25日、入替戦1戦目が行われ、1・2部は駒澤大(1部6位)が東京農大(2部1位)に勝利した。
駒澤大・ 香田誉士史
監督、試合後のコメント。
「言い方は悪いかもしれないが、選手たちにとってはむしろ成長できる。とにかくチームを心技体でいい状態に持っていくことだけやってきたので、あと半分(1勝)。淡々といきたいと思います」
。そして先発した 高井駿丞
(4年、広島商)には 「しっかり試合をつくってくれた」
と満足そうに振り返った。
勝利投手となった高井のコメント。
「もうさすがに4回目の入れ替え戦なので。緊張して怖いという感覚から、余裕をもって心の整理の仕方がわかってきた」
。
さて、この1戦目を振り返る。
駒澤大の先発はエース・高井。今季の防御率は2.77(1部9位)、チーム3勝のうち2勝(3敗)を挙げた左腕。一方の東農大もエースの 長谷川優也
(4年、日本文理)が先発、今季防御率は2.15(2部10位)。
(写真)駒澤大・高井駿丞。
(写真)東農大・長谷川優也。
両エースともに譲らず、試合は0(ゼロ)行進が続く。「これは1点勝負だな・・・」、そんなつぶやきがスタンドで聞こえ始めた5回、試合がゆっくりと動き始めた。
駒澤大の5番・ 平井友弥
(4年、日本航空)がセーフティバントを成功させると、その後も安打やワイルドピッチが続き一死二・三塁の好機に。しかしこの時は後続が外野フライに倒れ、無得点に終わった。途中、 渡邊怜斗
(1年、相洋)の打席ではスクイズを敢行したが、ファールとなってしまい得点機を逸した。東農大・長谷川はガッツポーズ、そしてホッとしたような表情を見せた。
(写真)5回、駒澤大、一死二・三塁の場面。カウント1-1からスクイズ敢行するもファールに。打者・渡邊怜斗。
”流れ”を相手に渡したくない駒澤大は、続く6回、先頭の 渡邉旭
(3年、仙台育英)がライト前に安打を放ち出塁すると、一気に長谷川に襲い掛かる。四球と送りバントでまたも一死二・三塁の好機を作ると、4番・ 柳野友哉
(4年、大阪桐蔭)がグラウンドに強く叩きつける遊ゴロに。打球が高いバウンドをしたことが幸いし、一塁送球の間に三走・渡邉が生還。ようやく均衡を破った。
この柳野の執念の一打が打線に火をつけた。駒澤大の攻撃は続き、5番・平井、6番・ 工藤波音
(4年、弘前南)の連打で、さらに2点を加えた。7番・ 角田蓮
(4年、昌平)の安打で二走の工藤が生還を狙ったが、これは間一髪アウトに終わった。
(写真)6回、駒澤大。工藤波音が生還を目指すも、間一髪タッチアウト。捕手・小原龍之介。
一方、高井をとらえられない東農大は、6回、この回先頭の9番・ 小原龍之介
(4年、東北)が敵失で出塁すると、続く1番・ 古川朋樹
(4年、神村学園)が三塁線に二塁打を放ち無死二・三塁の好機を作る。が、ここで1点しか奪えなかったことが敗因。時々、球がすっぽ抜けるなど高井の投球が乱れ気味だっただけに後悔が残る。
そして7回、駒澤大は2番・ 永野陽大
(1年、日大三島)が、この回代わった 太田遥斗
(4年、星野)からレフトスタンドに2点本塁打を放ち勝利を決めた。打った瞬間にレフトは打球を追うのをやめた目の覚めるような打球だった。駒澤大は直後の7回裏から 仲井慎
(2年、下関国際)に代えて東農大打線を完ぺきに抑えた。
(写真)駒澤大・仲井慎。
試合後、1993年秋以来の1部復帰を目指す東農大・ 北口正光
監督は、2安打1点と振るわなかった打線に不満の様子。 「打てないことに1部に上がれない。明日は意地を見せてほしい」。
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