2005年05月17日
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カテゴリ: 「音楽」ネタ
「よーし、オレに任せとけっ!」
父は、嬉しそうな笑顔で、僕に言いました。
あの時の笑顔を、今でも、時々思い出します。

僕が中学生だった時、音楽の期末試験で、放送テストがありました。
教室前方のスピーカーから流れてくる、クラシックの曲を聴き、作曲家と題名を回答するものでした。
父は、テスト対策にと、レコードコレクションから、有名曲を抜粋したカセットテープを作ってくれました。
ダビングしている父は、本当に楽しそうでした。
その中で、僕が好きになった曲は、スメタナ作曲の「モルダウ」でした。
父のお気に入りの曲でもありました。


チェコ出身だということを知ったのは、かなり後になってからでした。
ただ、この曲の憂いを帯びながらも、力強い響きが好きでした。






人生は不思議なもので、大人になった僕は、今、チェコ共和国の首都プラハに住んでいます。
スメタナの生まれ故郷にやってきたわけです。
もちろん、父は、多いに喜んでくれました。
そして、プラハ訪問を計画し始めました。

旅行会社をいろいろ回り、ガイドブックを買い込んで、綿密な計画を立てていました。
こういうことが大好きな父でした。

しかし、米軍のイラク進攻、新型肺炎(SARS)流行などが、次々起こり、なかなか実現しませんでした。
いよいよ父の長年の夢が実現しようとしていた昨年春、父は突然倒れました。
その後は、入退院を繰り返し、ついに年末に息を引き取りました。


おそらく薄れ行く意識の中で、父が、最期に僕にかけてくれた言葉は、
「プラハで、頑張れ!」
でした。






今年も、また、プラハの春音楽祭の季節がやってきました。
毎年、スメタナの命日である、5月12日が初日になります。


今年、僕は、父の写真を持って、聴きに行きました。
天国にいる父に、「モルダウ」の音色が届くことを祈りました。
サー・コリン・デイヴィス指揮、ロンドン交響楽団による、素晴らしい演奏でした。
興奮覚めやらぬ中、スメタナホールを出て、夜のプラハの街を歩きました。
そして、モルダウ川までやって来ました。
川は、いつもと変わることなく、静かに流れています。
ここで、父に向かって、これだけは、言っておきたかったんです。

「後は、僕に任せておいて下さい!」


---ジョギング日誌---
本日の走行距離:7km
今月の走行距離:99km
プラハマラソンまで、あと5日


【音楽CD】スメタナ:連作交響詩「わが祖国」全曲
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最終更新日  2005年05月19日 15時14分36秒
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