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BLの苦手な方は読まないでください。
あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。
何卒お許しくださいませ。m(_ _)m
あれは14の夏だった。マイキーが誕生日の日に忽然と姿を消した。
ドラケンはマイキーを探し回ったが、いつも出没する場所にはどこにもいなかった。
人に聞いても誰もマイキーを見た者はいなかった。
今日は法事があるから夜に会おうと約束したはずなのに、いったいどこに消えたのか。
雨の中、ドラケンはバイクを飛ばして墓地に向かった。
墓地に着くと、先祖代々の墓の前にマイキーがいた。マイキーは傘もささずに静かに立っていた。
ドラケンが近づくと、人の気配に気付いたのか、マイキーは雨に打たれながら、
ゆっくりと振り向いた。ドラケンを見つけてもマイキーは無表情で、泣いているのか
雨が頬を伝っているのか分からなかったが、死んだような黒い瞳がすべてを物語っていた。
ドラケンはマイキーを抱きしめた。
「もう夜中の11時だぜ。帰ろう。」
「…帰りたくない。」
「俺ん家に泊まれよ。」
「…嫌だ。ここにいる。」
そう言うと、マイキーは抱きしめるドラケンから離れた。
「いつからここにいたんだ?8時に探しに来た時にはいなかったぜ。」
「2時間くらい前かな。一周忌が終わってから、ずっと単車転がしてた。」
「7時に神社で待ち合わせしてたのは覚えてないのか?」
「あ、悪りぃ。忘れてた。」
マイキーは悪びれもせずに、白々しい顔をしていた。
「とにかく帰ろう。身体もこんなに冷えちまってるじゃねぇか。」
ドラケンはマイキーの手を握りしめて言った。
「じゃ、ドラケンが温めろよ。」
「ここで?」
「そうだよ。何も考えられねぇようにしろよ。今日は大人達がうるさくってうんざりしてんだ。」
「何か言われたのか?」
ドラケンの問いにマイキーは俯いた。そして、すべてを濁すような黒い瞳で、
「誕生日は憂鬱になる。」
とマイキーは言った。
(続く)
東京リベンジャーズ「誕生日」第4話 2021年09月17日
東京リベンジャーズ「誕生日」第3話 2021年09月15日
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