
未だテレビが無い時代、少年雑誌や活劇映画によく連載され登場した「義賊・自来也
(
児雷也
)
」の物語は、今では
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歳未満の人のほとんどは知らないと思われる。
自来也は 1806 年に刊行された感和亭鬼武の読本「自来也説話」に出てくる義賊で、蝦蟇の妖術を使って活躍する物語である。
この物語には、モデルがある。
中国の宋代に実在の盗賊が盗みに入った家の壁に「我来たる也」と書き記したとされる、「我来也」がモデルだとされる。
自来也を翻案し 1839 年から 1868 年にかけて四人の作者によって「児雷也豪傑譚」が刊行されたことから、「児雷也」と表記される場合もある。
実際にはあり得ないが、蝦蟇・蛞蝓・大蛇の三竦み伝説の原点は児雷也豪傑譚が由来とされる。蝦蟇ガエルは大蛇に弱く、大蛇は蛞蝓に弱い。その蛞蝓は、蝦蟇ガエルに弱いというのだ。
ガマガエルは別名「蟇蛙」とも呼ばれるが、大海言では蟇蛙の名前の語源として「気ヲ以テ子蟲ヲ引寄セテ食ヘバ名トスト云フ」と解説している。
その解説で言うように、餌の小虫を捉えるとき手足を用いることなく舌を伸ばして近づく小動物を捕食する。
その他、背中にある疣から「イボガエル」、蝦蟇を略して「蟇」などとも呼ばれる。
江戸時代の儒学者貝原益軒の「大和本草」では「蝦蟇」と「蟇蛙」を別項で扱っていることから、昔は別種として考えていたものであろう。
昔は香具師が大道で「サアーサアーお立ち会い ご用とお急ぎでない方はゆっくりと聞いておいで…。」と、独特の口上を使って「ガマの油」なるものを売っていた。
「蝦蟇の油」は筑波山の中禅寺の住職が作った陣中薬の効果が評判になったとされ、ヒキガエルの耳腺分泌物、皮膚腺分泌物を集めて乾燥させたものだという。
しかし住職が、ヒキガエルの毒を使って作ったかどうかは定かでない。
ヒキガエルの毒は蟾酥といわれ、現在日本薬局方に生薬として収載されている。
現在ガマの油といって土産店で販売されているワセリンなどを成分とする商品に、蟾酥は含有されていない。
ガマガエルは水の無い、森林・農耕地・都市部にも生息している。
褐色、黄褐色、赤褐などの体色で、白や黒、褐色の帯模様が入る個体もいる。
体側面に赤い斑点のあるものが多く、背に斑点がある個体もいる。
寿命は、 10 年ほどだという。
ガマガエルは、水域依存性の極めて低いカエルである。
繁殖の際を除いて水域から離れたまま暮らしており、夜間の雑木林の林床や庭先等を徘徊する。
体表にイボや皺のある理由として、陸上での皮膚呼吸の表面積を最大化するためとの説を唱える人もある。
昆虫やミミズなどを、捕食する。
体型の似ている俊敏なウシガエルと異なり動きは鈍重で、昆虫やミミズを待ち伏せして長い舌で捕まえて食べる。
夜行性で、昼は石や倒木の下に隠れている。
カエルの中でも、ずんぐりした体形をしている。開いた口が蝦蟇の口に似ていることから、ガマ口と呼ばれる財布がある。
日本にはニホンヒキガエル・オオヒキガエル・ナガレヒキガエル ・ミヤコヒキガエル
の四種が確認されている。
ヒキガエルは後頭部の耳腺から、毒液を分泌するのが特徴である。この毒は主に外敵や寄生虫、細菌から身を守るために分泌するとされている。
犬が蝦蟇にちょっかいを出して、蝦蟇の耳腺から飛ばした毒が犬の目に入ると相当痛がる。
「やせ蛙 まけるな一茶 これにあり」という有名な一茶の句がある。
一茶はこの句の注に、「四月二十日蛙戦ひ見に … 」と書いている。
かわず合戦とは産卵に際して、数匹のオスのカエルがメスを巡ってお互いを押しのけ合う様子を指して言う言葉である。
今年の場合旧暦の 4 月20日は新暦では、 3 月 5 日に当たる。
温暖化の日本列島とはいえ 3 月 5 日はまだ池に氷が張ることもあり、産卵するには時期が 2 週間ほど早い感じもする。
アマガエルやトノサマガエル・カジカガエルは、体の大きさに似合わずかなり大きな声で鳴く。
しかし片手を広げた程の大きさになるガマガエルは、ほとんど鳴き声を立てない。
両前足の付け根を掴んでくすぐるようにするとくぐもった小さな声で、「キャッキャッキャッ」または「クックック」などと鳴く。
大きさや体型が似ている北米原産の外来種「ウシガエル」は、ガマガエルと異なり大きな声で「ブオー、ブオー」とウシに似た声で鳴く。
和名の由来になった声は 1km 離れても聞こえると言われ、騒音問題にされることもある。
「古池や蛙飛び込む水の音」は 1686 年の春、深川元番書の森田惣左衛門屋敷「芭蕉庵」で詠まれたとされる。
ガマガエルは成体になってからは産卵期以外ほとんど水に入らないので、「ぽちゃん」と池に飛び込んだ蛙はガマガエル以外の蛙であろう。
今年の夏は猛暑のため蒸発で溜まり水が無くなって、蚊の発生が少なかったと言われる。
実際庭に出ても、吸血されることは少なかった。
8 月 23 ~ 24 日に 20 号台風の雨が降ってからは連日の干天で、そのため庭の地面は長い間白く乾燥している。
9 月1日の気温は、朝から 30 ℃近くまで気温が上がった。
普通夜間に活動し日中は涼しい草叢や石の下に潜んでいるはずのガマガエルが、早朝の 6 時半の直射日光の下の庭に這い出して来た。
昭和 45 年頃から棲みついていたガマガエルは、 7 年前ほど前雨水桝を清掃する際排水管に流れて行ってしまった。
それから我が家の庭にガマガエルの姿を見なくなっていたのだが、昨日這い出して来た蛙は 18cm 以上もありそうな大きな個体であった。
我が家の近くに池を持つ家は見当たらず、どこで産卵行動をしているか不思議に思える。我が家の庭は近隣の家に比べて比較的緑が多く鉢物もあるため、毎日水を撒く。
水溜りが無いとは言え、鉢物への散水で適当に湿り気がある庭は何とか蝦蟇が生きていけるだけの水分を保っているのであろう。
寿命 10 年と言われるガマガエルは、未だしばらくは我が家の庭を棲みかにして生きていくのだろう。
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