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2021.04.12
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テーマ: 経済(1456)
カテゴリ: カテゴリ未分類
文藝春秋12月号に中野剛志氏が書いた『アベノミクス継承では「賃上げ」はできない』は
納得できるところが多かったので、印象に残ったところをこのブログにまとめた。
 なお、この論文の副題は『「利潤主導型」成長戦略と決別し「賃金主導型」成長戦略へ大転換
せよ』である。
           
                掲載ページ (170)

 【主な内容】
  1.賃金を上昇させるには、まずもって需要不足を解消しなければならない。
    需要が増え、供給を上回るようになれば、労働者不足になる。企業は労働者を確保する

  2.日本は、過去20年以上にわたって需要不足(デフレ)であったにもかかわらず、
    財政支出を十分に拡大してこなかった。
  3.自国通貨を発行する政府が変動相場制の下で、自国通貨建て国債の返済ができなくなる
    という財政破綻は、理論的にあり得ず歴史的にも存在しない。そして、日本国債はすべて
    円建てであるから、日本の財政破綻はあり得ない。
  4.ハイパーインフレは、戦争や体制崩壊など特殊な要因によって起きる物であり、歴史上の
    例もわずかである。少なくとも戦後の先進民主国家が放漫財政でインフレを制御できなく
    なった例はない。過去20年以上にわたり、インフレどころか、デフレであった。
  5.政府債務の累積によって金利が上昇するという説も、現代貨幣理論(MMT)が証明した
    ように、あり得ない。実際、過去20年間、日本の政府債務は累積し続けたが長期金利は
    逆に下落し、世界最低水準で推移してきた。

    「低インフレ、低金利、低成長下においては、財政政策最も有効である。
  7.日本が賃金上昇を実現するには、需要不足を解消するまで、財政支出を拡大し続けるが
    必要条件。しかしあくまでも必要条件であって、必ずしも十分条件ではない。
    「賃金上昇」を実現するには「積極財政」に加えて「成長戦略」が必要となる。
  8.「成長戦略」には二つのタイプがある。一つは「賃金主導型の成長戦略」もう一つは

  9.「賃金主導型成長戦略」とは「賃金上昇」を経済成長の推進力とする戦略。
    賃金が上昇するのは、人手不足の時。例えば、高度成長期の日本は、慢性的な人手不足
    であった。
 10.労働組合の力が強く、企業が労働組合の賃上げ要求に応じざるを得ないような状況に
    あることも、賃金上昇の重要な要因となる。
 11.1970年代頃までは、労働組合の圧力に押される形で、賃金は上昇していった。
 12.政府の労働者保護規制が強いことも、賃金上昇の圧力になる。例えば、解雇規制が
    厳しければ、企業は賃金引下げに応じない労働者を簡単には解雇できないため、
    賃金上昇の要因になる。規制による最低賃金の引き上げも、賃金上昇圧力となる。
 13.企業は「人件費の削減以外の方法」によって、競争力を維持・強化し、利益を増やす
    しかなくなる。例えば、熱心に設備投資を行う。あるいは技術開発投資を拡充して
    イノベーションを起こし、魅力ある製品を生み出そうとする。
 14.設備投資やイノベーションに成功した企業は、人件費を削減することなく、利益を
    増やすことができる。
 15.人手不足、強力な労働組合、厳しい労働者保護規制などのおかげで、企業は設備投資や
    技術開発を積極的に行うようになるというメカニズム。「賃金上昇圧力」が経済成長の
    ”原動力”として作用。
 16.賃金が上昇しているから、労働者の所得が増えている。より所得が増えた労働者は、
    より消費を増やす。
 17.企業利潤が増えれば、労働組合はさらなる賃上げを要求する。企業の積極的な投資に
    よる事業拡大も、再び人手不足をもたらす。つまり、「賃金上昇圧力」が繰り返し
    生ずる。
 18.賃金が上昇して消費需要が増大すると同時に設備投資も増大し、さらにはイノベーション
    が盛んになり、経済全体が成長していく。このような形の経済成長を目指すのが、
    「賃金主導型成長戦略」。「最低賃金の引き上げ」は、この「賃金主導型成長戦略」の
    一つの政策手段の位置づけ。
 19.戦後から1970年代まで日本の経済はこのような「賃金主導型成長戦略」により、
    比較的高い成長率を実現していた。
 20,80年代を境に、日本の成長戦略は次第に「賃金主導型」から「利潤主導型」に
    移行。1990年代以降「成長戦略」といえば「利潤主導型成長戦略」。
    「構造改革」とは「利潤主導型成長戦略」とほぼ同じ。
 21.「利潤主導型成長戦略」あるいは「構造改革」は「企業利潤を増やすこと」が
    経済成長の推進力になるという考え方。
 22.企業が賃金を引き下げやすく、生産性の低い労働者を容易に解雇できる環境を
    整えることが「利潤主導型成長戦略」の主眼。
 23.そのためには、労働者保護規制を緩和すればよい。こうして1999年、労働者派遣事業
    が製造業などを除いて原則自由化され、2004年には製造業への労働者派遣も解禁され
    た。
 24.「企業利潤拡大圧力」を強めることも効果的。その圧力を生み出すのは投資家。企業に 
    対して利潤の拡大を要求する投資家の発言力が強まれば、企業は人件費を抑制せざるを
    得なくなる。
 25.2003年の改正商法では社外取締役制度が導入され、外資による日本企業の買収が容易
    になった。
 26.「利益主導型成長戦略」の下では、企業は利益を増やすが、労働者は賃金が下がるので
    所得を減らす結果となる。労働者の所得が減るため、需要が縮小してしてしまい、企業
    の製品は売れなくなる。そこで企業は需要を国内(内需)ではなく、海外(外需)に求
    めるようになる。
 27.企業利潤を増すため、安価な労働力が手に入る国へと生産拠点を移していく。いわゆる
    グローバリゼーション。
 28.グローバリゼーションが進むと、労働組合は賃上げを要求しにくくなる。企業が「賃上げ
    をしたら国際競争力を失って会社が潰れる」「人件費がかさむなら、工場を海外へと移転
    せざるを得なくなる。」などと労働組合を脅せば、労働組合は賃上げ要求を撤回せざるを
    得なくなる。
 29.ヒトのグローバリゼーション、すなわち低賃金の外国人労働者を国内に流入させれば、
    国内の労働者は、外国人労働者と競争せざるを得なくなる。賃金は下落していき、企業は
    利潤を増やせるだろう。
 30.「利潤主導型成長戦略」はヒトのグローバリゼーションを進めるものとなる。2018年
    入国管理法が改正され、2019年4月から一定の業種で外国人の単純労働者を受け入れ
    ることとなった。
 31.進展する少子高齢化は生産年齢人口を減少させるから、人手不足となり、本来であれば
    「賃金上昇圧力」となるはずであった。財政支出の抑制に加え、強力な「利潤主導型成長
    戦略」により、上昇するはずの賃金も下落するほかなかった。
 32.「利潤主導型成長戦略」の下では「所得格差」は拡大する。
 33.「賃金主導型成長戦略」では企業は熱心に設備投資やイノベーションに励むようになる。
    「利潤主導型成長戦略」においては、企業は容易に人件費を削減できるので、面倒な設備
    投資やリスクの高い技術開発に励まなくても、利潤を確保できる。
 34.「利潤主導型成長戦略」の下では設備投資やイノベーションはそれほど促進されないこと
    になる。したがって、「利潤主導型成長戦略」は「賃金主導型成長戦略」は経済を成長
    させない。
 35.過去20年間の日本経済がそれを証明している。1990年代後半以降、日本は「利潤
    主導型成長戦略」を追求してきた。その結果「企業の経常利益」は1997年時点の
    三倍以上となりさらに「株主への配当」は六倍を超えた。しかし「設備投資」は鈍化し
    「平均従業員従業員給与」は減少した。日本経済全体もほとんど成長することなく、
    停滞を続けた。
 36.過去20年以上におよぶ「利潤主導型成長戦略」と決別し、「賃金主導型成長戦略」
    へと大転換を図らなければならない。その時「最低賃金の引き上げ」は「賃金主導型成長
    戦略」の一連の政策の一つとして位置づけられることになる。同時にデフレ脱却を達成
    するまで財政支出を拡大することも必須。コロナ禍で需要が世界的に激減している中では
    なおさら積極財政へと転換すべきである。
                                 ー 以上 ー





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Last updated  2021.04.14 06:24:44
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