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2021.11.24
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カテゴリ: 観照 & 探訪
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檀王法林寺西門(川端門)脇から出て、 川端通の歩道を北に 向かいます。
午後1時すぎだからか、17日の夕刻に散策路を歩きながら眺めていたときよりも、 この辺りの紅葉が少し良くみえました
御池大橋の少し北にある ​仁王門通に右折


仁王門通に南面した 「頂妙寺」の総門 から 銀杏の大木 が目に飛び込んできます。
 ☆
​「聞法山 (もんぽうざん) 」と号する日蓮宗一致派の本山​ です。 (資料1)

仁王門通は岡崎の美術館に行く時のルートとして久しく歩いてきたのですが、 頂妙寺境内を訪れたのは今年の3月下旬が初めて でした。そのまとめができていませんでしたので、春に撮った写真も併せて使いながら、ご紹介したいと思います。
(2021.3.24に撮った写真には適宜☆マークを付記します。空の色でも見分けがつきますが。)


総門を入ると、 左斜め前方に銀杏の木
手前には妙雲院と菊神稲荷社 が並んでいます。

春に訪れた時 には、この辺りの桜がきれいでした。春は桜、秋は銀杏の境内です。
妙雲院は頂妙寺の塔頭の一つ です。




銀杏を眺め、移動しつつ右方向に目を移すと 「二天門(仁王門)」 が見えます。
 ☆
総門から石敷の参道の正面に 二天門 が見えます。
参道の両側に生垣が設けてあります。手許の本ではこの辺りにかつての 拝堂址 だそうです。 (資料1)
 ☆
二天門は、三間一戸、切妻造り、本瓦葺で、中央の一間を通路とし、 右に持国天像、左に多聞天像 を安置するそうです。

江戸時代に出版された 『花洛名勝図会』東山之部三 には、 「頂妙寺二天門」 が手前の拝殿とともに挿画として載っています。また、同書には、「 東 持国天 長七尺許 運慶 西 多聞天 安阿弥の両作 」と記しています。 (資料2)
もと和泉国にあったものを日珖が移したと伝えられているそうです。 (資料3)

往時はこの二天像に対する信仰があつく、老若男女の諸人が参詣し、徒はだしで門を巡るお千度をおこなったと言います、 仁王門通という名はこの二天門に由来 するようです。 (資料1,2)


二天門の正面に掲げられた扁額
 ☆
屋根の棟と降棟先端の獅子口には、小円と三日月様の陽刻が見えます。
軒丸瓦の先端面には「頂」の字が陽刻されています。
二天門の北東側から西を眺めた景色


二天門の西側から 本堂をあらためて眺め、本堂に向かいます。

銀杏の大樹を背景に 日蓮聖人立像 が建立されています。
 ☆
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本堂


文明年間(1469~1487)に 下総国千葉郡中山法華経寺から上洛した 僧・日祝が明応5年(1496)に洛中の四条柳馬場に頂妙寺を創建 しました。細川勝益が日祝上人に帰依し、明応4年にその地にあった自邸を喜捨したことによります。足利将軍も日祝上人に帰依し、大いに庇護したと言います。頂妙寺はその後、 各所に移転を繰り返し ます。
そして、江戸初期の 寬文13年(1673)に加茂川東のこの地に移ります。

天明8年(1788)の天明大火で類焼し堂宇は灰燼に帰します。その後天保8年(1837)に再建が果たされたようです。 (資料1,3,4)



             本堂正面、 向拝の蟇股 の丸彫りの彫像がいい。

         正面頭貫の 木鼻 手挟み
本堂の屋根には、棟も降棟も獅子口が使われています。


本堂前から南東方向に見えるお堂


        正面に近づくと、 「祖師堂」の扁額 が掲げてあります。
 ☆
正面6間、側面5間の入母屋造り、瓦葺の建物です。
本堂が獅子口を使っているのに対し、 祖師堂では鬼瓦と飾り瓦 が使われています。
 ☆
 ☆


祖師堂の南に見える土蔵造りの建物は 「宝蔵」 です。

この日は、境内の銀杏を中心に境内を散策して、頂妙寺を出ました。

次回は「紅葉」からは外れますが、春に訪れた時に境内を巡った他の箇所を補遺として、ご紹介します。

つづく

参照資料
1)『昭和京都名所圖會 洛東-下』 竹村俊則著 駸々堂 p218-222
2) ​ 花洛名勝図会 東山之部 三 ​ p22 :「古典籍データベース」(早稲田大学図書館)
3)『京都史跡事典 コンパクト版』 石田孝喜著 新人物往来社 p191-192
4) ​ 洛東本山 聞法山頂妙寺 ​ :「日蓮宗ポータルサイト」

補遺
三祖 佛心院日珖上人 其の一 ​  :「聞法山頂妙寺」(日蓮宗ポータルサイト)
日蓮宗の本山 京都の本山 ​  :「広済寺」


  ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

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その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)

探訪&観照 京都 洛東の晩秋 -1 檀王法林寺、大きな銀杏が見頃 へ
探訪&観照 京都 洛東の晩秋 -3 頂妙寺(2)境内巡りのつづき へ
探訪&観照 京都 洛東の晩秋 -4 大光寺、信行寺、岡崎・琵琶湖疏水の紅葉 へ

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Last updated  2021.11.28 21:03:02
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Re:探訪&観照 京都 洛東の晩秋 -2 川端通の紅葉、頂妙寺(1)銀杏とともに(11/24)  
Jobim さん
御池大橋の北にある頂妙寺ですか、このあたりも行ったことのない界隈です
銀杏の黄葉がきれいですね

日蓮さんの像、さすが排他的で戦闘的なイメージ通りの姿ですね

(2021.11.24 21:48:43)

Re[1]:探訪&観照 京都 洛東の晩秋 -2 川端通の紅葉、頂妙寺(1)銀杏とともに(11/24)  
茲愉有人  さん
Jobimさんへ

学生時代から何十年と岡崎に行く際、仁王門通を歩きながら、頂妙寺の境内を訪れたのは、今春が初めてでした。

通り馴れていても素通りしていただけでした。

日蓮宗のお寺には、日蓮上人の立像が必ずあるようですね。
東山二条の交差点の南東角のお寺には、交差点方向に向いた形で日蓮上人立像が建てられています。

仁王門通の周辺はお寺が密集しています。
三条から岡崎公園のエリアに行くのに人通りが比較的少なくて、便利な通りです。 (2021.11.25 00:28:54)

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