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朝日
・われらの子孫のために(防衛問題への言及なき朝日は論外)
毎日
・論憲の深化/統治構造から切り込め
読売
・改正論議で国家観が問われる/高まる緊急事態法制の必要性
日経
・憲法改正の論議を前に進めよう
東京
・人間らしく生きるには
〈注〉いずれも3日付
自民党が憲法改正草案をまとめ、みんなの党やたちあがれ日本も改正の考え方や大綱案を発表するなど、憲法改正の動きが広がりを見せつつあるなかでの憲法記念日となった。
産経、読売、日経は憲法改正を肯定的に取り上げた。もっともその内容や論調は各紙各様といった感もある。
きっぱりと改正を訴えたのは産経だ。「自国の安全保障を他人任せにしている」憲法体系の矛盾と欠陥を指摘するなど、重点的に「国防」と「安全保障」の面から憲法を問い直しているのが際立った特色である。
「(中国が)日本の領海を侵犯しても、現行法では海上保安庁が退去を求めることしかできない」▽漁民を装った中国の海上民兵が尖閣諸島を占拠しても「現行法の解釈では、自衛隊は領土が侵されたとして対処することはできない」-などと子細にわたって具体例も挙げた。
読売は、自民党の草案についての評価を中心に論じた。「国民的な憲法改正論議を提起したことは評価したい」▽同草案が自衛隊を「国防軍」として保持し、集団的自衛権の行使を可能にすることを明確にしたのは「妥当な判断」-とし、改憲に対する同紙の前向きな姿勢と受け止められよう。
日経は改憲を建築工事になぞらえ「工事は新築ではない。増改築である」としたうえで「最大の工事が9条である」と示した。が、その一方で、いきなり9条問題を取りあげるより96条の改正条項の改正などに着手せよとも提言している。
毎日は「憲法論議は避けて通れない」との認識ながら、「私たちは、即改憲でも永久護憲でもない『論憲』という立場」であることも強調しており、必ずしも改憲には積極的でない点が右記3紙との違いだろう。
さて、これら4紙に対して朝日、東京は、憲法を正面から取り上げるというより、憲法記念日に際しての"偶感"を述べるといった書きぶりである。
朝日は「日本国憲法は、だれのために」「われらとわれらの子孫のために」と自問自答し、「再分配の仕組みと雇用慣行を改めよう」などと提言した。また東京は、憲法第25条の条文を原発の再稼働と絡めて「国は、踏みとどまって考え直すべき」だとの主張に導いている。
朝日は社説のほか1面でも論説主幹が「憲法記念日に問う」との論文を掲載した。そこでは最高裁から「違憲状態」と指摘された「一票の格差」が放置されている事実をとらえ、憲法について持論をぶつ政治家は多いが、憲法を尊重する気があるのかどうかあやしいと斬った。
しかし国家の枢要ともいうべき「防衛」については、1面論文でも社説でも全く触れられていない。中国による領海侵犯など「国の守りが危殆(きたい)に瀕(ひん)している」(産経)現下でも、「日本と世界の大転換期に誕生した憲法はよりどころとなる」(平成21年5月3日付朝日社説)ということなのだろうか。
58%が「憲法改正が必要」と答えた産経・FNNの世論調査では、「憲法に自衛隊の位置付けを明文化すべきだ」も7割に上り、産経はこれを「当然」と評した。併せて「米国内でも日本の憲法改正や集団的自衛権の行使容認などが、日米同盟の強化に資するという見解が広がっている」ことも紹介している。
しかし衆参両院の憲法審査会では本格的な改正論議に入っていないのが実情である。「憲法改正への具体的な方針を決めていない民主党の消極姿勢が大きな原因だ」(産経)
このままでは日本が立ちゆかなくなるのは自明であると思われる。(清湖口敏)
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