
今年の梅雨は、 6 月 29 日に開けた。平年の梅雨明けは 7 月21日頃だから、 22 日も早い梅雨明けとなった。
平均的には今頃漸く梅雨が明ける頃なのに、東京は既に 1 か月も雨無し猛暑の連続である。
この早すぎる猛暑に、夏の昆虫のセミも例年よりかなり早く鳴き始めた印象がある。
この時期には早朝 4 時頃車を運転して月に 3 ~ 4 回山荘に通うのだが、 7 月 3 日の早朝山間部ではすでに間断なくニイニイゼミの声が聞こえた。
今年の東京ではすでにアブラゼミ・ニイニイゼミ・ヒグラシ・ツクツクボウシが、けたたましく鳴いている。
7 月中旬というこの時期山形でその声を聞くことが可能なセミは、 エゾ ハ ルゼミ ・ ニイニイゼミ ・ ヒグラシ ・ アブラゼミ 等である。
エゾハルゼミ は「ミョーキン・ミョーキン・ケケケケ … 」と鳴き、ヒグラシは早朝または夕方に、「カナカナカナ…」と鳴く。
アブラゼミは、鳴き声が油を熱したときに撥ねる音に似ているとされ五月蠅くけたたましい。
ニイニイゼミは、「チー…ジー…」の繰り返しで鳴く。
芭蕉が新暦の 7 月 13 日に立石寺を訪れた際岩にしみ入ると詠んだセミは、ニイニイゼミだという。
蟬 という漢字は、「 虫 」 + 音符 「 單 」の 会意形声 文字である 。單は「 ぶるぶる 震える 」 など の 意味である 。雄セミの腹が伸び縮みして震え、音を出す様子が目に浮かぶ。
セミはほとんど臭いを出さないので、作物の有害害虫でもあり触ると猛烈な臭気を発する カメムシ の 仲間 と 聞 くと 不思議 である 。
平安時代 前期の 歌人 で 逢坂の関 に庵を結び、そこから往還する人々を見て「これやこの 行くも帰るもわかれては 知るも知らぬも逢坂の関」と詠んだ人がいる。
セミを冠した「蝉丸」は 平安時代 前期の 歌人 で、百人一首にも出てくるので広く知られている。
昆虫 は卵から 孵化 すると、 幼虫 と呼ばれる形態となる。
幼虫が、生殖能力を有する成虫になる過程で変態を行う。変態とは、動物が孵化して幼生の形になった後の変化のみに対して用いられる言葉である。
変態では生き残りと成長のために最適化された 幼生 と、 生殖 機能を備えた 成体 の間でその形態が大きく変わることが多い。
昆虫類が完全変態を行うようになったのは、 古生代 の気候の悪化へ対応するため 蛹 となって 寒冷期を乗り切るように進化したためではないかとの説がある。
チョウ ・ ハチ ・ ハエ ・ 甲虫 などのように、卵→幼虫→蛹→成虫 という段階を経るものを完全変態という。
セミ ・ カマキリ ・ トンボ ・ バッタ ・ ゴキブリ などは幼虫が直接成虫に変態するので、 不完全変態 といわれる。
不完全変態は古く , 完全変態の方が新しいとされている。
不完全変態をする種では若虫と成虫の形態がよく似ており、数回の脱皮を繰り返して成虫に変態することが多い。
バッタやゴキブリでは若虫と成虫の外見上の違いは、体の大きさ以外ほとんどない。ただし翅は若齢の若虫には見られず、成虫になると一気に完全な翅になる。
セミ・トンボ・チョウなどの羽化は大抵、夜間に行われる。
セミの場合ほとんどの幼虫は夕方地上に出てきて、夜の 8 時頃から羽化を始める。
天敵に襲われるのを回避するため、夜に脱皮を行うようになったとされる。
空が暗くなった午後8時頃から背中が割れて羽化が始まり、脱皮が終了する午後10時頃には羽が伸びる。
先日午後 3 時頃外出の途路セオリーに反して日が高いのにもかかわらず、桜の幹をよじ登るニイニイゼミの幼虫を発見した。
かなりのスピードで幹を移動しており暫らく様子を見ていたが用事もあって、その場を離れた。
2 時間後に同じ木の下を通りかかって、幼虫がいた辺りを探してみたが見当たらなかった。
フライングで地上へ出てしまったのだが、未だ日が高く脱皮までどのようにして時間を潰そうかと思案していたのかも知れない。
あのセミは無事に羽化して、飛び立って行くことができただろうか。
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