ひこじいさんのブログ

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2013年10月02日
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永井荷風の随筆「葛飾土産(昭和22年2月)」の最初の方に、「山牛蒡の葉と茎とその実との霜に染められた臙脂の色のうつくしさは、去年の秋わたくしの初めて見たものであった。」との記述がある。IMG_0002 (5).jpg

当時と比較して草花の色彩が豊かになったせいか、文化勲章を授与された荷風ほどの感性が無いためなのか、ヨウシュヤマゴボウの花を見てもそれほどの感動を覚えない。IMG_0001 (5).jpg

むしろ荷風が見た時期の果実の色は、毒々しく感じる。
おまけにこの花には、荷風の女性関係の多さからつけられたのではとも思える、「内縁の妻」なるおかしな花言葉がついている。


ヨウシュヤマゴボウは、漢字で「洋種山牛蒡」と書き、別名はアメリカヤマゴボウともいう。

牛蒡の名前がついているが、草姿は全くゴボウと似たところが無い。強いて探せば、根がゴボウの根茎に似ていなくもない。

日本では明治時代になってから各地で雑草化した、北アメリカ原産の帰化植物である。

高さは、2mにもなり茎は無毛で赤く、根は太く長い。葉は大きく、秋には紅葉する。
白色から薄紅色の小さな穂状の花を多数咲かせ、夏にはピラカンサに似た扁平な緑の果実をつけ初秋に熟して黒紫色になる。IMG_0003 (3).jpg


熟した実は柔らかく、赤紫色の果汁は付くと染めついて洗っても落ちにくい。

路辺や庭隅などの身近にも生育しているヨウシュヤマゴボウは、全草に有毒アルカロイドやサポニンの他、根には硝酸カリウムを多く含んでいる。毒性は根が最も強く、種子にも強い毒を有している。果汁の毒は比較的弱い。

摂食して2時間ほど後に、強い嘔吐と下痢の食中毒症状が発現する。さらに摂取量が多い場合には、中枢神経が麻痺し痙攣や意識障害が生じ、呼吸障害や心臓麻痺により死に至る場合がある。

子供がママゴト遊びに使うことがあるが、皮膚からも吸収されるので果汁に触れることも避けるべきである。

2006年にヨウシュヤマゴボウを喫食した、3件12人全員が食中毒を発症し報告されている。

幼児が種子を噛み砕いて果実を食べた場合、数粒でも重篤な症状を引き起こす。しばしば子供の事故が報告されている。

草食動物は一般にヨウシュヤマゴボウを食べることを避けるが、餌に混入していた場合下痢や体温低下などが発現する。鳥の幼雛が食べた場合、死亡率の増加や運動失調などが見られるという。


長野県では、キク科のモリアザミの根を味噌漬に加工して「山牛蒡の味噌漬」の名称で土産物販売している。

ゴボウとは異なった、パリパリ感があって歯触りがよく実に美味い漬けものである。しかしこの、「山牛蒡の味噌漬」の名前が誤解を生む原因となっている。

生半可な知識でヨウシュヤマゴボウの根を採取して味噌漬けにし、後日それを喫食した7名のグループがある。食べてから、約2時間後嘔吐・下痢の食中毒症状を発症した。

果実を食べた鳥が糞としてバラ撒くので身近な場所に生え、果実が美味しそうなため幼児が口にする恐れがあり、見つけたら果実が熟す前に抜き取るべきである。








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最終更新日  2013年10月02日 09時29分48秒


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