ひこじいさんのブログ

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2012年11月01日
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梅雨明けした7月の上下旬は、太平洋高気圧の勢力が非常に強く、高気圧に覆われたことと、南からの暖かい空気の流入によって記録的な高温が続いた。
加えて関東甲信地方の一部では、7月下旬から少雨状態が続いてほとんど降雨が無く、降水日・降水量とも平年を大きく下回った。

東京都では、取水制限がされるなどの影響があったほか、多くの街路樹や植え込みでは水不足で枯死するものがでた。
この高温傾向は10月になっても続いた。長い真夏の暑さの中で、いつ秋が来るのだろうか、今年は秋が来ないのだろうかと思いながらの毎日であった。
しかし、気づかない間に暑さから解放されたと思ったら、もう暖房の必要な気候になってしまった。夏が長くなり冬の寒さは例年通りにやって来て、秋の季節が短くなっているように感じる。

人は、秋の到来を目や耳、肌で感じる。
古今和歌集には、秋の訪れを詠った有名な歌がある。

秋立つ日よめる


季節の移ろう様子を視覚と聴覚のずれを利用して、立秋の日に見事に詠みとった歌である。
また、新古今和歌集には、この歌を本歌とした次のものがある。

◎吹く風の 色こそ見えね高砂の 尾の上の松に秋は来にけり 藤原秀能

秋の到来を聴覚で感じ取った話は、枕の草紙の「虫は」の段にも出てくる。
「いま秋風吹かむをりぞ来むとする。待てよ。」といひて、逃げて往にけるも知らず。風のおとを聞き知りて八月ばかりになれば、…。とある。
いにしえ人も猛暑の夏は、涼やかな風をもたらす秋の季節の来ることを、心待ちにしていたに違いない。

喧しく鳴いていた蝉の声が、いつの間にか虫の音に取って代わり、その虫の声もしなくなった頃ススキの原を渡る風は既に秋の風になっている。
夕暮れ時、取り込み忘れた風鈴の音が、風に吹かれて淋しく聞こえるのも、秋の季節の故であろう。

鳥の鳴き声でも、秋の近いことを感じる取ることが出来る。もっとも顕著なのが、百舌鳥の高鳴きである。高い木の枝先に止まって「キィー キィー キチキチキチ」と独特の高音で鳴く。百舌鳥の高鳴きの初声を聞くと、秋を感じるのだ。
百舌鳥は、秋から冬の季節には雄も雌も一羽だけで縄張りを作る。一度確保した縄張りに侵入してくるものがあれば、激しい縄張り争いをする。百舌鳥の高鳴きは、縄張りを宣言しているのだ。やがて、11月には縄張り争いも終わる。
昔から、晩霜が終わりとなる頃を八十八夜の別れ霜といい、初霜の降りる頃は、百舌鳥の高鳴き七十五日と言った。

因みに今年は、南アルプスの麓では、未だ猛暑が続いていた8月の下旬に、百舌鳥の高鳴きを聞いた。

日に日に色彩が変わる山の色、ススキの穂、日増しに緑の葉の中で色濃くなってくる柿の実などを目にしても、秋を感じることができる。色着いた実がたわわに実った柿の木に止まった百舌鳥が高鳴きしている様は、正に一幅の絵であり秋本番である。

我が家では地下水を水道として給水している。夏の間は冷たくて、3分と手を漬けていられなかった水道の水が、いつの間にか暖かく感じられるようになっているのだ。

秋の到来が密やかにやってくるのと異なり、冬の季節は一気に荒々しくやってくる。ある日突然霜が下り、氷が張りおどろおどろしい颪が吹くようになるのだ。






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最終更新日  2012年11月01日 13時46分19秒


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