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2022.09.03
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テーマ: 読書(8289)

本のタイトル・作者



コンビニ兄弟2 ーテンダネス門司港こがね村店ー (新潮文庫nex(ネックス)) [ 町田 そのこ ]

本の目次・あらすじ


チェーン店のコンビニエンスストア・「テンダネス」の一店舗。
門司港こがね村店には、魔性の店長・志波三彦がいる。
老若男女をその美貌と気遣いで落としに落としまくり、ホストクラブもかくやという有様。
さらに店長は五人兄妹の三番目。
何でも屋でコンビニの常連でもある次男・二彦(ツグ)。
コンビニの近くで働き始めた末の妹・樹恵琉(じゅえる)。
ファンクラブが出来るほどの店長をいただく名物店に訪れる客と店員の、悲喜こもごも。


第一話 恋の考察をグランマと
第二話 廣瀬太郎の憂鬱
第三話 クイーンの失脚
エピローグ

引用



ツギが言う。熱心にひとつのこと掘ってるやつってのは眩しく見える。でも多岐にわたっていろいろ知ってるやつもいい。いきなり予想外のものをこっちに放ってきてくれるワクワク感があるもんな。


感想


2022年226冊目
★★★

コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店 [ 町田そのこ ]
の続編。
薄くてさらっと読める。
主人公、主軸のコンビニ兄弟(店長)たちは脇役程度で、サイドストーリー感がある。
あと終わり方が洋ドラの次シーズンに続くときみたいなので、「つなぎ」の役割をしている一冊。

プロローグは、観光で訪れた門司港で店長に一目ぼれしちゃった大石和歌ちゃんと、彼女にひそかに思いを寄せているらしい幼馴染・鶴田牧男くん。
この二人、また出てくるのかな。どういう役割を果たすのだろう。


父のローンのため、田舎の家をたたんで同居することを選んでくれた祖母。
その彼女が、急におしゃれに目覚めた理由は―――という話。
ちょうど彼氏と別れたばかりだった孫娘・永田詩乃は。

お父さんとお母さんがイラッとするんだけど、家族であるからこその無関心というか、「この人は離れていかない」と分かっているから粗雑に扱うというの、あるよね。
言わずともわかるだろう、ということも含めて。


私は店長×廣瀬くんアリだと思うんですけど、どうですか。
まったくフラグが立ってないんですけども!!完全にただの嗜好なんだけど!!
ものすごい美貌でわりとそのお陰でまわりから好かれてきた人が、自分の容姿にまったく興味を示さない、自分の「魔性の魅力」が通用しない相手に四苦八苦するの好きなんだけどな。
まあ、ないだろうな。笑

「何のとりえもないこと」がオールラウンダーとして褒められるの、いいですね。
私も特に「これがすごく好き」とか、人に誇れるものがなくて、「わりとうまくできること」と「わりとすきなこと」はあっても、だからといってそれが人に誇れるレベルかというとそんなことなくて。
どれもこれも浅瀬でパシャパシャして遊ぶ程度。
中途半端な自分に「私って何にも持ってないんだな」と思う。
「突き抜けて何かを好きな人」を見ると、眩しくて羨ましくなる。
けれど何かをうんと好きになるのは、失った時に痛いから、どこかそれを冷めた目で見て距離を置くことで自分を守っている。
裏切られないで済むように。
傷つかないで良いように。

アニメ「輪るピングドラム」に、
「きっと何者にもなれないお前たちに告げる、ピングドラムを手に入れるのだ」
という台詞があるんですけど、アニメで比喩的に使われるその「ピングドラム」の部分に、自分なら何を入れるだろうなと折に触れずっと考えている。
きっと、ずっと、何者にもなれない私は。

だから、引用部のツグの言葉、嬉しかったな。
浅くて広い(広いかはどうかは疑問だけども)、それもいいじゃないかと。
ミツも「深い世界」「広大な世界」のどちらも好き、と言ってくれていた。

深海ではなく、ウユニ塩湖。
晴れ渡る空を反射した水面。
それもいいかもしれないね。
きっとそれもきれいだから。

第三話は、一巻で出てきたスイーツの子(名前よ)の幼馴染として登場した村井美月ちゃんのお話。
高校生になった彼女が、うまくいかず、孤立してしまう。
「ハートの女王」
我儘で支配的だと、まわりの人がみんな去って行く中―――クラス1の変わり者・栗原志摩とコンビニで出会う。

これはね、もう因果は巡るという話。
ただ、美月ちゃんが意外と良い子なんですよ。
この子の頑なさ、正しさを求めること。服従を求めること。
愛を、愛されることを求めること。
それはすべて、そこに繋がっていたのか、という思い。
自分たちを捨てた父。正しい家族のかたちだけを保とうとした母。
だからって女王様のように振る舞っていいかというと、違うんだけど。
志摩とすぐ仲良くなるし、最後も思い切ったこと言うし、「いやいやそんなすぐすぐ性格変わらんやろ」と思ったんだけども。

エピローグはかなり思わせぶりな悪女が登場。
志波兄妹との関係や如何に?!待て次巻!という終わり方。
あからさま過ぎる展開なんだけど、気になる~。

これまでの関連レビュー


・52ヘルツのクジラたち [ 町田 そのこ ]
2021年5月に読んだ本まとめ/これから読みたい本
夜空に泳ぐチョコレートグラミー [ 町田そのこ ]
ぎょらん [ 町田そのこ ]
うつくしが丘の不幸の家 [ 町田そのこ ]
コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店 [ 町田そのこ ]
星を掬う [ 町田そのこ ]




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最終更新日  2022.12.03 23:41:55
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