社会福祉 0
社会福祉のカリスマに会いたい 0
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今日の法政大ー東京大2回戦は、1年生の中村騎士(東邦)が7番セカンドで先発で初出場し、7回に初安打を記録した。同じく1年の熊谷陸(花巻東)は9回にショートの守備につき、こちらもリーグ戦初出場を果たし、1イニングだけだが1年生コンビで二遊間を組んだ。熊谷陸。2023夏の甲子園では、佐々木鱗太郎の前(2番)を打った。準々決勝の対仙台育英戦では9回の反撃時、なんとしても佐々木につなぐべく打線が奮起し、この回先頭の4番打者から5・6・7・8・9・1とつなぎ、2番の熊谷も三遊間に安打を放ち、佐々木につなぐことに成功した。一塁ベース上でホッとしたように小さなガッツポーズをしていたっけ。この試合、仙台育英の先発は湯田統真(現・明治大)、捕手は緒方樹人(現・早稲田大)、中堅手は橋本航河(現・中央大)、ほかにも仁田陽翔(現・立正大)らがいた。中村騎士。4回、6-4-3の併殺を完成した。2023センバツでは3回戦で報徳学園と対戦しスコア4-5で敗れた。報徳の投手は今朝丸裕喜、二塁手は林純司(現・慶応大。下の写真)だった。(テレビ画面の写真はNHK)
2024.05.13
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昨日(5月6日)、立教大がついに対慶應大の連敗記録を20で止めた。7回までスコア7-1と大量リードするも8回に4点を返されると一気に浮足立った。苦手意識というものは、これほどまでにチームを支配するものか。最後は吉野蓮(3年、仙台育英)の投入にいたり、まさに薄氷を踏むような1勝だった。 連敗の始まりは6年前(2018年)の秋に遡る。下表はこれまでの連敗の軌跡。 連敗数年月日勝敗スコア立教先発慶應先発※ 2018.10.14〇4ー3中川颯高橋亮 12018.10.15✖0ー2田中誠高橋佑 22019.4.13✖1ー4田中誠高橋佑 32019.4.14✖1ー7手塚木澤 42019.9.28✖3ー4田中誠高橋佑 52019.9.29✖0ー2手塚森田晃 62020.8.12✖4ー6中﨑木澤※72020.10.3✖6ー11中﨑木澤※82020.10.4✖2ー4中﨑森田晃※92021.5.15✖4ー11池田陽森田晃※102021.5.16✖1ー4池田陽増居※112021.10.16✖5ー8池田陽森田晃※ 2021.10.18△2ー2荘司増居※122022.4.23✖2ー4荘司増居 2022.4.24△4ー4島田外丸 132022.4.25✖4ー7荘司増居 2022.9.25△0ー0池田陽増居 142022.9.26✖1ー2荘司外丸 152022.9.27✖1ー4池田陽増居 2023.5.13△3ー3池田陽外丸 162023.5.14✖3ー6沖谷村 172023.5.16✖2ー7池田陽外丸 182023.9.9✖2ー3池田陽外丸 192023.9.10✖7ー11野口谷村 202024.5.4✖0ー2小畠外丸 2024.5.5△4ー4大越竹内 2024.5.6〇7ー5小畠渡辺和 〇は勝、✖は敗、△は引分け※はコロナ特別日程
2024.05.07
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延長12回一死の場面で、リーグ戦初打席の代打・渡辺憩(1年、慶應)がレフトスタンドにサヨナラ本塁打を放ち、慶應が勝ち点を挙げた。 これは、例年ほど戦力が安定しない堀井監督のやりくり上手がもたらした勝利でしょう。 渡辺に限らず、昨日までリーグ戦通算1打席しか経験ない真田壮之(3年、慶應)もスタメンに起用されると、5回表に先制の適時二塁打を放ち、また直後の5回裏にはレフトへの難しい打球をスライディングキャッチするなど攻守に活躍した。 一方の法政は、9回に粘りを見せ同点に追いつくも、延長12回、ついに力尽きた。渡辺のサヨナラ本塁打が飛び出した瞬間は、サードの松下歩叶(3年、桐蔭学園)がその場に突っ伏した。そして、呆然と立ち尽くす投手の宇山翼(3年、日大三)。歓喜の慶應選手たちとは対照的に、まるで東都名物の入替戦クライマックスの様相だった。 結果、勝ち点を失ったことで、優勝争いから一歩後退した。投手陣が充実し「今年優勝できなくて、いったいいつ優勝するんや?」という声も聞こえそう。 あ、そうそう。慶應の最後の投手である木暮瞬哉(3年、都小山台)と森村輝捕手(3年、都小山台)は高校時代もバッテリーを組んだ。サヨナラ本塁打を被弾した法政・宇山翼(3年、日大三)とは、4年前の秋季東京都大会3回戦で対戦し0-1で敗戦した経緯があり、今回は2人のバッテリーにとってリベンジとなった。
2024.04.30
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昨日(4月20日)は、明治大が東京大を相手に1イニング12得点を挙げた。これは歴代最多得点2位タイの記録で、平成24年秋にも明治大が12得点を記録した(相手は東大)。 この時の明大のスタメンが懐かしい。1番上本、2番高山、3番菅野、4番岡大・7番山崎・8番坂本、9番福田。そして岡は4番を打つ一方で、最後にマウンドに立つ二刀流だった。詳しくは、こちらへ。
2024.04.21
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今日は準決勝が行われ、第二試合は慶応義塾大が5-1で日本体育大を下し、決勝に駒を進めた。日体大は試合後、ベンチ前で円陣を組みミーティングが行われた。 スカイAで解説をされていた善波達也さん(前明治大監督)は、試合後にベンチ前でミーティングする日体大ナインを見て「この場面(今季最後の公式試合)で、こういったキチッとしたミーティングはあまりないですよ。これをしっかりやるっていうのは、来年新たなチームを作るにあたって本当に良い姿ですね」と感嘆した。 最近はドラフト指名選手数を連盟毎で競う風潮もあるけれど、それは大学野球の一面に過ぎない。無名校出身の選手が見事にレギュラーの座を射止める姿を見るのも痛快だし、また、大学スポーツは巷で様々の不祥事が相次いでいるが、そんな中で整然とチーム作りを目指す姿も、大学野球の魅力だと思う。試合後の日体大の姿にあらためてそのことを教えられた気がする。
2023.11.19
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アベマTVで東京六大学リーグを解説中の広沢克実さんの話が面白かった。「今の時期、神宮は、捕手の影が伸びて打者から見えるため、投球コースがわかってしまう。要注意だ」と。 さっそく翌日神宮で確認すると、たしかに捕手の影が打者から丸見えになっていました。秋の午後、西日が神宮のネット裏(のやや三塁側)から低く差し込むことが原因でしょう。スタンドやテレビで見ていてもなかなか気づきませんが、やっている選手にとっては常識かも。 捕手はこまめに位置を変えることで、打者を幻惑する必要がありそうですね。
2023.10.29
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先週開幕した東京六大学リーグ、今日は法政大ー立教大1回戦が行われた。先発は法政・篠木健太郎(3年、木更津総合)、立教・池田陽佑(4年、智辯和歌山)。(写真)法政・篠木健太郎(写真)立教・池田陽佑 4回表、立教は制球の乱れた篠木を捕えて先制し試合が動いた。法政は5回裏、捕逸で同点に追いつくと、続く6回には3番・今泉颯太(4年、中京大中京)の適時打で2点目。さらに8回裏、二死一・三塁の場面で4番・内海貴斗(4年、横浜)が一・二塁間をゴロで抜ける適時打を放ち、勝利を決定づけた。(写真)8回、法政・内海貴斗が適時打を放つ 篠木は序盤、小気味よい投球で立教打線をほぼ完ぺきに抑えた。3イニングに要した投球数はたったの23球だった。ところが4回表、負傷した二塁手が治療のため数分間中断すると、この時間が篠木のリズムを微妙に狂わせた。再開直後、突然制球が乱れて長打を喰らうと四球と安打で1点を失い、その後も安定せず常に走者を背負う苦しい投球だった。 スコア3-1。投手戦というより「貧打戦」に見えた試合だったが、法政にとっては内容がどうであれ、まずは1勝したことが大きいのだろう。敗れた立教は開幕3連敗。
2023.09.16
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2部優勝の東洋大が1部6位の駒大に競り勝ち、2連勝で21年春以来、5季ぶりの1部昇格を決めた。就任1年目の井上大監督(49)は初の1部昇格。駒大は粘り及ばず、17年秋以来の2部降格となった。試合後、ベンチ前に集まった選手たちを前に、井上監督の目から涙がこぼれた「おめでとう…ありがとう…」。今年1月に監督就任し、わずか6カ月にしての1部昇格。私生活から「厳しく」見直す井上監督のチーム改革が実を結んだ。(以上、日刊スポーツ)6月24日 1・2部入替戦 2回戦東洋大 001 100 100 =3駒沢大 000 000 000 =0(東)〇野澤‐島田‐石上祐、(駒)●高井‐東田 試合は中盤まで東洋大のペースで進んだ。3回、二死二塁の場面で2番・石上泰輝(4年、徳島商)の左前適時打で先制すると、続く4回には4番・水谷祥平(4年、龍谷大平安)の右翼線二塁打を皮切りに捕逸などで2点目を挙げた。7回にも1点を加え、1部昇格に向けて着実に試合を進めた。 守っては先発の野沢秀伍(4年、龍谷大平安)が6回まで無安打無失点の好投。唯一ピンチの場面は7回だった。3本の安打を浴びて二死満塁に。ここで降板し、救援の島田舜也(2年、木更津総合)が次打者を三ゴロに抑え無失点でこの回を乗り切った。 実はこの7回、一死一塁の場面で平凡な二ゴロを4-6-3の併殺で終わるところを、二塁手から遊撃手へのトスが乱れて走者を残してしまうミスがあった。小さなミスが天国から地獄へ突き落す入替戦。続く打者に連続安打を喫してピンチが拡大したが、なんとかここを無失点で抑えたことがこの試合の勝利を呼び、東洋大の1部昇格を確実なものにした。 勝敗が決した後、マウンド付近で歓喜する東洋大ナイン。一方、敗れた駒沢大は泣き崩れる選手たちも。入替戦恒例の場面だが、駒沢大応援団の挨拶では「今日負けて秋は2部になるけれども、もっと応援を強くなって、再びこの神宮に戻ってきます」といった趣旨のことを話していた。その声はたまたま内野席にいた私にも聞こえた。よくある”学生注目”風の力強いものではなく、学生やOBたちに切々と語りかけるような語り口は、私まで心打たれるものがあった。
2023.06.25
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今日は法政大-東京大2回戦が行われ、法政がスコア2-0で連勝し4つ目の勝ち点を挙げた。この結果をもって両校とも今季を終了し、法政大は2位を確定させた。 法政は尾崎完太(4年、滋賀学園)が初の完封勝利をした。132球、被安打2、奪三振12、与四死球3。今季は昨季まで見られた突然崩れる様子は見られず、今日も安定した投球だった。 「打」は、相変わらず寂しい。ただニューフェースが活躍した。ゼロ行進の中、5回、均衡を破ったのはリーグ戦初スタメンの7番・姫木陸人(3年、日大藤沢)だった。直球を待っていたもののカーブに反応して、ライトスタンドに運んだ。打った瞬間に本塁打とわかる強烈な当たりだった。 この回、さらに後続がチャンスを広げると、二死一・二塁の場面で、この東大戦からスタメンに名を連ねた2番・藤森康淳(1年、天理)がセンター前にはじき返して2点目を挙げた。 恥ずかしながら姫木のことを知らなかったが、「日大藤沢から法政」と聞けば、ボクと同世代だったエースの和田護さんを思い出す。プロに進んだ田中富でもなく、池田親でもなく、川端でもなく、背番号17の小さな右腕和田が当時法政のエースだった。 和田さん、いま何しておられるのか?気になって調べてみたら、法友倶楽部(法政大野球部OB会)の副会長をされているらしい。ちなみに会長は小早川毅彦さん。(写真)均衡を破る本塁打を放った姫木。(写真)5回、藤森が2点目となる適時打を放つ。
2023.05.21
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春季リーグ戦は、明治大学が3季連続43度目の優勝を決めた。明治において3連覇は1937年春~38年秋の4連覇して以来、85年ぶりのこと。 当時の主力は、”中京商四天王”と呼ばれた杉浦清、吉田正男、村上重男、恒川道順ら中京商を3連覇にけん引した中心選手たちだった。吉田は明石中を相手に延長25回を投げぬいた伝説の投手。 明治4連覇における最大の熱戦は38年春の早稲田との優勝争いだった。4番・呉明捷(嘉義農林)の長打力が光り優勝決定戦にもつれたが、谷沢監督のもと堅実な戦いをみせた明治が優勝を決めた。 この頃、法政大には鶴岡一人(広島商)、早稲田大には呉明捷や南村不可止(市岡中)がいた。「不可止」という名前に今ひとつピンとこなかったが、改名後の「侑広」ならば解説者として、ボクの記憶に微かに残っている。(写真)”中京商四天王”。吉田は左から2番目。~『東京六大学野球80年史』(ベースボール・マガジン社)より。以下も同じ。(写真)鶴岡一人。(写真)呉明捷。
2023.05.20
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すでに東洋大が2部優勝を決め、次の注目点は最下位争いになった。現在、立正大、東農大、専修大の3大学に最下位の可能性がある。優勝校はあっさりと決まったものの、こちらの争いは最終週までもつれるし烈な戦いだ。 さて今日、等々力球場の第2試合は、その渦中にある立正大と東農大の一戦。立正大 002 003 000 =5東農大 001 100 010 =3(立)梅田(東)長谷川、上原、松原 勝敗を分けたのは6回表、立正大の攻撃だった。二塁打と四球で二死一・二塁の好機をつかむと、7番・岩本翼(4年、東亜学園)が打席に。すると、ここで東農大・北口正光監督がマウンドへ。バッテリーとの協議の中味は岩本と勝負するか、それとも岩本を歩かせて次打者・田近介人(2年、大阪桐蔭)と勝負するかの意思確認だったろうか。 結果、東農大バッテリーは、今季初スタメンの田近との勝負を選択したようで、岩本を敬遠気味に一塁へ歩かせた。そして田近。投手・長谷川優也(3年、日本文理)は初球にストライクを奪うも、次の2球目。内角に入った直球を田近が叩くと、打球は左翼線に転がり、これが走者一掃の決勝打となった。 さて、最下位争いだが、今日明日の戦いで勝ち点をあげたチームは争いから抜け出せる。立正大が1勝し、今日の第3試合では専修大が東洋大を下した。したがい、いま現在、最下位の可能性が濃厚なのは東農大である。明日以降の挽回を期待したい。
2023.05.16
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法政大先発の篠木健太郎(3年、木更津総合)は、終始安定したピッチングを見せました。今日の成績は8回、被安打5、奪三振8、与四死球2、そして今日の最速は155キロ。できるならば9回も!と思ったけれども投手交代。二番手として吉鶴翔瑛(3年、木更津総合)がマウンドに。スコア2-0、法政にとっては連勝して勝ち点1を目前にした余裕の継投に見えましたが・・・2回戦(4月9日)慶應大 000 000 003 =3法政大 200 000 000 =2(慶)谷村、〇小川琳、外丸(法)篠木、●吉鶴、塙【試合経過】法政は初回、三塁に走者を置いて、4番・内海貴斗(4年、横浜)が右翼スタンドへ放り込み、2点を先制した。その後は法政・篠木、慶應・谷村然(4年、桐光学園)の好投で両者ともに「0」行進が続いた。そして迎えた9回表、法政ベンチは篠木に代えて、吉鶴を救援に送った。慶應この回の先頭打者は、4番・廣瀬隆太(4年、慶應)。昨日からまったく当たっておらず、今日も篠木は廣瀬から2三振を奪うなど完璧に抑えていた。そんな経緯ゆえ廣瀬は投手交代を聞き、胸を撫で下ろしていたのではなかったか。案の定、廣瀬は初球をたたくと、打球は左前に転がって出塁した。一死後、代打・佐藤一朗(4年、慶應)は左中間を破る適時二塁打を放ち1点を返すと、続く水鳥遥貴(3年、慶應)が初球にバントを敢行。しかし急速に押されてファールにすると、すかさず慶應ベンチは動いた。カウント0-1、打席の途中に村上真一朗(4年、城北)を代打に送る。そして直後の2球目、村上の打球はグングン伸びてスタンドイン、逆転の2点本塁打となった。法政にとって悔やんでも悔やみきれない一球となった。 投手の継投はむずかしいものだなぁ・・・としみじみ思います。せめて9回、廣瀬までは篠木に任せていればなどとも思うけれど、それは結果論ですね。 さて、今日の注目選手は慶應・斎藤快太(3年、前橋)。今日の試合は2安打を放ち、ショートの守備もうまい。見ていてワクワクする選手です。(写真)法政・内海貴斗。この直後、ボールは右翼スタンドに消えて2点本塁打に。(写真)慶應・斎藤快太。
2023.04.09
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東都2部が4日に開幕しました。 東洋大-東京農業大は、初戦から延長戦(タイブレーク)にもつれる接戦でしたが、東洋大が10回に3点を挙げて先勝。そして、続く第2戦も好ゲーム。スコア3-3の同点で迎えた9回裏、東洋大が二死一・三塁の場面に、東農大の松村力(3年、敦賀気比)がまさかの”サヨナラ・ボーク”。三塁走者が生還し、あっけない幕切れに。結果、東洋大が辛くも勝ち点1を挙げました。2回戦(4月5日、UDトラックス上尾球場)東農大 000 100 200 =3東洋大 003 000 001X =4(農)高野、長岡、石森、小島拓、林、府川、●松村(洋)岩崎、〇野澤【試合経過】東洋大は3回、制球の安定しない農大投手陣から4つの四死球と2本の安打を絡めて3点を先制すると、農大は6回、代打・重政拓夢(3年、関東一)の左中間越えの適時二塁打で1点。さらに7回には二死二・三塁の好機に3番・井口真之介(4年、東農大三)が左中間を破る適時二塁打を放って同点とした。 そして迎えた9回裏、東洋大の攻撃。農大の投手は7回途中から登板した松村。一死一・二塁の場面に5番・橋本吏功(4年、花咲徳栄)に左前へ安打を浴びるも、レフトから本塁への好返球で生還を狙う二塁走者はタッチアウトとなり(二死一・三塁)、いよいよ延長戦突入かと思われた。しかし次打者が打席に入ったその直後・・・、松村は一塁へ牽制を試みたが、一塁手がベースについていないのに気付き送球せず。この時、松村の足がプレートに触れたままだったためボークと判定されて、三塁走者が生還しゲームセット、あっけない幕切れとなった。 この試合でボクが注目したのは、東農大の松村投手。7回裏二死満塁の場面で登場し打者を三ゴロに打ち取ると、派手なガッツポーズとともに「ウォーッ!」と雄たけびをあげるなど気合十分。最後は”サヨナラ・ボーク”を招いてしまったけれども、今後もぜひ見てみたいと思える投手でした。(写真)松村力(3年、敦賀気比)
2023.04.08
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▽駒大8―1専大(11日・神宮)1勝1敗で迎えた3回戦。2部1位の専大は1部6位の駒大に完敗し、2017年春以来の1部復帰を逃した。 先発マウンドに立ったのは、ロッテにドラフト1位で指名されたエース・菊地吏玖投手(4年=札幌大谷)ではなく、2回戦で完投勝ちを収めた西舘昂汰投手(3年=筑陽学園)だった。2回3分の1を4安打2失点。大学最後の登板を終えた菊地は「悪いなりに、どう抑えるかという頭の使い方をしたシーズンでした。どんな状態でも最後まで投げ切る力は付いたと思いますが、こういう試合で『最初から菊地』とはならなかった。自分はその程度の選手だと思ったので、とにかく練習して自分を高めたい」と新たな決意を口にした。(以上、スポーツ報知)駒澤大 320 101 001 =8専修大 000 001 000 =1(駒)〇松村-東田、(専)●西舘-松下-菊地吏 両校1勝1敗で迎えた第3戦、専修大の先発はエースの菊池吏玖(4年、札幌大谷、Dロッテ1位)と予想していたが、マウンドに立ったのは西舘昂汰(3年、筑陽学園)だった。菊地は1回戦に先発するも安定感なく、4回、被安打2、与四死球3、失点3だったことが、大事な第3戦を任されなかった理由か。「こういう試合で、最初から菊地、とはならなかった。自分はその程度の投手だと思った」とは菊地本人の弁。秋開幕前は「悔いのない形で終わりたい」と話していたが、残念ながらそうはならなかった。プロの世界でリベンジしたい。
2022.11.13
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2部6位の国士舘大が、3部1位の帝京平成大にサヨナラ勝ちし1勝1敗とした。2回に先制されるも、4回に相手投手の暴投で同点。その後も追加点を挙げ2点リードで迎えた9回。2死二塁から帝京平成大・山本大介内野手(2年=高知中央)に2点本塁打を打たれ、土壇場で試合を振り出しに戻される。しかしその裏、2死二塁で河野真大外野手(4年=横浜隼人)が決勝打となる中越え適時打で試合を締めた。試合後、辻俊哉監督(43)は「首の皮一枚つながった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。公式戦初のサヨナラ打を放った河野は「うれしかった。今日のように1点ずつ取っていきたい」と次戦に向けて意気込みを語った。(以上、日刊スポーツ) 4日、東都2・3部入替戦の2回戦が行われ、国士館大(2部6位)が帝京平成大(3部1位)に勝利、1勝1敗のタイになりました。 実は3日、スタンドで観戦した際、帝京平成大の新監督の身体の大きさに驚いたのですが、その監督がかつては國學院大のエース・村松伸哉さんだったことを先ほど知りました。 大学時代は1年生ながら、同じ年だった早大・斎藤佑とともに日米大学野球の代表選手に選出され、さらに斎藤を押しのけてMVPに輝いた本格派の投手。187㎝の長身から投げ下ろす150㎞台の速球が武器で、米国では斎藤佑よりも評価が高かった。 それでいて喜怒哀楽の感情をストレートに表現する選手でもあって、私にとっては興味の尽きない大好きな投手でした。大学卒業後はかずさマジックに進み、その後は清和大(千葉県リーグ2部)のコーチを経て、今季から帝京平成大の監督に。 今週11日(金)は国士舘大と第3回戦を行い、勝てば2部昇格が決まりますが、急に帝京平成大が身近に思えてきました。
2022.11.06
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3日は東都の入替戦を観戦しました。 第1試合 成蹊大(4部1位)6-1上智大(3部6位)、 第2試合 今春から新規参入した帝京平成大(3部1位)が国士館大(2部6位)に9-1の圧勝、国士館は3部転落の危機。多くのプロ野球選手や高校野球指導者を輩出してきた国士舘ですが、3部転落となれば部史上初めてかも? 第3試合 駒沢大(1部6位)が専修大(2部1位)を5-3で先勝。専修のエース菊地吏玖(ロッテ1位)は5回持たず降板。そんなさなかスタンドで試合観戦していた某大学(2部リーグ)野球部員たちの会話。A「(スタンド後方にいる大柄なおじさんを指さして)あ、あそこにいるの、前の横浜DeNAの監督じゃね?」B「そうだ」A「だれだっけ」B「ナカハタだよ」A「そうだ、ナカハタだ」C「なんでここにいる?」B「わかんない」・・・その後スマホで検索して、A「ナカハタは駒大OBらしいよ」BC「へぇそうなんだ」・・・って、とてもジェネレーションギャップを感じた瞬間でした。
2022.11.06
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慶大の猛追及ばず、連勝は5(1分け挟む)で止まり今季2敗目を喫した。1点を追う9回、1死後に一塁方向に連続のバント安打を狙い、これが成功。一、二塁にすると、なおも四球を得て満塁と攻めた。しかし、後続が打ち取られ、対法大は1勝1敗となった。8回には2死満塁で意表をつく本盗を仕掛けたが、失敗に終わっていた。堀井哲也監督(60)は「もう一歩でした。相手がいい投手なので。ホームスチールはベンチの失敗です」と振り返った。(以上、日刊スポーツ)<10月9日 慶応ー法政2回戦>慶応 000 000 020 =2法政 000 020 10X =3(慶)●外丸、渡部淳、橋本達 (法)〇篠木、吉鶴 慶応が先勝して迎えた2回戦は、今季打線がつながらず5連敗中の法政が珍しく3点をリードして終盤に。そして迎えた8回、慶応の反撃が始まった。代打・北村謙介(4年、東筑)と1番・朝日晴人(4年、彦根東)の適時打で2点を返すと、なおも二死満塁のチャンス。そして5番・左打者の山本晃大(4年、浦和学院)が打席に。今季出塁率5割近くを誇る打者を相手に、法政は最低でも同点を覚悟した場面。 この時、法政の投手は左腕・吉鶴翔瑛(2年、木更津総合)だったが、ここで慶応は本盗を敢行した。しかし三塁走者の北村がスルスルッと本塁へ突進するも間一髪アウトに。なぜこの場面で本盗? 法政からすれば山本と勝負するほうが嫌だったに違いない。堀井哲也監督はサインプレーだったことを認めたうえで「もう一歩でした。相手がいい投手なので。ホームスチールはベンチの失敗です」と話した。 本盗といえば、昭和6年の三原脩さんさん以来、上本博紀(平成20年)、瀧沢虎太朗(令和元年)と続く早稲田の専売特許とばかり思っていたが・・・(笑) ただ三原さんの場合は、成功したにもかかわらず、飛田穂洲氏から大目玉を喰らった。飛田氏曰く、「まったく定石はずれの暴挙である。打者が右であればよいが、左打者では捕手から丸見えであり、偶然成功したに過ぎない。もし失敗したら、その軽挙は早大を深淵の底に叩き込んでいたろう」と。 今回は早稲田ではなく慶応だったが、打者は同じ左打者で捕手から丸見えの状態だった。ボクには奇異な策に見えたけれど、この本盗を見ていた方たちにはどう見えただろうか?
2022.10.09
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先週行われた法政と明治のカードは、明治が連勝して3つ目の勝ち点を挙げた。 この連勝の分岐点となったのは1回戦目、スコア1-1の同点で迎えた7回表だったと思う。二死三塁の場面で、明治大の2番・飯森太慈(2年、佼成学園)がカウント2-0からセーフティバントを敢行、捕球した一塁手がどこにも投げられず、その間に三塁走者が生還、俊足を活かして決勝点を挙げた。 飯森は「(ベンチからのサインはなく)自分の判断でやりました。バントは一番練習してきたので」と話した。 スタンドから見ていてワクワクするのは、このような野球センスの高い選手だ。右投げ左打ち、163㎝、61㎏、50m走5秒8。まだ飯森を知らない方も、このデータを見ればどんな選手か凡そ想像していただけるでしょう。送りバントだって素直にバントをしない、バットをゆらゆらと揺らしつつ相手バッテリーにプレッシャーをかけ続けるなど厭らしいことこの上ない。 考えてみれば、明治には飯森のような選手がこれまでも少なくない。あくまでボクの見立てですが、例えば旧くは福田周平(現オリックス)、そして福田とほぼ同世代だった大塚健太朗、小倉貴大。最近では丸山和郁(現ヤクルト)もそう。他の5大学ではなかなか見かけないタイプ。こういった選手たちが明治の野球を支えているようにさえ見える。接戦に強い秘訣かもしれない。(写真)ジャーンプ! 打席に入る前のルーティン。
2022.10.05
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9回2死満塁、専大先発・菊地吏玖投手(4年=札幌大谷)の球が捕手の後ろにそれると、すかさず三塁走者がホームイン。サヨナラ勝利に東農大ナインはベンチから駆けだし、抱き合って勝利の瞬間を分かち合った。両先発投手の好投が続き、スコアボードには0が並んだ。東農大先発の鶴田克樹投手(4年=下関国際)は1度も三塁を踏ませることなく、相手打線を封じた。自身で「粘り強くなった」というように、最後まで気持ちを切らさず3安打1四球で完封した。試合後、鶴田は「流れが来なくて、今までで一番しんどかった」と疲労困憊(こんぱい)の表情。だが「フォアボールの数も減ってきた。手ごたえがあります」と自信を見せた。プロ志望届は提出せず、今後は社会人に進む予定だが、視察したスカウトも「だんだん良くなってきている。将来性のある選手」と評価した。(日刊スポーツ) 東都2部が大混戦です。これまで”下位”が指定席だった東京農大が首位・専修大に先勝し、2位に浮上しました(4日現在)。従来の”序列”が崩れつつあります。(10月4日 等々力球場)専大 000 000 000 =0農大 000 000 001X=1(専)●菊池、(農)〇鶴田 立役者は専大打線を完封した鶴田克樹(4年、下関国際)。4年前、エースとしてチームを甲子園ベスト8にけん引した選手です。残念ながら昨年まで実績を残すことができませんでしたが、今季これで2勝目。ドラフト上位候補の専大・菊池吏玖(4年、札幌大谷)に投げ勝ったのですから、嬉しさも格別でしょう。今夏、母校が甲子園準Vを果たしたことも刺激になったかもしれません。 鶴田は現時点でプロ志望届を提出していませんが、これだけの投球を見せられるとプロ側が放っとかないのでは? 今後に注目したいものです。(写真上)鶴田克樹。2019年撮影(写真下)菊池吏玖。2021年撮影。
2022.10.05
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1部最下位だった中央大が残留できるか、それとも2部を制した東洋大が3季ぶり1部復帰を果たすか?両校とも1勝1敗で迎えた大一番。中大・西舘勇陽(3年、花巻東)、東洋大・細野晴希(3年、東亜学園)の先発で始まった試合は、塁上を多いに賑わせた1・2回戦とは異なり俄然引き締まった試合になった。(1・2部入替戦 3回戦)東洋 100 000 000 =1中央 000 000 002X =2(東)細野‐河北‐島田、(中)西舘 初回、東洋大は西舘の立ち上がりを攻める。1番・松本渉(4年、龍谷大平安)が三塁線を抜ける安打を放つと、レフトが打球処理を誤る間に一気に3塁へ。一死後、3番・石上泰輝(3年、徳島商)が右前に安打を放ち、三塁走者が生還。プレーボールからほんの数分の出来事だった。 一昨日は不安定な投球を見せた西舘だったが、この場面は後続を断ち切ると、次の回からは一転して快投を見せた。2回以降許した安打は2本、奪った三振は11個。5回から7回にかけて5者連続三振も奪った。一方の東洋大・細野も負けていない。ゆったりしたフォームから時折見せる150㎞超の直球は、相手打線を幻惑し続けた。 どちらもチャンスらしいチャンスもなく、スコア1-0のまま進行した。また、どうしたわけか、東洋大がこのまま勝利するといった空気も全くなかった。むしろ「大一番、このように膠着した試合は後攻めのチームが有利」。ボクはそんな予感を抱くようになっていた。 そして9回裏、予想どおり試合が動いた。東洋大は細野がすでに降板し、8回からは河北将太(4年、浦和学院)が登板、安定感たっぷりに相手打線を抑えていた。ところがこの回、中央大先頭の2番・中前祐也(3年、浦和学院)が打席に入ると、途端に制球を乱した。「ここを抑えれば勝てる!」といったプレッシャーがあったか、一球もストライクが入らずにストレートの四球を与えた。いずれも外角に大きく外れるボールだった。続く3番・森下翔太(4年、東海大相模)にもカウント3-1から四球を与えて無死一・二塁に。 ここで東洋大ベンチは河北に代え、3番手に島田舜也(1年、木更津総合)をマウンドへ。4番・北村恵吾(4年、近江)が送りバントをすると、捕球した島田が一塁へ悪送球。ボールが転々とする間に二塁走者が生還しまず同点とした。さらに無死一・三塁の場面で5番・石井巧(3年、作新学院)が前進して守る二塁手の脇を抜ける中前打を放ち、三塁走者を迎え入れてサヨナラ勝ちを決めた。 勝敗が決した瞬間、中央大の選手たちは歓喜の雄たけびを上げた。一方東洋大の選手たちの動きは止まり、皆その場に伏した。入替戦の結末はいつも同じ。これまでも何度も見てきたけれども、感情移入を禁じ得ない。”入替戦は東都の花”と云われる所以だろう。 中央・清水達也監督は「選手たちの成長が最後に出た。本来なら日本一を目指してやってくる中で、こんな場(入替戦)に立たせたくなかった。成長して勝ってくれたのが嬉しい」と涙声で話した。(サンケイスポーツ)
2022.06.22
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東京農業大ー国士館大1回戦。国士大 000 000 100 =1東農大 000 000 30X =3(国)小野寺‐●重吉‐石井‐荘司、(東)〇鶴田‐長谷川‐近藤 1点差を追う東農大は7回、安打と四球で一死一・三塁の好機を作ると、2番・西表大夢(4年、八重山)が右前に適時打を放ち同点。さらに相手の野選などで2点を加え、試合を決めた。 東農大の殊勲は先発した鶴田克樹(4年、下関国際)だろう。小気味よい投球でほぼ完璧に抑えた。今季2勝目。昨年秋、対拓殖大戦は先発するも2回持たずにノックアウトされた姿が記憶に鮮明だが、もてる実力を発揮してみせた。 この結果により、東農大は明日以降に連敗しても、勝率が国士大を上回るため5位が確定した。最近は2部最下位が指定席のような東農大だったが、今季は入替戦を免れた。一方、国士大は最下位が決定し、後日、3部優勝校との入替戦に臨む。今のところ3部は学習院大の優勝が濃厚。
2022.05.24
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第7週2日目は、法政大ー東京大2回戦、明治大ー立教大2回戦の2試合が行われた。明治ー立教は勝ち点を挙げたほうが優勝するとあって熱戦が続いている。昨日は延長12回引き分け、そして今日は明治が辛くも勝利した。 今日、ボクはアベマTVで観戦した。解説は法政OBの大引啓次さん。この大引さんのコメントで興味をもったことが2点あった。ひとつは明治ー立教戦、1点差を追う立教が終盤に送りバントを失敗した場面。「この緊迫した場面できっちりバントを決められないのでは、東京六大学で優勝すべきでないし、全日本選手権に出場すべきでもない」と断言したところ。バントなど細かなプレーの精度が重要であることに疑いはない。とても厳しい物言いだったが、聞いていてスッキリとした。 そして2つ目は、法政ー東大戦で法政の9番・高田桐利(4年、広陵)の打撃に言及したところ。今季打率わずか1割の高田に対し、大引さんは「引っ張るばかりではなく、逆方向へ意識して打つことで打率は上がるはず。自分で自分を苦しい状態にしているようだ。この程度の打率でいる選手ではない」とコメントした。ボクもまったく同感だった。 思い出したのは、法政が1勝1敗1分で迎えた対明治4回戦(5月10日)の高田の打撃だ。2点差を追う法政は9回裏、この回先頭の高田が打席に立った。相手投手・高山の初球は高めに浮いた明らかなボール。そして2球目も高めのボール球だったが、これを高田は強引に叩いて平凡な外野フライに倒れてしまった。 何が何でも出塁を求められる場面。本来の高田ならいやらしく出塁を企てただろうが、何の手立てもなくボール球に手を出し、先頭打者の役割を放棄した格好になった。次打者・宮﨑に本塁打が飛び出したため、法政にとっては余計に残念でならなかっただろう。この程度の打率でいる選手ではないはず。ラストシーズンの秋こそ活躍を期待したい。
2022.05.22
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東京六大学の第4週。法政大‐慶應義塾大の双方1勝1敗で迎えた第3戦は、9回裏、1点差を追う法政が逆転しサヨナラ勝ちし、優勝候補筆頭の慶應から勝ち点を奪った。このカードは3試合ともサヨナラゲーム。これにより慶應、明治、法政の3校が勝ち点2で並び、優勝争いは混とんとしてきた。5月2日慶應 000 000 032 =5法政 003 001 002X =6(慶)増居‐渡部淳‐橋本達‐白木●‐外丸‐生井‐浮橋 (法)篠木‐塙〇 1点差を追う法政は、まず二死満塁の好機に2番・高田桐(4年、広陵)が四球を選んで押し出し同点に。こういった場面にこそ高田の”いやらしさ”が際立つ。素晴らしい選手だ。さらに続く3番・斎藤大輝(4年、横浜)が左前にサヨナラとなる適時打を放ち、法政が勝利を決めた。 ボクは、前日の第2戦をアベマTVで観戦した。この時の解説者はかつて明治大の4番だった広澤克実さん。還暦を迎えた初老の上司(広澤)が会社の部下(実況アナ)を相手に自由奔放に野球談議をするといった趣向、地方都市のさびれた居酒屋で会話する2人をイメージしていただけば、その”まったりぶり”が分かろうというもの。 ただこの番組中、広澤さんが法政の各打者をみてボソッと呟いたのが気になった。「個々の選手は技術が優秀なのに、法政があまり優勝できないのは、野球脳が不足しているんだよなぁ」と。そして具体例として「慶應の捕手が外角を中心に配球しているのに対し、法政の各打者はそれに気付いているのかいないのか、なぜか皆、内角を意識してバットを振っている」といった趣旨の説明をした。実況アナは「法政の各打者が内角待ちだからこそ捕手は外角を要求しているのかもしれません」と応じていたが。 この時、ボクは広澤さんの話をあまり理解していなかったけれど、第3戦に「なるほど!」と膝を打つシーンがあった。それは1点差を追う法政、9回裏一死満塁の場面。打席には今季好調の1番・宮﨑。対する慶應バッテリーは外角を中心に配球するも、宮﨑のスイングはつねに内角を意識している様子。バットは面白いように空を切って結局三振に倒れた。 もちろん宮﨑はこれまでも十分に実績があり、将来を期待される選手であることは間違いない。一打サヨナラの好機に気負いもあっただろう。課題は宮﨑でなく「ベンチ(首脳陣)」にあると見る。相手バッテリーの配球を客観的に見て情報を共有し、それに応じて統一した作戦の指示・伝達が果たしてできていたのだろうか。これが広澤さんの指摘するところの「野球脳」なのだろう。
2022.05.03
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第4週の1日目第1試合は、法政大が慶應義塾大にサヨナラ勝ちし先勝した。4月30日慶應 000 400 000 =4法政 000 013 001x=5(慶)増居‐渡部淳‐橋本達● (法)篠木‐塙‐武富〇 3点差を追う法政は6回、無死一・二塁の好機に、今季好調の今泉颯太(3年、中京大中京)が左中間に3点本塁打を放ち同点にすると、9回には代打・内海貴斗(3年、横浜)がレフト前にポトリと落ちる安打を放ちサヨナラ勝ちした。 (写真)9回裏、二死一・二塁で代打・内海貴斗がレフト前にサヨナラ安打を放つ。 法政にとって殊勲選手は、塙雄裕(3年、常総学院)と武富陸(3年、日大藤沢)だろう。先発篠木が大量失点を喫して降板後、慶應打線を抑え続けて味方打線の反撃を待った。制球力不足が目立つ投手陣にあって、篠木‐塙‐武富のリレーは唯一の”勝利の方程式”。これしかない勝ち方で法政は勝利を収めた。(写真)8回、9回を完璧に抑えた武富陸。 実は、内海の本塁打には珍しいシーンがあった。本塁打を放った今泉は勢いあまって、2塁ベース手前で打球の行方を見ていた一塁走者を一瞬だけ抜いてしまったのだ。それを見た慶應二塁手が塁審に猛アピールするも聞き入れられず、3点本塁打が認められた。テレビの好プレー珍プレーで見たことはあるけれど、生観戦で見たのは初めて。(写真)慶應先発の増居翔太。
2022.05.01
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まず東京六大学。 すごい新人が現れた! 1年生の瀬千皓が、明治大にとって開幕となる東大1回戦にスタメン出場し、初打席で本塁打を放った。初打席初本塁打は史上30人目。昨年夏の甲子園では天理高の4番としてチームをベスト4にけん引、高校時代の通算本塁打は21本。メガネがトレードマークらしいけれども、見かけは明治っぽくない印象(ボクにとって明治のイメージは、広澤と平田)。そして同じ1年の吉田匠吾(浦和学院)も二塁手として途中出場した。 次に東都。 2部も昨日開幕。突然樋越勉監督が退任した東京農大は1-4で東洋大に敗戦。プロ注目の専修大・菊地吏玖(4年、札幌大谷)は延長10回まで踏ん張るも、味方の援護を得られずサヨナラ負けした。 最後に4部。新規加盟した帝京平成大の勢いが止まらない。昨日は昨秋4部覇者の東京工大を相手に32-0の大勝。これまで3試合を行い総得点は67点。秋季リーグ戦は3部昇格間違いないでしょう。
2022.04.17
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法政大ー早稲田大2回戦は、法政が4-3で逆転勝利し、昨日に続き連勝した。 今日のヒーローは、中津大和(2年、小松大谷)だろう。守備と打撃でラッキーボーイ的な活躍をした。 まず3回、早稲田に2点先制を許し、なおも二死満塁のピンチの場面。7番・野村の打球はショートと、レフトを守る中津の中間にフラフラとあがった。ポトリと落ちればさらに2点を失う場面だったが、これを中津が好捕し早稲田の攻撃を断ち切った。 先発の尾崎完太(3年、滋賀学園)が息絶え絶えだっただけに価値あるプレーだった。また打っては同点で迎えた7回、二死一・二塁の場面で打ち上げた打球が相手レフトの落球を誘い、貴重な逆転打になった。(写真)中津大和。 そして救援登板した塙雄裕(3年、常総学院)と、武富陸(3年、日大藤沢)がきっちり抑えたことも勝因の一つ。彼らの投球が逆転勝利を呼び込んだ。特に武富が凄かった。最後の打者・中川を相手にズバッと直球を投げ込み3球三振を奪ったシーンは圧巻。昨日完投勝利した篠木健太郎(2年、木更津総合)をはじめ、投手陣に明るい材料が出来た。 一方、早稲田は昨日今日と元気がない。とくに昨日は記録のつかない守備のミスが多くあった。実戦感覚がまだ足りていないようで。(写真)篠木健太郎。(写真)武富陸。
2022.04.10
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昨日開幕した東京六大学リーグ戦。第2試合の法政大ー早稲田大戦は、ライトスタンドに法政応援団が陣取るも、レフトスタンドに早稲田応援団の姿なし(コロナの影響でしょうか)。そのため、7回には早大校歌、1回と9回には紺碧の空を、法政応援団が代わって演奏していました。こんな例は過去にあったのでしょうか、たぶんなかったろうなぁ。とても貴重な、そして感動的なシーンでした。
2022.04.10
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巨人のドラフト3位右腕・赤星優志が先発し、7回2失点でセ・リーグの新人で一番乗りの白星となった。試合後、原監督は「見事だったと思いますね。リズムもいいですしね。球種が多いということも左バッターの胸元に真っすぐ放れていますし、相手バッターは手ごわいなという印象があったでしょうね」。(以上、スポーツ報知より) 巨人が阪神に3連勝、先発の赤星が勝利投手となった(阪神は開幕9連敗)。 ボクが赤星優志投手(4年、日大鶴ヶ丘ー日大ー読売)を初めて見たのは昨年5月下旬。等々力球場で行われた東都2部の天王山、日本大ー専修大戦だった。日大は赤星、専大は菊池吏玖(3年、札幌大谷ー専大)がお互いに譲らないまったく互角の好試合。 結局9回に本塁打が飛び出して日大が勝利したけれども、2部といえども東都のレベルの高さを実感できたし、何より赤星、菊地両投手の力量を知ることが出来た。 あれから一年、勝利した赤星は昨年秋のドラフトで読売に入団し、さっそく今日、プロ初勝利を挙げた。大したものだが、ならば、菊地だって同等の活躍を期待できるだろうと思ってしまうのはボクだけか。 今季は専大・菊地投手に注目、まずは大学ラストイヤーの活躍を見ることにしよう。2部の開幕は4月16日だ。※下記の写真は昨年撮影したものです。
2022.04.03
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法政大野球部員のうち30名以上が新型コロナウイルスに感染。一時は出場辞退も危ぶまれたが、幸い最悪の事態は逃れ、変則日程ながらも五大学でなく「六大学」で開幕することになった。 ま、ひと安心なんだけれども、もし法政が出場を辞退して六大学が揃わないまま開幕したら、歴史上いったいいつ以来なのだろう? と、そんなことを考えて調べてみた。 すると、出てくるわ出てくるわ・・・戦前は六大学揃わないことは決して珍しくなかったよう。昭和2年春(早大渡米)、昭和3年春(慶大渡米)、昭和4年春(明大渡米)、昭和6年春(法大渡米、明大出場遠慮)、昭和7年春(早大出場辞退、立大渡米)、昭和11年春(早大渡米)。大半の理由は”腕を磨く”ための渡米だったけれども、それに対し昭和6年春の(明大出場遠慮)と昭和7年春の(早大辞退)は異色。特に明大の出場遠慮とは何のことか? 調べてみると、「リンゴ事件」とならび二大不祥事と呼ばれる「八十川ボーク事件」がキッカケだったことが分かった。※昭和7年春の早大辞退については後日紹介します。 八十川ボーク事件は、昭和6年春、明治ー慶應2回戦で起きた。明治がスコア6-5と、1点リードで迎えた8回裏、慶應の攻撃。一死一・三塁の場面で明治の八十川胖投手(広陵中)は、三塁走者を牽制するモーションを見せてから、急転して一塁に牽制球を投げた。八十川はプレートを外していたが、慶應・腰元寿監督がダグアウトを飛び出して「ボーク、ボーク」と叫ぶと、審判はそれを認めてボークを宣言した。これに怒った明治は岡田源三郎監督以下、選手達が審判を取り囲み、抗議が40分以上続いた。結局再開されたものの明治がサヨナラ負けを喫すると、今度は明治応援団が黙っていなかった。慶應の選手たちを4時間にわたり球場に缶ヅメ状態にし、挙句の果てに慶應・腰元監督や一部の選手たちに暴行を加える事件に発展した。 大和球士著『野球百年』によれば、「慶大は明大応援団の騒ぎを不快視して、明大がリーグを脱退しなければリーグ戦に出場せずと声明を発した。明大は岩本野球部長、岡田監督が辞任し、以後の試合は棄権して出場せずとなり」ボーク問題は幕を閉じた。ーーー以上、「明大出場遠慮」とは、八十川ボーク事件において応援団が大暴れしてしまったことを反省し、明治大がシーズン途中に出場を遠慮したことが、その真相だった。 なお、八十川投手にボークを宣告された際、慶應の打席にいたのは、のちの高野連会長・牧野直隆さん(慶應商工)だった。自著『ベースボールの力』(毎日新聞社)には、この時のことが書かれている。「ボーク判定がなされた時にバッターボックスにいたのは僕で、それだけに印象深い事件なのである。(中略)7-6で慶大がサヨナラ勝ちしてしまった。歓喜にひたる間もなく、慶大側が目にしたのは、明大応援席からなだれを打つようにグラウンドへ下りてくる5,000人の応援団の姿だった。僕たちがセンター観覧席の下に逃れると、応援団が周りをぐるりと囲んだ。「白雲なびく駿河台・・・」と校歌を歌い、石を投げ込んでくる。出動した警官の懸命の説得に応じて、ようやく明大側が囲みを解き、僕らが合宿所へ帰り着いたのは深夜だった」。
2021.09.18
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きょう開幕した東都1部は、初日から荒れ模様。7季ぶりに1部に昇格したばかりの日本大が、春リーグ優勝した國學院大に3-0で先勝した。國學院 000 000 000 =0日本大 001 010 01x =3 チームを勝利に導いたのは最速152kmのエース・赤星優志(4年、日大鶴ヶ丘)。國學院打線を4安打に抑えて完封勝利した。「投げ終わってホッとしました。初戦なので100%で行こうと思っていた。力じゃなくてコントロールで勝負した」。その言葉どおり、今日は最速148kmと抑え気味にし、カットボールやツーシームなどの変化球が活きた。 さて、今後の展望を。例年は毎週火・水曜日と連戦の日程が組まれるが、今季の東都1部は基本毎週月曜日と、木もしくは金曜日の開催となる。つまり1戦目と2戦目の間に中2~3日空くため、絶対的なエースがいるチームが有利になりそうだ。偶然ではあるが、この日程は日本大にとって追い風になるかもしれない。
2021.09.13
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東京六大学リーグは、開幕予定だった11日から18日に変更すると発表した。これは法政大で30人以上の部員が新型コロナウイルスに感染したことを受けてのもの。法政大は8月20日から活動を停止しており、9月下旬には練習を再開できる見込み。リーグ戦への参加は10月9日以降となる。 以下、週刊ベースボール・マガジンONLINEより。「何度も言葉を詰まらせた。法政大・加藤重雄監督の涙がすべてだった。何度も頭を下げた。『リーグ戦に参加させていただける。連盟、五大学監督、連盟関係者の皆さまにはご迷惑とご心配をおかけし、寛容な配慮に、厚く御礼申し上げます。神宮で試合をさせていただけるので、有難く思います。勝敗云々よりも、ご迷惑をおかけしない、しっかりとしたゲームをできればと思います』」。 法政の出場辞退、不戦勝・不戦敗か?と云われていたリーグ戦だったが、なんとか開幕に漕ぎつけた。慶應・堀井哲也監督は「六大学でやり遂げようというのが関係者の意志」と言い、早稲田・小宮山悟監督も「(六大学で)力を合わせて」と”共存共栄”を強調したという。これは、六大学すべてが揃ってこそのリーグ戦といった精神が根底にあるのだろう。 法政は10月9日の立教大戦が初戦となり、予備日の火、水曜も使いながら5カード、10試合を3週間弱の短期間に行う。これまでは、神宮の火、水といえば東都1部の日程が組まれていたが、今季は月、木曜日を中心に開催する。
2021.09.12
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昨年秋は早稲田大・蛭間の本塁打で大いに盛り上がった早慶戦。今季は、慶應義塾大が手堅い攻撃で早稲田に先勝した。慶應 000 300 000 =3早稲田 010 010 000 =2(慶)森田、生井、橋本達、(早)西垣、原、加藤 試合は4回に大きく動いた。1点差を追う慶應、この回の先頭打者は、今季これまで3本塁打を放っている4番・正木智也(4年、慶應)。初球、2球目とも小さく外に曲がる変化球で簡単にカウント0-2に。そして3球目、正木はやや真ん中に入った直球を捕らえると、打球はぐんぐん伸びてバックスクリーンに飛び込んだ。今季4本目の本塁打は、貴重な同点弾となった。 慶應の攻撃は続く。5番・下山悠介(3年、慶應)も安打で出塁すると、送りバントなどで二死二塁のチャンスに、打率3割越えの8番打者・朝日晴人(3年、彦根東)が二遊間に内野安打を放ち下山が生還。慶應が逆転に成功し、さらに安打と敵失で3点目を挙げ、結局これが決勝点となった。 試合終了後、インタビュアーに「今季序盤は福井主将を8番に置き、途中からは好調の朝日選手を8番に置いている。当たっている選手を8番に置く理由は何か?」と問われ、堀井哲也監督は「東京六大学はDH制ではないので、9番・投手の前のバッターが非常に大事だと考えている」と答えていた。 今季は「つなぐ野球」を標榜する慶應。ゆえに8番打者を下位打線の中軸の打者ととらえ、1点でも多くの得点を稼ぐため8番打者は大切だと、おっしゃっているようだった。(写真)慶應8番・朝日晴人。BS朝日より。 アマチュア野球界で調べてみると、8番打者について書かれた記事を福岡大大濠高関連で見つけることができた。今春のセンバツ、福岡大大濠ー具志川商戦。この試合は延長11回、一発長打力のある8番打者の豪快な一発で福岡大大濠が勝利を収めた。勝負強い打者を8番に置いた理由について、福岡大大濠の八木啓伸監督は2つの理由を挙げていた。ひとつ目は「得点源を打順の中で2つ作りたいから」。中軸までで得点した後、走者がたまったところでさらに加点を狙いたいこと。そして2つ目は「気負わず、リラックスした状態で打たせたい」と。 近年は2番打者について語られる機会が多かったが、8番打者ももっと注目されれば面白いと思った。 ※朝日晴人。彦根東時代は増居翔太(現・慶應大3年)や、今日の早慶1回戦で登板した原功征(現・早稲田大3年)らがチームメイトだった。 2018年、彦根東はセンバツ大会に出場した。朝日は3番・セカンド。初戦は慶應高と対戦して4打数3安打の活躍。相手慶應には現チームメイトの宮尾将、下山悠介、生井惇己らがいた。そして、続く3回戦は花巻東と対戦。この試合も朝日は活躍を見せたが、延長10回の激戦の末に敗れた。 彦根東のエース・増居が9回まで花巻東をノーヒットノーランに抑えていたが、延長10回裏に初安打を浴びると、最後はサヨナラ犠飛で惜敗した。この試合のことは、とても強くボクの記憶に残っている。
2021.05.30
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2部優勝を賭けた天王山が始まった。日本大ー専修大戦はエース対決、日大・赤星優志(4年、日大鶴ヶ丘)と専大・菊地吏玖(3年、札幌大谷)の息詰まる投手戦となった。 赤星は軽快なフィールディングでピンチを凌ぎ、専大打線に得点機を与えず。一方の菊地も中盤に球が浮いて崩れかけたが、その後に立ち直った。(写真)日本大・赤星優志(写真)専修大・菊地吏玖 スコア0-0のゼロ行進。そして、ついに試合が動いたのは9回だった。(等々力球場)日本大 000 000 001 =1専修大 000 000 000 =0(日)赤星、(専)菊地 9回表、日大は一死後、今日はベンチスタートにまわった小濃塁(2年、仙台育英)が代打で登場した。そしてカウント1-2となった4球目、小濃がフルスイングすると、打球はあっ!という間にライトスタンドへ。打った瞬間に本塁打と分かる素晴らしい当たりだったが、結局、これが決勝打となった。試合開始前、優勝に一番近かった専大にとって、この敗戦はあまりに痛かった。 さて、優勝の行方は? 明日、日大が専大に勝利すれば日大の優勝が決まるが、もし引き分けか敗戦だと状況は複雑になる。専修大に加えて、今日拓殖大に勝利した国士館大も優勝の目があり、場合によってはプレーオフに持ち越される可能性もある。 小濃塁。仙台育英高3年の夏、4番打者として甲子園に出場した。入江大樹(現・楽天)らとともに、チームをベスト8に牽引したが、準々決勝では奥川恭伸(現・ヤクルト)や山瀬慎之助(現・読売)らのいる星稜に敗れた。(写真)日本大・小濃塁が決勝の本塁打を放ち、生還する。(写真)小濃塁の仙台育英時代。NHKより。
2021.05.26
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東京大が2017年秋の明治大1回戦から続く連敗を64で止めた。 勝利を決めた瞬間こそ、全選手がベンチから飛び出し歓喜の輪ができたが、試合自体はとても淡々としたものだった。法政大 000 000 000 =0東京大 010 100 00X =2(法)山下輝、平本、古屋敷 (東)奥野、西山、井澤 東京大は2回裏、二死後に死球を得ると、この試合はベンチスタートの阿久津怜生(3年、宇都宮)を代走に送った。そして2球目にすかさず二盗に成功。続く8番・松岡泰希(3年、東京都市大付)が右前に適時打を放ち生還、あっさり先制した。 さらに4回裏、東大は2連続安打で一死一・三塁の好機を作ると、打席に阿久津。打球は投手へ飛んだ平凡なゴロだったが、法政・山下輝が一塁へ悪送球し、三塁走者が生還して2点目を挙げた。 守っては先発・奥野雄介(4年、開成)が好投。120㎞台の変化球を中心に直球を交える投球術。時おり投げる130㎞半ばの直球が速く見えた。これに法政打線はまったくタイミングが合わず、徒にバットを振り回すだけだった。(奥野の成績)5回、被安打2、奪三振4、与四死球1、自責点0。 そしてクローザーで登板した井澤駿介(3年、札幌南)も落ち着き払った投球で2回を1安打に抑え、チームの4年ぶりの勝利に導いた。昨日、法政のエース・三浦銀二(4年、福岡大大濠)とほぼ互角に投げ合ったことで自信を深めた様子。 法政・加藤重雄監督は「言いたくはないけど、力負け」と言っていたが、まさにその通り。法政は打てないだけでなく、エラーの記録がつかない守備のミスが少なからずあった。一方、これまではリードすると浮足立つ癖のあった東大が、今日は一切そういったことはなし。いったいどちらが優勝経験が豊富なチームかわからないほど、淡々とした東大の勝利だった。(写真)今日のラッキーボーイ・阿久津怜生。(写真)奥野雄介。(写真)井澤駿介。
2021.05.23
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今日、1部では國學院大が中央大を下し、優勝を決めた。一方、2部との入替戦に出場するのは東洋大(6位)と立正大(7位)の2校が確定、今春から1部に復帰した青山学院大は2部との入替戦出場を免れた。 そして2部の戦況。5月12日現在、日本大と専修大が勝率0.750で首位に並び、それを拓殖大が追っている(3位、0.667)。以下に4位・国士館大、5位・東京農大、6位・大正大と続く。接戦に次ぐ接戦、今後の展開はまったく予断を許さない状況だ。 さて12日、ボクは東京農大ー日本大2回戦を観戦した。前日の1回戦は東京農大・稲垣豪人(4年、日本文理)と日本大・赤星優志(4年、日大鶴ヶ丘)の両エース対決で引き分けた同カード。この日は東京農大・鶴田克樹(3年、下関国際)、日本大・市川睦(4年、二松学舎大附)が先発。この試合に勝利して優勝を確かなものにしたい日本大に、Aクラス入りへ足がかりを掴みたい東農大が挑んだ。(上尾市民球場)東農大 000 010 000 =1日本大 000 100 001X =2(東)鶴田ー宮崎、(日)市川ー赤星 スコア0-0のまま迎えた4回裏、試合が動いた。日本大の3番・林拓馬(2年、大垣日大)が左安打を放つとすかさず二盗に成功。そして二死後、6番・高垣広大(2年、山梨学院)が左越えの二塁打を放ち、日本大が先制した。すると直後の5回表、東農大はこの回先頭の6番・和田泰征(2年、習志野)が本塁打を放ち、すぐに同点に追いつく。 その後は0行進。昨日と同じ引き分けかと思った9回裏、日本大は一死後、7番・友田佑卓(2年、九州学院)が四球で出塁し、すぐに二盗。そして二死後、9番・中尾勇介(3年、山梨学院)が右中間越えの安打を放ち、日本大がサヨナラ勝ちした。 ベンチから全選手が飛び出し歓喜する日本大とは対照的に、7回途中から登板した東京農大・宮崎颯(3年、埼玉栄)と捕手の伴野司(3年、春日部共栄)は揃ってガックリと肩を落としていた。 首位日本大から勝ち星を挙げてAクラス入りを狙う東農大だったが、最後の最後に足元をすくわれた格好。開幕カードの拓殖大戦を1勝1敗、続く専修大戦を1敗1分と、いまひとつ勝ち切れずにいる。今後は国士館大、大正大といった下位チームとの対戦が残されており、取りこぼしなく確実に白星を重ねてほしいものだ。※東農大の宮崎と伴野は、かつて大宮リトルシニアのチームメイトでもあったようだ。(写真)鶴田克樹。(写真)宮崎颯。(写真)市川睦。
2021.05.15
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今日第5週を終えて、立教大が首位に立った。5勝0敗1分。投手陣では6試合中5試合に登板した池田陽(2年、智辯和歌山)の奮闘ぶりが目立つ。しかし注目したいのは打撃陣のほう。打率.417の東怜央(4年、福岡大大濠)と宮崎仁斗(3年、大阪桐蔭)が揃って打撃十傑の3位に並び、さらに山田健太(3年、大阪桐蔭)が打率.391で5位に続く。(写真)チームを首位にけん引する立教大・東怜央。 もし来週、現在2位の対慶應大戦に2連勝すれば立教の優勝が決まるが、ボクは開幕前に立教の躍進など予想もしなかった。投手力がおそらく№1であろう法政大が優勝候補の筆頭であり、戦力整う慶應が法政を追いかけるものと思っていたが。 この予想が崩れた分岐点は、第2週の法政対立教戦ではなかったか。 1回戦では立教が1-2と法政にリードを許していたものの、土壇場の9回に同点に追いつき引き分けに持ち込むと、続く2回戦では東らの活躍で法政を突き放した。この2戦で立教は勢いを得たように思う。さて来週はどうなるか。総合力に優る慶應があっさり立教に連敗することはないと思うが、立教の快進撃はいつまで続く? ※東怜央は福岡大大濠の出身。チームメイトには現・法政大のエース兼主将の三浦銀二や現・中央大主将の古賀悠斗らがいた。高校3年(2017年)のセンバツでは、初戦で創志学園に勝利すると、2回戦の滋賀学園と引き分け再試合の末に勝利しベスト8にコマを進めたが、準々決勝で報徳学園に敗れた。 2回戦で対戦した滋賀学園の捕手は、現在、法政大で三浦とバッテリーを組む後藤克基。そして準々決勝では現・東京農大の徳原世羅(当時2年)が三浦に代わり先発した。対戦した報徳学園のエースは現・早稲田大の西垣雅矢、捕手は現・明治大の篠原翔太、ほかに現広島カープの小園海斗(当時2年)がいた。(写真)福岡大大濠時代の東怜央。(NHKより、以下も同じ)(写真)福岡大大濠時代の三浦銀二。(写真)福岡大大濠時代の古賀悠斗。
2021.05.09
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先日のNHKでは『オープンシェア革命』なる番組が放送された。11種?に及ぶ変化球を「自身のアート」と呼ぶダルビッシュ有は、その変化球の投げ方を惜しげもなくYOUTUBEで公開しているが、こういったことが今、世の中で頻繁に起きているという。箱根駅伝などで好成績を残す青山学院も培ったトレーニング方法を広く公表している。 その目的は自分のノウハウを後輩や他校へ波及すると同時に、自分(たち)のノウハウをブラッシュアップすることに役立つこともあるという。10年以上前に企業などで流行った「知・技術の共有・伝承」のスポーツ版ともいえるが、選手個々のスキル向上、ひいてはチームの戦力向上に無限の可能性を感じることができた。 ただ、今日の法政大の戦い方を見ていて、「オープンシェア」といった考え方は決して万能ではないということも思い知らされた。選手たち皆がガチガチに硬くなり、自分たちのプレーが出来ていなかった。先発・山下輝(4年、木更津総合)は調子が良いのかまるで分からない不安定な投球。そして打撃では無死満塁のチャンスに併殺崩れの1得点だけで元気なし。昨日もエース・三浦銀二が登板してさえ、格下の立教に最終回に同点に追いつかれた。皆、下を向いたまま野球をやっているようだ。 結局、昨日今日の成績は1敗1分の勝ち点0.5。何かが足りなかった。それは現代において批判の的となっている「精神論」なのかもしれないし、指導者と選手間の「組織論」なのかもしれない。とまれ、今日の敗戦で優勝が遠のいただけではない、後ろから東大の足音が近づいてきた。(写真)良いのか悪いのか? 山下輝。(写真)5回、一死満塁の場面で、高田が内野ゴロを放ち1点を返す。(写真)3回に2点適時打を放った東。
2021.04.18
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法政大ー慶應義塾大2回戦は、慶應が終盤に集中打を浴びせて圧勝、対戦成績を1勝1敗のタイとした。 法政の先発は予想どおり、山下輝(4年、木更津総合)だった。リーグ戦初の先発。しかし序盤こそ安定した投球を見せたものの、4回、慶應の4番・正木智也(4年、慶應)に一発を浴びてあっけなく沈んだ。それはカウント3-1からの4球目、安易にストライクを取りに行った142㎞の直球を左中間スタンドに運ばれた。結局4イニングを投げて3失点。「もう少し内・外角に投げ分けられるように調整したい」とは山下の弁。敗れはしたがこの1球が反省点、次の糧になるだろう。法政 000 001 000 =1慶應 001 201 03X =7 そして5回から登板した尾崎完太(2年、滋賀学園)も好投した。2回、被安打2、奪三振4、自責点1。いきなり三者連続三振の快投を見せたが、次の6回に味方内野手のエラーに足を引っ張られた。このエラーが敗色を濃厚にした。尾崎に責任はない。さらに7回から登板した古屋敷匠真(4年、八戸工大一)も速球一本でグイグイ攻める投球術は2イニングで4安打(自責点3)を許したが、見ていて小気味よかった。今後に期待だ。 一方の慶應・増居翔太(3年、彦根東)は高校時代と同様に巧みな投球術で法政打線を翻弄した。7イニングで11奪三振はさすが。また、打つ方も正木や下山悠介(3年、慶應)が結果を出している。あとは廣瀬隆太(2年、慶應)の復調を待つばかりか。 いずれにせよ、今季優勝を争うのは法政と慶應だろう。今後も両校に注目したい。
2021.04.11
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今日ついに東京六大学が開幕、そして、いきなりの珍事が起きた。 それは法政大ー慶應義塾大1回戦において、法政・三浦銀二(4年、福岡大大濠)が慶應打線を無安打に抑えながらも1失点で勝利した「ノーヒット・ワンラン勝利」のこと。7回まで無安打無得点に抑えていたものの、8回に四球と盗塁で二塁に走者を背負うと、後続打者の2本の内野ゴロで得点を許す残念な結果。リーグ史上25人目(通算26度目)のノーヒットノーランの快挙を逃した。 「序盤からまっすぐがインコースに決まり、変化球を生かせた。相手打者に狙い球を絞らせずに投球できた」(三浦)。1年次に鮮烈なデビューを果たしたものの、昨年は鈴木昭汰(現ロッテ)や高田孝一(現楽天)の陰に隠れて精彩を欠いた。今年の三浦はいったいどうなのか?と訝るムキもあったかもしれないが、今日の勝利はそんな周囲の不安を一気に吹き飛ばした。そしてチームにとっても、優勝を争うライバル・慶應を叩いたのは大きなアドバンテージになった。明日は法政・山下輝(4年、木更津総合)、慶應・増居翔太(3年、彦根東)の両左腕対決だろうが、法政は一気に連勝する可能性が出てきた。 ついでながらー。『大学野球 2021春季リーグ戦展望号』(ベースボール・マガジン社)では、早稲田・徳山壮磨、岩本久重、そして慶應・福井章吾の大阪桐蔭OBトリオに焦点を当てている。商業的な成立にはやむを得ないと思うけれども、純粋に東京六大学の優勝を占うのであれば、法政・三浦と山下、そして慶應・廣瀬隆太(2年、慶應)にもっと注目すべきではなかったかと、ボクはそう思うのだ。後出しジャンケンのようで恐縮だけれども。三浦銀二(2019年)。山下輝(2020年)。
2021.04.11
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東都大学リーグ1~3部は先週までに全日程を終えた。 既報のとおり1部は亜細亜大が優勝、そして2部は青山学院大、3部は東京農大がそれぞれ優勝。今季に限り入替戦はないため、青山学院、東京農大ともに上部へ自動昇格する。 ボクが注目したのは3部だ。昨秋の2部リーグから転落した東農大は、まったく危なげない戦いで10戦全勝。最高殊勲選手(MVP)は白石翔樹(4年、大村工)、最優秀投手賞は米村建一郎(4年、福岡大大濠)、最優秀防御率賞は鶴田克樹(2年、下関国際)と、3部門で東農大の選手たちが受賞した。 今秋のドラフト前は、白石翔樹と近久輝(4年、東邦)のバッテリーがプロ球界から熱い視線を浴びた。スポーツ新聞には「東都3部からのドラフト指名は異例」と取り上げられもした。結果、残念ながら指名はなかったけれど、取り上げ方は違っていた。東農大は今たまたま3部にいるだけで、選手たちの実力は2部以上。3部を強調するのは事実とはチト異なるのだ。 なお2位は学習院大。左右の両エース・長野広季(4年、坂戸)、櫻井優樹(3年、豊多摩)らの好投がチームをけん引した。
2020.11.15
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早大が劇的な逆転勝ちで、15年秋以来10季ぶり46度目の優勝を決めた。元ロッテ、米大リーグ・メッツ投手の小宮山悟監督(55)は、18年1月の就任後4季目で初優勝。試合後のインタビューで「長いこと野球でメシを食ってきて、いろんな試合を見てきましたけど、きょうの試合が今までの人生で一番感動しました! 素晴らしかった!」とまくし立てた。(以上、報知スポーツ)早大 001 000 002 =3慶大 001 100 00 X =2(早)今西、西垣、山下、徳山、柴田、○早川(慶)森田、小林綾、長谷川、長谷部、増居、関根、木澤、●生井 スコア1-2で迎えた9回表、早稲田の攻撃は二死一塁。あと一つで慶應の優勝が決まる場面で、8回から救援したエース・木澤尚文(4年、慶應)に代わり、左腕・生井惇己(2年、慶應)がマウンドに上がった。 早稲田は8番・蛭間拓哉(2年、浦和学院)が打席に入った。蛭間は昨日決勝の本塁打を放つなど上り調子の選手。次打者が投手の早川隆久(4年、木更津総合)であることを考えれば、あえて蛭間と勝負しないという作戦もあったが、勝負を挑む生井は1球目にスライダーを選んだ。 するとどうだろう。これを完璧に捕えた打球は予想以上にグングン伸びて、バックスクリーンに飛び込んだ。この瞬間、まだ9回裏慶應の攻撃を残しているものの、実質的に早稲田の優勝を決めた瞬間だった。 試合終了後、優勝した小宮山悟監督へのインタビュー。それはコロナ禍に翻弄されたこの1年を的確に振り返る、素晴らしいコメントだった。「今年はコロナの影響で、ひょっとしたらリーグ戦ができないんじゃないかというようなこともありましたけれども、(東京)六大学野球連盟では何とかやろうということで、春のシーズンをイレギュラーな形で夏に1試合ということで5戦だけのリーグ戦を行って、1か月足らずですぐに秋のリーグ戦が始まるということも含めてですね、連盟のすべての人間が『天皇杯があるので我々はリーグ戦をしないといけないんだ』ということで、そういう中、我々(早稲田)もそうですけれども、慶應をはじめ、他の大学もすべてですね、部員がコロナに感染しないようにということで細心の注意を払って、ここまで漕ぎつけることが出来たということは誇りに思っています。我々(早稲田)が優勝ということになりましたけれども、すべての六大学の全チームが勝者だと思っています。(中略)終わるまでとにかく感染者を一人も出さずに(秋季リーグ戦を)終えて、全国にやればできるんだというところを示したいと思っていましたので、とりあえず8週間、皆さんのお蔭です、ありがとうございました」。 春は連日コロナの影響で、全国の各連盟は相次いで中止に追い込まれた。たとえ開幕してもすぐに中止に追い込まれる連盟もあった。そんな中にあって、東京六大学連盟は春季リーグ戦(1試合ずつ総当たり戦)を強行した。そして秋季リーグ戦も早々に開催を決め、コロナ対策も可能な範囲で万全を期した。小宮山監督のこのコメントは、大学野球の今年一年を総括した素晴らしいものだと思った。
2020.11.08
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前日まで7勝2敗でトップに立っていた亜大が4―0で中大を破り、2016年春以来、8季ぶり26度目の優勝を果たした。巨人ドラフト1位指名の平内龍太投手(4年=神戸国際大付)は9回に登板。最速152キロを計時して打者3人を左飛、三振、三振にきって“胴上げ投手”となった。(以上、スポーツ報知) 東都は11月4日、東京六大学より一足先に亜細亜大が優勝を決めた。ボクはその前日(3日)に亜細亜大ー中央大1回戦を観戦した。お目当ては中央大の五十幡亮汰(日本ハム2位)と牧秀悟(DeNA2位)だったけれど、目を奪われたのは亜細亜大の選手たちだった。全員が溌剌とした動きでまるで高校野球のよう。大学ではこういった光景になかなか出会えない。(写真)毎回、攻守交代時はベンチ前に並ぶ そして、もっとも注目したのが亜細亜大・矢野雅哉遊撃手(広島6位)の守備。三遊間への強烈な打球を逆シングルで捕球したプレーは圧巻。彼のフットワークの軽さ、守備範囲の広さはさすが。昨年秋は首位打者を獲得するなどの実績もあり、これほどの選手がドラフト6位まで残っていたのが不思議。思えば近鉄・大石大二郎を輩出したのもこの大学だった。゛ポスト・菊池涼介”の一番手になれるか。(写真)矢野雅哉。投手の投球と同時にポーンと大きくジャンプする 同じく亜細亜大・平内龍太(読売1位)も好投を見せた。最速156kmと云われる直球を中心に時折投げる変化球(スプリットらしい)を交え、緩急つけた投球術で打者を翻弄した。先発したこの日の成績は、7回、106球、被安打4、与四死球1、奪三振7、自責点0。(写真)平内龍太。 一方の中央大。「サニブラウンに勝った男」五十幡は、やはり足が速かった。たまたま彼の三塁打を見ることができたが、その速さといったら・・・。50m何秒とかの数字はどうでもよくて、ダイヤモンドを駆ける姿は躍動感に溢れていた。(写真)五十幡亮汰。
2020.11.08
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東京六大学秋季リーグ戦は、来週の早慶戦で幕を閉じる。少し早いけれども、神宮の内野スタンド片隅で話題になった選手のことを。文中の数値は10月31日現在。①法政大・高田桐利内野手(きり。2年、広陵、168cm、65kg、右左)。 この選手は、とにかく守備がうまい。高田の守る二塁へ打球が飛ぶと見ていてワクワクする。圧巻は対慶應大2回戦。4回二死二・三塁の場面でライト前にポトリと落ちそうな打球を、後ろへダイビングして好捕した【下の動画】。得てしてこの手の選手はポカリもある。この人も例外ではない、ご愛敬か。 2017年夏、広陵高2年時は甲子園で勝ち進み、花咲徳栄との決勝では代打で出場した。一学年上には中村奨成(現・広島)がいた。②慶應義塾大・廣瀬隆太内野手(1年、慶應、181cm、83kg、右右)。 1年生ながら、強打者揃いの慶應にあって3番を打つ。幼稚舎から慶應育ち。この秋の成績は打率.379(4位)、本塁打2、打点6。東大戦では2戦連続の本塁打を放った【下の動画】。 2018年夏、2年時に4番で甲子園に出場した。初戦の中越戦はサヨナラ勝ち、2回戦の高知商に敗退した。高校通算41発のスラッガー。③明治大・上田希由翔内野手(きゅうと。1年、愛産大三河、182cm、88kg、右左)。 この秋から4番に据わる。さほど怖さを感じさせない明治打線にあって、上田の存在感は光る。この秋の成績は打率.321(9位)、本塁打1、打点6。 高校時代も1年時から4番、そして2年の夏(2018年)に甲子園に出場した。初戦で横浜に敗退したが、上田は2安打を放った。内1本は及川雅貴(現・阪神)から。高校通算46発。④早稲田大・野村健太外野手(1年、山梨学院、180cm、97kg、右右)。 落ち着き払いどっりとした打席の姿は、リーグ屈指のスラッガーの空気を漂わせる。この秋の成績は打率.357(5位)、本塁打0、打点3。 高校時代は「山梨のデスパイネ」と呼ばれた。3期連続で甲子園出場、2019年夏は初戦で熊本工と対戦。自身は3安打を放つ活躍を見せたが、延長12回の激戦の末、バックスクリーンにサヨナラ本塁打を打たれ敗戦した。高校通算53発。※高校時代の写真はNHKより。
2020.11.01
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東京六大学リーグは佳境を迎えている。そして明日のドラフトに向けて、投手たちも猛烈なアピールを繰り広げている。以前「大学4年にピークを合わせるとドラフトに有利」と聞いた気がするし、自分自身もそう思うことがあった。逆に言えば下級生時代から頑張っても、4年で格段の結果を残さない限りドラフトには不利ということ。 今年はどうなるか? 東京六大学の投手を例に、「4年にピークを合わせた」と思える投手を<A群>に、そして「下級生時代から頑張ってきたが4年で格段の結果を残していない」と思える投手を<B群>に分類した。参考のデータは、東京六大学野球連盟HPのものを一部編集した。 即ち<A群>は、早稲田大・早川隆久(4年、木更津総合)、法政大・鈴木昭汰(4年、常総学院)、明治大・入江大生(4年、作新学院)、そして慶應義塾大・木澤尚文(4年、慶應)。 早川は1年春からコンスタントに登板、3年になるとギアを上げて登板イニング数や防御率をアップさせ、さらにこの4年秋は防御率を0.25まで押し上げた。きれいな右肩上がりの成長は評価「特A」と云われる所以だろう。 鈴木は、下級生時代はほぼ登板機会がなく、3年になってからも1シーズンあたり10~20イニングと僅かだったが、この4年秋にピークがやってきた(キャリアハイの投球回32イニング、防御率0.84)。まさに4年秋にピークを合わせた典型的な投手。ドラフトで上位指名があるか注目したい。 そして入江は、防御率こそ上記2人ほどでないものの、この秋の投球回が31.3イニングとキャリアハイの数値。同様に木澤もこの秋の投球回が29イニングと、4年間を通じて最高の数値。 一方の<B群>は、立教大・中川颯(4年、桐光学園)、法政大・高田孝一(4年、平塚学園)。2人とも1年生の頃からコツコツと投げ続けて一定の成績を残してきた。しかし残念ながら、この4年秋は格段の成績を残したわけではない。ドラフトで2人はいったいどうなるか? 心情的にはこの<B群>の2人こそを応援したい。※2020年秋季リーグの数値は10月25日現在のもの。 <A群>早稲田大・早川隆久シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦8128619 1/3115.122017秋季リーグ戦701359662018春季リーグ戦402651584.82018秋季リーグ戦8116715 2/331.722019春季リーグ戦83221351 2/3122.092019秋季リーグ戦924185451532020春季リーグ戦210641742.122020秋季リーグ戦54012635 2/310.25合計511212841208 1/3602.59法政大・鈴木昭汰シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦 2017秋季リーグ戦300346 1/357.112018春季リーグ戦 2018秋季リーグ戦 2019春季リーグ戦61210121 2/3156.232019秋季リーグ戦700611610.562020春季リーグ戦4105111 2/321.542020秋季リーグ戦6121373230.84合計263438487 2/3262.67明治大・入江大生シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦30126547.22017秋季リーグ戦300184 1/336.232018春季リーグ戦10118424.52018秋季リーグ戦5026917 1/363.122019春季リーグ戦61032833.382019秋季リーグ戦811882220.822020春季リーグ戦301481221.52020秋季リーグ戦62112731 1/3102.87合計3547426104322.77慶應義塾大・木澤尚文シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦 2017秋季リーグ戦 2018春季リーグ戦20061192018秋季リーグ戦510449 2/354.662019春季リーグ戦5218520 1/352.212019秋季リーグ戦10082002020春季リーグ戦320451132.452020秋季リーグ戦5201152992.79合計217130373232.84<B群>立教大・中川颯シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦1020842162.572017秋季リーグ戦9119820 2/3104.352018春季リーグ戦7016011 2/386.172018秋季リーグ戦7309123 2/383.042019春季リーグ戦8121072493.382019秋季リーグ戦8117218 1/352.452020春季リーグ戦4016315 1/363.522020秋季リーグ戦60210122 2/3103.97合計5988676157 1/3623.55法政大・高田孝一シーズン試合勝利敗戦打者投球回自責点防御率2017春季リーグ戦 2017秋季リーグ戦 2018春季リーグ戦52112831 1/3123.452018秋季リーグ戦71013331 1/3133.732019春季リーグ戦500611275.252019秋季リーグ戦5309322 2/351.992020春季リーグ戦3004510 1/321.742020秋季リーグ戦5111102793合計3072570134 2/3483.21
2020.10.25
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優勝戦線を突っ走る慶應義塾大と、すでに優勝の可能性を失った法政大。その差が最後に明暗を分けた。 慶應はエースにしてドラフト指名候補の木澤尚文(4年、慶應)だが今季はパッとしない。特に立教戦では7回を投げ被安打10、自責点6と散々だった。一方の鈴木昭汰(4年、常総学院)も、好投するも今一つ勝ち切れない不運の続くシーズン。 両投手にとってはチームの勝利はさることながら、明後日(26日)にドラフトを控え、最後のアピールの場でもあった。しかし気合が空回りした印象が拭えない。さらにチームメイトたちのハンパない残塁の山や、肝心な場面で生まれた失策がさらに2人の足を引っ張った。 さて、この試合を振り返りたい。 先制したのは、序盤の好機を潰し続けた法政だった。4回裏、二死二塁の場面で8番・高田桐利(2年、広陵)が中前に適時打を放ち、走者を迎え入れた。直前の4回表、二死二・三塁のピンチに、セカンドを守る自身とライトの間に飛んだ打球を後ろへダイビングキャッチするファインプレーがあったから、気分が乗っていたようだ。 しかし今日の法政、良くも悪くもキーマンは高田桐だった。慶應は6回表、すぐに同点に追いつく。二死一・二塁の場面で、代打・植田響介(4年、高松商)の打球は平凡な三ゴロ。法政はピンチを脱したかに見えた。ところが三塁手の中村迅(4年、常総学院)が二塁へ送球してホースアウトを狙うも、二塁ベースに入った高田が弾き、センター方向に転がる間に二塁走者は三塁を蹴って生還した(記録は三塁手の悪送球)。高田にとっては送球が二塁走者と重なったのかもしれない。このワンプレーが試合の”流れ”を変え、エース鈴木の白星も奪った。 続く7回表、慶應はこの回から登板した法政の2番手・山下輝(3年、木更津総合)を攻めたてる。四球と安打でつくった無死一・二塁の好機に、5番・福井章吾(3年、大阪桐蔭)が三塁線に送りバント。三塁手が捕球後に素早く一塁へ送球するも、途中に三塁手から一塁手へ守備変更した中村迅の足がベースを踏んでおらず、無死満塁となる(記録は内野安打)。この好機に6番・下山悠介(2年、慶應)がレフトへ犠飛を放ち加点、逆転に成功した。 さらに9回表、慶應はこの回に登板した法政の4番手・水澤天(4年、広島商)を攻め、一死一・二塁の好機に8番・瀬戸西純(4年、慶應)が右中間を破る三塁打を放ち走者2人が生還、慶應の勝利を確かなものにした。 スコア4-1だけを見れば、緊迫した試合と思える。しかし内容は間延びしたもの。試合時間は3時間半にも及んだ。慶應の残塁15、法政も9。そして法政投手陣の与四死球はなんと11も。法政は投手陣の乱調とともに、長い守備時間で緊張感を失った野手陣といった体。目標を失ったチームにありがちな敗戦となった。 プロ注目の2人の成績。慶應・木澤は5回、被安打5、奪三振4、自責点1。法政・鈴木昭は6回、被安打2、奪三振9、与四死球7。スコアを付けながら見ていたけれど、鈴木は「B」と「K」ばかりが並んだ。はてさてプロのスカウトたちは2人をどう見たろうか?
2020.10.25
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今日(10月4日)は、早稲田大ー法政大2回戦が行われた。昨日敗れた法政にとってはどうしても勝ちたい試合だったが、途中リードするも終盤に追いつかれて引き分けに終わった。見どころは、昨日投げ合ったばかりの早稲田・早川隆久(4年、木更津総合)と法政・鈴木昭汰(4年、常総学院)がリリーフで登板したこと。 それは8回。この2人の対決は、またも早川に軍配が上がった。法大 040 000 200 =6早大 202 000 020 =6 7回に大柿廉太郎(2年、健大高崎)の適時打で2点をリードした法政は8回、2つの四球と安打で一死満塁の好機を迎える。打者はチーム内で一番安定感ある中村迅(4年、常総学院)。すると、ここで早稲田は5番手投手に、昨日112球を投げ完封勝利した早川をマウンドに送る。中村は8球粘り早川攻略を試みたが、9球目、内角へ直球をズバッと投げ込まれ、手も足も出ず見逃し三振。続く宮崎秀太(2年、天理)も差し込まれて三邪飛に終わり、法政の好機は潰えた。早川は雄叫びを上げた。(写真)法政大・大柿廉太郎。(写真)早稲田大・早川隆久。 そして直後の8回裏。早稲田は、この回から登板した法政の2番手・尾崎完太(1年、滋賀学園)の代わり端を捕らえる。二死二塁の好機を作ると、熊田任洋(1年、東邦)が右中間に三塁打を放ち、まず1点を返した。すると法政ベンチは、昨日先発し138球を投げた鈴木をマウンドへ。しかし早稲田の勢いを止められない。続く鈴木萌斗(3年、作新学院)がレフト超えの二塁打を放ち、同点に追いついた。昨日に続き、鈴木昭にとっては痛恨の投球となった。(写真)早稲田大・熊田任洋。(写真)法政大・鈴木昭汰。 この試合は、結局スコア6-6のまま引き分けに終わった。解せないのは、8回の法政の采配。前述のとおり左腕・尾崎が登板したが、この厳しい場面は1年生投手に少々荷が重いように思えた。この回、早稲田の先頭打者は当たっている左打者の丸山壮史(3年、広陵)だったため、ワンポイントかと思い納得していた。が、しかし丸山に四球を与えた後、次々打者の熊田に適時打を浴びるまで計3人と対戦が続いた。そして、その直後に、法政は鈴木昭をマウンドに送った。 この場面で鈴木昭を出せるのならば、なぜこの回の頭から出さなかったのか。その理由が判らない。ともあれ、法政は勝たなければならない試合に引き分けてしまった。※写真は10月3日、早稲田大ー法政大1回戦のもの。
2020.10.04
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10月3日に行われた早稲田大ー法政大1回戦は、早稲田・早川隆久(4年、木更津総合)と法政・鈴木昭汰(4年、常総学院)の息詰まるエース対決。8回まで両チームとも0行進だったが、9回、早稲田は相手守備の乱れを衝き、2点を挙げて勝利した。 特に早川は圧巻だった。試合開始早々に4者連続三振を奪うと、以降も危なげない投球で、法政打線を散発4安打に抑え勝利した。最速151kmだったが直球は常に140km台後半、変化球も抜群だった。112球、奪三振13、与四死球0、三塁を踏ませない初の完封勝利は、通算10勝目になった。 一方の法政・鈴木も意地を見せた。いつもながらの走者を背負う投球だったが、そのたびギアを上げて無失点で乗り切った。残念だったのは9回、二死二・三塁の場面で3番・瀧澤虎太朗(4年、山梨学院)を二ゴロに打ち取ったように見えたが、二塁手から一塁への送球がわずかに逸れて1点を失った(記録は内野安打)。ここで鈴木は降板、三浦銀二(3年、福岡大大濠)にマウンドを譲った。鈴木の成績は8回2/3、被安打10、奪三振13、与四死球2、自責点2。 早川と鈴木、戦っていたのは相手チームだけではなかった。ネット裏に陣取るスカウトたちの熱視線も浴びた。スポーツ紙によれば「早川は真っすぐは力があって角度があるし、変化球も豊富。間違いなくドラフト1位候補」(横浜・三原球団代表)。一方の鈴木に対しては「鈴木は早川にないものを持っている。確実に指名候補になってくる」(ロッテ・永野チーフスカウト)。早川はもちろん、鈴木も及第点だったようだ。
2020.10.04
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東京六大学秋季リーグの第2週、明治大ー立教2回戦。あまり元気のない両チームの対戦は、昨日に続き明治が勝利した。立教 020 000 010 =3明治 010 500 30X =9 2回表、立教は二死満塁の場面で2番・冨永魁(4年、桐蔭学園)が左中間に2点適時♨打を放ち先制するが、直後の2回裏、すかさず明治は7番・中村奎太(2年、日大三)の適時打で1点を返す。(写真)2回裏、明治・中村奎太が右中間に適時二塁打を放つ。 さらに明治は4回裏も打者10人を送る猛攻を見せた。2つの四球と野選で無死満塁のチャンスを作ると、まず内野ゴロで同点に。そして続く代打・村松開人(2年、静岡)が左中間の頭上を越える適時打で2点を加え、さらに四球や敵失を得、この回計5点を挙げて逆転に成功した。明治は7回裏も、この回から登板した中川颯(4年、桐光学園)を攻め立て、3点を追加して勝利を確実にした。(写真)4回裏、明治・村松開人が2点適時打を左中間へ放つ。 立教の敗因は、4回裏、立教の一塁手の野選と失策があり、余計な失点をしたこと。さらに5回と6回に無死で2人の走者を置いたものの、いずれも併殺でチャンスを潰したことに悔いが残る。また、救援で登板した中川の不調も深刻。今日の成績は0回2/3、打者5、被安打3、自責点3。まったく良いところなく降板した。昨日の開幕戦も、先発しながらも5回、被安打7、自責点4で敗戦投手になっている。何かあったのだろうか? 以前の精彩が見られない。中川の復調が待たれる。(写真)復調が待たれる立教・中川颯。 森下暢仁(現・広島)が卒業以来、眠りについたままの明治だったが、立教のアシストのお蔭でいよいよ目覚めたようだ。今後、明治が台風の目になるだろう。(写真)明治・西城愁太(3年、東北学院)。5回、ピンチの場面で急きょ登板して勝利投手になった。
2020.09.27
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今日(19日)、東京六大学秋季リーグ戦が開幕した。 春季リーグ戦は変則で8月に開催したばかり。あれからわずか1か月、今季は”東京六大学の花”と云われる応援団がいる。外野席に隔離されているような風景ながら、応援団がいるかいないかは大きな違いがある。まさに「東京六大学が帰ってきた!」なのだ。 さて、開幕カードの法政大ー東京大戦は、プロ注目の法政・鈴木昭汰(4年、常総学院)と、東大・井澤駿介(2年、札幌南)の投手戦となった。鈴木と言えば、春の天王山・対慶應大戦に先発を任されるもベンチの期待に応えることが出来ず3イニングで降板、そのままシーズンを終えた悔恨が残る。この秋に賭ける思いをまずは東大戦にぶつけた格好。結果は7回2/3、被安打3、奪三振10、与四死球3、自責点1とまずまずの成績で終えた。(写真)法政大・鈴木昭汰。(写真)東京大・井澤駿介。 先制したのは、エース鈴木を盛り上げたい法政だった。3回、9番・鈴木自らが左中間に二塁打を放ち出塁すると、送りバントで三進後に2番の元気印・永廣知紀(4年、大阪桐蔭)が確実に犠飛を放ち1点。続く3番・中村迅(4年、常総学院)が四球で出塁後、4番・村田雄大(4年、横浜)の適時二塁打で2点目を挙げた。(写真)法政大・永廣知紀。この人は、いつも真っ黒のユニフォーム。打つか打たないかではなく、この選手はいるだけで存在感を発揮する。今季も固定が難しそうなトップバッター、永廣ではダメなんだろうか? さらに1点差に迫られた8回には、救援した東大・奥野雄介(3年、開成)の立ち上がりを攻め2つの四死球を得ると、7番・大柿廉太郎(2年、健大高崎)の適時打で勝利を決めた。(写真)8回、大柿廉太郎が勝利を決める右前適時打を放つ。 今季は勝ち点制ではなく、勝ち点制(ポイント制)ゆえ一戦一戦を確実に勝利する戦い方を求められる。優勝候補筆頭の法政が、開幕戦に強い東大相手を確実に下した。なお、第2試合は早稲田大が明治大に大勝した。明治、森下の卒業とともに眠りについたまま。※9月9日、お陰様で累計500万アクセスを突破できました。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
2020.09.20
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8月12日の第二試合は、法政が延長10回、一死満塁の場面で代打・神野太樹(3年、天理)がセンターに大飛球を放ってサヨナラ勝ち、早稲田を下した。神野にとっては公式戦初打席がサヨナラを決める貴重な一打となった。 春季リーグ戦2日目。炎天下だった第一試合終了後は、一転して雷鳴が神宮球場に響いた。試合開始が遅れ、実際に始まったのは3時15分。この先天気はどうなることやらと案じたが、法政・高田孝一(4年、平塚学園)、早稲田・徳山壮磨(3年、大阪桐蔭)の要所を締めるピッチングは緊張感十分、そんな心配を忘れさせてくれた。早大 000 001 000 0 =1 法大 000 000 100 1x =2 0-0の均衡を破ったのは6回、早稲田の攻撃だった。安打と四球、さらにワイルドピッチで二死ながら一・二塁のチャンスを作ると、7番・鈴木萌斗(3年、作新学院)の適時打で待望の先制点を挙げた。追う法政は7回、二死三塁の場面で8番・大柿廉太郎(2年、健大高崎)が放った強烈な打球はショートのグラブを弾き、三塁走者をホームに迎え入れる貴重な一打となった(記録はエラー)。 そして1-1のまま延長戦へ。今季に限りタイブレイクが採用され、早稲田は無死一・二塁のチャンスを活かせず惜敗した。 最後に、法政の勝因について、極私的な3つのポイントを挙げたい。 まずひとつ目は、2番・永廣知紀(4年、大阪桐蔭)のハッスルプレー。圧巻は6回だった。三遊間深部へ打球を放つと、一塁へ向けて猛ダッシュ。最後はヘッドスライディング、というよりも一塁ベースに”ダイブ”してギリギリのタイミングで内野安打をもぎ取った。 相手早稲田のスタメンの内、なんと4人が高校時代のチームメイト。打席に立つ永廣の目には、マウンドに立つ一学年下の徳山投手が映る。そして徳山にサインを送る岩本捕手も一学年下。三塁を見れば二学年下だった中川。そして一塁には同学年だった吉澤がいる。「稲門(とうもん)」ならぬ、さながら「大阪桐蔭(とういん)倶楽部」を敵にまわして一人戦う構図でもあり、燃えないわけはなかった。ユニフォームを真っ黒にしてチームを勝利に導いた。 二点目は、クローザーで登場した山下輝(3年、木更津総合)。延長10回、(タイブレイクにより)無死一・二塁の場面に登場すると、4番・岩本を併殺打に打ち取り失点を防いだ。この快投が直接的にチームを勝利に導いた。当たり前のように150㎞前後の球を投げ込む姿からは、たんに球が速いだけでなく、マウンド度胸の良さが感じられた。 三点目は、吉田壮希三塁コーチ(だと思う。背番号51。4年、法政二)。試合終盤になると、攻守交代のたびに大きな声を張りあげ、盛んにチームを鼓舞していた。そのたびに内野席から拍手が送られていたが、このような選手がいるチームは強い。
2020.08.14
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