漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

漫画家・写真家玉地俊雄 紫煙のゆらぎ

2008.05.04
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カテゴリ: 紫煙のゆらぎ




ガムラン・スマル・プグリンガンのガンサを演奏する在大阪インドネシア共和国領事マスニ・エリザ氏




      紫煙のゆらぎ・もんすたぁーヴィヴァ 第2日 だれでもガムラン





はじけたはじけた発狂人が、兄ちゃん姉ちゃんオッサンかあちゃん爺さん外人3才児
社長部下なんでんかんでん来るなら来てみろ赤トン帽子。

無理やり持ち込んだ、バリ島ギヤニャール州の伝統楽器専門製造工房、
シダッ・カルヤで特注制作してもらった、ガムラン・スマル・プグリンガンのガンサ、
ちょいと高音7鍵の楽器。

鍵のちょいと分厚い、ちょいと高音より少し響きのズレた2台を同時に鳴らすと、
音のうねりとゆらぎが聞こえるが、28Kg と重くて高いのでこの1台だけ持ち帰っている。


そこんとこ日航は意地が悪すぎる。

その楽器がはじけにはじけて大好評。

あいかわらずブースの大型TVを独占し続けている、
レゴン舞踏のリズムとスピートに合わせて適当に叩けばだれでもガムランとなる。

ヨハンシユトラウスのラデッキィー行進曲をだれでも指揮者するのと同じ事だ。

来るわたかるわ群れてつぎつぎ叩きまくる。
叩きまわしうたわしまくる。

うたわしなはれうたわしなはれ。
こいつにとって、今日は最高の至福と感激のはずであろう。

狂気のように激しく早く、ときになめらかにアズユーライクで
お気に召すままうたわしなはれうたわしなはれ。



美しき、ユリアティのオレッグ・タンブ・ブリリンガン。
難しい、しかし素晴らしい響きのビダニのレゴン・ラッサム。

誰でも叩けるリズムと悦楽がとってもとても多くの人たちを引き付けた。

音が楽しいと読ませる音楽とは、まさにこれだと実証された。

どこの誰とか知れん、インドのなんとか亜細亜が総局長がどないしてんっちゅう


「売ってくれ」
「いやや」
「売ってくれタノム」
「いややというたらいややっ」

しかたがないので僕の絵入りの葉書名刺を渡した。

「この葉書をバリ島ウブドのプリ・サレン・アグンに持って行け
 そこの支配人に Tamaji のこの絵葉書をみせて、ガムランが欲しいと言いなはれ
 それで全てOKだから」

御付きの人が、なんちゃらちょう偉いさんがどうたらこうたら言うとったが、
そんな事僕にとってはたいしたことあらへんので御座る。

彼は納得して帰っていった。

インドのブースで日本語のできる韓国女性とインドムービーの資料の話をしていたら
その彼がおいでオイデをしていた。

事のついでに似顔絵を描いてあげたら、めっちやんこ喜んで、
名刺をくれたが無くしてしまった。わははのハ。

ナマの音。
楽器の本物は何より勝る。

しかも、だれでもガムランができる。

映像も大人気だった。

理解できる深度と本性はおのおのの頭脳の程度で違うはずだが、映像の力と美くしさは、
世界共通の浸透力で、見る者全てを虜にして、離さないし、離れる事が出来ない。

大収穫であった。

僕も気が狂ったようになって歯をくいしばり、嵐のタルナ・ヂャヤのスピードと、
爆発するガムランの響きの後に追いつかんと、スティックを力いっぱいこいつに叩きつける。

子供たちが自然に集まってくる。

手を添えて激しくゆらぐこの名曲に子供たちをいざなうと、
自然に子供たちの手のスティックが曲の後を追い始めているではないか。

少しスピードには欠けても、耳はちゃんと同じ音階を捕らえている。

りっばなもんだよたいした才能。だれでもガムランはほんとに実証された。


明日は最終日。

祭りの後の寂しさは、耐える事のとてもつらい、ひと時の夢が覚める時。

でも、やるのだ。

僕が楽しんでやってる事が、僕の周りに集まる人たちにとって、
有意義で、楽しければ、僕の存在に意味があると確信して、明日もやるのだ。




ぶち切れて発狂寸前のウブドの達人

                           玉地 俊雄


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最終更新日  2008.08.26 10:01:41


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