ひこじいさんのブログ

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2013年10月24日
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秋が深くなって、山荘の庭に咲く花も少なくなってきた。そんな中で、8年も前に愚酔庵主からいただいたノコンギクが一際存在を主張している。

IMG_0007 (4).jpg

…野菊がよろよろと咲いている。民さんこれ野菊がと僕は吾知らず足を留めたけれど、民子は聞えないのかさっさと先へゆく。僕は一寸脇へ物を置いて、野菊の花を一握り採った。
民子は一町ほど先へ行ってから、気がついて振り返るや否や、あれッと叫んで駆け戻ってきた。
「民さんはそんなに戻ってきないッたって僕が行くものを……」
「まア政夫さんは何をしていたの。私びッくりして……まア綺麗な野菊、政夫さん、私に半分おくれッたら、私ほんとうに野菊が好き」
「僕はもとから野菊がだい好き。民さんも野菊が好き……」
「私なんでも野菊の生れ返りよ。野菊の花を見ると身振いの出るほど好もしいの。どうしてこんなかと、自分でも思う位」
「民さんはそんなに野菊が好き……道理でどうやら民さんは野菊のような人だ」民子は分けてやった半分の野菊を顔に押しあてて嬉しがった。…。

IMG_0001 (8).jpg


伊藤左千夫の悲恋小説「野菊の墓」の一部分である。ここで語られる野菊とは、ヨメナかノコンギクのことである。ノコンギクだと断定する人もいるが、この場合野菊の種類はどちらでも良いような気がする。



実に冠毛があるので、無毛のヨメナとは区別がつく。

名の由来は、野山で普通に見られ花が紺色の「菊形」であることからつけられたものといわれる。

地下茎が横に這い、あちこちから芽を出し群落を作りやすい。

茎は立ち上がって枝を出し高さは50cm~1mに達するが、生育の途上で刈られた場合には小さい姿でも花をつける。

8月末から、初霜が降りるころまで花を咲かせる。

若芽や若葉は山菜として、薄く衣をつけて天ぷらや、塩を入れた熱湯でかるく茹でて水に取ったものを和え物・汁の実・油炒めなどにして食べられる。


10月28日は3年前孫の出産時に、医師の手術の失敗と判断ミスが重なった医療事故によって若くして死亡した長女の誕生日で、この日の誕生花がノコンギクである。

花言葉は、娘への気持ちそのままの「忘れられない想い」である。


秋草の いずれはあれど 露霜に 痩せし野菊の 花をあわれむ    伊藤左千夫








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最終更新日  2013年10月25日 14時21分47秒


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