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“東のTOTO”のデビュー盤 西海岸のスタジオ・ミュージシャンが集まって1970年代末にデビューし、成功を重ねていったのがTOTO。一方、東海岸のミュージシャンが似たような形で集まり、バランス(Balance)というバンドとして1981年に発表したのが、セルフ・タイトルの本盤『バランス(Balance)』である。このバンドの曲として最も知られる「ブレイキング・アウェイ」(全米22位)が収められたアルバムでもある。 メンバーは、ペピィ・カストロ(ヴォーカル)、ボブ・キューリック(ギター)、ダグ・カッサロス(キーボード)の3人。このトリオに、アンディ・ニューマーク(ドラム)、ジョン・シーグラー(ベース、2.,3.,5.,6.,7.,9.の6曲)、ウィリー・ウィークス(ベース、1.,4.,8.,10.の4曲)などが加わって演奏を繰り広げている。 1980年代初頭らしく、きらびやかで、キレがあってメロディアスなロック・サウンドという風情の楽曲が次から次へと展開されていく。TOTOやフォリナーなど、時に“産業ロック”と揶揄される方向性のサウンドだが、全体として明るいトーンというのが印象的である。NY録音ということもあり、西海岸のTOTOを引き合いにして“TOTOに対する東からの回答”と言われたりするが、西と東でサウンドの傾向がどうとかいうことはなく、このバランスのアルバムはストレートできらびやかで明るいというのが特徴だと言えるように思う。 注目曲としては、シングルとして全米22位になった3.「ブレイキング・アウェイ」がその作風をよく表していて、かつ幅広い聴衆に受けそうなナンバーの筆頭と言える。これに次ぐのが、6.「アメリカン・ドリーム」で、曲の展開と演奏に工夫がなされているのがよい。8.「フォーリング・イン・ラヴ」もシングル発売されたナンバー(全米で58位)だが、親しみやすいメロディが印象的な1曲と言える。上記の楽曲以外にも、本盤にはいかにもきらびやかな80年代サウンド風のナンバーが目白押しである。とくに聴き逃がせない曲として、筆者的には、2.「アイム・スルー・ラヴィング・ユー」と5.「夜を遥かに(フライ・スルー・ザ・ナイト)」も挙げておきたいところ。 結局、TOTOとは違い、このバンドは、本盤の翌年にアルバムをもう1枚出した後、活動は続かなかった。長い時を経て、2000年代に入って復活のアルバムやライヴ活動をしたものの、中心メンバーのボブ・キューリック(KISSのギタリストであるブルース・キューリックの実兄)は2020年に70歳で鬼籍に入っている。[収録曲]1. (Looking for the) Magic2. I'm Through Loving You3. Breaking Away4. No Getting Around My Love5. Fly Through the Night6. American Dream7. Haunting8. Falling in Love9. Hot Summer Nights10. It's So Strange1981年リリース。 Balance / Balance 【CD】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方はバナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2025.01.31
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宇宙を航海するプログレ・ハード・バンドのデビュー作 マジェラン(Magellan)は、1985年にトレント・ガードナーとウェイン・ガードナーの兄弟(現在では両者とも故人)によって、米国カリフォルニアで結成されたバンドである。1990年代と2000年代の20年間で7作ほどのアルバムを残している。本盤『アワー・オヴ・レストレイション〜伝承〜(Hour Of Restoration)』は、1991年にマグナ・カルタというプログレ音楽を専門とするレーベルから出されたデビュー盤である。 見ての通り、マジェランというバンド名は、マゼラン(ポルトガル語ではマガリャンイス)という人物名の英語読み。歴史上の航海者の名前をバンド名にしているだけあって、ジャケット・デザインは宇宙船と思しきものが描かれている。音楽的には、“プログレッシヴ・メタル”や“プログレッシヴ・ハード”と分類されることになるのだろうけれども、“シンフォニック・ハード・ロック”なんて呼ばれることもある。 1.「マグナ・カルタ」、つまり大昔にイギリスで定められた憲法みたいなものとは、何とも仰々しい曲名だが、この名称は上記のようにレーベル名でもある。このトラックが本盤最大の聴きどころとなっている。14分超えの長尺で、組曲風の展開が実によくできていて、聴き手を飽きさせない。 マジェランの魅力は、シンフォニックな音作り、HM的なドラム演奏、そしてメロディアスさをうまく生かしている点にあるように思う。そんな観点からすると、3.「フレンズ・オブ・アメリカ」、5.「アナザー・バーニング」あたりが特にいい。また、アルバム全体を通して聴くことが強く意識されているのも聴いていて楽しめる。6.「ジャスト・ワン・ブリッジ」から7.「ブレイキング・ジーズ・サークルズ」への流れはよくできているし、アルバム全体を静かに締めくくる8.「ターニング・ポイント」も存在感を発揮している。[収録曲]1. Magna Carta2. The Winner3. Friends of America4. Union Jack5. Another Burning6. Just One Bridge7. Breaking These Circles8. Turning Point1991年リリース。 【中古】 アワー・オブ・レストレイション〜伝承/マジェラン 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2025.01.28
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フォーク・ロックを象徴するバンドの懐の深さ ザ・ラヴィン・スプーンフル(The Lovin’ Spoonful)は、1960年代に活躍した米国のバンドで、フォーク・ロックを代表するグループ。ジョン・セバスチャン(ヴォーカル、ギター、ハーモニカ)、ザル・ヤノフスキー(ギター)、スティーヴ・ブーン(ベース)、ジョー・バトラー(ドラムス)というメンバーから成る。彼らの代表作はというと、セカンド作であるこの『デイドリーム(Daydream)』という人が多いのではないだろうか。 1965年にデビューし、シングル「魔法を信じるかい」および同名のファースト作(過去記事)を発表した彼らは、同年中に次なるシングル曲「うれしいあの娘(ユー・ディドント・ハフ・トゥ・ビー・ソー・ナイス)」も発売してヒットに結びつけた。この曲をフィーチャーし、1966年に発表されたのが、このセカンド作『デイドリーム』だった。アルバムとして、米チャートでは10位、英チャートで8位という成功作となった。 特に注目すべき曲をいくつか見ておきたい。シングルとして成功した表題曲の1.「デイドリーム」は、アメリカ・イギリスともにおいて2位(カナダとスウェーデンでは1位)となった。ジョン・セバスチャンの曲作りの妙が発揮されたナンバーで、こうした側面から見ると、アルバム前半では、この曲と4.「ウォーム・ベイビー」が聴きどころだと言える。あと、5.「デイ・ブルース」は、フォーク・ロックがいかにブルースとも結びついていたかがわかる(こうした側面は、本盤のCD追加曲で、元はファースト作所収だった曲の別ヴァージョンである17.からも存分に感じることができる)。また、6.「君はロックンローラー(レット・ザ・ボーイ・ロック・アンド・ロール)」は、タイトル通り、ロックンロール調のギターが全開で、ここでもフォーク・ロック一辺倒ではない彼らの音楽的な幅が垣間見られる。 アルバム後半に移る。8.「つらい僕の心(ディドント・ウォント・トゥ・ハフ・トゥ・ドゥー・イット)」は、せつない気持ちが曲によく表現されている。9.「うれしいあの娘(ユー・ディドント・ハフ・トゥ・ビー・ソー・ナイス)」は、上述の通り、本盤の前にシングルとしてリリースされてヒットした曲で、全米10位を記録した。11.「ブッチーの歌(ブッチーズ・チューン)」は、カントリー・ロック然とした素朴でのどかさすら感じさせる好曲。しかし、その直後の12.「ビッグ・ノイズ・フロム・スポンク」という、彼らにしては“爆音”系の激しいナンバーが続く。結局のところ、ワンパターンになることのない、彼らの音楽性の幅広さが魅力になっている。そういった観点からすると、ラヴィング・スプーンフルがノリにノッていた時期が収められた最高の作品と言えるのかもしれない。[収録曲]1. Daydream2. There She Is3. It's Not Time Now4. Warm Baby5. Day Blues6. Let the Boy Rock and Roll7. Jug Band Music8. Didn't Want to Have to Do It 9. You Didn't Have to Be So Nice10. Bald Headed Lena11. Butchie's Tune12. Big Noise from Speonk~以下、再発CDでのボーナス・トラック~13. Fishin’ Blues -alternate instrumental version-14. Didn't Want to Have to Do It -demo version-15. Jug Band Music - alternate instrumental version-16. Daydream -demo version-17. Night Owl Blues -complete version-1966年リリース。 【中古】 デイドリーム(紙ジャケット仕様)/ザ・ラヴィン・スプーンフル 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2025.01.25
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独特のヴォーカル世界への誘い マイケル・フランクス(Michael Franks)は、1944年カリフォルニア州出身のスムースジャズ/AORのアーティスト。個性的な独特のヴォーカルが特徴で、いわゆるクワイエット・ストームの流れを代表する人物でもある。そんな彼は、1973年にセルフタイトル盤を発表しているが、メジャー・デビュー盤となったのは、その2年後、ワーナー傘下のリプリーズからリリースされたこの『アート・オブ・ティー(The Art of Tea)』であった。 分野としてはジャズのアルバムと捉えられることもあるが、演奏者の面々を見ると確かに錚々たるメンバーで、マイケル・ブレッカー(テナー・サックス)、デヴィッド・サンボーン(アルト・サックス)、ジョー・サンプル(キーボード)、ラリー・バンカー(ヴィブラフォン)、ラリー・カールトン(ギター)といったミュージシャンが参加している。こうしたメンバーの演奏の中で、特徴を存分に発揮しているのが、フランクスのヴォーカルということになる。 個人的に注目の曲をいくつか挙げてみたい。1.「愛はむなしく」は、このまったり感と気だるさがツボにはまる好曲。3.「モンキー・シー・モンキー・ドゥ」は、淡々としているようで秘めた緊張感を感じるところが気に入っている。さらに、4.「聖エルモの火」は、ささやくような歌い方、印象に残るメロディをさらりと魅力的に歌うヴォーカルという、フランクスらしさが凝縮されたナンバーで、アルバム前半の聴きどころの一つになっていると思う。 アルバム後半に目を向けると、何と言っても、6.「ジャイヴ」が、上述の1.や4.と並んで、フランクスのヴォーカルの魅力を伝える注目曲である。また、アルバムを締めくくる9.「ミスター・ブルー」は、あっさり目のバラード曲かと思いきや、バックの演奏者たちの演奏力の高さが際立っている点に耳が釘付けになってしまう1曲だったりする。[収録曲]1. Nightmoves2. Eggplant3. Monkey See—Monkey Do4. St. Elmo's Fire5. I Don't Know Why I'm So Happy I'm Sad6. Jive7. Popsicle Toes8. Sometimes I Just Forget to Smile9. Mr. Blue1975年リリース。 アート・オブ・ティー [ マイケル・フランクス ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2025.01.22
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絶頂期GN'Rを脱退したギタリストのソロ・プロジェクト盤 イジー・ストラドリン(Izzy Stradlin)は、ガンズ・アンド・ローゼズ(GN'R)の創設時からのメンバーであったが、『ユーズ・ユア・イリュージョン』(参考過去記事(1) ・(2) )の制作後にこのバンドを脱退した。当時のGN'Rは人気絶頂期にあったわけだが、その後に独自に新たなバンドの結成を模索し、なおかつゲフィンとの契約もとりつけて制作・発表されたのが、本作『イジー・ストラドリン・アンド・ザ・ジュ・ジュ・ハウンズ(Izzy Stradlin & the Ju Ju Hounds)』であった。 GN'Rではリード・ギタリストのスラッシュの印象が一般に強いかもしれない。けれども、イジーは定評あるギタリストとして知られ、“過小評価されているギタリスト”のランキングに名を連ねたりもする。彼のギター・プレイは、キース・リチャーズなんかを彷彿とさせるもので、音楽的にはハノイ・ロックスに影響されたことを公言している。 一方、イジーは曲作りにも秀でている。GN'Rの当時の有名曲の多く(例えば、「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」、「ペイシェンス」、「ユー・クッド・ビー・マイン」、「ドント・クライ」など)は彼によるものであり、GN'R脱退時にも、曲作りやツアーで困ったら助けるという意向をアクセル・ローズに伝えたと言われる(そして、実際にGN'Rのステージに立ったりもしている)。事実、本作においても、収録曲の半数がイジー作で、共作も含めると、2曲(レゲエ・バンドのカバーである2.「プレッシャー・ドロップ」、特別参加しているロン・ウッド作の10.「テイク・ア・ルック・アット・ザ・ガイ」)を除いてイジーの楽曲ということになっている。 さて、以上のようなわけで、独り立ちしたイジーの本作は、彼らしい特徴のロックンロール魂に溢れたギター演奏と、彼の才能が存分に発揮された楽曲のよさがストレートに伝わってくる内容に仕上がっている。オープニング・ナンバーの1.「サムバディ・ノッキン」は、注目したいナンバーの一つ。気持ちいいほどのストレートなロック・ナンバーで、曲と演奏のクオリティの高さが本盤を象徴している。これと並んで、アルバム前半の楽曲の中でとりわけレベルの高さと余裕を感じさせるロック・ナンバーは、4.「シャッフル・イット・オール」だと思う。ちなみに、6.「ハウ・マッチ」は日本盤のみのボーナス・トラック(LPやカセットだとここまでが前半つまりA面ということで、この位置に置かれている)で、曲調的にアルバム本編にそぐわなかったのかもしれないが、楽曲面でも演奏面でもイジーの力量が発揮されている好曲。 アルバム後半での注目曲としては、まずは、7.「トレイン・トラックス」。疾走感とギターのカッコよさが光る。10.「テイク・ア・ルック・アット・ザ・ガイ」は、以前から交友があり、同時期に同じLAでアルバムを作っていたロン・ウッドが参加している。なお、最後の12.「モーニング・ティー」はジャケットや解説にはクレジットされておらず、隠れトラックとなっている。日本盤CDでは12番目のトラックとなっているが、米盤ではそれすらなく、11.「カム・オン・ナウ・インサイド」(厳密には、米盤には上記6.のボートラがないのでトラック10.)のトラック内に収められている。[収録曲]1. Somebody Knockin'2. Pressure Drop3. Time Gone By4. Shuffle It All5. Bucket o' Trouble6. How Much7. Train Tracks8. How Will It Go?9. Cuttin' the Rug10. Take a Look at the Guy11. Come on Now Inside12. Morning Tea1992年リリース。 ユニバーサルミュージック|UNIVERSAL MUSIC イジー・ストラドリン&ザ・ジュ・ジュ・ハウンズ/ イジー・ストラドリン&ザ・ジュ・ジュ・ハウンズ 限定盤【CD】 【代金引換配送不可】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2025.01.19
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2025.01.17
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モダン・ジャズの立役者となった2人のドラマーによる双頭盤 フィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones)は、1923年、ペンシルヴァニア州フィラデルフィア生まれ(そもそも“フィリー”の名称は、フィラデルフィアに因んだものだったという)のジャズ・ドラマー。一方、エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)は、1927年ミシガン州出身の同じくドラマーである。 これら二人の名義として1964年にアトランティックからリリースされたのが、本盤『トゥゲザー!(Together!)』である。実際に録音されたのは、これよりも少し前の1961年で、モダン・ジャズ界を盛り上げた二人のドラマーが共同名義となったのが本盤ということになる。 フィリー・ジョーが右、エルヴィンが左チャンネルで演奏しているのだけれど、ドラム・プレイはただバトルを繰り広げるというのではない。時に譲り合ったり補いあったりという相互の息が実に合っているのも見事で、“一緒に(トゥゲザー)”というアルバム表題に偽りはない。 収録されているのはわずか3曲。うち2曲(2.と3.)は長尺で、それぞれ約13分と約15分となっている。1.「リ・ロイ」はハンク・モブレイのソロが特に素晴らしく、管楽器のアンサンブルが印象的である。2.「ビューティ」は、ラテン風リズムで、ハンク・モブレイの働きもなかなかのものである一方、曲の後半で両者のドラム・バトルが楽しめる演奏でもある。最後の3.「ブラウン・シュガー」は、全員のソロが楽しめる演奏に仕上がっている。個人的に好みなのは、ハンク・モブレイのテナー、さりげなくいい味を出しているウィントン・ケリーのピアノ、そして、フィリー・ジョーのドラムスである。[収録曲]1. Le Roi2. Beau-ty3. Brown Sugar[パーソネル、録音]Philly Joe Jones (ds), Elvin Jones (ds), Blue Mitchell (tp), Curtis Fuller (tb), Hank Mobley (ts), Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b)1961年2月2日録音。 【中古】輸入ジャズCD PHILLY JOE JONES & ELVIN JONES / TOGETHER[輸入盤] 下記のランキングサイトに参加しています。お時間の許す方は、 バナーをクリックして応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2025.01.15
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声のよさが生かされた第三作 ティモシー・B・シュミット(Timothy B. Schmit)は、アメリカ西海岸出身のベーシスト。1970年代、ポコでの活動後、イーグルスのメンバーだったことで知られる。1980年代に入ってイーグルスが解散した後は、ソロ活動を開始し、コンスタントというわけではないものの、間隔を開けたりしながらソロ・アルバムを発表した。 本盤『テル・ミー・ザ・トゥルース(Tell Me the Truth)』は、1990年に発表された3枚目のソロ・アルバムである。2年ほど在籍したイーグルスでは『ロング・ラン』からのシングル「言い出せなくて」のリードヴォーカルを務めたことが知られるが、本盤の一つめの特徴は、シュミットのヴォーカル力がうまく生かされた作品という点である。それからもう一つの本盤の特色としては、豪華な参加ミュージシャン陣と言えるだろうか。プロデュースも前作やもう一つ前のソロ・デビュー作とは違って、デヴィッド・コールが中心となっている。 本盤は、アルバム表題曲でノリのいい1.「テル・ミー・ザ・トゥルース」で幕を開ける。この曲のプロデュースはドン・ヘンリーとダニー・コーチマーが担当しており、彼らは演奏にも加わっている。また、コーラスにはヘンリーのほか、サイーダ・ギャレットやマキシン・ウォーターズも参加している。 シュミットの声が生かされた楽曲としては、上記イーグルスのヒット・ナンバーを彷彿とさせる3.「サムシング・サッド」がいい。ジョン・ボイランのプロデュースによる5.「イン・ロキシーズ・アイズ」もなかなかの好バラードに仕上がっていて、彼のヴォーカルのよさが生かされている。さらに、6.「レット・ミー・ゴー」は、彼の歌のうまさ、そして声の魅力が一段と光るナンバーである。 アルバムの最後に収められた10.「フォー・ザ・チルドレン」は、壮大な雰囲気が印象的なナンバー。バックのヴォーカルにはリタ・クーリッジのほか、マリリン・マーティン、デヴィッド・ラズリーらが加わっている。最後にもう一つ付け加えておくと、曲によってはプロデュースにも加わっているブルース・ガイチのギターがいい。長々とソロを聴かせるわけではないが、要所要所で短いギターソロなどを披露していて、どれもなかなかキレがいいという印象である。[収録曲]1. Tell Me the Truth 2. Was It Just the Moonlight3. Something Sad4. Down By the River5. In Roxy's Eyes6. Let Me Go 7. Perfect Strangers 8. All I Want to Do9. Tonight10. For the Children 1990年リリース。 【中古】 テル・ミー・ザ・トゥルース/ティモシー・B・シュミット 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2025.01.12
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オールマン・ブラザーズの弟によるリーダー盤 グレッグ・オールマン(Gregg Allman)は、デュアン(デュエイン・オールマン)の弟で、オールマン・ブラザーズのヴォーカリスト。1947年テネシー州出身で、2017年に69歳で亡くなっている。 オールマン・ブラザーズ・バンドは、何度かの活動停止の期間を経つつ長らく継続したが、その一方で、グレッグは、ソロないしは自身のバンドとしての作品も折に触れて発表した。最初のソロ作は1973年の『レイド・バック』であった。その後、ライヴ盤やシェールとの共作盤を経て、2枚目のソロ・スタジオ作となったのが、自身のバンド名義として発表した本盤『嵐(Playin' Up a Storm)』だった。1977年のリリースであるが、これはオールマン・ブラザーズ・バンドがいったん解散した時期(1976~78年)に当たる。 注目したいナンバーとしては、まずは、オープニング曲の1.「カム・アンド・ゴー・ブルース」。表題の通りのブルース調のナンバーで、滋味に満ちた歌と演奏は本盤収録曲の中でイチオシの好演である(なお、この楽曲は、別途オールマン・ブラザーズの作品でも取り上げられている)。他にもじっくり聴かせる曲が多いが、そうした中でも、4.「ブリング・イット・オン・バック」や5.「クライン・シェイム」、さらに7.「イット・エイント・ノー・ユース」や9.「ワン・モア・トライ」はとりわけ聴きごたえがある。 さらにもう1曲、注目ナンバーを挙げておきたい。それは、8.「マシューズ・アライヴァル」という、キレのあるインスト演奏曲。キーボード担当のニール・ラーセンのペンによる楽曲だが、4分足らずでフェードアウトして終わってしまうのがもったいなく、個人的には7~8分は続けてほしかった演奏だったりする。[収録曲]1. Come and Go Blues2. Let This Be a Lesson to Ya'3. Brightest Smile in Town4. Bring It on Back5. Cryin' Shame6. Sweet Feelin'7. It Ain't No Use8. Matthew's Arrival9. One More Try1977年リリース。 嵐 [ グレッグ・オールマン ] 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2025.01.09
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愛すべきトランぺッターの初リーダー作 ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)は、代表作とされる『静かなるケニー』の人気もあって、よく知られたトランペット奏者である。ジャズ音楽の発展史の中で大きく評価されるような人ではない一方で、歌心や叙情に満ちた彼のトランペット演奏は、多くの人の心を掴んできた。そんなドーハムの原点とでも言えそうなのが、1953年末に吹き込まれた『ケニー・ドーハム・クインテット(Kenny Dorham Quintet)』である。 本盤は、ケニー・ドーハムにとって最初のリーダー作品である。そのためか、後年のよく知られた作品に比べると、余裕や貫禄のようなものはあまり感じられない。筆者的には、むしろ、前を見据え、ひた向きに演奏しているとでも形容すべきドーハムの姿が脳裏に浮かぶのだけれど、歌心に満ちたノリのある演奏にしても、叙情に満ちた哀愁のある演奏にしても、紛れもなくドーハム節がこの時点からできあがっていたことがわかる。 面子はウォルター・ビショップ・Jr.(ピアノ)、パーシー・ヒース(ベース)、ケニー・クラーク(ドラムス)に、ジミー・ヒース(テナーおよびバリトン・サックス)を加えた5人編成。1.「アン・オスカー・フォー・オスカー」はドーハムの自作曲で、バップ調のノリの中で心地いい演奏が繰り広げられる。対して、セロニアス・モンクの曲である2.「ルビー、マイ・ディア」は、叙情感のあるドーハム節が発揮されている。 4.「オズモーシス」は密かに本盤の注目の演奏と筆者は思っていて、バップからファンキー・ジャズへの橋渡しと言えそうな演奏。こういうのが好きだと言うと、コアなジャズ・ファンからはベタであると言われるかもしれないけれど、好きなものは隠せない。最後に、6.「ダーン・ザット・ドリーム」のドーハム節も注目の1曲である。朗々としかし哀愁漂う彼のトランペットの音色は、結局のところ、唯一(ユニーク)と形容するしかないのかもしれない。 蛇足ながら、CD化以降、別テイクなどを加えた形で本盤は流通している。筆者の手元にあるのは、2.と6.の別テイク(テイク2が収められた2.のテイク1、テイク1が収められた6.のテイク2)が追加収録されたものだが、他にドーハム自身がヴォーカルを務めている曲が複数収録された再発盤もある。[収録曲]*オリジナルの収録曲のみ記載。1. An Oscar for Oscar2. Ruby, My Dear3. Be My Love4. Osmosis5. I Love You6. Darn That Dream[パーソネル・録音]Kenny Dorham (tp), Jimmy Heath (ts, bs), Walter Bishop [Walter Bishop Jr.](p), Percy Heath (b), Kenny Clarke (ds)1953年12月15日録音。 【中古】 ケニー・ドーハム・クインテット+2/ケニー・ドーハム・クインテット 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックをよろしくお願いします! ↓ ↓
2025.01.06
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安定したトリオとのワンホーン盤 ベニー・ゴルソン(Benny Golson, 1929年生まれ、2024年死去)は、作曲家・編曲家でもありつつ、テナー奏者としてもまた優れた音楽家であった。そんな彼のテナー・サックスをワンホーン盤で堪能できる代表的な盤が、この『ターニング・ポイント(Turning Point)』という作品である。 ピアノはウィントン・ケリー、ベースはポール・チェンバース、ドラムスはジミー・コブという、この3人が揃えば安定した演奏は間違いなしといった面々。実際、安定感バツグンのトリオ演奏の上でゴルソンのサックスの魅力がいかんなく発揮されるといった展開で7曲が披露されている。 ゴルソンのテナーの魅力と言えば、叙情性があり、時にロマンチックで優しい演奏である。バラード曲の3.「ディア・キャシー」や6.「星影のステラ」、さらには7.「アローン・トゥゲザー」(特にこの7.を筆者は気に入っている)はそうした魅力が最大限に発揮されている演奏だと言えるだろう。 一方、アップテンポの楽曲における丁寧でこまめなフレージングも彼らしさをよく表している演奏と言えるように思う。コードやハーモニーにあわせてフレーズを分解したり組み合わせたりして繋いでいくというのは、アレンジャーとしての才能がサックス演奏にも反映された結果と言えるのかもしれない。そういう観点に立つと、1.「ハウ・アム・アイ・トゥ・ノウ」や4.「スリー・リトル・ワーズ」なんかは断然面白く聴けるというふうに思ってみたりする。[収録曲]1. How Am I to Know2. The Masquerade Is Over3. Dear Kathy4. Three Little Words5. Turning Point6. Stella by Starlight7. Alone Together[パーソネル、録音]Benny Golson (ts), Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds)1962年10月30日(4., 5., 7.)、10月31日(2., 6.)、11月1日(1., 3.)録音。 ↓以下、別盤です↓ [枚数限定][限定盤]プレミアム・ベスト〜ジャズ・ジャイアント:ベニー・ゴルソン/ベニー・ゴルソン[CD]【返品種別A】 ミート・ザ・ジャズテット [ アート・ファーマー&ベニー・ゴルソン ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2025.01.03
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HAPPY NEW YEAR 2025新たな年が明けました。年齢を重ねるにつれ、1年がどんどん短くなるような気がします。このブログも早15年が経過しました。とはいえ、本年も少しずつ記事をアップしていきたいと思っています。今年もどうか本ブログをご愛顧ください。 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2025.01.01
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