくだされ」「何を申す。己らごときに会われる、主上ではないわ。どかぬと切って捨てるぞ」ちょうど、頼朝の屋敷を訪れようとしていた大江広元が、騒ぎを聞き付けて様子を見に来る。「いかがした。この騒ぎは何事だ」 広元が西行に気付く。 「これは、はて、お珍しい。西行法師殿ではござらぬか」「おお、これは広元殿、お久しゅうございます。みどもを乞食僧と呼ばれ。何卒頼朝公にお引き合わせいただきたいのです」 「何ですと。天下の歌詠み、西行殿とあれば、歌道に詳しい頼朝様、喜んでお会いくだされましょう」 広元が武者に向かい言う。「この方をどなたと心得るのだ。京に、いや、天下に名が響く有名な歌人の、西行殿じゃ。さっさと開門いたせ」 広元は西行の方を向かい、 「重々、先程の失礼お詫び申しあげます。なにしろ草深き鎌倉ゆえ、西行殿のお名前など知らぬやつばらばかり」「私は、頼朝殿に東大寺大仏殿再建の勧進のことを、お頼み申したき次第です」「何、南都の…東大寺の…勧進で」広元の心の中に疑念が生じた。その波は広元の心の中で大きくなっていく。 「さよう、拙僧、東大寺勧進、重源上人より依頼され、この鎌倉に馳せ参じました。何卒お許しいただきたい」 頼朝と西行が対面し、横には大江広元が控えていた。「西行殿、どうでござろう。この鎌倉の地で庵を営まれましては」「いやいや、私は広元殿程の才もありません」「それは西行殿、私に対するざれ言でござりますか」「いえいえ、そうではございません」 「西行殿、わざわざ、この頼朝が屋敷を訪れられましたのは、歌舞音曲の事を話してくださるためではありますまい」 西行の文学的素養は、絢爛たるものがあった。母方はあの世界史上稀に見る王朝文学の花を開かせた一条帝の女房である。 西暦一千年の頃、一条天皇には「定子」「彰子」という女房がいたが、定子には「枕草子」を書いた清少納言が、また彰子には「源氏物語」を書いた紫式部などが仕えていて、お互いの文学的素養を誇っていた。 「さすがは頼朝殿、よくおわかりじゃ。後白河法皇様からの書状をもっております。ご覧ください」 西行は、頼朝に書状をゆっくり渡す。 頼朝は、それを読み、「さて、この手紙にある義経が処置いかがいたしたものでしょうか。法皇様は手荒ことなきようにおっしゃっておられるが」 「義経殿のこと、頼朝様とのご兄弟の争いとなれば、朝廷・公家にかかわりなきことですが、日々、戦に明け暮れること、これは常ではございません」 「それはそれ。この戦や我が弟のことは私にまかされたい。義経は我が弟なればこそです。我が命令に逆らいし者です、許しがたいのです。……」 頼朝は暗い表情をした。しばらくして、表情が変わる。 続く2016改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.11
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/15/ 源義経黄金伝説■第16回■東大寺の荘園である黒田荘。黒田の悪党たちに京都王朝の人間から、平泉からの東大寺勧進沙金を奪えとの指示が。 源義経黄金伝説■第16回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 奈良にある黒田荘くろだのしょう(現三重県)は、東大寺の荘園である。 先月の東大寺があげての伊勢神宮参詣もこの地で、重源を始め多数の僧が宿をとっている。いわば東大寺の情報中継基地である。 あばら家の中、どぶろくを飲んで横たわっている二人がいる。太郎佐。そこに弟の次郎佐が訪れていた。「兄者、兄者はおられぬか」「おお、ここだ、次郎左」「何じゃ、なぜそんな不景気な顔をいたしておるのだ」 「これがよい顔をしておられるか。お主、何用だ。俺に金の無心なら、無用だぞ」「兄者、よい話だ。詳しい話は、ここにおる鳥海から聞け」 蓬髮で不精髭を生やした僧衣の男が汚らしい格好で入ってくる。着物など頓着していない様子だ。顔は赤銅色に焼けてはいるが、目は死んでいる。 鳥海は興福寺の悪僧(僧兵)として、かなりの腕を振るった人間だ。園城寺、比叡山との悪僧たちとの争いでも、引けを取らなかった。 が、東大寺炎上の折りから、腑抜けのようになっていた。一人生き延び、この太郎左、次郎左のところに転がり込んでいいのである。 鳥海は、話を始めた。「太郎佐殿は、先年、東大寺が焼き払われたこと、ご存じだろう」「おお、無論、聞いている」「東大寺の重源、奥州藤原氏への勧進を依頼した。さて、使者は西行法師」「たしか先月、重源ちょうげんと、、そうか、あのおいぼれ。確か数え七十ではないか」「供づれはいないと聞く。いかに西行とて、この我ら黒田悪党のことは知るまい」「ましてや、みちのく。旅先で、七十の坊主が死んだとて、不思議はあるまい」 「お前、それでは、平泉からの東大寺勧進の沙金を…」太郎佐は言う。「そうよ、奪えというご命令なのだ。この話しはな、京都のやんごとなき方から聞いた。ほれ、このとおり、支度金も届いておる」「さらば、早速」 「まて、まわりがおかしい」太郎左が皆を圧し止めた。動物のような感がこの男には働く。「ようすを見てみろ」次郎左が命令を聞き、破れ戸の隙間からまわりをみる。鳥海も他の方向を覗き見る。「くそっ、お主ら、付けられたのか。馬鹿者め」 まわりは、検非違使けびいしの侍や、刑部付きの放免(目明かし)らが、十重二十重に取り囲んでいる。検非違使の頭らしい若侍が、あばら家に向かって叫んでいた。「よいか、我々は検非違使じゃ。風盗共、そこにいるのはわかっておる。おとなしく、縛につけ。さもなくば討ち入る」 「くくっ、何を抜かしおるか」太郎左、次郎左は、お互いをみやって笑った。戦いの興奮の血が体を回り始めているのだ。 「来るなら来て見ろ。腰抜け検非違使め」大声で怒鳴った。「何、よし皆、かかれ」若い検非違使が刀を抜き言った。「ふふっ、きよるわ。きよるわ」 「よいか、次郎左。ここは奥州の旅の置き土産。一つ派手にやろうか」「あい、わかった」 太郎左と次郎左は、小屋の後手に隠してあった馬に乗り、並んで頭の方へ駆けていく。侍は、急な突進にのぞける。「ぐわっ」 太郎左の右手、次郎左の左手に、握られていた太刀が交差した。 瞬間、検非違使の頭が血飛沫を上げ、青空に飛びあがっている。 後の者共は蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。 「ふふっ、少しばかり、馬をいただいておこう」 三人は逃げ去る侍たちの方へ目がけて駆けていく。 太郎左たちは、板東地方(関東)に入り、盗みを立ち働いていた。まず、第一の目的はよい馬を得ることである。 近畿地方の馬と、阪東や板東の馬とは、種類が違っていた。脚力、体長とも、板東の馬が勝っている。 武者の家が焼けている。中には多くの死人。そこから阪東の馬に乗り飛び出してくる三人の姿がある。 「さすが阪東の馬よのう。乗り心地や、走りごこちが違うなあ」 次郎佐は叫ぶ。「それはよいが、次郎左、屋敷に火を放ったか」 太郎佐が、その言葉を受ける。「おお、それは心得ておる。この牧の屋敷は、もうすぐ丸焼けだ」「行き掛けの駄賃とはよう言うな。屋敷の地下に埋めたあった金品もすべてこちらがものよ」 鳥海が言う。三人は走り去る 続く2016改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.11
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IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/16/ 石の民「君は星星の船」 第16回■Bグループの頭光二を対抗するVグループのローレルとハーマンが捕まえてアジトに連れて行こうとした。その状況に男が急に出現し光二に用があるという。 石の民「君は星星の船」第16回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 「光二さんよ、我々におとなしく、ついてきてもらおうか」えらく背の高い奴ハーマンがいっていた。 「くそっ。おまえ達は」光二の足元は、地上10mの空気なのだ。 「いわずとしれたVグループのキッズよ」 「Bグループのヘッド光二を捕まえたと、あっちゃあ、大手柄なわけさ。おっと、光二よ、あまりあばれると、俺たちの手から、地面へ落ちるぜ。ちょうどおまえのアネキみたいにな」にきび面のローレルがいう。 「くそう、おまえか有沙を殺したのは、」 「おいおい、人違いだぜ、俺はおまえのアネキなど、殺しちゃいない」 「じゃ、おまえか」高い奴ハーマンにいう。 「知らないぜ、光二、少なくとも、俺たちじゃないぜ」 「おい、ちょっと,だまらそうか、しめあげるか。これほど暴れられると、体をもちにくいからな」ローレルがハーマンに同意を求めた。 「そうだな、連れて行きやすくするか」Vグループのキッズは話しあっていた。 「やめろ」光二はさけんでいた。 ローレルは腰のベルトにはさんであった電撃銃を取り出す。光二の体に当てる。 「ぐう」光二は気絶していた。二人は光二を一度地上に降ろす。 ローレルとハーマンはホースの後ろに光二の体をしばりつけようとしていた。 その時、突然、目の前地上に一人の男が出現していた。 「だれだ、おまえは」ローレルが男にきずき、声をあげる。 「光二の味方か」ハーマンがわめく。 「Bグループのキッズじゃないな」 「それに平和チームの者でもないな」 「なんだ、こいつの格好は」 「仮装行列かい」 「ここは舞台じゃないんだ。関係のない奴はひっこんでろ」これだけ、ローレルとハーマンがいっても男は無言だ 男は光二の様子を探って入る。 「ちっ、気持ちのは悪い奴だぜ。おい、速く。アジトまでかえろうぜ」 「そうだな、Bグループの邪魔がはいらないうちに」 二人は気を失っている光二をホースの後ろに乗せて飛び上がろうとしていた。 その時、静かにしていたその男が、目にもとまらむ早さで、Vグループのローレルとハーマンの間に割り込んで、ホースの操縦管を持つ二人の手を、男は両手でおさえていた。 「何、何をしやがるんだ。てめえ」 「やはり、Bグループのキッズか、おまえは」男は何もいわない。 「そうかい、それじゃ、御相手しなきゃな」 「悪いことはいわない。私の相手になるな。私はその光二に用があるんだ」男が初めて声をだした。男の顔の表情は、過去が尋常ではなかった事をあらわしている。 「光二に用があるだと」Vグループの二人は顔をみあわす。 「ふふっ、残念ながら、我々もこの光二に用がある。俺達Vグループが先客だ。ものには順番がある。おっさん、そのくらいの事はわかっているだろうが」 「順番だよ、次には光二を渡してやるさ」 「ああ、もし光二が生きていればの話しだがな」二人は笑う。 「私はそんなに待つ訳にはいかん」男の目は遠くを見るような眼だった。ローレルはこの男のマリーンブルーの眼を見て、ぞっとした。 「おまえはフッコウ・ドームへの来訪者だな」 「俺たちはこのフッコウ・ドームでは少しは知られた名前なんだ、Vグループといってな」 「我々にさからおうというのは、ここフッコウ・ドームの法律を破っているのと同じさ」 「残念ながら、私にも法律がある。そのわたしの法律にしたがって光二をもらっていく」男は二人に言う。 「どうやら、このお客人は俺たちに、喧嘩をうっているようだぜ。どうするハーマン」 「それならば、歓待しないってほうはないな、ローレル」 「あとで泣いてもだめだぜ」二人は男にとびかかっていく。 石の民第16回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.09
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/14/ 源義経黄金伝説■第15回■平家に焼かれた東大寺の再建の中心人物、重源(ちょうげん)が、若い僧と湯釜を囲んで話し合っていた。 源義経黄金伝説■第15回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ おなじころ、奈良東大寺。 焼け落ちた大仏の鋳造も終わり、これからは大仏殿の建築にとりかかろうとしている時である。 治承四年(1180)平重衡の手で東大寺をはじめ興福寺の伽藍が焼かれ大仏が焼けた折、京都の貴族はこの世の終わりと思ったものだが、、重源ちょうげんの一団、勧進聖の手で、東亜においての黄金国日本の象徴である東大寺大仏は、その姿を再びこの世に現している。 牛車が荷駄を載せ、大工、石工、彫師、諸業の人間が一時に奈良に集まり、人のうねりが起こっている。 その活気に囲まれ東大寺の仮屋で、この勧進事業の中心人物が、もう一人の若い僧と湯釜からでる湯気を囲んで話し合っている。 「どう動かれますでしょうか。西行さまは」、 若い僧が年老いた僧に尋ねる。 「西行殿が、東大寺にために、どれほどの勧進をしてくださるかという問いですかな、、」何か言外に言いたげな風情である。 「左様、、でございます」 若い僧は、この高名な僧の話し振りにヘキヘきする事もあるのだが、なんと言っても、当代「支度一番したくいちばん」の評判は彼の目から見ても揺ぎ無いところだ。このような難事業はやはりこの漢しかできまい。 「お手前は、まだまだ、蒼いですね、、」「といいますと」少しばかりの怒りが、若い僧の口ぶりに含まれている。 「西行殿は、あるお方の想いで動いておられます。人生の最後の花と咲かせるおつもりです」「では、平泉の黄金は、大仏の屠金はどうなります、、いや、しかし、重源ちょうげんさまは、昔、西行さまの高野の勧進をお手伝いされたのでは、、」若い僧は、答えに困惑している。「蓮華乗院の事ですか。ふう。あれはあれ、これはこれです。我が東大寺の伊勢への 参拝の件で西行殿は 恩は返してくれているのですよ。はてさて、物事はどう転ぶか、ですな」 高野山の蓮華乗院の勧進を、西行が行っていた。治承元年(1177)の事である。 西行の働きで、歴史始まって以来初めて、、仏教僧が、伊勢神宮に参拝している。 重源ちょうげんの一団である。西行は、神祇信仰者であった。本年文治二年(1186)であった。 「重源様は、西行様と高野山では長くお付き合いされたと聞き及びます」 「そうです、西行殿が、高野山麓の天野別所に、妻と子も住まわせておったこともしっておりますよ。また、西行殿の弟の佐藤仲清殿が佐藤家荘園の田仲庄の事で、高野山ともめておられた事も、よく存じあげております」「さらに、」重源は少し、言葉をにごす。「相国殿(平清盛)との付きあいも、よく存じ上げていますよ」 西行の実家、佐藤家の荘園、田仲庄は、紀州紀ノ川北岸にあり,粉河寺と根来寺の中ほどにある。 「ああ、和田の泊(現在の神戸港)も重源様の支度でございましたな。そうか。それで、東大寺の闇法師である重蔵殿を、、お供に」 「そうです。すべては、西行殿が平泉に這いてからです」 二人は、若い僧、栄西えいさいが中国・宋から持ち帰栽培した茶をたしなんでいる。 独特の香ばしい馥郁ふくいくたる香りが、二人をゆったりと包んでいる。 続く2016改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.09
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/13/ 源義経黄金伝説■第14回★旅装の僧が、目の前の風景荒錆びた様子で噴煙をあげている富士山に嘆息する。背後には東大寺闇法師。 源義経黄金伝説■第14回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 広野から見えるその山は、荒錆びた様子で噴煙をあげている。富士山である。「おうおう、何か今の時代を表わしているような…」 一人の旅装の僧が、目の前の風景に嘆息をしている。心のうちから言葉が吹き出していた。その歌を書き留めている。詩想が頭の中を襲っている。 湧き上がる溢れんばかりの想い。僧は、もとは武士だったのか屈強な体つきである。 勢い立ち噴煙を上げているは富士の山。富士は活火山である。 『風になびく 富士のけぶりの空に 消えて行方も知らぬ 我が思いかな』 「我が老いの身、平泉まで持つかどうか。いや、持たせねばのう」 老人は、過去を思いやり、ひとりごちた。 豪奢な建物。金色に輝く社寺。 物珍しそうに見る若き日の自分の姿が思い起こされて来た。 あの仏教国の見事さよ。心が晴れ晴れするようであった。みちのくの黄金都市、平泉のことである。 「平泉だ、平泉に着きさえすれば。藤原秀衡ひでひら殿に会える。それに、美しき仏教王国にも辿り着ける」 僧は、自らの計画をもう一度思い起こし、反芻し始めた。 平泉にある束稲山たばしねやま、その桜の花、花の嵐を思い起こしている。青い空の所々が、薄紅色に染まったように見える。その彩は、絢爛たる仏教絵巻そのものの平泉に似合っている。 それに比べると都市まちとしては鎌倉は武骨である。 「麗しき平泉か、、そうは思わぬか、な、重蔵じゅうぞう殿」言葉を後ろに投げている。 後ろの草茂みにいつの間にか、黒い影が人の形を採っている。 東大寺闇法師、重蔵(じゅうぞうである。 「西行さいぎょう様はこの風景を何度もご覧に」 「そうよなあ、、吾が佐藤家はこの坂東の地にねづいておるからな」 西行ー佐藤家は藤原北家、そして俵藤太をその祖先とする。平将門の乱を鎮めた藤原秀郷ひでさとである。 「重蔵殿、まだ後ろが気にかかられるか。はっつ、気にされるな。結縁衆けちえんしゅうの方々だ。ふう、鬼一法眼きいちほうがん殿が、良いというのに後詰めにつけてくだされた」 一息。 「さてさて、重蔵殿、鎌倉に入る前、いささか、準備が必要だ、御手伝いいただけるかな」 しっかりとした足取りで、西行は歩きはじめた。 続く2016改訂Manga Agency山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.09
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源義経黄金伝説■第13回 静の動静を悩む者。 静の母親 磯禅師(いそのぜんし)が、固唾を呑んでその舞いを見ていた。 裏切られた。 「禅師が苦労を無にするつもりか」 ▼この小説のURLhttps://ncode.syosetu.com/n1703dc/12/ 義経黄金伝説■第13回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 桟敷の中央にいる源頼朝が、急に立ち上がった。 「あの白拍子めが。この期に及んで、ましてやわが鎌倉が舞台で、この頼朝が面前で、義経への恋歌を歌うとは、どういう心根だ。この頼朝を嘲笑しているとしか思われぬ」 頼朝は毒づいた。それは一つには、政子に対するある種の照れを含んでいる。 「よいではございませぬか。あの静の腹のありようお気付きにありませぬか」 政子はとりなそうとした。薄笑いが浮かんでいることに、頼朝は気付かぬ。 「なに、まさか義経が子を…」「さようでございます。あの舞いは恋歌ではなく、大殿さまに、我が子を守ってほしいというなぞかけでございます」 「政子、おまえはなぜそれを……」 疑惑が、頼朝の心の中にじっくりと広がって行く。 今、このおりに頼朝に、自分の腹の内を探らせめる訳にはいかぬ。あのたくらみが、私の命綱なのだから。政子は俯きながら黙っている。 「……」「まあよい。広元をここへ」 頼朝の部下、門注所別当・大江広元が頼朝のもとにやってくる。 「よいか、広元。静をお前の観察下に置け。和子が生まれ、もし男の子なら殺めよ」[では、大殿。もし、女の子ならば、生かして置いてよろしゅうございますな」 「……それは、お前に任せる」 広元はちらりと政子の方を見ていた。 頼朝は広元と政子の、静をかばう態度に不審なものを感じている 政子は静を一眼見たときから、気に入っていた。その美貌からではなく、義経という愛人のために頑として情報を、源氏に渡さなかった。 その見事さは、一層、政子を静を好ましく感じた。 また、京の政争の中に送り込まれるべく、その許婚を殺されたばかりの、政子と頼朝の子供、大姫をも味方に取り込んでいた。 義経の行方を探索する人間は、何とか手掛かりを取ろうと静の尋問を続けた。が、それは徒労に終わった。 尋問した武者たちも、顔には出さなかったが、この若い白拍子静の勇気を心の中では褒めたたえていた。 観客の中で、静の動静を悩む者が、もう一人。静の母親 磯禅師いそのぜんしが、固唾を呑んでその舞いを見ていた。 裏切られた。そういう思いが心に広がっている。愛娘と思っていたが、 「あの静は、この母、禅師が苦労を無にするつもりか……」やはり、血の繋がりが深いものは…。 この動乱の時期に女として生き残って来た者の思いが、頭の内を目まぐるしく動かしている。 その思いは、しばらくの前のことに繋がる。静の母禅師は、政子の方を見やった。 続く2010改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.09
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/11/ 源義経黄金伝説■第12回源氏の一族は一族の血の記憶として,鉱山経営のうまみをしっている。 そして、今、目指すは奥州金山である。 源氏の護り神、八幡神は、産銅・産鉄神である。 最終目標は奥州。 源義経黄金伝説■第12回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 大江広元おおえひろもとは、これから奥州平泉を攻めようとする頼朝にとっては勝利を確約する、いわば勝利の女神であった。 なぜなら、大江広元の曾祖父は、奥州攻略を成功させた八幡太郎はちまんたろうの知恵袋だった。 占いの専門職。占いはこの時期の総合科学である。しかし、今、その広元は恐怖を感じて、青ざめていた。このままでは、会場の武士を味方にしてしまう。 大殿はいかに、頼朝をかいま見る。 政治顧問である,荒法師の異名をとる文覚もんがくでさえ、静の舞に内心は心動かされていた。 文覚は若い頃、北面の武士の折、色恋沙汰で殺傷事件を起こしている。感情の高ぶりをおさられないのである。この感情の濃さが、いい具合に発露すると、それが、寺社の勧進かんじんとなった。 また、頼朝に対する挙兵を教示し、いわば、頼朝の教師である。 頼朝とは幼き頃、朝廷で顔を見知り置いている。その後、文覚は数々の荒行をこなし今は、江ノ島で、藤原秀郷の呪殺を、頼朝から依頼され、とり込んでいる。 先年、後白河法皇から許可を受け、京都から、頼朝の父、義朝の骨を発見し、クビからぶら下げ、東海道を下るという鎌倉幕府成立の知らしめる行いしながら帰ってきたばかりである。この寺は、勝長寿院・大御堂という。 骨の髄から、頼朝は、平泉を恐れている。 16万の軍旗が、義経という天才に率いられて鎌倉を背後から、また海から襲ってくる事。おそらく、この日本で、義経は最高の軍事指揮官であろう。それは頼朝も、いらなぶ、坂東武者もわかっている。 傍らに控える大江広元も、文覚も理解しているだろう。この勝利はまさに義経のおかげである。そのため、そのおもいものである静かが、ここで、頼朝に対して恭順のいを著わすべきであった。が政子が、、意図と違う事を、わずかながら、意思の疎通がうまくいかぬ。 また、最大の交渉者、西行さいぎょう法師が、この鎌倉を目指していると文覚から、聞いている。 西行は、京都王朝で、始めて伊勢神宮と、東大寺の手を握らせた男。 後白河法王の意図で動く男。文覚とは、北面の武士の折の同輩。 そして義経とも、平泉とも、近しい。 この坂東でも、西行の本家、佐藤家の威光は輝いている。東北の伝説の勇者、平将門たいらのまさかどを強弓で射抜いた、俵の藤太の子孫。それが西行。加えて、当代一の詩人・この文学的功名は、京都貴族の中においても光り輝いている。いわば京王朝の切札。 また、平泉にとっても最強の交渉の1枚。まして、民衆の指示を受けつつある東大寺再建指導者、重源ちょうげんの友人。 そして、その後ろには結縁衆けちえんしゅう。 恐らくは東大寺を始めとする京宗教集団の力も。意図は何か。西行は1万の武装集団よりも怖い。頼朝はそう思った。 源氏は鉱山経営と関連が深い。祖先・源満仲は、攝津多田の庄(現・兵庫県川西市)の鉱山経営の利益を得ている。能勢・川辺・豊島三郡における鉱脈を支配し、最盛期2000を越える抗を穿っていた。 鉱山の警備隊として武士団を養い、鉱山経営のうまみを知った源氏は、その後、京都大江山鉱山の利権も手にした。その利権を手に京にいき貴族を籠絡する。いわば鉱山貴族である。 いわゆる大江山鬼退治の伝説である。 源氏は一族の血の記憶として,鉱山経営のうまみをしっている。そして、今、目指すは奥州金山である。源氏の護り神、八幡神は、産銅・産鉄神である。最終目標は奥州。また、そのためにもこの東国の独立運動はまもらねばならぬ。 東国王朝は、源氏の悲願である。奥州平泉王朝を打ち倒す事もまた源氏の悲願。 それぞれの思いの中、やっと頼朝は、言葉を発した。 続く2010改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.06
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SM聖水紀ーウオーター・ナイツー 宇宙から飛来した聖水は地球の歴史を変えようとした。人類は聖水をいかに受け入れるのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n4401dn/15/ 聖水紀ーウオーター・ナイツー第15回■地球での目的を達した聖水人は、聖水騎士団の壊滅をはかる。一人、聖水騎士フガンのみが生き残る。 聖水紀 ーウオーター・ナイツー 第15回■1976年作品 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com 聖水紀[第8章] 聖水神殿の中央大広間に聖水騎士団が結集していた。聖水人数名が出てきて、騎士団は静まり返る。 『聖水騎士団の諸君、本日をもって聖水騎士団は解散する』聖水人のひとりが発表した。 「何ですって」 「どういうことです」驚きの声が聖水騎士団かのあちこちからあがっていた。 「まさか、『みしるし』を手にいれたからではないでしょうね」発言したのはフガンだった。 『そのとうり。我々が『みしるし』を手にいれたからだ』 「じゃ、やはり、あの『みしるし』はベラだったのか」 「そう、そのとうりだ。我々が探していた『みしるし』はベラの体の中にあった」 「それで、あなたがたが地球での役割を果たしたので、我々聖水騎士団はご用済みという訳ですか」聖水騎士団団長アマノ博士が冷たく言う。 「そうだ。我々は『みしるし』を手にいれたことで、地球にきた目的の一つは果たした」 「一つですと、まだ、何か」アマノ博士がつづける。 「アマノくん、まだ、わからんのか。アマノ君ですら」 「我々、地球人が宇宙意識をもつという」アマノ博士がさらにつづける。 「そういうことだ。それには一番必要なことが残っている」 「まだ、何か、望んでいるのですか」 「そう、肝心なことがまだなのだ」 「一体、それは」 「地球人全体を我々、聖水の仲間にすることだ」 「あなたがたは、いったいまさか」アマノ博士が驚きの表情で叫ぶ。 「アマノくん、君の思うとうりだ」 「団長、いったい聖水は」アマノの顔は気色ばみ、皆の方をふりかえった 「聖水人を滅ぼせ。こいつらは人類を完全に融解し、聖水に飲み込もうとしている」 「何ですって」 「そんなことが」 聖水騎士団より、驚きの声があがる。 『ようやくきずいたようだね。そのとうりだ』 騎士たちは目の前にひろがる神殿の聖水プールにたいして攻撃をしょうとする。 が、いかんせん聖水人の敵ではない。 神殿の聖水プールや広間の四方の壁が崩れる。聖水があふれる。 聖水の波は聖水騎士団たちの体を持て遊び、波間に飲み込んだ。 『これが、宇宙の意志というものだよ』聖水人はそう告げた。 「わたしは」聖水騎士団1人フガンの意識がもどる。 「なぜ、私は」 『君には、用事がまだある』聖水人がいった。 「私フガンがあなたがた聖水人にしたがうとでも」 『そうせざるをえんだろうね』聖水人はいいはなった。 「生きるも地獄、死ぬのも地獄。それならば、すこしばかり個人の意識として生きながらえてみますか。このわずかばかりの生命を楽しんでみましょう」フガンは聖水騎士団の姿のまま、叫んでいた。元の神殿の聖水まみれの中でその声は虚しく響いた。 聖水紀 ーウオーター・ナイツー 第15回■1976年作品 作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com #ウオーター・ナイツランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.05
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/10/ 源義経黄金伝説■第11回(第10回欠番)鎌倉幕府、源頼朝の前で、歌姫・白拍子・女の戦士としては、源義経の恋人、静は十分にこの戦場で勝利をおさめようとしていた。 源義経黄金伝説■第11回(第10回欠番)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ あの女、手に入れたい。頼朝は思った。たとえ、義経の思いものであったとしても…。 文治二年(1186)四月八日。 鎌倉八幡宮の境内。 目の前には、京一番の舞い手義経が愛妾が舞をまっている。 義経の女の趣味は良い。誉めてやりたいぐらいだった。 頼朝は今でも心のうちは、京都人である。京都の女が好きなのであった。この田舎臭い鎌倉近辺の女どもには、あきあきしている。 が、そのあたりには、異常に感の鋭い政子のために、今までにも、散々な目にあっている。いままた、頼朝はちらりと…、横目で政子の方を向く。視線がばったりあう。 いかぬ。 政子はその頼朝の心を見抜いているかのようだった。が、政子は、そんな頼朝の思いを知らぬげに、静の舞に見ほれている。よかった。感づかれなかったかと、頼朝は安心した。 政子の思いは別のところにあったのである。 北条家・平政子は、この板東を統べる漢の妻になれたという自負もあり、肌色もよろしく、つやつやしている。新しい坂東独立国が、京都の貴族にもかなわぬ国が、我が夫、頼朝の手でなったのである。 義経のことは、気にならなかった。静という、コマを手に入れているのだから。それに静の体には。「ふふう」と、思わず政子は笑った。 大殿もそのことはご存じあるまい。せいぜい、京都から来た白拍子風情に、うつつを抜かされるがよい。 私ども、関東武士。平家の北条家が、この日本を支配する手筈ですからね。あなた、大殿ではない。誇りが、政子の体と心を、一回り大きく見せている。 頼朝はある種の恐れを、我が妻である政子に感じている。やがて,後に政子は、日本で始めて、女性として京都王朝と戦いの火蓋を切るのだが、その胆力は、かいま見えているのだ。 この政子と頼朝に共通している悩みと言えば、それは…愛娘大姫のことであった。 舞台の上の静の元気さ、華麗さを見るたびに、比較して打ちし抱かれたようになっている大姫の心の内を思い悩む二人であった。 その問題は二人の、この鎌倉幕府成立の内にたなびく暗雲である。 大姫はうつむきかげんに静の舞いを見ている。 舞台を見て嗚咽が会場のあちこちに広がっている。見事である。それが、武士達にとっての正直な感想であろう。 いわば敵に囲まれながら、どうどうと義経への恋歌を歌うとは、歌姫・白拍子・女の戦士としては、静は、十分に この戦場 敵地鎌倉で勝利をおさめようとしていた。 続く2016改訂源義経黄金伝説■第11回(第10回欠番)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.05
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SM聖水紀ーウオーター・ナイツー 宇宙から飛来した聖水は地球の歴史を変えようとした。人類は聖水をいかに受け入れるのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n4401dn/15/ 聖水紀ーウオーター・ナイツー第14回■地球での目的を達した聖水人は、聖水騎士団の壊滅をはかる。一人、聖水騎士フガンのみが生き残る。 聖水紀 ーウオーター・ナイツー 第14回■1976年作品作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com 聖水紀[第8章] 聖水神殿の中央大広間に聖水騎士団が結集していた。聖水人数名が出てきて、騎士団は静まり返る。 『聖水騎士団の諸君、本日をもって聖水騎士団は解散する』聖水人のひとりが発表した。 「何ですって」 「どういうことです」驚きの声が聖水騎士団かのあちこちからあがっていた。 「まさか、『みしるし』を手にいれたからではないでしょうね」発言したのはフガンだった。 『そのとうり。我々が『みしるし』を手にいれたからだ』 「じゃ、やはり、あの『みしるし』はベラだったのか」 「そう、そのとうりだ。我々が探していた『みしるし』はベラの体の中にあった」 「それで、あなたがたが地球での役割を果たしたので、我々聖水騎士団はご用済みという訳ですか」聖水騎士団団長アマノ博士が冷たく言う。 「そうだ。我々は『みしるし』を手にいれたことで、地球にきた目的の一つは果たした」 「一つですと、まだ、何か」アマノ博士がつづける。 「アマノくん、まだ、わからんのか。アマノ君ですら」 「我々、地球人が宇宙意識をもつという」アマノ博士がさらにつづける。 「そういうことだ。それには一番必要なことが残っている」 「まだ、何か、望んでいるのですか」 「そう、肝心なことがまだなのだ」 「一体、それは」 「地球人全体を我々、聖水の仲間にすることだ」 「あなたがたは、いったいまさか」アマノ博士が驚きの表情で叫ぶ。 「アマノくん、君の思うとうりだ」 「団長、いったい聖水は」アマノの顔は気色ばみ、皆の方をふりかえった 「聖水人を滅ぼせ。こいつらは人類を完全に融解し、聖水に飲み込もうとしている」 「何ですって」 「そんなことが」 聖水騎士団より、驚きの声があがる。 『ようやくきずいたようだね。そのとうりだ』 騎士たちは目の前にひろがる神殿の聖水プールにたいして攻撃をしょうとする。 が、いかんせん聖水人の敵ではない。 神殿の聖水プールや広間の四方の壁が崩れる。聖水があふれる。 聖水の波は聖水騎士団たちの体を持て遊び、波間に飲み込んだ。 『これが、宇宙の意志というものだよ』聖水人はそう告げた。 「わたしは」聖水騎士団1人フガンの意識がもどる。 「なぜ、私は」 『君には、用事がまだある』聖水人がいった。 「私フガンがあなたがた聖水人にしたがうとでも」 『そうせざるをえんだろうね』聖水人はいいはなった。 「生きるも地獄、死ぬのも地獄。それならば、すこしばかり個人の意識として生きながらえてみますか。このわずかばかりの生命を楽しんでみましょう」フガンは聖水騎士団の姿のまま、叫んでいた。元の神殿の聖水まみれの中でその声は虚しく響いた。 聖水紀 ーウオーター・ナイツー 第14回■1976年作品作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com #ウオーター・ナイツランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.04
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/9/ 源義経黄金伝説■第9回 東北黄金王国の平泉に、東西の軍書を読んでいる牛若はいた。さらに女真族の国へと。 源義経黄金伝説■第9回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 平泉に、東西の軍書を読んでいる牛若はいた。 その顔は真っ黒にやけ、元気そうに見える。基本的体力は、鞍馬山にて鍛えられ、この奥州の地でその体力がぐんぐんと伸びていた。また馬も、この地の馬にすぐ慣れ、新しい馬術を学んでいる。 「牛若殿、ご勉強、精が出ますな」 奥州平泉の帝王、秀衡であった。「これは秀衡様」 牛若は姿勢を正し、挨拶をした。 「いやいや、そう堅苦しくせずともよい。よろしいですか、牛若様。我が郎党ども、感嘆の声をあげておりますのじゃ」 にこやかに秀衡は言う。本当にうれしそうなのだ。「いや、一体」 牛若には、この秀衡が、なぜ機嫌がいいのか、わからぬのだ。 「腕がよい。教えがいがあると、申しますのじゃ。教える者は、京の軟弱な子供かと考えていたようでございますよ。はは」 「これはしたり。こう見えても私は、源氏の氏長者の息子でございます。そうはずかしい仕業を見せる訳には行かぬのです」 若い牛若は、本気で怒っているのである。彼には、大きなプライドがある。たとえ、母親が白拍子であろうと、父親は歴とした源義朝。由緒正しいのである。逆に言えば、牛若の売り所はそれしかないのである。その一点に牛若はかけていた。 「それで、元気のよい牛若様。一つ留学をなさって見る気になりませぬか」「留学ですと。私は僧になるつもりはありませぬぞ」意外な 言葉に、牛若は怪訝な顔をする。「いや、別に僧になり、仏教を勉強していただこうという訳ではありません。我が平泉には僧は足りておりまする」「では、何のために」 一瞬、秀衡は牛若の顔をのぞき込んでいる。「武術でございます」ゆっくりと秀衡は告げた。 「武術ですと。、、」牛若も詰まった。「それは面白い。中国の武術、実際に見て見たかった」「いや、牛若殿。中国、宋へ渡る訳ではないのです」 「我々、平泉王国は、近くは蝦夷、遠くは黒竜江まで、貿易をしておることはご存じでしょう」 「まさか、その黒竜江を越えて」「さようです。丁度便船を、津軽十三湊とさみなとから出す予定があるのです。従者を付けましょう」 十三湊は奥州平泉の支配下にあり、外国との貿易でにぎわっていた。 「従者、それは」「吉次です」「吉次。あの者が、なぜ」 「吉次は、京都、平泉第にいた隠密の一人ですが、もともとあの男は播州(ばんしゅう・兵庫県姫路のあたり)の鋳物師の息子。冶金については、一通りの技術を持っているのでございます。吉次には、かの地の新しい技術を持ってこよと」 牛若は、少しばかり考えにひたっている。 この機会、かなり面白いかもしれぬ。 牛若は本で読み、体得した技を使って見たくて仕方がなかった。秀衡の部下相手の模擬戦には、少しばかり飽いて来ていたのだ。実戦を経験したかったのである。 「宋を北方から狙っている、女真族の一団があります。すでにこちらの手配は済んでおります。後は牛若様の決断次第。よろしいですか。私はあなたを実の息子のように、いや息子以上に思っております。これは何も西行殿に頼まれた訳ではない」 「わかりました。外国へ行かせていただきます」 「おお、さすがは牛若様じゃ」 ■■7 一一七八年 中国沿海州・女真族の国に義経はいる。 「日本のこわっぱ、このようなことができるか」義経の前を一陣の風がまった。いや、風でなかった、人馬一体となった戦士が、的を次々に射抜ているのだ。神業であった。歓迎の印として女真族の若者が見事な射術を見せているのだ。 平泉をでて2ヶ月の時間を経て、牛若は中国、女真族の国にたどり着いている。彼らは裸馬に乗り、あぶみ、両手を離し、後ろ向きに弓矢を打つのである。おまけに、その矢は、すべて中心に打ち込んでいる。日本の流鏑馬の巧者でもあそこまでは打てまい。義経は感心している。また、自分を送り出した秀衡の頭のさえにも。秀衡は牛若をこの地に派遣し武術を学ばせ、牛若を平泉の武将とし西国王朝の備えにしょうとしているのだ。 「弁慶、どうじゃ、あの若者は」 義経は傍らにいる弁慶に尋ねた。弁慶は付き従ってきた。元々弁慶は紀州熊野水軍の流れをひく。この国の水軍の武術に興味があるのだ。 「恐るべき術にございます。日本の武者では、あのような真似はできますまい。若、やはり世界はひろうございます。我々の預かり知らぬ術を持つ人間が多うこざいます」 先年まで、京都の鞍馬という山にいて、自分の存在の不遇を嘆いたおとこが蛮地、奥州平泉にあり、そこから先、日本の毛外のち、にいるのだ、新しい運命!、それをあの僧形の男が与えてくれたのだ。 あの男は何故に。牛若の心に疑問が浮かんだ。 この女真族の国で、牛若は戦術を学んだ。それが財産となる。 続く2014改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.04
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SM聖水紀ーウオーター・ナイツー 宇宙から飛来した聖水は地球の歴史を変えようとした。人類は聖水をいかに受け入れるのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n4401dn/14/ 聖水紀ーウオーターナイツー第13回レインツリー組織のロイドは、愛するベラを助けようと聖水神殿に行くが、神殿にいるベラは、聖水の御印となり、地球の聖水化を推し進める御神体となっていた。 聖水紀ーウオーター・ナイツー第13回■1976年作品(1976年作品)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 第8章続き レインツリー組織のロイドはベラを深く愛していたことに急にきずいたのだ。なぜ、俺は聖水騎士団のフガンが彼女を連れて逃げた時に反応しなかったのだ。自責の念が常にロイドの心を占めていた。過去にさいなまれているロイドは周りが見えていない。 「何者だね」急に聖水騎士団の男がいた。 「聖水への帰依を希望するものです。遠くから参りました」 「それは殊勝な心がけだ。どうぞ、この門をとうりなさい」 聖水神殿への道だった。この門では怪しい者がいないか、常に聖水騎士団が見張っていた。神殿の前はごったがえしていた。 ロイドは巡礼の一人にたずねる。 「何かあったのですか、この騒ぎは」 「お前さん、何もしらないのか」男は不思議そうな顔をする。 「いえ、私は遠くからここへ着いたところで」 「それなら、しかたがないな。『みしるし』が発見されたのだ。これで新しい時代がくるって、大騒ぎなんだ」 「『みしるし』が」 「そうなんだ。おまけに、今日、我々がその『みしるし』を神殿で拝見できるって訳だ」聖水神殿に潜入し、聖水プールにたどりついた。 ベラがプールの中で寝ていた。ベラはとても美しく見えた。 がここは聖水神殿。信仰の中心地。敵の本拠。 人が多くとてもちかずけそうにない。また、この時期では警備も厳重だろう。 ベラを目の前にして、ロイドは無念の涙を流す。 神殿から退去し、近くにある建物の壁に変化した。 誰もロイドにはきずかない。彼ロイドは周りに同化する能力をもっていた。 夜になり、人影がなくなった。ロイドは生身にもどった。 ロイドはベラを見付けようと思った。が急に後ろから、声をかけられた。 「これは、これはロイドくんではないですか、変身が君のレインツリー能力の呪術でしたか」フガンだった。 「フガン、俺をどうする気だ」 「そうですね。どうしましょうか」フガンは少し考えていた。 「ベラにあいに来たのでしょう。じゃ、ベラの所まで案内してさしあげましょう」 「なぜ、俺を助ける」 「なぜ、私はこう見えても、血も肉もある人間です。さあ、ついてきなさい」 フガンはロイドを神殿の中央祭壇まで連れていく。 「さあ、早く。ベラを連れておにげなさい。私は消えます」いかなる意図があるのか理解はできない。しかし、チャンスは今しかない。 ロイドは後ろを何度も振り返る。罠ではないかと。が、他には誰もいない。プールにベラが沈んでいた。かわいそうなベラ。そして愛しきベラ。ロイドは思った。 「助けにきたぞ、ベラ」 『ロイド、私はもう、昔の基準では生きてはいない』 ベラの目が開き、顔をこちらに向けている。どうしたのだ。が恐れずロイドはつずける。 「ベラ、君を愛している。私の手元に戻ってきてほしい。何よりも君が必要なのだ。そう、私はきずいたのだ」 『もし、あなたが私を愛しているのなら』プールの中、揺らめきながら、ベラはしゃべつている、水の中で。 「君を愛しているのなら、どうするのだね」 『あなたも私と同じように、聖水に同化してほしい』 「君はどうしたのだ」恐れがロイドの心に走った。本当にベラなのか。別の生き物ではないか。 『ロイドようこそ』何かがベラの側に形作られていた。 「貴様は」 『君たちが言う聖水人だよ』 「きさまが聖水人なのか。ベラを返してもらうぞ」 『ベラがのぞむまい』 「何をいう」 『彼女は我々聖水人にとって偉大なる祖先の記憶をもっているのだ』 「まさか、本当ではないだろうな、ベラ」 「残念、本当よ、ロイド。私は聖水のみもとにいる」 「何があった、ベラ」 「私は原初の人類の記憶を取り戻した。よろしいですか、あなた方、人類は聖水に同化します。いあやしなければならない」 死刑宣告を受けたかのように、ロイドの体はふるえた。 『我々はこの地球のすべてを手にいれる』 「何だって、そんなことさせるか」 『むだだよ、ロイドくん、君も人類創成の秘密をしれば、我々に従わざるをえんよ』 「まさか、きさまたち」ある考えがロイドの頭に巡った。 『君の考えたとうりだよ』 「まさか、そんなことが」顔が強張る。 ロイドの頭の中にベラの記憶が想起される。 「やめろ、やめてくれ。こんなことがあつてたまるか、こんなことが、くそ、こんなことなら、俺を殺せ。ベラ、君の手で、お願いだ」 ロイドは喚きながら、涙を流していた。ロイドの方へ、聖水プールからのベラの手が伸びていた。何Mの長さに伸びた手が。やがて、彼の体は溶けていく。 『レインツリーの諸君、君たちは遠く離れて表意術でみているだろう』 これが事実だ。君たちの存在価値はどこにある? 究極の表現だった。反聖水組織のレインツリーの精神的な支柱はくづれる。 ■海に達した聖水は、海水と激しい争いを繰り返していた。水H2Oを分解し、自分たちの組成に組み替えていた。それに対して海、地球の海なるものも戦いを挑んでいた。聖水と海水との境界線は熱をもっていた。蒸発する水が湯気を上らせていた。 が聖水の方が勢いがあった。彼らはいわば、狂信者であり、ある一定の意志の元に進化しているものだった。 地球のあらゆるところで、地球の水は変化を遂げていた。地球の水が聖水に飲み込まれて増殖いた。そして、聖水へと変化していった。 聖水紀ーウオーター・ナイツー第13回(1976年作品)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#ウオーター・ナイツランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.03
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/8/ 源義経黄金伝説■第8回-全72回「私が欲しいのは鞍馬宝物の征夷大将軍坂上田村磨呂公の太刀なのだ」と牛若はいう。 源義経黄金伝説■第8回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所Manga Agency山田企画事務所 http://www.yamada-kikaku.com/ 弁慶は鬼一から 牛若の氏素性を話され、守り役に徹すると決めた。 牛若がいう。「弁慶、私の味方になりたいのかどうだ?返答はいかがか」「いや、それはもう、、」悪僧、弁慶の答えは微妙である。 「先刻の五条の橋で暴言をはかなったか。いや、で、ものは相談。お主が味方かどうか、こころたい。私のゆうことを聞いてくれるかな」「それは、もう」 「弁慶、俺は奥州へ行くにあたって、鞍馬から土産を持って行きたいのよ」 「若、一体、何を。いたずらはもう、いい加減になされませ」 弁慶は牛若を若と読んでいる、この男なりの諧謔である。 「いたずらではない。俺が源氏の生まれで在る事を証明したいのだ。私はな、鞍馬に伝わる太刀を持って行こうと思うのだ。そうすれば、あの奥州の者共、俺の力にびっくりするぞ。いや、敬服する!」 牛若はもう心を決めている。あの埒外の地にいき、自分の存在を示す、いわば旗をあげるには それに限るのだ。 「まさか、若様。あれを…」 弁慶は冷や汗を流している。 「そうなのだ。私が欲しいのは鞍馬宝物の坂上田村磨呂公の太刀なのだ」 坂上田村磨呂、最初の征夷大将軍である。 東北人との争いで、始めて大和朝廷の力に屈せしめた大将軍である。 その太刀が、この鞍馬の秘刀として、鞍馬に保存されているのである。 しばらくして鞍馬山の火祭りの夜のことである。 「誰か、火が。火が宝殿から出ておるぞ」 凄まじい叫び声が、鞍馬山から木霊している。漆黒の闇の中、炎が宝殿をなめ尽くそうとしていた。「早く、早く、中の仏典、宝物を、、、」 僧坊の僧たちがてんでに、宝物を持ち、宝殿から助け出そうとしている。その中に無論、牛若と弁慶も混じっている。 「若、これは、、泥棒ではないか」 「いや、何、火を持ってする戦法だ」牛若の顔が笑っているように弁慶には見える。 疾風のように、二人は京都の奥州の大使館にあたる平泉第まで駆け抜けている。 その場所には猪首の巨漢が体を振るわして待っていた。「さあて、吉次、準備は調うたぞ。出発いたそう」 牛若が鋸やかに言う。うやうやしく吉次は答える。「わかり申した。ふふ、牛若さまの本当の旅立ちでございますな」 金売り吉次はこのとき三十才。若い盛りであった。 吉次は、奥州の金を京都の平家に届けている。 清盛はその金を宋に輸出し、宋の銭を得ていた。 日本の貿易に 宋銭を利用し、お金というものの革命を起こそうとしている、 その一翼を吉次がになう。奥州と平家はこのように結び合っていた。 続く2016改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.03
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SM聖水紀ーウオーター・ナイツー 宇宙から飛来した聖水は地球の歴史を変えようとした。人類は聖水をいかに受け入れるのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n4401dn/1 聖水紀ーウオーター・ナイツー第12回●騎士フガンに誘拐されて聖水神殿についたレインツリに属す歌姫ベガは、聖水人から御印かどうか調べられる。それは地球の記憶だ。 聖水紀ーウオーター・ナイツー第12回(1976年作品)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 第7章 歌姫ベラは、聖水騎士団の基地の1つ聖水神殿にいる。聖水騎士団団員フガンが、ベラに話す。 「さて、レディベラ、君が『みしるし』かどうか、これから試されるわけです」 「さっきから、言ってるけれど、『みしるし』ってどう意味なの」 「聖水にとって意味のある記号『みしるし』が、地球にすでに存在するということなのです。 彼らがこの地球へ飛来した意味はそれ『みしるし』を探すことなのです。『みしるし』はその星の過去の記憶です。ある種の人間のDNAに連綿と記録され残っているのです。 だから詳しいことは私からではなく、聖水人から聞いてください」 「聖水人って」 「聖水人とは、私達、聖水騎士団の前にあらわれる人格体なのです。ほら、彼らです」 フガン、ベラの前に聖水プールがひろがりあって、その中から聖水3人の人型がかたちずくられ、出現していた。 「ねえ、同じ顔、同じ体をしているけれど、個人の性格はあるの」 ベラはフガンにたずねていた。「残念ながら、私にもわからないのです」 フガンは答える。聖水人の一人が言った。 『フガン、君ですら、まだそんな認識かね。我々は聖水というひとつの意識だ。その分派なら、同じ顔、同じ体となるだろう。さて、君がベラか、君が『みしるし』かどうか調べせてもらおう』 「いやよ」 彼らの意識がベラの体にはいってくる。 聖水が生物細胞にしみわたっていく感じがした。あらがいようがない。 「何でも、しゃべるからやめてよ」ベラは気味悪がって思わず叫んでいた。 『我々が知りたいのは君の過去だ』 「私は歌姫アカデミーをでて、奴隷船の歌姫になったのよ。私のお母さんは昔の世界での大阪阪急梅田デパートの売り子よ」 ベラは必死でまた淡々としゃべっていた。 『歌姫は、皆、君のような能力をもっているのかね』 「歌姫なら、流体の生体状態を把握できるわ。彼らの体細胞の声を聞けるわ」 『歌姫は君のように海水を操れるのかね』 「あれは、違う、私が聖水騎士団に耐光する「レインツリー」組織の人間だから」 『君は、海水の有機体の細胞をあやつることができるのかね。さあ、我々が知りたいのは、もっと過去だ』 「そんな昔のことしらないわ」 『君なら、思いだせる』 『彼女の細胞プロテクトはかなり、固いね』 ベラは意識を失っている。 ベラの体はプールに横たえられているた。 ベラの心の深い座位へと聖水は潜っていく。総ての人類の過去に聖水は探りをいれていた。 泥寧地に雨がふり続いている。集中豪雨だ。が、あたりにはまったく生物の姿が見えない。遠くの山並みは火山活動が盛んで常時噴火が起こっている。 これは、ベラの心象風景だった。 『どうやら、我々はたどり着いたようだね』聖水人の一人がいった。 ベラの心は人類発生以前の地球に戻っていた。細胞のDNAレベルの記憶である。聖水は彼女の記憶巣の最深部にたどりついていた。地面には熔岩流がうごめいている。地球の始源紀である。 『ここまで記憶していた個体はいなかったな』 再び、聖水人が言った。 そこに、光る球体が上空から降りて来る。 『おお、あれが、我の先祖の姿なのか』彼らはそのイメージ映像を集中する。 聖水紀ーウオーター・ナイツー第12回(1976年作品)作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ #ウオーター・ナイツランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.02
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/7/ 源義経黄金伝説■第7回★弁慶と牛若の争いを見て「争い事は、武士たちにお 任せなるのだ」源空、後の世にいう法然は、牛若につげる。 源義経黄金伝説■第7回★作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 言うが早いか、弁慶は、背中から引き抜いた薙刀を一閃していた。 普通の人間ならば、真っ二つである。が、弁慶の薙刀には、手ごたえがない。目の前にあるはずの、血まみれの体も残ってはいない。「はて、面妖な」「ふふっ、ここだ、ここだ」 弁慶の後ろから声が聞こえて来る。すばやく、背後を見返すと、橋げたのうえにふわりと牛若が乗っている。まるで、重さがない鳥のように、それは乗っているのだ。 「貴様は、飛ぶ鳥か」「ふふう、そうかも知れぬぞ」不敵な笑みが、牛若の顔から漏れている。「鞍馬山の鳥かもな」 その声音は、完全に人を食っている。 牛若は、自分の力を他人に見せるのが、うれしく、楽しいのだ。「お前は、平氏のまわし者か」毅然と、牛若が言う。「何を言う。平氏など、物の数ではない」そう答えるが早いか、弁慶は橋を蹴って、欄干のうえに薙刀を数振りする。 その刀の動きは、常人の目には捕らえられぬ。とはいえ、明かりなどない夜中である。誰もそれには気付かぬ。ただ、野犬が、恐るべき力の争いに驚き、鳴き声をあげている。 「どうした、弁慶。この私を捕まえることができぬか」 にやりと笑う牛若の顔に、弁慶は、憎しみを倍加させる。 西行と鬼一法眼は橋の影からのぞいている。 「どうだ、遮那王様の動き」 「よかろう。あのように成長しておられるならば、奥州の秀衡殿の手元にお送りしても、十分役にたつだろう」。「秀衡殿もお喜びであろう」二人笑い会う。「西行殿、後はお任せるぞ」 「何をこしゃくな」が、弁慶の額には、うっすらと汗が浮かんでいた。「弁慶、止めるのじゃ」突然異形の老人が、弁慶の前に姿を現し、争いを止めようとした。強い、この男は、弁慶はこの男を見て毛穴がひゅつと閉じるの感じた。 「なぜだ、鬼一殿。この若造を殺せというたは、お主ではないのか」弁慶はこの老人にくってかかる。「もうよいのだ。お主もこの若者の力がわかったであろう」「そうであればこそ、なおさら許せぬ。俺の力を見せねば、気が済まぬ」 「そうだ、鬼一。止めてくださるな。この大男に負けたと言わせるまでは、私も気が済まぬ」欄干の上にいる牛若が、答える。「こやつ、いわしておけば」背中より大槌を引き抜いて、弁慶は打ってかかる。ズーンと大きな音が響き、バラバラと橋げたが川中に崩れ落ちる。「おお、何をする。橋を壊すつもりか」 「橋が壊れるが早いか、お主が死ぬのが早いか」 騒ぎを聞き付けた検非違使たちが六波羅の方から駆けつけてくる。「いかぬ」弁慶はそれにきを取られる。「ぐぅ」思わず弁慶が叫び、気を失う。牛若の高下駄が蹴りを弁慶の天頂に加えていた。「やれやれ」 鬼一は橋のしたに用意してあった小舟に弁慶の体を隠し、鴨川を下った。「牛若殿、もう少しお手柔らかにお願いいたすぞ」「戦いの舞台を移そう」「こわっぱ、どこに逃げる。怖じけづいたか」息を吹き返し、苦しい息の下から弁慶が叫ぶ。 「何を言う。お主がそう暴れるから、そら平家の郎党が現れたではないか」 平家の屋敷に点々と灯が灯り、その灯が五条の橋を目がけてくる。かなりの人数のようだ。牛若が跳躍する。「おのれ、何処へ」弁慶は上を眺め、叫んだ。 「頭の悪い坊主。この京都で晴れ舞台と言えばわかろうが…」声は天から響いた。「くっ、あそこか。わ、わかったぞ。約束を違えるなよ。半刻後じゃ、よいな」遠方で見ていた、西行と鬼一法眼はお互いに顔を見合わせていた。「いかん、あやつら、まさか…」 「そうじゃ、あの寺だな」 二人は疾風となり、東山を目指している。四人が目指すは、坂上田村麻呂公の寺、清水寺である。 牛若は、弁慶の前で、清水寺の舞台で、ひらりひらりと舞っている。「ふっ、弁慶、どうだい。貴公もこの欄干の上で、京都の町を見てゆかぬか。よう見えるぞ。特に平家屋敷がな。おっと、貴公の体では、ちと無理かもな」 「くそっ、口のへらぬこわっぱだ。そのようなこと、俺にもできるわ」 「弁慶、止めておけ。お主の重さ、この清水寺の舞台を沈ませるぞ」 「牛若殿、もう止めておきなされ。このお方もお疲れなのだ。お主の武勇、充分私も見せてもろうたぞ」いつも間にかその場所に源空も現れている。 「争い事は、武士たちにお 任せなるのだ」源空の頭の中には、子供のころの自らの家の惨劇が埋まっている。 源空、後の世にいう法然は、この後、京都市中で僧坊を営み、後白河法皇、九条兼実らの知遇を得ることになる。 後に鎌倉仏教と呼ばれることになる、新しい日本仏教は、この源平争乱という武者革命と時を同じくしつつ起こった「宗教改革」だったのである。この時の源空には、まだその片鱗は見えない。 続く2016改訂作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.02
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IT石の民「君は星星の船」■(1989年作品)石の民は、この機械神の統治する世界をいかにかえるのか? また石の民は何者なのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1873gf/16/ 石の民「君は星星の船」 第16回■Bグループの頭光二を対抗するVグループのローレルとハーマンが捕まえてアジトに連れて行こうとした。その状況に男が急に出現し光二に用があるという。 石の民「君は星星の船」第16回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 「光二さんよ、我々におとなしく、ついてきてもらおうか」えらく背の高い奴ハーマンがいっていた。 「くそっ。おまえ達は」光二の足元は、地上10mの空気なのだ。 「いわずとしれたVグループのキッズよ」 「Bグループのヘッド光二を捕まえたと、あっちゃあ、大手柄なわけさ。おっと、光二よ、あまりあばれると、俺たちの手から、地面へ落ちるぜ。ちょうどおまえのアネキみたいにな」にきび面のローレルがいう。 「くそう、おまえか有沙を殺したのは、」 「おいおい、人違いだぜ、俺はおまえのアネキなど、殺しちゃいない」 「じゃ、おまえか」高い奴ハーマンにいう。 「知らないぜ、光二、少なくとも、俺たちじゃないぜ」 「おい、ちょっと,だまらそうか、しめあげるか。これほど暴れられると、体をもちにくいからな」ローレルがハーマンに同意を求めた。 「そうだな、連れて行きやすくするか」Vグループのキッズは話しあっていた。 「やめろ」光二はさけんでいた。 ローレルは腰のベルトにはさんであった電撃銃を取り出す。光二の体に当てる。 「ぐう」光二は気絶していた。二人は光二を一度地上に降ろす。 ローレルとハーマンはホースの後ろに光二の体をしばりつけようとしていた。 その時、突然、目の前地上に一人の男が出現していた。 「だれだ、おまえは」ローレルが男にきずき、声をあげる。 「光二の味方か」ハーマンがわめく。 「Bグループのキッズじゃないな」 「それに平和チームの者でもないな」 「なんだ、こいつの格好は」 「仮装行列かい」 「ここは舞台じゃないんだ。関係のない奴はひっこんでろ」これだけ、ローレルとハーマンがいっても男は無言だ 男は光二の様子を探って入る。 「ちっ、気持ちのは悪い奴だぜ。おい、速く。アジトまでかえろうぜ」 「そうだな、Bグループの邪魔がはいらないうちに」 二人は気を失っている光二をホースの後ろに乗せて飛び上がろうとしていた。 その時、静かにしていたその男が、目にもとまらむ早さで、Vグループのローレルとハーマンの間に割り込んで、ホースの操縦管を持つ二人の手を、男は両手でおさえていた。 「何、何をしやがるんだ。てめえ」 「やはり、Bグループのキッズか、おまえは」男は何もいわない。 「そうかい、それじゃ、御相手しなきゃな」 「悪いことはいわない。私の相手になるな。私はその光二に用があるんだ」男が初めて声をだした。男の顔の表情は、過去が尋常ではなかった事をあらわしている。 「光二に用があるだと」Vグループの二人は顔をみあわす。 「ふふっ、残念ながら、我々もこの光二に用がある。俺達Vグループが先客だ。ものには順番がある。おっさん、そのくらいの事はわかっているだろうが」 「順番だよ、次には光二を渡してやるさ」 「ああ、もし光二が生きていればの話しだがな」二人は笑う。 「私はそんなに待つ訳にはいかん」男の目は遠くを見るような眼だった。ローレルはこの男のマリーンブルーの眼を見て、ぞっとした。 「おまえはフッコウ・ドームへの来訪者だな」 「俺たちはこのフッコウ・ドームでは少しは知られた名前なんだ、Vグループといってな」 「我々にさからおうというのは、ここフッコウ・ドームの法律を破っているのと同じさ」 「残念ながら、私にも法律がある。そのわたしの法律にしたがって光二をもらっていく」男は二人に言う。 「どうやら、このお客人は俺たちに、喧嘩をうっているようだぜ。どうするハーマン」 「それならば、歓待しないってほうはないな、ローレル」 「あとで泣いてもだめだぜ」二人は男にとびかかっていく。 石の民第16回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#石の民ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.01
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GS緑なす星にて(1978年)●クリアキンとイアラは地球を救うべき最終判断をした。この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n3779gq/6/ 緑なる星にて第6回●クリアキンとイアラの前に地球の神が現われ導く。2人は地球を救うべく最終判断をした。 緑なる星にて第6回(最終回)(1978年)「もり」発表作品作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ ■地球人類が力をもっていなければ、過去の虐殺がくりかえされるだけだ。その鍵をにぎっているのはクリアキンだ。羊船団の人々が力をもっていなければ。彼は人類に対するユダとなる。 クリアキンは絶望的なまなざしでロケットの墓場のロケット残骸を見わたした。たしかにかなりの年月がたっていた。 どうやって羊船団の人々をみつけだしたらいいのかクリアキンには、はまったく手がかりがない。 おそらくロウ星人達もその科学力を駆使し。探査したに違いない。そのあとをどうして孤立無援のこの俺がみつけることができるのだろうかとクリアキンは思う。 もう羊船団の人々の方からクリアキンをみつけてもらう以外に方法はないように思えた。 クリアキンはいまや、ロウ星人の追跡装置である「イアラ」をほっておこうとした。しかしイアラはクリアキンの足に少しもおくれず、ついてきていた。 一週間たったろうか。クリアキンには日数がもうわからなくなっていた。 密林の中を目標もなく歩きまわっていた。もうロケット群のあった地点もどこだかわからなくなっていた。彼の体のエネルギーも底をついてきていた。 あるのは彼女の冷たい目と果しない緑の地獄だけだった。ふらつく足どりで、それでもクリアキンは人類の誇りと自尊心で立ちつづけていた。 ■スコールが、クリアキンの体をうっていた。 何時間くらい前からだろうかクリアキンは大地の上に横たわっていた。彼女は近くで助けおこそうともせずぼんやりとクリアキンを見ていた。クリアキンは立ちあがろうとしたが。よろけて意識を失なってしまった。 雨足が早くなり。あたりは泥沼のようになっている。イアラはクリアキンの側にしゃがみこみ、雨滴は彼女の生気のない顔を激しくたたいていた。 その時、どこからともなくのびてきたつるがクリアキンと彼女にからみつき、つりあげ、地下の大きな穴の中へと彼らを送り込んだ。 穴は底。の方で広大な空間となっていた。白く光る物が散乱していた。 つるに横たえられたクリアキンはかすかに目を開いた。目の前は累々たる地球人の白骨だった。宇宙服らしいものがへばりついている。服の肩章に、かろうじて羊船団のマークがついている。クリアキンはまた目をとじた。 もう何もみたくないと思った。事態は悪くなるばかりだ。羊船団の人々はいまや地球を新しく支配しつつある植物群に絨ぼされたに違いない。羊船団の人々はもういない。これで俺の命もつきた。 クリアキンはもう稀てのものが失なわれ、煉獄の中でのたうって死ぬように感じた。 イアラはまだ白骨の山の中にたっていて、あたりをながめている。やがてイアラもあやつり人形の糸が切れたように倒れた。 どこからともなく黒い大きな影があらわれ.クリアキンとイアラの体をかかえ、闇の中に消えた。 ■耳もとで声がした。「クリアキン、目ざめよ」 クリアキンの意識は虚空の中をさまよっていヽた。 その声は力強く、頭の内に響き、父親のそれにも似ていた。クリアキンは巨人と向いあっていた。 その顔は白髪と白髪で被れ。彫が深く。神々しい。青い眼は一種の力でさえあった。 クリアキンは疲労困意していた。巨人の突然の出現は一種の恐慌状態をひきおこした。 「クリアキン、私を恐れることはない。君たち人類が神と呼んでいたものだ」「あなたが神。では私を助けるためにこの地球に私を呼んだのですか」 「クリアキン、見るがいい」 イアラが現れ、涙をたたえ、クリアキンの胸に飛びつく。「クリアキン、30年たってしましったのね」イアラの顔を凝視する。先ほどまでとは異なる表情だ。「私はロウ星人の手からのがれることができなかった。その時もあなたが好きだった。でもロウ星人の力が私の自由を奪っていた」「イララは私の力で再生できた。クリアキン、君の勇敢な行動へのプレゼントだ。さらにこれを見るがよい」神の手には銀の筒が握られていた。「太陽光線変換機ですね」 「残念ながらそうではない。君の体が超コバルト爆弾なのだ。それを処理したいがためにこの体を表し、君にそれを告げるために私は現れたんだ」 「超コバルト爆弾ですって」 「そうだ。お前の体に信管がセットされた瞬間、この地球がふきとんでいただろう。お前の体は動く爆弾だったわけだ」 「一体だれがそんなことを」 「覚えているだろう。君が、ある惑星でサイボーグ手術を受けた時だ。一部の狂心的な地球人の末裔が君を選びセ″卜したのだ。君はロウ人達に占領されている地球をロウ星人もろとも消滅させるために帰ってきたのだ」 クリアキンは憑き物が落ちたように思った。疑問がわいてきた。 「白骨は羊船団の人達なのですか」 「いやいや、それは間違いだ。彼らはいまや地球を再占領した」「何ですって」 「地球上の草や木が彼らの今の姿だ。羊船団が地球を出て後。私の意識。の。一部は彼らと共にあうた。ロウ人の追跡器を破壊したのも私だ。 彼らに安住の地はなく。長い航海の間に悲惨な状態となった。母星を失なった者の末路はあわれだ。彼らはホームシックにかかっていた。しかし地球へは帰ることがぞきない。それで私は地球人達を植物の姿で再度地球にもどすことにした」 「では。この地球全体を肢う緑、つまり植物群がすべて、地球人なのですね。樹々がロウ大の大占領のあとにしては再生が早すぎると思っていました」 「彼らは自分達の人間としての体を捨て、精神だけもって植物の体との共生を図ったのだ。 大昔から人類は大自然と戦い征服することで、自然を治めることができると考えていた。それが人間の思いあがりにすぎないことを宇宙の放浪の後気づいたのだ。彼らは地球の自然と調和しなければならないことになる。 それには邪悪な存在、考え方の本となる人間の体を離れ、植物の中に精神マインドとして住むことにしたのだ。ロウ人達は地球人の姿を探しているのだ。発見できるわけはない。 人間の精神をすて去うた体は。さっきのように白骨となったのだ。 私が彼らを地球上に連れもどした時。タイムスリップをおこさせ、ロウ人の占領直前の地球へと導いた。 ロウ人が襲来した時にはすでに。羊船団の人々は種子として地球にいたのだ。30年の間。彼は増大繁殖したのだ。そして大地を彼らと彼らの子孫で占領したのだ」 神の手の中で安心と平和の中に浸ったクリアキンとイアラはお互いをいだきながら。神のあとにしたがった。 クリアキンとイアラは共に眠りにつこうとする。物質転換機の中で2人は植物のマインドとなる。あとには2人の体が残る。人間とアンドロイド。これをロウ星人が発見するだろう。 地球の大地がある限り、人は滅びることはないのだ。地球上の植物として永遠に生きていける。ロウ星人をいつの日か追い払うこともできるに違いない。 緑なす星の上でクリアキンとイアラは、緑の木々として変身メタモルフォーゼした。`緑なる星にて第6回(完)20210807改稿(1978年)「もり」発表作品作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ #緑なす星にてランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.01
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SM聖水紀ーウオーター・ナイツー 宇宙から飛来した聖水は地球の歴史を変えようとした。人類は聖水をいかに受け入れるのか?この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n4401dn/11/ 聖水紀ーウオーター・ナイツー第11回■今度は組織レインツリーが、水鳥を使い、聖水車を守る聖水騎士団の内藤を狙った。 聖水紀ーウオーター・ナイツー第11回作 飛鳥京香(1976年作品)(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 第6章 聖水車のそばにいる内藤の耳に声がした。 『聖水をお飲み』 聖水だと聖水など飲めるわけがないではないか。聖水騎士団の一人である内藤は、心の中から聞こえてくる声に逆らおうとしていた。 聖水騎士団。 聖水を守るべきために作り出された組織。 聖なる水との契約によって騎士になる事はできる。 聖水以前はしがないキーパンチャーだった内藤広志は、この聖水騎士団のコスチュームがきにいっていた。 以前にモニターを通じて遊んでいたある種のコンピューターゲーム。そのゲームに登場するキャラクターの一人に自分を投影していた。 くずれさった既存社会よりも、この一種変容した社会、聖水紀にパソンコンゲーマーらしく親しさを感じている。 聖水を守るべき役割をもつ騎士が、聖なる水を口にするなど、とうてい考えられないことだった。 よりにもよって、聖水車を守っている俺が。 聖水車とは、すべて聖水の奇跡を信じない人にデモンストレーションをみせる車なのだ。人々に聖水騎士団の施しを与える役目がある。 それを守るのが内藤たち、選ばれし騎士団なのだ。 聖水人が、アマノ博士を選び、アマノ博士が内藤を選んだのだ。 「飲みなさい。内藤」 さらに強い声が内藤の心を包みこむ。 内藤の体がこわばる。何という大きな力か。あらがいようがなかった。 内藤の理性とは異なり、内藤の体は圧し曲げられていった。 内藤は助けを求めようとした。他の連中はどこだ。内藤は汗を流しながら、声の力にさからい、まわりを見ようとする。このハドルンの塔にもハドルンの街道にも人影が消えていた。 「聖水をお飲み。そうすれば、お前は生まれ変わる」 くそっ、レインツリーだな、この声は、呪術師どもめ。生まれ変わるだと、どんな風にだ。俺はプログラマーから、聖水騎士団になつた。これ以上何が必要だというんだ。 「聖水騎士団の地位にとどまる必要なぞありはしない。お前は新しい人になれるのだから。恐れることはない」 内藤の騎士装甲服がぬげおちていた。ハイチタンの装甲が太陽の光りを受けてキラリと光る。 内藤は思わず、聖水車の注水口の所にしゃがみこんでいた。蛇口をひねる。 その時、二人の騎士が内藤の方へ駆け寄った。 「内藤、何をする」「狂ったか」 が、時すでに遅く、聖水の一滴が内藤の口に。 「内藤を殺せ」 大きな声が響いた。 聖水騎士団長アマノ博士が、塔のてっぺんから、叫びながら駆け降りてくる。 「早くしろ、たじろぐな」 が、二人の聖水騎士団員は同僚の体に手をかけることなどできない。 アマノ博士は、三階の回廊から飛び下り、落下中に剣を引き抜き、瞬間、内藤の首を切り抜けた。 内藤の首なし死体がころがる。 「危ないところだ」 アマノ博士は剣の血のりをひきとりながら言った。 「いったい、内藤はどうしたでしょう」 聖水騎士のひとりが言った。 「レインツリーのしわざだ」 「レインツリーがなぜ」 「恐らく、聖水を手にいれたいにちがいない」 「あっ、隊長」 コンノが叫ぶ。内藤の首なし死体が、自分の首を拾いあげ、駆け出そうとした。 「くそっ」 クルスが自分の剣を引き抜き、内藤の背中をめがけ、投げ付けた。 剣は内藤の体を貫く。が体は歩みをやめない。 「いかん、レインツリーが瓢衣している。走れ、つかまえろ」 団長アマノ博士が命令する。三人は内藤の体を追う。 この時、急に空が暗くなった。三人は走りながら、空を見上げる。巨大な鳥だ。 鳥は、急に方向を変え、アマノたちの方へ急降下してくる。 「あやつは」 「レインツリーの手先だ。気をつけろ」 三人は地に身をふせる。空圧が体を襲う。まわりに生えていた植物が軒並みはねたおされる。「やってくるぞ。剣を抜け」 アマノたち聖水騎士団は立ち上がり、三人の剣を水鳥の方に向ける。 が、鳥はアマノたちの上を飛び過ぎる。鳥の背中には内藤の体がのっていた。 「逃すな。フォーメーションをとれ」 アマノが叫ぶが早いか、クルスとコンノは二人の体で台座を作り、アマノの体をほうりあげた。 アマノは空中で剣を抜きはなち、鳥の背中に乗ろうとする。 しかし、アマノの体は、鳥の体を突き抜ける。鳥は海水だ。アマノの体を受け止めない。 かろうじてアマノは、内藤の足をきりはなしていた。 内藤の体とアマノの体がからまって落ちてくる。かけつけた騎士がアマノの体をうけとめる。内藤の体は地面に激突する。いやな音がした。鳥は飛び去った。 「やったぞ」コンノが叫ぶ。 「くそつ」アマノが言う。 「どうしました。アマノ隊長」 「内藤の首がない」 「聖水でとけたのでは」 「違うな。レインツリーが、どうやら聖水を手にいれたのだ」 聖水騎士団の団長アマノは独りごちた。 聖水紀ーウオーター・ナイツー第11回作 飛鳥京香(1976年作品)(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#ウオーター・ナイツランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.01
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YG源義経黄金伝説■一二世紀日本の三都市(京都、鎌倉、平泉)の物語。平家が滅亡し鎌倉幕府成立、奈良東大寺大仏再建の黄金を求め西行が東北平泉へ。源義経は平泉にて鎌倉を攻めようとこの小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1703dc/6/ 源義経黄金伝説■第6回京都・五条にある松原橋たもとに のっそりと、大男の悪僧は立ち 塞がっている。 大男にして筋肉質で敏捷な動き。 源義経黄金伝説■第6回作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/ 京都・鞍馬堂宇で鬼一法眼が、西行を待っていた。「おお、ここだ、西行殿」 「おお鬼一法眼殿、息災であられるか」 「西行殿も、歌名ますます上がられる。うれしい限りだ。それにあの遮那王、教えがいがある。よい弟子を送り込んでくれたものだ」「牛若、いや遮那王はそれほどまでに」 「そうじゃ、仏法など、とんと興味がないわ。俺が教える武法のみ。さすがは源氏の頭領、源義朝殿が和子だな」「いや、やはり清盛殿の願いどおりにはならぬか」 「それでは、やはり奥州、藤原秀衡殿の手にお渡しするか」「そうじゃのう。がその前に、武術の腕どれくらいのできあがりかを確かめてみるかな」 「よい考えだ。さすがは武名高い北面の武士であられた西行殿。して、相手は」 「近ごろ京で評判の、あの法師はどうだ」西行は手を打って、「弁慶か、よかろう」 五条を中心とした平清盛、六波羅ろくはら政権は、170屋の大きな屋策をほこり、5200余の家々をしたがえている。六条河原と京の葬送地、鳥辺野とりべのの間を埋め尽くしている。 この北域には、山門武装の資源つまり弓矢を生産する弓矢町を抱合している。 弓矢町はつまり武器工廠である。また、300名からなる「赤かむろ」なる幼年探索第養育所も含んでいる。幼き密偵の養成所である。 この年、「太郎焼亡たろうしょうぼう」と呼ばれる大火事がおこっていて、西の京はまだ焼け跡が広がっている。京の人間は乱世の始まりを感じ始めていた。 その京都・五条にある松原橋たもとに のっそりと、その大男の悪僧は立ち塞がっている。大男にして、筋肉質で敏捷な動きをしている。 「お主が牛若殿か」 月の光が鴨川の川面に映えている。 牛若が押し入ろうとしていた平家の公達の家屋敷あたりからは、光とさざめきが漏れている。 庶民が住んでいる辺りはもうすでに闇の中に沈んでいる。 東山の辺りも、夜空に飲み込まれていて、遠く比叡の山からのわずかな光が、星のひとつのように霞んでいた。 「私が牛若とすれば、どうするつもりかな」 ゆっくりと、牛若は答える。 「そうなればー」 急に大きな弁慶が、牛若の顔を隠していた布を捲る。 「ふふっ、なかなかよい顔をしている。我が稚児にするにちょうどよい…のう」 少しばかり、沈黙が二人の間に流れ、視線が素早く交わった。 「しかしな、やはり、命をもらわねばならぬな」 続く2016年改稿作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/#義経黄金伝説ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!人気ブログランキングにほんブログ村
2022.01.01
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