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2021.03.11
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カテゴリ: Love 和歌山
​​​​​ 和歌山の南部を『南紀』と呼ぶ。
だとすると、北部は『北紀』かと言うと違う。
『紀北』である。
何故だ?

調べてみた。紀伊国は和歌山県と三重県にまたがっている。
三重県側にも紀北、紀南があり、
それと区別するために、和歌山側を『南紀』と呼ぶことにした。
ちなみに、『南紀』は『南海道紀伊国』の略である。

南紀には我が大地・地球が造形した景勝地が多数ある。

温泉地も多い。
鉱山だっていっぱいあった。
この地域は『​ 南紀熊野ジオパーク ​』に指定されている。

Wikiより

教育やツーリズムに活用しながら、持続可能な開発を進めるプログラムのこと』
『南紀熊野ジオパーク』は2014年に日本ジオパークに認定されている。

**『南紀熊野ジオパーク』の範囲は?**

上記オレンジ色で示す地域がジオパークの範囲である。
一部、奈良県が含まれている。
今回、この記事内で用いる図は全て、
『​ ジオパーク学習ハンドブック ​』内に記載されているものである。

詳しくは上記ハンドブックを読んでいただきたい。
少しでも興味を持っていただくために
勇気をもって説明を試みてみたい。

勉強したんだから……。

**日本列島を囲む4つのプレート**

日本列島近辺には2つの大陸プレートと2つの海洋部プレートがある。
紀伊半島の南側では、
フィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込む形で、
地震の巣、南海トラフを形成している。

**プレート移動により生まれる3つの地質**

上図は海洋プレートが右から左に移動して、
大陸プレートの下に潜り込んでいるようすを示している。
図の右側の緑色の破線で囲まれた領域は『付加体』と呼ばれ
両プレートがぶつかり、地層が折り畳まれ褶曲している。

黄色の破線に囲まれた領域は
『前弧海盆堆積体』と呼ばれ、
『付加体』の表面が川や波の流れで削られ、
その上に土砂が堆積した地質となっている。

プレートが沈み込んだ深い部分では摩擦熱によりマグマが生じ、
上昇してマグマだまりを作る。
火山活動により、一部のマグマが地表に放出されたりする。
これらのマグマが固まった地質を『火成岩体』と呼ぶ。

まとめると、
海洋プレートが大陸プレートの下に潜り込むことによって、
『付加体』
『前弧海盆堆積体』 『火成岩体』の
3つの地質が生じる。

**南紀熊野ジオパークの地質はどうなっているか?**

左図のように、3つの地質が分布しており、
右図の赤い点線の囲まれた部分が、
1400万年前に火山活動をしていた
熊野カルデラの位置である。

大きさは阿蘇カルデラの2倍と言われている。
もちろん、現在、南紀に火山はない。
温泉があるのは、
プレートの摩擦熱で地下の水が温められたためである。

上図は熊野カルデラのイメージ図である。
貴金属の鉱山は、
母体となる岩盤に圧力がかかることで亀裂が入り、
その中に貴金属が溶け込んだ熱水が入り込み、固まったものだ。

つまり、
火山の近くに貴金属の鉱脈があるということだ。
鉱山については別の機会に紹介するとして、
最後に景勝地の分布を紹介しておく。

**南紀の景勝地**


西1:​ 千畳敷(せんじょうじき)
     白浜町にある。
     砂岩やれき岩、泥岩が住み重なった地層が見られる。
     また、リップルマークなどの堆積構造が見られる。

西2:​ 三段壁(さんだんぺき)
     白浜町にある。
     田辺層群の厚い砂岩やれき岩の地層が波で侵食されてできた。
     高さは50m。崖の下には洞窟がある。
     1400万年前の火山活動でできた鉱石の成分が染み出し、
     茶褐色や青緑色になっているところがある。

西3:​ 救馬渓(すくまだに)
     上富田町にある。
     牟婁付加体の上に、田辺層群(
前弧海盆堆積体)が重なっている。

西4:​ フェニックス褶曲 ​(しゅうきょく) (ここへはガイドを頼みましょう)
     すさみ町にある。
     砂岩とれき岩の地層が海洋プレートの沈み込みで
     大陸プレートに押し付けられ、付加体になる時に形成された。

南1:​ 橋杭岩(はしぐいいわ ​)
     串本町にある。
     熊野層群の割れ目にマグマが入り込み固まった。
     それが隆起の後、熊野層群の部分が浸食された。
     串本から大島に向かって一直線上に並んでいる。

南2:​ 高池の虫喰岩 ​(むしくいいわ)
     古座川町にある。
     熊野カルデラの地下にできた弧状岩脈が地表に現れ、
     長年の風化で表面に蜂の巣のような穴が多数あいた。

南3:​ 串本海域公園 ​(串本かいいきこうえん)
     串本町にある。
     串本の海には暖かな黒潮が流れ込みサンゴが生息している。
     また、熱帯の海洋施物も住んでいる。

南4:​ 潮岬の火成岩 ​(しおのみさきのかせいがん)
     串本町にある。
     潮岬灯台周辺には、種々に火成岩が見られる。
     例えば、マグマが急激に冷えてできた枕状溶岩(玄武岩)など。

東1:​ 神倉山のゴトビキ岩 ​(かみくらさんのゴトビキいわ)
     新宮市にあります。
     神倉神社のご神体で、流紋岩が風化し角が取れ丸くなったもの。

東2:​ 梶取崎 ​(かじとりざき)
     太地町にある。 
     この岬を目印に船が舵を取ったので「かじとりざき」と呼ばれた。
     古式捕鯨では「​ 山見 ​」としてここから指示を出していた。
     この付近では、広く平らな地形と、海侵崖が見れる。

東3:​ 宇久井半島 ​(うぐいはんとう)
     那智勝浦町にある。
     かつて島だったが、砂州でつながり半島となった。
     ​ 地玉(じごく)の浜 ​では、牟婁付加体と
     これに貫入した火成岩が見られる。
     ​ 外の取 ​では柱を束ねたような火成岩が見られる。

東4:​ 弁天島 ​と​ お蛇浦 ​(べんてんじまとおじゃうら)
     那智勝浦町にある。
     ​ お蛇浦歩道に沿って ​、熊野層群に割って入った
     泥ダイアピルが観察できる。

北1:​ 瀞八丁 ​(どろはっちょう)
     和歌山、奈良、三重の県境にある。
瀞峡は、 上流から奥おく瀞とろ(七色峡,北山峡),
     上瀞, 下瀞に分けらる。
瀞八丁は​ 下瀞 の部分に当たる。(遊覧してください)
     ​ 筏流し ​が行われている。(季節限定)

北2:​ オトノリ
     北山村にある。
     海底火山の噴出物である枕状溶岩を観察できる。

北3:​ 小松の不整合 ​(こまつのふせいごう)
北山村にある。
     観光筏いかだ下りの終点にあたるこの辺りで、
     熊野の 層群が竜神付
体に重なっている様子を 観察できる。

北4:篠尾川渓谷(ささびがわけいこく)
     新宮市熊野川町にある。


どっぷり地学の知識が必要な場所もありますが、
何の知識がなくても感動できる場所も多いです。
写真を見て、ハンドブックを見て、興味を抱いたら、
地球探検に来てください。


ビジュアル地球探検図鑑 おどろくべき大地の姿とメカニズム

​​​​​





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最終更新日  2021.03.11 00:57:40
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