愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

2006/08/04
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カテゴリ: 実践ビジネス力
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唐知 「ハッハッハッハ。どうですかね。自分で決めて下さい。
    ……どうですか……、身近に問題解決なんて簡単な事と
    考えてる人達がいませんか。……実は簡単なものは、
    通常『問題』とは呼ばないんですけどね…………」
大多 「やや、耳の痛い面もありますなぁ。会社でも、よく、
    見掛けますね。しかし、そういう人達は大体において、
    上層部からの評価は良い様なんだな」
唐知 「さぁー、本当に良いんでしょうかね。便利に利用されて
    いるだけかもしれませんよ」
備前 「便利に? 利用? 何ですか? それは」
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孔子.jpg
大多 「備前……青いなぁ……。唐知さん、感覚的には

    分かります。……唐知さん鋭いですよ…………。

    ……ところで、さっき言われた、簡単なものは問題と

    呼ばないってのは、どういう意味です……?」

唐知 「だってそれは、日常の仕事そのものだからですよ」

大多 「仕事そのもの…………と、言いますと?」

唐知 「考えてみて下さい。特にスタッフの日常業務ってのは、

    小さな問題解決の連続なんですよ。とりたてて、それを

    問題とは言わないだけでね」

大多 「あ……なるほど」

唐知 「一方、本当にしっかり取り組んで解決を図るべき大きな

    問題がありますね。……言い換えれば、明らかに、

    それなりの規模の被害や損失につながっているか……、

    又は、そうなる事が予測される様な問題です。これらの

    対応の仕方を勘違いしている人達が多いのには本当に

    困ります……」

大多 「……勘違いですか?」

唐知 「そうです。だって、そういう人達はほとんどの場合

    『正しい答』を出せば良いんだと考えてるんだから

    困るわけですよ……」

備前 「なっ、何言ってるんですか……。『正しい答』で上等

    でしょうが?間違った答でも出せって言うんですか?」

唐知 「勿論そうは言いません。まぁ『正しい答』という言い方

    は、言葉の上では、もっともなように感じられますが、

    これが実に紛らわしい表現なんですよね」

備前 「一体どこが、紛らわしいんですか。……えっ?」

唐知 「備前さん……実業の……世界では………ですね、

    『素早く実行できる答』を出しうるかどうかが勝負じゃ

    ないですか?まぁ一歩譲って、素早くとは言わないに

    しても、実行に移せる答が勝負です。

    まぁ……当たり前の事ですけどね……」

備前 「……」

唐知 「理論的に正しいだけでは答えとして未熟なんですよ。

    また、抽象的で実行に移すイメージが湧いてこない

    もの、それは答でも何でもないんですよ。

    小説家にでも任せる世界でしょう」

備前 「………………未熟?」

唐知 「そう…………例えば『コストを下げるには』という、

    極めて抽象的な問題提起があるとしますね……、

    『要員の業務の生産性をもっと上げて、小数精鋭に

     持って行き、且つ、諸経費を切り詰められる迄

     切り詰めると同時に、コンピュータ機器等の資材は、

     可能な限り安い物を調達する様にすればコストは

     下がる』

    等という答えは……全く困る訳です」

備前 「えっ……?どうしてですか?まさに、その通りじゃ

    ないですか。……どうも良く分からん」

唐知 「これのどこが答ですか。これは、答えでも何でもない。

    ただ、問題を細分化しただけじゃないですか。業務の

    生産性を上げるって……?そんな事当たり前ですよ。

    部門長は日常的に取り組んでる事です。

    実はどうやって上げるかが、一番難しい問題

    なんでしょう?

    ……まぁ、ことほど左様に呆れたことなんですよ……」

大多 「なるほど。野球でピッチングのコツをと問われて……、

    バッターの打ちにくい所に、相手の苦手な球を投げれば

    良い、なんて答えるようなもんだ。

    ……答えでも何でもない」

唐知 「大多さん乗ってきましたね。面白い例えです」

備前 「僕は、乗りが悪くてすみませんねぇ」

唐知 「いやいや……。まぁ、こんな風に冷静に考えれば、

    おかしいと気付く訳です。しかしですねえ、それなりの

    地位やキャリアの人が、それなりの顔をして、

    それなりの口調で胸を張って言いますとね、なんか、

    凄い見識のように錯覚するから……不思議ですよ」

大多 「一種の暗示ですかね?」

唐知 「うーん……『売上高を伸ばすには』って、言われて、

    『近在の経済圏の中で大手優良の顧客を絞り込み、

     社が保有する技術との整合性を取りながら、長期型の

     大規模案件を受注するようにしたら良い』

    等と応えるのと同類ですね。まぁ、言ってみれば諸悪の

    根源は、問題の出し方そのものが、曖昧なところにある

    訳ですから、まずそこに気付くのが重要だと思います」

大多 「……考えてみれば『売上高を伸ばすには』というテーマ

    に実効性のある答があれば、どこの会社も、とうの昔に

    実行して成績を上げてますよね……」

唐知 「そういう事でしょうね。取扱っている製品、

    保有している技術、その市場での競争力、営業マンの

    実力、その時点の景気動向その他、どの要素を

    とっても、ひとつひとつが大変な重要項目だし、

    それぞれの事情によって、問題の色合いは大きく違う

    はずですよね。色合いの違う物を沢山含んだ課題を

    ゴチャゴチャにして、抽象化しては解決は遅れる

    訳です…………」

大多 「これは、よく分かるなあ……。何年たっても、ちっとも

    前に進まない様な問題なんかは、この範疇のもの

    なんだな。……結構ありますねぇ。いつまでたっても、

    問題だ、問題だって騒いでるヤツが……」

備前 「要員不足の問題なんか、まさに顕著ですね。人の数の

    面にしても、具備すべき専門性の面についても、

    ちっとも前に進まない……。人が欲しい、欲しいと

    言い続けるだけ………」

唐知 「同じ問題をですね、半年も叫んでいたらこれは大変です。

    その問題が存在する事も勿論大きな問題でしょうが、

    もっと大変なことは周辺の人間が無能という事でしょう。

    気付いていて直さないというのは、気付かないより

    罪だと思いますね」

備前 「これは厳しい。職務怠慢ですか……」

唐知 「そう『咎めてそれに倣うは、罪また甚だし』です。

    それに、組織上解決する事を任務として与えられている

    人が必ず存在するはずです」

大多 「うーん、しかし唐知さん、組織上で解決の役割が、

    はっきりしているような問題は、解決が比較的前に

    進んでますよ。任務を全うしないと叱られるという事が

    分かってますから……ね。

    むしろ、問題が複数の部門の間にまたがって

    いたり……、異なった部署相互に関係の深いもので、

    責任の所在がはっきりしないようなケースが、

    延び延びになって、なかなか解決しないようですね……」

唐知 「大多さん、その認識は甘いですよ。普通の組織なら

    そういう範囲も、ちゃんとカバーする職位を作っている

    はずです。ほら、総括とか調整とかいった、上長を

    補佐する職位をね……。あるいは、筆頭課長に位置

    づけるといった具合にね。それも無い場合は、

    ひとつ上の共通の部門長の責任になっているはずです」

     <続>


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Last updated  2006/08/04 08:47:26 AM
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