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2008年05月20日
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カテゴリ: 読んだ本
三浦綾子「母」を読んだ。

老女のとつとつとした語りを読みながら、それでも、「ああ語っているのは三浦綾子氏なんだなあ・・・」と思う。ちょうど舞台で役柄の背後に俳優の素顔がかいまみえるように。
共感性ゆたかな振幅の大きい心や世の中や人生の深遠をつきつめて考えていくひたむきさは、やはり「道ありき」や「この土の器をも」にでてくる著者そのままだから。

母セキの語る多喜二はどこまでも立派な人だ。
あとがきで作者も書いているように、虐殺された多喜二を悼む母の思いに、ピエタ像の聖母の悲しみを重ね合わせているのだから、それも当然だろう。
でも、自分は天邪鬼で意地悪だから、この小説を読んでさえ思ってしまう。
多喜二と恋人の関係は、どこまでも清らかで理想的な関係のように描かれているけど本当なのだろうか。

まあ、それはそれとしても多喜二が現代読まれるべき作家であることは間違いないし、多喜二の作品も読んでみようと思う。

この小説の最後で母セキは共産党に入党すると同時にキリスト教にも帰依する。
理由はどちらも貧しい者や弱い者の立場を考えるやさしい人たちだからだという。
セキにとっては理論や教義はどうでもよいのだろう。
ふと最近読んだアメリカの実情についてのコラムを思い出した。
アメリカは競争の烈しい社会であるが、一方ではボランティアの層は日本よりも厚く、教会ネットワークの救貧活動がセーフティネットとしてかなりの役割を果たしている。
また富裕層の寄付の文化も健在であると。
最近の日本ではアメリカを見習えとばかりに市場原理主義を取り入れてきたが、こうしたボランティアや寄付の文化はまだまだのようだ。
実際のところ米国で信仰がどの程度の位置を占めているのかはわからないが、貧しい者に対する支援や富める者の寄付は、もともとは宗教的倫理観から発しているものである。


ただ資本主義が暴走した場合の弊害という部分は今の日本にもあてはまる。
企業は利潤を最大にするために正規雇用を減らし、人件費を削減している。
その結果、一方では過酷な労働を生むとともに、もう一方では大量の貧困層がでてきている。
このままではいずれ社会は立ち行かなくなるだろう。
政財界にはまだ「さらなる規制緩和を」とか「日本の貧困はアフリカよりまし」などと言っている人もいるようだが、何を考えているのだろうか。





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最終更新日  2008年05月20日 06時57分15秒
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