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2022.07.13
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テーマ: 読書(8189)

本のタイトル・作者



月曜日は水玉の犬 [ 恩田 陸 ]

本の目次・あらすじ


1 こんな夢をみている
2 ジョン・ファウルズを探して
3 胸が締めつけられる
4 足を踏み入れた人々

引用


特に今読むと、「私の感情はいつも間に合わない」というところに強く共感する。きっと、小説を読もう、文学に触れよう、という人は誰もがそう感じているのではないか。世界と繋がる風通しのよい場所へのカギを、欝々と探しているのではないか。


感想


2022年175冊目
★★★

恩田陸さん、『六番目の小夜子』『夜のピクニック』を昔読んだ。
最近また読んでみて、「うーん、やっぱりちょっと違うかもなあ」と思っていて(面白いんだけど、自分の好みドンピシャではないというか)、その人を知るにはまずエッセイから、と書評を読んでみた。

読んだことのない作品がたくさんあり、読書談義があんまり弾まなさそうだった。


「涙香迷宮」でいろは歌の様々なバリエーションについて書かれていて、ちょっとそれ読みたくなった。
私が知っているのは、大学時代に日本語学の授業で習ったもの。
以下は当時の日記。


授業で感動した日本語。

・アクロニム

ふるいけや かはずとびこむ みずのおと

頭だけを取ると「ふかみ」(深み)になる、というもの。
けれどもこれは歌が最初にあったのか、頭が題として先にあったのか分からないらしい。

・沓冠(上と下をそれぞれ取る)

夜もすずし 寝ざめの刈穂 た枕も
ま袖も秋に へだてなき風

上…よねたまへ(米給へ)
下…ぜにもほし(銭も欲し)

返し

夜も憂し 寝たくわが背子 はては来ず
なほざりにだに しばし訪ひませ

上…よねはなし(米は無し)
下…せにすこし(銭少し)

すげ…!さりげない催促!頭いい…!

・回文

むらくさに草の名はもしそならば
なぞしも花の咲くに咲くらむ

これは上から読んでも下から読んでも同じなのです。

・いろは歌

いろはにほへと
ちりぬるをわか
よたれそつねな
らむうゐのおく
やまけふこえて
あさきゆめみし
ゑひもせす

これの一番最後の文字だけを抜き取ると…「とかなくてしす」、「咎無くて死す」になる、と。暗号?!暗号?!(どきどき
また柿本人麿が作った?と言われることがあるそうなんですが、その根拠が「かきのもと」が左右対称に入っているからだそうです。ここまでくるとこじ付けなんだかナンなんだか。

鳥鳴くこゑす 夢覚ませ
見よ明け渡る 東(ひんかし)を
空色映えて 沖つ辺(へ)に
帆船(ほふね)群れゐる
靄のうち

これは「いろは歌」と同じように一音ずつ使った歌。
なんて頭がいいヒトがいっぱいいたのだろう!と感動してしまうのです。


あー、にほんごたのしいなー!!!!笑
と当時、心の底から思っていたことを、恩田さんの書評で思い出した。

恩田さんの夢、それだけで小説か映画みたいにリアル。
私はめったに夢を見ないので(疲れすぎていて即落ち、次に目を覚ますと朝)、ちょっとそういう夢、見てみたいなあと思う。

書評はミステリが多め。
たぶん私はここに掲載されている本のほぼすべてを、一生読むことがないだろうな、と思う。
それは嗜好の問題として。
でも、こうして誰かが読んだ本の感想を読むことで、まるでそれらの本を読んだかのように追体験することが出来る。


その人の眼鏡でその作品を読む。
それが面白い。
ああ、この人はこういう人なのだ、とよく分かる気がする。

で、恩田さん。
遠くにありて思うもの、という距離感な気がしている。


○知らない言葉メモ
・木鐸(ぼくたく)
…世の中の人々を目覚めさせ、正しい道へと導く者のたとえ。( コトバンク
→コトバンクの用例と同じく、恩田さんも新聞記者を「社会の木鐸」として使っていた(と同時に「これって死語?」と。)

これまでの関連レビュー


蜜蜂と遠雷 [ 恩田陸 ]
祝祭と予感 [ 恩田陸 ]
薔薇のなかの蛇 [ 恩田陸 ]




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最終更新日  2022.12.03 23:58:09
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