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2003年04月12日
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亡くなったと親しい友人から電話があったのが、9日の夕方でした。ご次男ご一家がある企業の駐在員としてアメリカにいらっしゃる為、その方のご帰国を待って、翌日お通夜でその翌日告別式があるということでした。そして私達もお通夜と告別式に出る為に、オフィスは臨時休業にして広島県の三原市まで行ってきました。

私達夫婦にとって、Aさんは第2の父と言える様な方でした。サラリーマン時代に、夫の課長になられたばかりの時に、既に結婚が決まっていた私達の仲人になって頂きました。所謂頼まれ仲人をして頂いたのです。Aさんご夫婦にとって、初めての仲人という事と私達の親戚はその地に誰も居なかった事とが重なって、結婚後は何かとご指導下さったり、遊びに伺ったりして、お世話になり、慣れない土地での私達の新生活が、それ程苦労を伴わなかったのは、Aさんご夫婦とAさんの死を教えてくれた友人N夫妻とのお陰でした。

長男が生まれた時もとても喜んで下さり、何かと可愛がってくださいました。そして私達が三原の端に出来た団地に家を建てた後、「あんた達が居るから・・・」とそのAさんご夫妻とN夫妻も家を建てて引っ越して来られ、私達を挟んでAさんご家族とNさん家族も仲良くなり、3家族とNさんの隣人Iさん夫妻も交えて、皆でお茶を習ったりして本当に楽しい日々を過しました。そこから又友人、知人の輪が広がって行きました。長男の後、なかなか子供に恵まれず8年半経ってやっと娘が生まれた時もとても喜んで下さり、何かに付け子供達の事も気にして下さり、良いことがあるとご自分の子供達の事のように喜んで下さいました。

子煩悩でお子さん達も可愛がられ、私的には本当に優しい丸いお人柄の方でしたが、夫によると仕事では非常に厳しい面も持っていらしゃった様です。几帳面で、何でも一生懸命なさるのですが、だからといって他人の足を引っ張るのではなく、部下の良い面はどんどん伸ばすように指導され、違うものや新しいものを受け入れる大きさも持っていらした様で、夫も尊敬していた上司でした。夫を、異業種の集まる2週間の英語の研修会に「力を付けて来い。」と送って下さり、帰社直後に他の部門に引っ張られた時も「折角この部署で育てたのに・・・」と言う様な事は一切言われず、快く送り出して下さったそうです。

そんな方でしたから、回りに多くの人が集まり、どんどん出世もなさいましたが、少しも偉そうになさる所は無く「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の諺にそのまま当てはまる方でした。でも昨日新幹線での帰路、夫が「今はなかなか(ずーっと先を見て仕事をする)あーいう人が居ない。又いても、目先の事ばかりを追う今の風潮の中では、そう言う人を生かす土壌がないかもしれない。」と言っていました。Aさんも自分も良い時代にサラリーマンだった、だが、今のおおらかさの欠けた時代の若い人は可哀相だ、と思っている様です。今の世でもトップにAさんの様な方がいらっしゃる会社が沢山あれば良いのですけど・・・。

そのAさんご夫妻とのお付き合いは、私達がシカゴに行ってもカナダに行っても切れる事がありませんでした。一時帰国したときは必ずお宅に伺いますと、とても喜んで下さり、最初の脳梗塞で倒れられた後、リハビリの為に描いていらしたとても素敵な絵を嬉しそうに見せて下さいました。最後まで諦めずに、パソコンも習い始めたりされていました。そして最後に倒れられた後、半身不随になって筆談しか出来なくなられても、私達の顔と名前は思い出して書いて下さいました。そんな時、あんな時の事が、昨日のことの様に思い出されます。

奥様は、ここ何年もの間ずーっと病院に寝泊りされて「出来る限り」とお世話をされていました。それも義務感ではなく、心からの愛情で、と言う風でした。その達観とも言えるご夫婦の愛情の有り方に、夫が私に「僕が倒れても、あんな風に世話をしてくれる?」と訊くほどでした。私も、あーいう夫婦になれたらいいな、と思いましたが、なれるかしら?今の私には、分かりません。自分自身の事だけでも、未だに迷いの多い人生を生きています。

そんな方でしたから、とても良い告別式でした。親身になってお二人をサポートされた親戚や近所の方々は勿論、遠方からの出席者も多く、「さすがAさんのお葬式だなー。」と感じたことでした。ご長男のご挨拶も、ご家族の歴史とお父さんのお人柄、そしてAさんが注がれたご家族への愛情を手短に、でも出席者の共感を呼ぶ様に話され、私達も心からもAさんとのお別れを惜しむ涙を誘われたことでした。あの様な立派な息子さんたちをお持ちのAさんは、奥様を残して行かれても安心してあの世へ旅立たれたことでしょう。

沢山の親戚の方がいらっしゃる中、奥様の「親戚でなくても良い、あんた達も最後の別れをしてやって。」というお言葉に、私達も半分家族みたいなものだからと、Nさん夫妻と共に、親戚の方々の中に入れさせて頂き、最後の穏やかなお顔に別れを告げ、お棺にお花を奉げさせていただけました。そのお別れと、焼却場でのお別れが最も辛い事でしたが、奥様のお辛さを思うと本当に心が痛みます。でも生まれることと死ぬことは、どんなに中が良くても一緒には出来ません。いつかはどんな人も1人で旅立たなければならないのは、勿論奥様もお子さん方もご承知ですし、特に奥様はこれ以上無い様にお世話をされたので、辛さや悲しさはあっても心残りはお有りにならないようでした。



最後に、もう一度、Aさんのご冥福をお祈り致します。合掌。

今日の日記は、本当にプライベイトな日記になりましたが、書かずには居られずに書きました。





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最終更新日  2003年04月12日 16時07分17秒
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