福島事故に「7」のレッテルが貼られ、
東電や東芝、日立は「世界最悪」の原発を作って動かしていたことになった。
原発推進を支えていた東電の権威や宣伝力は失われた。
日本は原発廃止の方向に動いていくだろう(まだ確定的でないが)。
原発の喪失は、日本の産業コストを引き上げ、経済成長を鈍化させ、
失業貧困を増やしアジアでの日本の凋落と中国の台頭に拍車をかける。
世界的には、アメリカの覇権が経済、政治(軍事)の両面で凋落している。
アメリカという後ろ盾を失う日本は、
単独で中国と対峙する意志が少ないので、
弱体化を容認し、内向的、国際政治から鎖国する傾向を強めるだろう。
これまでの、明治維新以来の日本と世界の近代の価値観では、
「経済成長喪失」・「国力低下」・「弱体化」・「内向化」などは「悪」であった。
しかし、大震災後、日本人に見えてきていることは、
「無理矢理に消費して、経済成長をしていかなくても良いのではないか」、
「外国から弱体化とか内向的とか見られても、
日本人が自分たちの社会を良いものと思えれば、それで良いのではないか」、
「外国人が逃げて行きたいなら、どうぞご自由に」といったことではないか。
経済成長や国際社会での地位向上こそ最善・最優先という従来の価値観から、
人々がそっと背を向けている感じだ。
割高な石油を輸入するより、
経済成長を鈍化させても節電して生きていく方が、
「清貧」を好む日本人の民族性に合致している感じもする。
世界は、このまますんなり米英覇権が崩壊して多極化していかず混乱が続く。
その場合、日本がしばらく(数年から数十年?)世界から背を向け、
世界の中で「いないふり」を続けることは、
変な戦争などに巻き込まれにくくなる分、良いことともいえる。
日本は、社会の安定と、工芸職人的な器用さでは、世界一級である。
しばらく不活性な休眠状態が続くとしても、
その後でまた、何らかのダイナミックな状況が国内に出てくる可能性も大きい。
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