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133・五つの組詩「故郷(ふるさと)孤愁」
第2章「或る夜の夢」
矢田部誠子(天才!せいこう時計をまいてる人)作詩
或る夜の夢の何か恐ろしいものが
追っかけて来る。
私は飛び起きて逃げ出した。
白い寝巻の背中に
長い髪を振り乱しているのが
夢の中の事とて他人の姿を見る
様にはっきり感じられた。
そうして目が覚めて暗い寝床で
私は一人笑った。
夢の中で私は人間が尻ぽを
持っていた頃の事を
見てみたいと思った。
人に此の話をしたら聞いたその人は
ちゃんと尻っぽを持った頃の事を
夢に見たと言う。
身体は馬になっていて
腰にたかるハエを
その尻ぽを振って追っぱらっていたと言う。
馬がやる通りに追っぱらうのまで
まざまざと感じられたと言う。
私はおかしくなって笑って仕舞った。
何万年前に失ったとも知れない
尻っぽが夢の中まで
出て来たのがおかしかった。