小説を書こう!

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開かない箱





ふと思いついて手帳に書き付けた次の言葉、
「この世の中が君を受け入れなかったんじゃない。君がこんな世の中を受け入れることが出来なかっただけなんだよ」
「こんな世界なんだよ。この世界に受け入れてもらうためには、君自身がこんな世界を受け入れていくしかないんだよ」
この二つの言葉を元にして創作した。

あらすじ

 椎名健は小さい頃から、世界からの拒絶感を抱えながら生きてきた。そして健が十五歳の時、父親の一言をきっかけに他人のことを信じられなくなり自分の部屋に引きこもるようになる。そんな日々が長く続いていた中、健はあるホームページに出会った。そのホームページには、ある少女、ユキの苦しみの半生が書かれていた。母との確執。妹への嫉妬。そして自身のリストカットのこと。そのホームページの最後は次のような言葉で締めくくられていた。

「この地球上には五十億人もの人が存在するのに、私を救ってくれる人が一人すら存在しないなんて、なんて悲しい世界なんだろう」

 ユキの苦しみと自分の苦しみを重ね合わせた健は、ユキへメールを送り、そして次第にメールのやりとりをするようになった。そんなユキとのやりとりを通じて、外の世界へ出てみる勇気をユキから貰った健は、引きこもりの自助団体が催す会に参加しようと決意する。その会では、引きこもりで苦しんでいる当事者がテーマは何でも良いからみんなの前で自分の思っていることを話すということを毎週やっていた。健はその場所で、その会の主催者である鈴木さんと出会う。鈴木さんは健と二人きりで喫茶店で会い、自分の過去を語った。母からの拒絶。自殺未遂。そして苦しみの中でも生きることへの勇気。健はその話を聞く中で、自分を拒絶してきたのは世界なんかではなく、自分を拒絶してきたのは自分自身だったことに気づく。鈴木さんとの話しをきっかけにして、健は外の世界で働きだした。そんなとき、ユキから久しぶりにメールが送られてきた。
「一度、会ってみない?」
 それは、健が何度も言おうとして、だけど結局言うことのできなかった言葉だった。ユキが指定した場所へ来た健に対して、ユキは叫んだ。

「私はあなたを救ってあげたんでしょ? 今度はあなたが私を救ってよ!」





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