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アコースティック志向を強めたサード作 1960年代後半、ロンドンで結成されたレッド・ツェッペリンは、1969年にデビュー盤とセカンド盤を発表し、瞬く間に世界的バンドへと成長した。そんな彼らが1970年に発表した第三作が『レッド・ツェッペリンIII(Led Zeppelin III)』である。 本盤の特徴は、それまでのハードでヘヴィなロック・バンドのイメージを覆すことなく、アコースティックな側面を大幅にフィーチャーした点にある。前作の売り上げには達しなかったものの、アメリカ・イギリスともにおいてチャート1位となり、全米ビルボードでは4週連続、全英でも3週連続1位という記録を残した。 アルバム前半(LPのA面)からいくつかの曲を挙げながら見ていきたい。1.「移民の歌」は、本盤を代表する楽曲で、唯一のシングルカット曲。ハードなサウンドと荒々しい曲調がツェッペリンらしい好曲となっている。3.「祭典の日」は、ニューヨークをイメージした曲とのことで、親しみやすいリフ(ビートルズの「ゲット・バック」と類似しているなどと言われたりもする)が印象的な明るめのロック・ナンバー。4.「貴方を愛しつづけて」は、前作のアウトテイクをレコーディングし直したナンバー。個々のプレーヤーの魅力が絶妙に引き出され、かつ組み合わされていて、本盤収録ナンバーの中でも上位の出来ではないかと個人的には思っている。 アコースティック色が強まるアルバム後半(LPのB面)に移る。トラディショナル曲の6.「ギャロウズ・ポウル」は、レッドベリーによるヴァージョンを下敷きにしており、本盤で強く打ち出されているアコースティック志向を象徴する曲としては、筆者いちばんの好みのナンバーである。7.「タンジェリン」もアコースティック志向をよく表すナンバーとなっているが、元々はジミー・ペイジがヤードバーズにいた頃に作った楽曲とのこと。10.「ハッツ・オフ・トゥ・ロイ・ハーパー」は、トラディショナル曲とされているものの、実際にはブッカ・ホワイトの「シェイク・エム・オン・ダウン」というデルタ・ブルースの楽曲のカバー。まったく関係のない曲名に変更されているが、ロイ・ハーパーというのはイギリスのフォーク・シンガーで、この人物に敬意を表したナンバーとなっている。[収録曲]1. Immigrant Song(移民の歌)2. Friends 3. Celebration Day(祭典の日)4. Since I've Been Loving You(貴方を愛しつづけて)5. Out on the Tiles 6. Gallows Pole 7. Tangerine8. That's the Way 9. Bron-Y-Aur Stomp(スノウドニアの小屋)10. Hats off to (Roy) Harper1970年リリース レッド・ツェッペリン3 スタンダード・エディション [ レッド・ツェッペリン ] Led Zeppelin レッドツェッペリン / Led Zeppelin III (2014年リマスター)【再プレス】 【CD】 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓
2026.07.25
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メロディアスな英HRバンドのデビュー作 ハートランド(Heartland)は、クリス・オージー(ウーズィー)を中心とする5人組で1991年にデビューした英国マンチェスターのバンド。そのデビュー盤が、このセルフタイトル作『ハートランド(Heartland)』である。 メロディアスなハードロック(“メロハー”などと呼ばれたりする)の典型で、ギターは澄んだサウンド中心で出しゃばらず、曲によってはキーボードの果たす役割も大きい。伸びのある技巧的ヴォーカルも印象的で、騒々しさよりは美しさや洗練を追及するといった志向を見せている。 1.「ティーチ・ユー・トゥ・ドリーム」は、オープニング曲らしく、とりわけ美しく端正に仕上げられている。3.「ドント・キャスト・ユア・シャドウ」は、ヴォーカルの技量がきれいに示された印象。バラード調の5.「ファイト・ファイア・ウィズ・ファイア」も、ヴォーカルの実力を生かした楽曲となっている。 ハードロック感のやや強い楽曲としては、6.「ザット・シング」がいい。8.「ペーパー・ハート」もヴォーカルを前面に出した熱唱系の楽曲だが、何気にギターのカッコよさがスパイスになっている。さらにこの8.の路線を推し進めたかのような9.「パラダイス」も目を引く。 実は、本盤のリリース当時、筆者はリアルタイムでこのアルバム聴いて、少し物足りなさを感じた。おそらく、それはハードロックを甘めにやっているという印象からそう感じたのだろう。けれども、何十年か経って聴き直してみると、こういうある種の“上品さ”も案外悪くないという気がする。[収録曲]1. Teach You to Dream2. Carrie Ann3. Don't Cast Your Shadow4. Real World5. Fight Fire with Fire6. That Thing7. Walking on Ice8. Paper Heart9. Paradise10. Promises1991年リリース。 ハートランド [ ハートランド ] Heartland / Heartland 【CD】 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2026.07.21
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10年ぶりながら変わらぬ健在なジャーニーの世界 ジャーニー(Journey)は、1973年にサンフランシスコで結成されたバンド。当初はプログレッシヴ・ロックを志向したバンドだったが、1970年代後半のスティーヴ・ペリー(ヴォーカル)の加入以降、路線を変更し、1980年代にかけて商業的成功を積み重ねた。 けれども、『Raised On Radio〜時を駆けて』(1986年)のヒットを最後に、すでにソロ活動を始めていたペリーは脱退し、ジャーニーの活動は止まってしまう。そこからさらに10年の歳月が流れ、1996年に届けられたのが10枚目となる本作『トライアル・バイ・ファイアー(Trial by Fire)』だった。メンバーが再結成して成功を収めたものの、この黄金期のラインナップは体調不良の問題でペリーが脱退して、結局、ジャーニーはメンバーを変えて存続していくことになった。 『トライアル・バイ・ファイアー』は全米3位を記録したわけだが、その内容はというと、1980年代のきらびやかな音作り、大衆受けするメロディと作風が見事に復活したと言えるものだった。冒頭の1.「メッセージ・オブ・ラヴ」は、「セパレイト・ウェイズ」を彷彿とさせるギターがカッコよく、まさしくジャーニー復活を印象づける楽曲に仕上がっている。3.「ラヴ・ア・ウーマン(ホエン・ユー・ラヴ・ア・ウーマン)」は、シングルとして全米ビルボードで12位、カナダのチャートでは3位のヒットを記録した楽曲で、ジャーニーらしさ全開のバラードである。 他に注目したい曲もいくつか挙げておきたい。4.「イフ・ヒー・シュッド・ブレイク・ユア・ハート」はサビが印象的なジャーニーらしい1曲。7.「ドント・ビー・ダウン・オン・ミー・ベイビー」や10.「ホエン・アイ・シンク・オブ・ユー」、11.「イージー・トゥ・フォール」や13.「イッツ・ジャスト・ザ・レイン」といった楽曲は、いかにもなバラード調で、ジャーニーのこうした側面が好きな人にとっては、確実に聴きどころとなりそうな部分である。 個人的に気になるナンバーとしては、9.「カラーズ・オブ・ザ・スピリット」とアルバム表題曲の14.「トライアル・バイ・ファイアー」。前者については、異世界へ誘うような曲調と演奏が気に入っている。後者は、絵アルバムのエピローグ(終章)的なナンバーで、幻想的な雰囲気が筆者には響く。なお、15.「ベイビー・アイム・リービング・ユー」はクレジットされていないシークレット・トラックで、レゲエ調のノリが不思議な1曲となっている。[収録曲]1. Message of Love2. One More3. When You Love a Woman4. If He Should Break Your Heart5. Forever in Blue6. Castles Burning7. Don't Be Down on Me Baby8. Still She Cries9. Colors of the Spirit10. When I Think of You11. Easy to Fall12. Can't Tame the Lion13. It's Just the Rain14. Trial by Fire15. Baby I'm a Leavin' You [シークレット・トラック]1996年リリース。 【輸入盤CD】【新品】Journey / Trial By Fire (ジャーニー) 【中古】 トライアル・バイ・ファイアー/ジャーニー ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.07.18
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キンクス名曲選~PART III(その1) 久方ぶりになるのですが、ザ・キンクス(The Kinks)の名曲選をお届けしたいと思います。ビートルズ、ローリング・ストーンズをはじめとするブリティッシュ・ロック・バンドのうち、本邦ではいま一つ人気を得てこなかったキンクスですが、実は多くの名曲を生み出しているということで、5曲ほどお楽しみいただければと思います。 最初は、1971年リリースのアルバム『マスウェル・ヒルビリーズ』の表題曲(といっても、アルバム表題は複数形、曲の表題は単数形だったりするのですが)の「マスウェル・ヒルビリー(Muswell Hillbilly)」です。 カントリーロック風の演奏ですが、レイ・デイヴィスの歌心ある作者ぶりが光ります。余談ながら、上記のアルバムからのシングルは、世界的には「20世紀の人」だけだったのですが、この「マスウェル・ヒルビリー」は、日本に限っては、シングルとしても発売されたということなのだそうです。 映像をもう一つ。短い時間のものですが、1970年代後半、BBCのオールド・グレイ・ホイッスル・テストで収録された演奏シーンをご覧ください。 [収録アルバム]The Kinks / Muswell Hillbillies(1971年) マスウェル・ヒルビリーズ +2 [ ザ・キンクス ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.07.05
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いまどきの日本の言論の自由を考えつつ…(その1) ここのところ中国や韓国との領有権問題やら、北朝鮮のミサイル発射に核実験と、日本とその周りの国々でいろんな問題が報道される。それらを目にするにつけ、どちらに肩入れしているかはともかく、何とも“相手に聞く耳持たない”というか、“一方の側に偏った見解”みたいなのが横行しているように思えてならない。原発の時もそうだったけれど、マスコミもそれを受け取る国民も全体的な雰囲気に流され、冷静な判断ができなくなることがいちばん怖いと思うのに、実際のマスコミ報道はまるでその逆のような空気が漂っているように思うのは、筆者だけではないだろう。 先日、FGTH(フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド, Frankie Goes To Hollywood)による「明日なき暴走」を取り上げたが、その後も少々懐かしみながら他の曲も聴いたりしていた。FGTHは、80年代前半から半ばにかけての、米ソ冷戦真っ只中で短命の人気を博したイギリスのグループであったが、いろんな社会的話題を振りまいていたことを改めて思い起こしてみた。デビュー曲「リラックス」からして問題含みでBBCはもとより日本のNHKでも放送禁止となったものの、全英1位の大ヒットとなった(ちなみにこの曲は全英シングル史上売り上げランキング第7位だとか)。 これに続いて出されたシングルが、ここで取り上げたい「トゥー・トライブス(Two Tribes)」という曲で、9週連続全英1位を記録したほか、先の1stシングルのチャート再上昇も促し、1位と2位を占めるほどのヒットぶりだった。「トゥー・トライブス」という表題は“2つの種族(人種)”という意味だが、その内容は東西の冷戦を皮肉ったもの。米ソそれぞれのトップ(当時の大統領レーガンと共産党書記長チェルネンコ)役の二人が土俵(のようなリング?)の上で反則技いっぱいのプロレスまがいの戦いをするというパロディ風ビデオが話題となった。とりあえずは、その内容をご覧いただきたい。 主役の二人(?)だけでなく、まわりの世界各国代表の熱狂ぶりの滑稽さもなかなか風刺が効いててよい。でもって、FGTHのこの曲を振り返った上で、再び話を昨今の情勢に戻すと、“北朝鮮が核ミサイルの準備をし始めたらどの時点から自衛権が行使可能か検討”などという物騒な話題が踊る昨今の日本の現状がある。四半世紀以上前のこのパロディーめいた内容も他人事ではないのかもしれないと思わされたりする。このビデオでの最後に地球が爆発するというオチは少々短絡的だけれど、こういう皮肉やパロディを公にできる言論環境だけは、今の日本(とくにマスコミ)に特に必要とされている気がしてならない。 長くなってきたので、続きは次回に(その2に続く)。[収録アルバム]Frankie Goes To Hollywood / Welcome To The Pleasuredome (1984年) 【送料無料】【輸入盤】 Welcome To The Pleasuredome [ Frankie Goes To Hollywood ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.02.23
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キンクス名曲選~PART III(その5) 第3弾をお届けしているザ・キンクス(The Kinks)の名曲選ですが、ひとまず最後となる5回目は、1980年代のナンバーです。「思い出のダンス(Don’t Forget to Dance)」という表題の楽曲です。 「思い出のダンス」1983年にリリースされたシングル曲で、チャート上の成績は全米29位という結果でした。大きく目立ったヒットというわけではありませんでしたが、その後、前年に全米6位だったシングル曲「カム・ダンシング」とともに、同年発表のアルバム『ステイト・オヴ・コンフュージョン』に収録されました。 まずは、この曲のビデオクリップをご覧ください。ストーリー仕立てですが、ところどころで映るレイ・デイヴィスおよびバンドの姿が現れ、円熟ぶりが垣間見える哀愁ある1曲です。 続いては、この曲のライヴ演奏もご覧いただきたいと思います。リリース当時(1980年代)のライヴのステージでの演奏です。ライヴだから盛り上がるというよりは、こうした楽曲をさらりと“聴かせる”というのが、レイ・デイヴィスらしさということでしょうか。 5回にわたって、キンクスの名曲選(第3弾)にお付き合いいただき、ありがとうございました。次回更新からは、再びいつものペースに戻って更新していこうと思います。[収録アルバム]The Kinks / State of Confusion(1983年)以下、過去のキンクス名曲選の記事をまとめておきます。~キンクス名曲選 PART I~(その1)「カム・ダンシング(Come Dancing)」(その2)「ミスフィッツ(Misfits)」(その3)「20世紀の人(20th Century Man)」(その4)「ヴィクトリア(Victoria)」(その5)「サニー・アフタヌーン(Sunny Afternoon)」~キンクス名曲選 PART II~(その1)「ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ(The Village Green Preservation Society)」(その2)「ウォータールー・サンセット(Waterloo Sunset)」(その3)「ネオンのまぶしさ(Underneath the Neon Sign)」(その4)「ローラ(Lola)」(その5)「スリープウォーカー(Sleepwalker)」~キンクス名曲選 PART III~(その1)「マスウェル・ヒルビリー(Muswell Hillbilly)」(その2)「ライフ・オン・ザ・ロード(Life on the Road)」(その3)「オーストラリア(Australia)」(その4)「デイズ(Days)」(その5)「思い出のダンス(Don’t Forget to Dance)」(本記事) ↓こちらのリンク先はLP盤です↓ 【中古】LP Kinks State Of Confusion AL88018 Arista /00260 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.07.11
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一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(1) 世の中にはランキング好きな人も多いようで、“最も売れたアーティスト”なんてランキングを作りたがる人たちもいるようだ。シングルの枚数なのかアルバムの枚数なのか、ビデオやDVDも含むのか、基準によってあまりに尺度が適当なランキングにしかなり得ないと思うのだけれど、どうやらダントツの売り上げはビートルズ、エルヴィス・プレスリー、マイケル・ジャクソンの三者のようだ。ローリング・ストーンズは?レッド・ツェッペリンは?というロック・ファンも多いだろうが、彼らよりも上にポップ、ロック/ポップ系アーティストがもう少し続く。その一人がエルトン・ジョン(Elton John)である。 エルトン・ジョンと言えば、心温まる、あるいは心安らぐバラード系を思い浮かべる人も多いだろう。けれども、彼のバラードには結構寂しい雰囲気を湛えたものも多いように思う。過去の膨大な作品群から筆者の独断と偏見で、今回はそうした“寂しい系バラード”をいくつか取り上げてみたい。 第1弾はその名の通り「悲しみのバラード」。原題は「Sorry Seems To Be The Hardest Word(ソーリーというのは最もつらい言葉だと思う)」。1976年、エルトンが自ら立ち上げた新レーベル、ロケット・レコードからの最初アルバムとなった2枚組『蒼い肖像(Blue Moves)』に収録された曲である。このアルバム自体、全体として抑えられたトーンの作品なのだが、その中でも名曲なのが、この「悲しみのバラード」である。ちなみにシングルとして発売された際のジャケットはアルバムと同じデザインでアルバム名の部分の文字が曲名に変えられていた。そのことから想像するに、やはり制作者側にもアルバムを代表する曲という意識があったのではないかと思う。 詞の内容は“愛してもらうには、僕は何をすべきなのだろうか”、“すべてが終わってしまった後で、僕は何を言えばいいのだろうか”、“ソーリーというのは最もつらい言葉だと僕には思える”という、何とも悲しいシチュエーションのラヴ・ソング。演奏面では、ストリングスとアコーデオンの使い方が悲しげなマイナー調を実に盛り立てて(?)いる。あとバックに鳴っているヴァイブ音も印象的で効果的な使い方がなされている。 曲を作ったのはいつもの通り、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンのコンビである。この二人の曲作りに多いのは、トーピンが詞を書きエルトン・ジョンがメロディをつけていくというパターンだが、この「悲しみのバラード」は例外的で、エルトンがメロディと歌詞の一部を先に作り、バーニー・トーピンがそれを曲として完成させたという。[収録アルバム]Elton John / Blue Moves (1976年)Elton John / Live In Australia(1987年)←オーケストラ共演のライヴ・ヴァージョンもおすすめElton John / Elton John’s Greatest Hits Volume II (1977年)←この他、各種ベスト盤にも収録[関連記事リンク] 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(2)へ 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(3)へ 一抹の寂しさを残すエルトンの名曲たち(4)へ 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.10.15
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気まぐれ80s~第16シーズン(その5) 今回は、1980年代前半、ビリー・ジョエル(Billy Joel)による景気のいいナンバーを取り上げてみたいと思います。アルバム『イノセント・マン』からの先行シングル曲としてリリースされた「あの娘にアタック(Tell Her About It)」です。まずは公式のビデオクリップをご覧ください。 大衆受けを狙った感じがしないでもないですが、60年代モータウン風を意識したヴォーカルやホーンが印象的な、ノリのいい1曲です。1980年の「ロックンロールが最高さ」に続き、ビリー・ジョエルとしては2曲目となる全米No.1(イギリスでは4位)のヒットとなりました。 続いてはこの曲のライヴ・ステージでの様子を見ていただこうと思います。一つめの映像は、その当時、1984年のロンドンでのライヴでの模様です。当時まだ30歳代だったビリー・ジョエルですが、なかなか若いですね(笑)。そして何よりも迫力のあるステージ・パフォーマンスです。 [収録アルバム]Billy Joel / An Innocent Man(1983年) イノセント・マン/ビリー・ジョエル[Blu-specCD2]【返品種別A】 イノセント・マン [ ビリー・ジョエル ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.04.04
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米国南部のR&Bサウンドの奥深さの一端を伝える盤 スタックス(Stax)といえば、1957年から1975年代に存在したレーベルで、メンフィス・ソウルやサザン・ソウルなどのレコードを世に送り出した。同レーベルの多くのセッションを支えたバンドが、ザ・マーキーズ(The Mar-Keys)である。ちなみに、このバンド名は、元々は“侯爵”を意味するマーキス(Marquis)から変更されたものとのことである。 メンフィスの高校の同窓生を中心に結成され、白人黒人の混成バンドで、サックス3名という編成のグループだった。上記レーベルのセッション・ミュージシャンとして多くの演奏を残しているが、1961年、スタックス制作の最初のアルバムは、このバンドによる『ラスト・ナイト!(Last Night!)』という作品だった。 先行して発売されたシングル「ラスト・ナイト」は全米3位、R&Bチャート2位というヒットとなった。とはいえ、インスト・バンドということも含め、本盤全体としては、広く大衆受けする楽曲が並んでいるというわけでは必ずしもないかもしれない。それにもかかわらず、この1枚を通してとにかく米南部のディープな演奏が満載なのである。 1.「モーニング・アフター」は、そのディープさの片鱗が序盤からうかがえる1曲で、2分余りでフェイドアウトして曲が終わるのがもったいないと思わせてくれる。ソウルでファンキーなという点では、3.「オールライト・オーケー、ユー・ウィン」、6.「ナイト・ビフォア」、10.「ホールド・イット」などが特に印象的。その一方、5.「ミスティ」は、ジャズ・ピアニストのエロール・ガーナー(参考過去記事)の楽曲。かと思うと、11.「引き潮」のようなムード音楽の定番曲を演奏してみせたりもする。そして、アルバムを締めくくるのはヒット曲の12.「ラスト・ナイト」。米国南部音楽、R&Bの懐の深さが感じられる1枚だと思う。[収録曲]1. Morning After2. Diana3. Alright, O.K. You Win4. Sticks & Stones5. Misty6. Night Before7. About Noon8. One Degree North9. Sack O Woe10. Hold It11. Ebb Tide12. Last Night1961年リリース。 【中古】CD マーキーズ ラスト・ナイト! ODR6760 紙ジャケ /00110 【中古】 【輸入盤】Last Night / Do the Pop−Eye/Mar−Keys ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.07.15
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40年以上を経て明かされたもう一つの『ネブラスカ』 ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)が1982年にリリースしたアコースティック作『ネブラスカ』には、バンドで吹き込んだ音源があると長らく言われてきた。けれども、それが世間に公表されるまでには40年以上の年月がかかった。2025年に発売された『ネブラスカ’82 エクスパンデッド・エディション』に収められた1枚が、『エレクトリック・ネブラスカ(Electric Nebraska)』である。 全8曲、時間にして30分ほどなので、フルアルバムとして成立しないわけでもないが、分量的には少々物足りない(ただしバンドでの録音は全15曲あったという)。今般のこのエレクトリック・ヴァージョンと元の1982年リリースのアコースティック・ヴァージョンを二択にすれば、やっぱりアコースティックということになるだろう。けれども、長い年月を経て陽の目を浴びたこの音源を聴くと心が震える。そして、何よりも、完成度が高いことに驚かされる。 基本的に多くの曲は、元のアコースティック・ヴァージョンのアレンジを踏襲しており、それをバンドで演奏するというのは、ライヴ(例えばこちらのライヴ盤)でも披露されてきた。1.「ネブラスカ」や3.「マンション・オン・ザ・ヒル」に見られるようにエレクトリックさが最小限に抑えられている曲もあれば、エレクトリックならではの新しい魅力がある曲も含まれている。例えば、4.「ジョニー99」のイントロなんかは、本来の『ネブラスカ』よりもカッコよく惚れ惚れする。8.「生きる理由」はリズム感が出ることで、アコースティックとは違う魅力が生まれている。 他方、1982年リリースのオリジナルの『ネブラスカ』には収められていなかった楽曲も見られる。5.「ダウンバウンド・トレイン」は、1984年の『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』に収録されることになった楽曲だが、全く別の曲かと思うほどのアレンジ、激しい曲調と勢いに圧倒される。7.「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」も同名の盤の表題曲となったが、当初のアコースティック・ヴァージョン(参考過去記事)をベースにバンド向けアレンジを施した演奏となっている(曲の雰囲気は明るいロック調ではなく、陰鬱さを湛えた激しいロック調となっているが、よく聴くとドラムスが既に後のヴァージョンに近いものになっているのは興味深い)。ともあれ、単なるアウトテイクではないレベルの高さに驚かされる1枚と言えるだろう。[収録曲]1. Nebraska 2. Atlantic City 3. Mansion on the Hill 4. Johnny 99 5. Downbound Train6. Open All Night 7. Born in the U.S.A. 8. Reason to Believe 2025年リリース。 ネブラスカ '82 エクスパンデッド・エディション [ ブルース・スプリングスティーン ] Bruce Springsteen ブルーススプリングスティーン / Nebraska '82: Expanded Edition 【完全生産限定盤】(4CD+Blu-ray) 【BLU-SPEC CD 2】 ブログランキングに参加しています。時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓
2026.06.18
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これぞギターで表現するロック 1980年、エアロスミスを脱退してソロのプロジェクトを開始したジョー・ペリー(Joe Perry)。そんな彼がジョー・ペリー・プロジェクト(Joe Perry Project)としてリリースした2枚目の作品が、1981年の『忘れじのロックン・ロール(I've Got the Rock & Rolls Again )』だった。前作(過去記事)同様にデヴィッド・ハル(ベース)、ロニー・スチュワート(ドラムス)がメンバーに名を連ねるが、ボーカルはチャーリー・ファーレン(この人物は楽曲作りにも大きく貢献している)に交代し、プロデューサーも変更(前作ではジャック・ダグラスだったのが、今作ではブルース・ボトニック)されている。 前作に比べると、本盤には次のような特徴が認められる。まず、ロックン・ロールへの回帰とも言える傾向が見られ、真っ直ぐにロックしている楽曲が多いという印象を与える。そして、この特徴に伴うものとして、一つには、ジョー・ペリーのギター・プレイがわかりやすい形でより前面に出ていること、もう一つとしては、キャッチーな楽曲が増加していることが特徴になっているように思う。 オープニング・ナンバーの1.「イースト・コースト、ウェスト・コースト」(C・ファーレンの作)は、軽快かつしっかりロックしていて、おすすめの1曲。3.「忘れじのロックン・ロール」は、“ギターでロックン・ロールを表現する”というのはこういうことだ、と言わんばかりのギター・プレイ全開の演奏が聴きどころになっている。アルバム前半(LP盤のA面)では、5.「傷ついた戦士(ソルジャーズ・オブ・フォーチュン)」もギターのカッコよさに溢れている。 アルバム後半(かつてのB面)では、7.「俺たちのロック(リッスン・トゥ・ザ・ロック)」がキャッチーさと真っ直ぐなロックといういい按配の上に成立した好曲(こちらもC・ファーレンのペンによる曲だったりする)。あと、個人的には、10.「サウス・ステイション・ブルース」がなかなかの好みで、派手な印象の曲ではないかもしれないが、ギターに注目して聴きたい1曲だと思う。その他、この文中で触れられなかった楽曲も好曲揃いで、ロック好きには聴き逃がせない好アルバムだと言える。[収録曲]1. East Coast, West Coast2. No Substitute for Arrogance3. I've Got the Rock 'n' Rolls Again4. Buzz Buzz5. Soldier of Fortune6. TV Police7. Listen to the Rock8. Dirty Little Things9. Play the Game10. South Station Blues1981年リリース。 【中古】 忘れじのロックン・ロール/ジョー・ペリー・プロジェクト 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”お願いします! ↓ ↓
2026.07.02
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惚れ惚れする歌声 男が聴いても惚れ惚れする男性ヴォーカルというのは存在する。変な意味ではなくて、まじめな話だ。筆者にもそんなシンガー・ヴォーカリストが何人かいるのだが、このビクトル・マヌエル(Víctor Manuel)はその筆頭である。 ビクトルは、1947年生まれで、スペイン北部出身のシンガーソングライター。フランコ独裁期から現代スペインへの「移行期」を象徴するアーティストの一人とされる。60年代後半からアーティストとしての活動を始め、アナ・ベレン(Ana Belén、公私とものパートナー)と長年デュオで活動しているが、本作のようなソロ作もコンスタントに発表している。 さて、そのビクトルの声であるが、これを描写しようにも言葉が見当たらない。自分自身の言語能力の低さを嘆きたくもなるが、そもそも音を言葉で説明するのは難しいわけで、何ともならない。なので、声質については、興味のある方はぜひ聴いていただき、感じ取っていただきたい。 音楽的な部分は説明できそうなので、付け加えておきたい。アナ・ベレンとのデュオでもたまに見られるのだが、叙情性をたたえたアレンジの曲・演奏が基本である。つまり、明るいポップスではなく、何某かの情景や光景、それも孤独・悲しみ・慈悲などの語を思い起こさせる情景が目前に浮かぶような雰囲気に仕上がっている曲が多い。こうしたアレンジは、詞のストーリーと相まって叙情的な作品に仕上がる、というのがビクトルの諸作に典型的な特徴である。そしてこの叙情性はおそらく、彼の出身地(スペイン北部アストゥリアス)とも関係しているのだと思う。一般にスペインと言うと、明るい太陽の南部や地中海沿岸のイメージであろうが、北部はもっと暗い。そうした意味では、ステレオタイプなスペイン・イメージとはまったく異なる音楽である。 声質の説明ができなかったので、わかりづらいとは思うが、単なる明るいポップスを求めるのではなく、叙情性に富んだ短編映画集を見るような音楽を求める人には、おすすめのアーティストだと思う。そして、筆者のいちばんのお気に入りアルバムがこの『シン・メモリア』(1996年)である。[収録曲]1. Sin memoria ←おすすめ!2. Canción pequeña3. Si todas mis noches fueran como anoche ←おすすめ!4. Cuatro latas de cerveza5. Como no estabas tú6. Agua de la fuente clara7. Yo ya no soy el que soy ←おすすめ!8. Vete pena9. Niño de nadie ←おすすめ!10. Cayó la luna11. Como el agua en un pañuelo12. Laura ya no vive aquí ←おすすめ!1996年リリース。
2009.08.11
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代表的地味盤の真価 ホレス・シルヴァー(Horace Silver)の『ソングス・フォー・マイ・ファーザー』と言えばピンとくる人がいても、ほぼ同じ時期に吹き込まれた『シルヴァーズ・セレナーデ(Silver’s Serenade)』は必ずしもそうではないかもしれない。私的にはホレス・シルヴァーは比較的お気に入りのピアノ奏者なのだけれど、この盤はあまり話題に上らないマイナーな地味盤と言ってよいだろう。ちなみに、ジャケットもまた地味で、にやりと笑ったホレス本人の写真が、なんとも控えめなサイズで配されている。 1963年5月の吹込みで、そのおよそ2か月後に吹き込まれた(ただし発売は先となった)『ザ・トーキョー・ブルース』とメンツは似通っている。具体的には、トランペットがブルー・ミッチェル、テナーがジュニア・クック、ベースがジーン・テイラーといったところだ(なお、ドラムスは『トーキョー~』ではジョン・ハリス・Jr.、本作ではロイ・ブルックスと異なる)。 でもって、この“地味さ”はどこに由来するのか。おそらくは楽曲の派手さとか聴き手にとっての覚えやすさ(インパクト)みたいなものがいま一つ目立たない点にあるのだろうと個人的には思っている。落ち着いて聴けば必ずしもそうは言えない部分もあるものの、一聴した印象では淡々とし過ぎているのかもしれない。 ところが、何回か繰り返して聴けば、きっとその印象は多少変ってくるんじゃないかとも思う。ブルー・ミッチェルとジュニア・クックは、おそらくは故意にわかりやすい演奏を意図しており、奇をてらうことはしていないように見える。その結果だと思うのだけれど、全体の演奏のまとまり具合のレベルが高い。 特にお気に入りの演奏を少し上げておきたい。まずは、表題曲の1.「シルヴァーズ・セレナーデ」の妙なまったり感は、繰り返し聴けば聴くほど中毒症を起こす。さらに、ジュニア・クックのソロがなかなかいい。もう一つ挙げておくと、やはりまったり感がどこか漂う4.「ザ・ドラゴン・レディ」は、東洋風と言われたりするが、1.に通ずるものをどこかに感じる。こちらの方はクックのソロも悪くはないのだけれど、シルヴァーのピアノに加え、個人的にはブルー・ミッチェルのさりげない、変に凝らない演奏が案外気に入っている。[収録曲]1. Silver's Serenade2. Let's Get to the Nitty Gritty3. Sweet Sweetie Dee4. The Dragon Lady5. Nineteen Bars[パーソネル、録音]Horace Silver (p), Blue Mitchell (tp), Junior Cook (ts), Gene Taylor (b), Roy Brooks (ds)1963年5月7日(1.と5.)、同8日(2.~4.)録音。 【メール便送料無料】Horace Silver / Silver's Serenade (リマスター盤) (輸入盤CD) (ホレス・シルヴァー) 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2018.05.08
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ハスキーで情感豊かなヴォーカルにK.O. 最近のお気に入り歌手の一人がスペイン人女性シンガーのマルー(Malú)。本名はマリーア・ルシーア・サンチェス・ベニーテス(María Lucía Sánchez Benítez)と言い、1982年マドリード生まれ。父はカンタオール(フラメンコ歌手)のぺぺ・デ・ルシーアで、かの有名ギタリスト、パコ・デ・ルシーア(パコ・デ・ルシア)の兄に当たる人物。つまり、マルーはパコ・デ・ルシーアの姪っ子というわけで、スペイン伝統の音楽一家に育ったということになる。 マルーのデビューは1998年。デビュー・アルバム『アプレンディス』発表後、スペインとラテンアメリカを回る世界ツアー、ディズニーの映画『ムーラン』の主題曲(「リフレクション」)をカバーして話題になる。その後も1~2年おきにコンスタントにアルバムを発表をし続け、これまで8枚のオリジナル作、2枚のライヴ盤、1枚のベスト盤をリリースしている。2009年のアルバム『ビベ』はリリースと同時にU2に次ぐ第二位につけるという好セールスを記録し、2010年の『ゲラ・フリーア』は初登場1位となるなど、スペインでは抜群の売れ行きを示している。 ここ1年ほど、何枚かのアルバムを徐々に入手し、少しずつ聴いているのだけれど、中でもイチオシなのがこの「アオラ・トゥ(今度はあなたが)」という曲だ。最初に聴いたアルバムはメキシコで収録されたライヴ盤(『インティマ・ゲラ・フリーア』)だった。この時点で、いい曲だなと思ったのと、根本的にマルーの歌唱力が素晴らしいということは実感できた。しばらくして、オリジナル・アルバム(『ゲラ・フリーア』)でのこの曲を聴いたのだけれど、筆者の中でのこの曲の評価はウナギ登りとなった。 スペイン・ポップスというと、どこか垢抜けないイメージを持つ人もいるかもしれない。80年代ぐらいまでは確かにそうだった(それはそれで個人的には好きなのだけれど)。けれども今時は、そしてこのマルーという人はすっかり垢抜けている。録音当時、20代後半だったマルーの声は、溌剌と言うよりも熟した大人の声をしている。そのハスキーがかった声でもって情感たっぷり、迫力たっぷりの歌いっぷりが、よく集約された曲の一つがこの曲のように思う。 父親や叔父がやっている音楽(フラメンコ)とは直接的には関係のない普通のポップ音楽をやっている彼女だが、“魂で歌う”という点はしっかり受け継いでいるといったところか。興味を持った方は↓こちらの映像↓でお試しいただきたい。 [収録アルバム]Malú / Guerra fría(2010年)Malú / Íntima guerra fría(2011年) 【輸入盤CD】【新品】Malu / Guerra Fria 下記ランキングに参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2012.06.19
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心機一転の春にお勧めの1枚 ~PART 2~ パート2の今回は、少し時代をさかのぼって1977年、エルヴィス・コステロ(Elvis Costello)がまだ若干22歳で制作したデビュー・アルバム『マイ・エイム・イズ・トゥルー(My Aim Is True)』。“これのどこが春のアルバムなの?”という声も聞こえてくるかもしれないが、筆者にとっては心機一転の春を想起させるものなのである。まあ、こじつけて言えば、デビュー作で晴々しているから、とでも言っていいのかもしれないが、実のところは、たまたまある年の4月のこの時期の印象に残る聴き方をしたから、個人的にはこの時期を思い起こさせるアルバムになったというわけである。 さて、エルヴィス・コステロというのはむろん芸名で、彼の本名はデクラン・パトリック・アロイシャス・マクマナス(Declan Patrick Aloysius MacManus)。このステージネームはかのエルヴィス・プレスリーの“エルヴィス”と父方の祖母の旧姓(アイルランド系に多い苗字)を組み合わせたというもの。そのようなわけで、本盤のジャケットは真ん中に彼自身の写真(黒縁メガネで決してカッコいいとは形容しがたいたたずまいでギターを抱えてポーズをとっている)の周囲に“KING ELVIS”の文字が散りばめられたデザイン(下のジャケ写ではよく見えないけれども、写真周囲の白黒部分にサブリミナルっぽい感じでこれらの文字が散りばめられている)となっている。これで売れなければ、末代まで恥ずかしいデザイン(?)だったが、英チャート14位、USでは32位という記録を残した。さらにこれ以後のアルバムが次々とヒットを飛ばす中、本作『マイ・エイム・イズ・トゥルー』は一層評価を高め、今ではロックの名盤選などでもよく取り上げられるアルバムになっている。 デビュー当時のエルヴィス・コステロといえば、“怒れる若者”のイメージが強いかもしれない。実際、デビュー当初は日本でも学生服でトラックの荷台でパフォーマンスということもあった。けれども、本盤を落ち着いて聴けばわかるように、パンク系である種過激な部分というのは、重要な一部ではあるがすべてを言い当てているわけではない。 その代表格は本盤収録の名曲5.「アリソン」であろう。その他にもメロディ・メイカーとしてのコステロのよさが耳につく。パンク・ロック的捉え方は、おそらくはそうした曲そのものの出来とは別に、当時のシーンの状況プラスやや粗めのバンド演奏と時に勢いのついたヴォーカル・スタイルから連想された部分なのだろう。いまの時代から落ち着いて聴き直せば、筆者には曲のよさの方が目立っているように感じることが多い。 超有名曲の5.「アリソン」以外に気に入っている曲を挙げていくと、1.「ウェルカム・トゥ・ザ・ワーキング・ウィーク」、3.「ノー・ダンシング」、6.「スニーキー・フィーリングス」、先行デビュー・シングルとなった8.「レス・ザン・ゼロ」(ただしシングルは別バージョン)、11.「アイム・ノット・アングリー」、さらには、13.「ウォッチング・ザ・ディテクティヴス」(この曲は日本盤、米盤でのみ収録)。あと、後々の再発盤の中には追加曲のあるものも売られていて、上記デビュー・シングル(「レス・ザン・ゼロ」)のB面になった「レディオ・スイートハート(Radio Sweetheart)」という曲を収録しているエディションもある。短い曲だが、これも結構お勧め。[収録曲]1. Welcome To The Working Week2. Miracle Man3. No Dancing4. Blame It On Cain5. Alison6. Sneaky Feelings7. (The Angels Wanna Wear My) Red Shoes8. Less Than Zero [album version]9. Mystery Dance10. Pay It Back11. I'm Not Angry12. Waiting for the End of the World13. Watching the Detectives1977年リリース。 【送料無料】マイ・エイム・イズ・トゥルー +1/エルヴィス・コステロ[SHM-CD]【返品種別A】【smtb-k】【w2】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2012.04.04
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創作意欲溢れ過ぎの本作を聴き手はどう受け止めればよいのか ~前編~ イエス(Yes)というグループの名を聞いて、多くの人がはじめに思い浮かべるのは、『こわれもの(Fragile)』(1971年)や『危機(Close To The Edge)』(1972年)といった盤ではないだろうか。もちろん、これらの作品は超名盤であり、彼らの頂点を示す代表作と言ってよいと思う(特に筆者は『危機』が好きである)。そして、というか、それゆえに、その陰であまり注目されないのが、これらよりも少し後にリリースされた『海洋地形学の物語(Tales From Topographic Oceans)』という2枚組の大作である。 イエスは、ジョン・アンダーソンを中心に結成され、1969年に最初のアルバムをリリースした。当初はサイケでジャズ的という、幾分わかりにくい音楽性だったが、上述の『こわれもの』と『危機』という、見事な緊迫感とアンサンブル、完成された演奏技術で頂点を極めることになる。そうして成功を収めた彼ら(というか主にメンバーのアンダーソン)が、大作志向を押し進めて1973年末に発表したのがこの『海洋地形学の物語』だったという流れである。 このアルバムには、“何度聴いてもよくわからない”、“難しすぎる”といった定評(?)がある。そもそも2枚組なのにたったの4曲入り(つまりLPではA面~D面の各盤面に20分前後の曲が1曲ずつ収録)という構成からして実に大仰である。創作意欲溢れる、というか、これはさすがに溢れ過ぎで、曲名も(英語も翻訳の邦題もどちらとも)何とも仰々しいものが並ぶ。いやはや、筆者自身も、この難解とされるアルバムを本当に理解しているのかと訊かれれば、我ながら定かではない。 でも、ちょっと立ち止まって考えてみたい。“音楽を理解する” (ジャズ・ファンに多い物言いだが、プログレなどでもわりとよく耳にする)という狭い了見に囚われる必要はないんじゃないだろうか。通常、音楽作品は“正しく理解される”ためにそこにあるわけではない。言い換えると、聴き手は聴き手なりの解釈や理解をするのであって、その受け止め方は人それぞれでいいように思う。 しからば、“名盤”とは何なのか。おそらく、そうした人それぞれの独自の観点での評価が積み重なって、素晴らしいと思う人が多ければ“名盤”や“名作”と呼ばれるようになるのだろう。その一方で、世間では“駄盤”と言われつつも、その盤が誰か別の人の心を打つ(その聴き手にとっては“名盤”と化す)ことだってあり得るように思う。たぶんこのことは、音楽に限らず、文学作品や絵画等の芸術的創作に共通して言えるような気がする。ある意味で、創作物(芸術的作品)は、それを作製した人の手を離れ、鑑賞者や読者、あるいは聴き手の手に渡ったとたん(言い換えれば、展覧会で人目に触れたり、レコードやCDなどとして発売されたとたん)、作者の意図のみに捉われず、様々な解釈や理解がなされていく運命にある。つまりは、人目に触れたとたん、それぞれの受け止め方をされ始めることになる。 1回での掲載にするには、少々長くなりそうなので、続きは後編に(収録曲の情報等は次回記事更新の際に掲載します)。 関連記事リンク: イエス 『海洋地形学の物語』(後編)へ 【送料無料】海洋地形学の物語/イエス[CD]【返品種別A】 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.09.17
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ジョン・レノン2世のデビュー盤 ジョン・レノンが凶弾に倒れたのは1980年12月8日。ちょうど70年代から80年代へと時代は移り変わってゆくところだった。大雑把に言えば、60年代にビートルズ、70年代にソロ活動と進んできたジョンのキャリアはここで途絶えた。 その何年か後、“ジョン・レノン2世”が音楽界に登場する。ジョンの息子で、当時20歳過ぎだったジュリアン・レノン(Julian Lennon)である。ジョンの息子と言っても、オノ・ヨーコの子ではなく、前妻シンシアとの間に生まれた子で、ビートルズの有名曲「ヘイ・ジュード」のモチーフになった人物としても知られる(ジュードはジュリアンのことを指し、親の離婚という状況下でこの子を元気づけるためにポール・マッカートニーが作った曲だったとされる)。 アルバムのプロデュースは、先頃(2013年3月)亡くなったフィル・ラモーン。このプロデューサーは、若い頃にはジョン・コルトレーン作品や『ゲッツ/ジルベルト』などのジャズ盤に携わっており、70年代半ば以降はビリー・ジョエルなどのアルバム・プロデュースで成功・活躍した人物で、“伝説の”プロデューサー、“CDの先駆者”と呼ばれる。彼のプロデュースのもと、自作曲中心(1.と2.は共作、9.のみ他からの提供曲)のラインナップでなかなかの佳作アルバムに仕上がっている。 当時しばしば話題にあがったのは、このジュリアン・レノンの風貌、そして聞こえてくる音楽を、父ジョンと比較したようなコメント。確かに、見た目も父親の面影がよく残っているし、ヴォーカルやポップ・センスそのものまで、どこか“ジョンの香り”がする。もちろん、ジョン・レノンその人ではないので、余計な期待は禁物だけれど、面影を楽しむくらいはいいような気もしないではない(本人にとってはこの手のものってすべてがプレッシャーだったのだろうけれど)。 個人的に気に入っている曲は、ジョンを彷彿とさせるヴォーカルが印象的な表題曲の1.「ヴァロッテ」、孤独感のよく表れたアレンジが特徴の7.「ロンリー」、軽快でストレートな8.「セイ・ユア・ロング」といったところ。あと、自作ではないが、9.「ジェシー」はその作者がジュリアンにあうと考えて提供した曲とのことで、なるほど彼の声にぴったりの好曲だと思う。[収録曲]1. Valotte2. O.K. For You3. On The Phone4. Space5. Well I Don't Know6. Too Late For Goodbyes7. Lonely8. Say You're Wrong9. Jesse10. Let Me Be1984年リリース。 【当店専用ポイント(楽天ポイントの3倍)+メール便送料無料】ジュリアン・レノンJulian Lennon / Valotte (輸入盤CD)(ジュリアン・レノン) 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2013.08.27
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2015.02.21
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急ごしらえながら、新旧入り乱れて楽しめる1枚 ザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)は、1961年結成のアメリカのロック・グループ。大雑把に言えば、ビートルズと同時代に始まったバンドというわけで、実際、60年代にはビートルズとの間に音楽面での相互の影響関係も見られる(過去記事『ペット・サウンズ』を参照)。けれども、ビートルズが70年に解消されたのに対し、ビーチ・ボーイズは何十年も続いた。続いたと言っても、メンバーは入れ替わったり、年月とともにオリジナル・メンバーは死去したり、互いにもめごとがあったりといろいろありながらも、一応解散宣言というものはなく、現在まで一部メンバーで活動が続いている。 本盤『スティル・クルージン(Still Crusin’)』は、1989年リリースの通算35枚目(編集盤含む、オリジナル・アルバムとしては26枚目)のアルバム。上記のような経緯がありながらも“まだやってるよ”的ないい加減なタイトルのアルバムと言えなくもないが、今述べた発表アルバムの枚数を見るだけでも、その芸の長さ(?)がよくわかろうというものだ。 とはいえ、1980年代のビーチ・ボーイズは順風満帆ではなかった。1980年代に入る頃には、カール・ウィルソンが一時バンドを離脱しソロ活動に専心し、その後、1983年には、デニス・ウィルソンが溺死。一応、脱退したわけではなくバンドの所属となっていたブライアン・ウィルソンは、長年の低迷から抜け出しようやく復活していく時期だったが(1988年の復帰作『ブライアン・ウィルソン』)、逆にこの復帰作のせいでソロ活動の方に忙しい状況だった。 こうした前後の状況だったが、トム・クルーズ主演の映画『カクテル』から「ココモ」という大ヒット・シングルが生まれ、全米1位となる。何といっても「グッド・ヴァイブレーション」(1966年)以来、22年ぶりという全米No.1ヒットとなったシングル曲である。ところが、実際のところはメンバーも忙しく、十分にアルバム1枚が作れるだけの曲は用意できなかったというのが実情だったようだ。そのようなわけで、8.「アイ・ゲット・アラウンド」、9.「素敵じゃないか(Wouldn’t It Be Nice)」(『ペット・サウンズ』に収録)、10.「カリフォルニア・ガールズ」という、60年代のヒット曲を採録して全10曲となっている。とはいえ、シングル・ヒットの人気につられる形で、結局はこの急造アルバムも結構売れ、米・豪でゴールドディスクとなった(ただしアルバム・チャートでは全米46位止まり)。 そのようなわけで、アルバム作品としての完成度は確かにあまり高くないのかな…というのが正直な感想。表題曲の1.「スティル・クルージン」をはじめ、3.「アイランド・ガール」、上記ヒット曲5.「ココモ」といった辺りは、“トロピカルにヴァカンス”といった風情で、この辺りが聴きどころかと思う。まあ、不揃い感は他の映画曲や上記の古い曲を混ぜているからやむを得ないところだが、筆者にとっては、なぜかこのヴァカンス気分に誘われて、夏になると一度はCD棚からひっぱり出して聴きたくなるという1枚だったりする。ついでながら、80年代末には、60年代の彼らのヒット曲を知らない世代もそうとう本盤を手にしただろうから、そういう意味では8.~10.の収録も悪くなかったのではないだろうかと想像してみたりもする。[収録曲]1. Still Cruisin'2. Somewhere Near Japan3. Island Girl4. In My Car5. Kokomo6. Wipe Out7. Make It Big8. I Get Around9. Wouldn't It Be Nice10. California Girls1989年リリース。 【中古】スティル・クルージン/ザ・ビーチ・ボーイズCDアルバム/洋楽 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2013.07.28
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都会のロック?? メキシコの音楽界には“ロック・ウルバーノ(rock urbano)”と呼ばれるジャンルが存在する。英語に直訳すると“アーバン・ロック”なのだけれども、この英訳だと、おそらくはとんでもない誤解を与えることになる。英語で“アーバン・ロック”という響きを聞けば、多くの人は都会的で洗練された、おそらくはコンテンポラリー・ロックやAORのようなものを想像するに違いない。ところが、メキシコの“ロック・ウルバーノ”とは、そのイメージとは一味も二味も違っている。それは、都市の貧困層や決して裕福ではない若者たちをターゲットにしたもので、そうした層から主に支持されるロック音楽である。そして、この“ロック・ウルバーノ”というジャンルには、ベタでB級ロック的なバンドが数多く存在する。 そうしたバンドのアルバムを多く世に送り出しているメキシコのレーベルにDENVERというのがある。このレーベルは他のメジャーレーベルよりもCDの価格を低めに設定し、低所得層の若者をターゲットにした音楽を多く提供している。アラガン(Haragán)やリラン・ロール(Liran'Rol)といったアーティストがこのレーベルで活躍する筆頭だ(ただし、リラン・ロールは長年ここに属した後、しばらく前に他レーベルへ移籍した)。前掲のEL TRI(参考記事(1) ・(2) )もメジャーデビュー前の前身、スリー・ソウルズ・イン・マイ・マインド時代はこのレーベルからアルバム(当時はいかにもアングラなレコードやカセット)を出していた。何年か前、久々に興味を持ったバンドをこのレーベルで見つけた。それが今回のカリフォルニア・ブルース(California Blues)で、それ以来少しずつアルバムを探索している。 カリフォルニア・ブルースという名前でも、別にメンバーがカリフォルニア出身とかいうわけではない(もしかしてロイ・オービソンの曲と関係あるのだろうか?)。メキシコシティ出身の若者たち(マヌエル、ラミーロ、アルフレドのラジョ3兄弟)が他のメンバーを加えつつ形成されたバンドで、元はカルマ・ブルース(Karma Blues)と名乗っていたらしい。やがて2002年に上述のDENVERレーベルと契約し、『ア・トラベス・デ・ラ・ベンタナ(A través de la ventana)』でデビュー。メキシコシティとその郊外を中心に活動を続けている。 本盤『マヒア(Magia, マジックの意味)』は、2006年にリリースされた第6作(ライヴ盤を除くとたぶんこの枚数と思われる)にあたる。この時点でのメンバーは、アルフレド・ラジョ(Alfredo Rayo, ヴォーカル)、ホセ・アンドレス・パニアグア(José Andrés Paniagua H., ドラムス)、ホセ・グアダルーペ・バレンティネス(José Guadalupe Valentines, ベース)、エルネスト・ゲレロ(Ernesto Guerrero, ギター&コーラス)の4人。なお、2013年現在はドラマーが交代したのと、ギタリストがもう1人加わって5人組で活動中とのこと。 注目曲としては、1.「ペルドナメ(許しておくれ)」、3.「クアンド・カミーナス・エン・ラ・アビタシオン(部屋を歩くとき)」は、このバンドのトーンがよく出ている好ナンバー。8.「ニ・ウン・モメント・キエロ・ペルデール(一瞬たりとも逃したくない)」はいかにもベタなロック・バラード調。スロー系ではもう1曲、恋人との別れを未練たらしく(?)歌う6.「エサ・ベス(あの時)」のベタさ加減もなかなかよい。 上でB級ロックなどという言い方をしたが、別に馬鹿にしているわけでも何でもない。B級映画はその愛好家を抱える立派なジャンル(?)であるし、ジャズなどに目を向けても、“B級”と呼ばれる好演奏者や好盤はそれこそ数多く存在する。概ね、そういった“B級”ものには、“ハマるツボ”みたいなものがあって、一度ハマると抜け出しにくくなるらしい。もうおわかりだろうが、筆者は“ロック・ウルバーノ”にハマってしまっている。日本では入手しづらいのだけれど、何かの機会に聴いたという方からの感想、お待ちしています(笑)。[収録曲]1. Perdóname2. Atrapado3. Cuando caminas en la habitación4. Enamorado5. Esa vez6. Condenado7. Mi única esperanza8. Ni un segundo quiero perder9. Que solo estoy10. Ayer soñé2008年リリース。 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓
2013.08.28
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“華麗なる反則技”の名曲シングル 周知のように、ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)はロックの代名詞的な老舗バンド。1963年のデビューだから、来年でデビュー50周年の区切りを迎える。現代的な意味でのロックの創成期に黒人音楽を積極的に取り入れ、その功績は本当に計り知れない(参考過去記事:『アフターマス』、『ベガーズ・バンケット』、『レット・イット・ブリード』)。 すっかりブランドと化してしまった90年代以降のストーンズには、正直なところ、筆者個人としてはあまり興味がない。そもそもジョン・レノンだって、ビートルズのことを“いつまでも同じままじゃいけない、さもなきゃ博物館行きだ”みたいな発言をしていたではないか。にもかかわらず、ストーンズは60歳を超えても、いやはや70歳になろうとしても(ミックとキースは来年2013年で70歳になる)、同じようにストーンズであり続けている。こうなりゃ、良くも悪くも生ける博物館だ。そう考えれば、何でもありという発想もあり得るのかもしれない。そんなストーンズが思わぬ“反則技”を披露してくれたのが、この90年代のシングル曲である。 ザ・ローリング・ストーンズというバンド名は、いまさら言うまでもなく“転がる石たち”の意。もともとこのバンド名は、シカゴ・ブルースの巨星マディ・ウォーターズの曲から採られたもので、初期のバンド・リーダーであったブライアン・ジョーンズ(1969年急死)による命名であった。 ストーンズのデビューから数年、フォークの貴公子ボブ・ディランは“ロック転向”を果たし、60年代を代表するかの記念碑的名曲「ライク・ア・ローリング・ストーン」を1965年に発表する。言うまでもなく、この曲のタイトルは“転がる石の如く”の意味である。ローリング・ストーンズは、自らのバンド名と重なり合うこの曲を、ライヴでやるだけならまだしも、シングル化して1995年にリリースしてしまったというわけである。 肝心の演奏はというと、案外、ふつうである。とりたてて奇抜なアレンジをするでもなく、ストーンズらしさを無理に押し出すわけでもなく、どちらかと言えばシンプルかつ忠実に往年の名曲を演奏してます、という感じ。まあ、聴き手の方も60年代後半から70年代初頭にかけての革新性みたいなものを求めているわけでもなければ、ストーンズ自身もそれを自覚の上でやっているのだろうから、それはそれでよいのだ。定番の古典を大御所の歴史あるバンドが演奏する。その組み合わせだけで聴衆に“うける”ことを分かった上でのシングル・リリースだったということだろう。 とまあ、オールド・ファンの目にはそう映るのかもしれないのだが、よく考えてみると、違う一面もあるのかもしれない。“ディラン、それだあれ?”、“この曲って昔の名曲なの?”という新しい若年ファン層にとっては、90年代のこの曲のリリースは、60年代の遺産の伝道者という側面もあったのかもしれない。自分たち(ストーンズ)が生きた、もしくは作り上げた時代のものを、数十年後に自ら伝える役割も果たすという奇妙なことになってしまっているが、そういう狙いももしかしてあったのだろうか…。 なお、このライヴ・テイクは前年(1994年)の作品『ヴードゥー・ラウンジ』に伴うツアーの音源を収めたもの。収録のアルバム(『ストリップトStripped』)は、ストーンズ初のアコースティック盤でライヴ・テイクとスタジオ・テイクの混合盤だが、この「ライク・ア・ローリング・ストーン」はフランス、パリのオランピア劇場での演奏とのこと。あと、この曲は1995年(日本では翌96年)公開されたS・スタローン主演の映画『暗殺者』のテーマにも用いられた。[収録アルバム]The Rolling Stones / Stripped (1995年) 【Aポイント+メール便送料無料】ローリング・ストーンズ Rolling Stones / Stripped (輸入盤CD)【YDKG-u】 【バンドグッズ/ミュージックグッズ】正規ライセンスグッズローリングストーンズRolling Stonesミニ缶バッヂB-0943【あす楽対応】ポストカード【音楽】ローリングストーンズ / Lipsローリング・ストーンズ Rolling Stones Warhol Tongues メタルカンバッチ (100110)メール便利用可¥3800以上のお買上げで送料無料!【1500円】THE ROLLING STONESインポートT-shirts!夏には必要不可欠Tシャツがこの価格!大人気Tシャツ!2color【1500円】THE ROLLING STONES T-shirts♪Tシャツ♪夏服♪ロック♪BunnyT-shirts♪ローリングストーンズ 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2012.05.14
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深まる秋にいろんな「枯葉」を(その3) 前回(その2)のカーティス・フラーとズート・シムズによる「枯葉」でピアノを演奏しているのは、トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)でした。それで思い出したわけですが、彼がリーダーとなって吹き込まれた今回の「枯葉」も忘れられません。 トミー・フラナガンは、1970年代後半、スーパー・ジャズ・トリオ(Super Jazz Trio)なるトリオを結成しますが、そのトリオでのスタンダード曲集(『ザ・スタンダード』)に収録されている「枯葉」です。 ベースはレジー・ワークマン(Reggie Workman)、ドラムはジョー・チェンバース(Joe Chambers)から成るトリオです。イントロにひと工夫、さらに曲の進行もひと工夫で、全体としてはありがちなきれいな流れになるのを敢えて崩したかのような演奏が特徴です(この辺は好き嫌いや評価が分かれるかもしれません)。そうした演奏の中で、トミー・フラナガンの繊細で美しいピアノ・ソロが映えています。[収録アルバム]The Super Jazz Trio / The Standard(1980年録音) 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ザ・スタンダード [ スーパー・ジャズ・トリオ ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2015.11.04
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リラックスして楽しむ、ブルージーな演奏 ジミー・スミス(Jimmy Smith, 1925年生まれ、2005年没)はジャズ・オルガン奏者として、ブルーノートやヴァ―ヴに多くの吹き込みを残した。売れっ子奏者だっただけに、作品の数も多く、どれも変わらないんじゃないかという懐疑的な声もあるかもしれない(実際にはアーシーな感じなのとコッテリな感じなのとにその作品は大別される)。けれども、深みにはまればはまるほどさらに作品を聴きたくなるという点において、案外、“金太郎飴”などと揶揄されるピアノ奏者のレッド・ガーランド(参考過去記事(1)・(2))に似た中毒性があるのではないかと個人的には思っていたりする。 さて、本盤『ホーム・クッキン(Home Cookin’)』は、1958年7月から翌59年の6月にかけて、実に1年近い歳月をかけて3回にわたってレコーディングされた内容が収められたブルーノート盤である。基本は、同じブルーノートの人気ギタリストであったケニー・バレル、さらにはドラムのドナルド・ベイリーを従えたトリオ編成。さらに曲によってはパーシー・フランスなるテナー・サックス奏者が加わっていて、テナー入りのリーダー作はスミスにとってこれが初めての試みだった(その後、この試みはスタンリー・タレンタインと組んだ『ミッドナイト・スペシャル』や『バック・アット・ザ・チキン・シャック』の成功にもつながることになる)。ちなみに、このパーシー・フランスというサックス奏者はあまり活躍しなかったらしく詳しいことはよく分からないが、本盤を聴く限り、音色は無難ながらも、哀愁あるいいフレーズを吹いている。 思うに、本盤の最大の特徴は、“気負いなきブルース”。実際にはブルース形式ではない曲もあるものの、とにかくブルース(あるいはブルージーな曲)を、落ち着いてリラックスした雰囲気でやっている。録音日は、シングル盤制作を念頭に置いていたためか、1年近い期間に分散している。しかし、結果的に“家庭料理”なるタイトルのアルバムとして、見事にまとまった内容に仕上がっていて、ブルース(もしくはブルージーな曲)を、力むことなく見事に“料理”している。ちなみに、ジャケットは、ニューヨークはハーレムのアポロ・シアター近くにある店の写真。実際にミュージシャンたちが演奏の合間や終了後に行っていた店で、“ケイトのホーム・クッキング”の文字とともにジミー・スミスが写真に写り込んでいる。 全体としてのまとまりで聴く盤とは思うものの、個人的にお気に入りの演奏をいくつか挙げておこう。テンポを落としてまったりとした1.「シー・シー・ライダー」は、このアルバム全体のトーンをよく表現している。全体のブルージーな雰囲気の盛り立て役として欠かせないのはギターのケニー・バレルだが、そのバレルとスミスの掛け合いが前面に出ているのが3.「アイ・ガッタ・ウーマン」。さらに、4曲(ボーナストラックを入れると5曲)で参加のパーシー・フランスの活躍が特に目立つのは、5.「グレイシー」で、この哀愁いっぱいのフレージングもなかなかいい(この人の演奏を聴いていると、この後でジミー・スミスがスタンリー・タレンタインと録音を行った理由というか動機がなんとなくわかる気がする)。 まあ、こってりした“いかにもオルガン・ジャズ”風なものを期待するとがっかりする人もいるかもしれないが、上に掲げた通り、“リラックスかつブルージー”というのが身上のアルバム。これにはまり始めると、ジミー・スミスから抜けられなくなるアルバムという形容が意外に本盤にはあうかもしれない。 [収録曲]1. See See Rider2. Sugar Hill3. I Got a Woman4. Messin' Around5. Gracie6. Come on Baby7. Motorin' Along~以下、CDでの追加トラック~8. Since I Fell for You9. Apostrophe10. Groanin11. Motorin' Along -alternate take-12. Since I Fell for You -alternate take-[パーソネル、録音]Jimmy Smith (org)Percy France (ts, 1., 4., 5., 6., 9.のみ)Kenny Burrell (g)Donald Bailey (ds)1958年7月15日(7., 8., 11., 12.)1959年5月24日(3., 10.)1959年6月16日(1., 2., 4., 5., 6., 9.) ホーム・クッキン+5/ジミー・スミス[CD]【返品種別A】下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.07.10
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ハノイの曲を思い出す ~その3~ これまで「マリブ・ビーチの誘惑」、「白夜のトラジディ」という、メジャー・レーベル進出前の楽曲を見てきた。第3回目の今回は、CBSと契約して1984年にリリースし、全米進出を図ろうとしたアルバム『トゥー・ステップス・フロム・ザ・ムーヴ』から冒頭の1曲、「アップ・アラウンド・ザ・ベンド(Up Around The Bend)」を取り上げたい。 この曲名を見てお気づきの方も多いだろうが、CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル、彼らについてはこちらの過去記事を参照)のアルバム『コスモズ・ファクトリー』に収められ、シングル(1970年発表)としてもよく知られる名曲である。なぜ全米進出に際して、彼らがこれほど古典的な曲を選んだのかは戦略的によくわからない。こういう有名曲をやるのはセールス面では聴衆への“挑戦”にもなり得る。アンディ・マッコイ(ギター)が語っているところによると、メンバーのナスティ・スーサイド(ギター)が好きだった曲で、リハーサル中にジャムってたらよかったからライヴでやってみて、その上でアルバムに入れることを思いつくに至ったと言う。いずれにせよ、CBSの売り込み方は熱の入ったもので、この曲を先行シングルとして発売し、限定版にはバンドロゴのタトゥー・シールを入れ、通常のシングル盤以外に12インチ盤など複数のシングル盤をリリースしている。 原曲よりもややテンポが速いものの、全体のアレンジは極端に原曲から離れてしまっているわけではない。なのにどこかハノイ的に仕上がるのが実に不思議だ。泥臭い米国南部っぽさが特徴のCCRと、フィンランド出身で明るくエネルギッシュなハノイ・ロックス。どう考えても相いれなさそうな両者の対比がそのまま原曲とハノイのヴァージョンの違いになっているように思う。 「マリブ・ビーチの誘惑」の項でも書いたが、ハノイ・ロックスにはいい意味での遊び心があり、それが型にはまらない彼らの音楽性を築く大きな理由となった。今回の曲も、上述のエピソードからすると、戦略的なことは何も考えていなかったのかもしれない。演ってみたらよかったからアルバムに収めた、結果、気がついたらシングルとしても発売されることになっていた、という程度のことだったのかもしれない。しかし、結局のところ、このカヴァー・ヴァージョンはハノイ・ロックスの実力が見事なまでに透けて見えることになった。カヴァー曲で大事なのは、“原曲の方がいい”とか“原曲にかなわない”とかいった感情を聴き手に感じさせないことである。筆者の個人的意見としては、原曲を“超える”必要はない。原曲とは別個のものとして“聴きたい”とこちらが思わせられるかどうかだ。その意味において、ハノイの「アップ・アラウンド・ザ・ベンド」は、この基準を満たしている。 このヴァージョンを聴いてもう一つ心によぎるのは、(実はこの曲を含むアルバム『トゥー・ステップス・フロム・ザ・ムーヴ』全体がそうだとも思うのだが)演奏力の向上と貫禄がついてきたことである。初期の楽曲に時折見られた“雑さ”や“しょぼさ”が、この頃の演奏ではすっかり消え去りつつある。だからといって彼らが音楽的に守勢に入ったというのでもない。どこか能天気さを含んだ明るさ、自由奔放さと自由な発想、若さのエネルギーはそのまま続いている。先が見え透いた結論で申し訳ないが、やっぱり彼らのこのキャラクターがそのまま「アップ・アラウンド・ザ・ベンド」の明るさに通底しているのだと思う。[収録アルバム]Hanoi Rocks / Two Steps From The Move (1984年リリース)ハノイ・ロックス / ミリオン・マイルス・アウェイ~ハノイ・ロックス・ベスト (日本限定ベスト盤)その他、各種ベスト盤類にも収録[関連過去記事リンク]ハノイの曲を思い出す~その1~「マリブ・ビーチの誘惑」 へハノイの曲を思い出す~その2~「白夜のトラジディ」 へ 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2010.05.12
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30万アクセス記念~いま聴きたいこの1曲(その4) 関東や関西もすっかり冷え込んできました。だからというわけでもないのですが、第4回目はこちらの「ライフ・イン・ア・ノーザン・タウン」という曲。日本語にすれば、“ある北の町での暮らし”。そのせいか、寒く晴れた日の朝がよく似合うという印象のあります。 1985年、ドリーム・アカデミー(The Dream Academy)という英国のバンドがデビューとともにヒットさせた曲で、バンドのセルフ・タイトル作(デビュー作)に収められています。 どうやらこれには世界的ヒット以前の“初期ヴァージョン”というのも存在するそうです。私自身はこの映像が脳裏のあったのですが、気のせいでしょうか。確かメンバーがこういう曲想のおかげで寒い中でのロケだったとか発言していたような記憶があります。 このドリーム・アカデミーというバンドは、このデビュー当時から、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアのサポートを受けていて、解散後もメンバーの中にはピンク・フロイドの作品に参加したりしました。 【送料無料】【輸入盤】 Dream Academy [ Dream Academy ] 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2012.12.02
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80年代のクラシック、極上のポップ・アルバム もう四半世紀も前のこと。シンディ・ローパーが米音楽シーンに登場した時、あの派手ないでたちを見て「ゲテモノ」と思った人も多かったことだろう。「ハイスクールはダンステリア (Girls Just Want to Have Fun)」、「グーニーズはグッド・イナフ」などのあのイメージだ。しかもブレークした時には既に三十路(失礼!)。ピチピチギャル(死語?)が網タイツはいて元気に踊っているというわけでもなかったし…。 さて、シンディの1983年のデビューアルバム『She’s So Unusual(シーズ・ソー・アンユージュアル)』からは、上述の「ハイスクールはダンステリア」のほか、「シー・バップ」、「マネー・チェンジズ・エブリシング」などヒット曲が連発された。しかし、最初に全米No. 1となったシングルが「タイム・アフター・タイム」だったことを忘れてはならない。ポップなノリのよさや、奇抜なファッション性、あの特異なキャラだけでは済まされない、情感たっぷりの極上バラードを歌っていたわけだ。彼女はメジャーデビューの時点で既にこれだけの名作を生み出す素養もしくは歌唱力を、実は十分備えていたのである。 そうした中、1986年に発表されたセカンド・アルバムがこの『トゥルー・カラーズ』であった。手持ちの発売当時のCDの帯には「"トゥルー"に生きるすべての人を、シンディは応援します!」などという、臭いセリフが書かれている。けれど、この売り込み方は(当時は仕方なかったのだろうけれど)、今から見れば大間違いだった。20年以上経った今あらためて聴くと、このアルバムはこんな軽い表現では済まされないくらいの輝きがある。今から帯の文句を変えられるものなら、「これぞ80年代最高のスタンダード!」と書き直したいぐらいだ。 ともあれ、当時はシンディ人気絶頂の真っただ中。女性ヴォーカリストとしてはマドンナとその人気を二分するほどだった。私の身の周りでは、「シンディかマドンナか」という選択肢が、まるで「ユーミン派と中島みゆき派」のごとく存在していた。そんな絶頂の最中、当然のようにこのアルバムからは、表題曲「トゥルー・カラーズ」や「チェンジ・オブ・ハート」といったシングルが大ヒットした。 けれども、アルバム全体や上記のような大ヒットに至らなかった曲にも目を向けて欲しい。本作はまだまだ奥深いのだ。例えば、マーヴィン・ゲイで知られる名曲「ホワッツ・ゴーイン・オン」、ニューオリンズの音楽シーンで繰り返しカバーされてきた「アイコ・アイコ」といった名曲もあり、シンディはそれらを見事に歌いこなしている。単なる誰かのコピーではなく、自分の世界を豊かなヴォーカル力で表現しているところがすごい。シンディのヴォーカルを「七色の声」と評すことがあるが、本作はその評価に見事に合致している。 そのようなわけで、『トゥルー・カラーズ』には、単なる80年代の流行りものという評価では済まされない何かがある。ポップ/ロックなノリからバラード、古典的名曲まで幅広く歌い上げた名盤。いまや定番の「極上のポップアルバム」と言っていいと思う。[収録曲]1. Change Of Heart2. Maybe He'll Know3. Boy Blue4. True Colors5. Calm Inside The Storm6. What's Goin' On7. Iko Iko8. The Faraway Nearby9. 91110. One Track Mind1986年リリース
2009.07.23
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スペイン・ロックと狂女フアナ ホアキン・サビーナ(Joaquín Sabina)は、1949年スペイン南部アンダルシア地方のハエン県出身のシンガーソングライター。若い頃には反フランコ体制の運動に加わりロンドンへ亡命していたが、1977年のフランコ総督死去後に祖国に戻り、1978年に1stアルバムを発表。その後はコンスタントに音楽活動を続けていたが、2001年に軽い脳梗塞を起こし、これが原因でうつ病になる。しかし、現在ではそれも克服し、元気に活動を続けている。スペインだけでなく、ラテンアメリカ諸国でも強い人気を誇り、2011年には初めて米国(NY、ロス、マイアミ)でのライブも敢行した。 狂女フアナ――世界史好きや映画に関心のある人には馴染みのある人物名だろう。スペインの王イサベル(カスティーリャ女王)とフェルナンド(アラゴン王)の娘にして、後に神聖ローマ皇帝となるカール5世およびフェルディナント1世の母。精神不安定の波があり、激しく取り乱したりしたことから“狂女フアナ”と呼ばれるが、一方では、王権をめぐる政争の中、狂女に仕立てられたとの説もあるらしい。彼女の生涯は2001年に映画化(邦題は『女王フアナ』)されている。 さて、「フアナ・ラ・ロカ(狂女フアナ)」はこの曲のタイトルで、こんなところにも歴史上の人物名が登場するところが面白い。ただし、別に歴史上のこの女王のことを歌っているのではなく、堅苦しい生活を捨て奔放に振る舞う“狂女フアナ”のあだ名を持つ女性を歌った、タイトルの割には気軽な曲。ホアキン・サビーナの3rdアルバム『ルレータ・ルサ(ロシアン・ルーレット)』に収録されたものだが、ちょうどこのアルバムからサビーナはロック・サウンドの方に傾いていった。 オリジナル(上記アルバム収録バージョン)の演奏は、今の時代からすると古めかしく、かなり間延びの激しい感じを受ける。けれども、ライブ盤として発表され、後にいくつかのコンピレーションにも収められた1986年のライブ・バージョンは、勢いもあって現在でも十分通用する。筆者は以前からこちらのバージョンが結構好きだったのだが、この動画がアップされているのを見つけたので、興味のある方はついでにお楽しみいただきたい。 [収録アルバム]Joaquín Sabina / Ruleta rusa (1984年) ←オリジナル・バージョン収録Joaquín Sabina y Viceversa / Joaqu?n Sabina y Viceversa en directo (1986年)←ライブ・バージョン収録Rock en tu idioma, Diez años, vol. III (1999年)などコンピ盤にも収録。 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2012.02.21
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気まぐれ80s,セカンド・シーズン(その5)~天才少女の大ヒット曲 前回シリーズで何人か女性シンガー(参考記事(1) ・(2)・(3))を取り上げましたが、今回もその続きをやってみたいと思います。80年代の天才少女と言えば、この人をおいて他にはいない(!)というのが、デビー・ギブソン(Debbie Gibson, 後に本名のデボラ・ギブソンDeborah Gibson)です。 今回取り上げる「ロスト・イン・ユア・アイズ」は全米1位となったヒット・シングル。1986年にわずか16歳にしてメジャー・レーベル(アトランティック)と契約しデビュー。作詞作曲も自分でする、まさしく“天才少女”として脚光を浴びました。ともあれ、1989年にセカンド作からのシングルとして発売され、彼女の代表曲となった同曲のビデオをどうぞ。 曲の内容、歌唱力ともに文句なしと思うのですが、これだけでは、まだまだ彼女の真価ではありません。以下の、その当時のライヴ映像からは、本当に天才少女ぶりが発揮されているように思います。1988年なので当時の彼女の年齢は18歳(恐るべき18歳ですね…)ということになります。 でもって、その後なぜ彼女がシンガーとしてトップを走っていかなかったのか(ミュージカル女優の活動がメインになってしまい、シンガーとして頂点を極め続けなかった)のかが気になります。思うに、実力が足りなかったからではなく、むしろ他を凌駕するほどだったからこそ、これだけをやっていることに飽き足らず、他にも活路をもとめたのではないかと考えたりします。 体よく言えば、“単なるシンガー”では満足しなかったのか。そう思わせてくれるほど、当時のパフォーマンスはずば抜けていたと言う気がするのですが、いかがなものでしょうか。“一発屋”ではなかったことは、同じ時期に吹き込んだもう1曲のお気に入り、「ノー・モア・ライム」からも窺えるのですが、こちらの曲は、また次の機会にでも映像を取り上げられればと思っています。[収録アルバム]Debbie Gibson / Electric Youth (1989年) 【after20130610】エレクトリック・ユース/デビー・ギブソン[CD]【返品種別A】下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.06.09
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50万アクセス記念~ロック&ポップスの名ナンバーをカバーで聴く(その7) だいぶ前に、カーペンターズ(Carpenters)の通算第5作『ナウ&ゼン』というアルバムについて書きました。同アルバムの後半のほとんどを費やして収められたオールディーズ・メドレーというのがあり、今回はそれを取り上げたいと思います。このメドレーの冒頭に含まれる「ファン、ファン、ファン」(元はビーチ・ボーイズの1964年のヒット曲)を思い出し、名ナンバーのカバーということで取り上げたいと考えた次第です。 カーペンターズによるこのメドレーは、代表曲として知られることになる「イエスタデイ・ワンス・モア」および「同(リプライズ)」にはさまれる形で、発売時のLPのB面に収められ、合計15分ほどの演奏となっています。 収められている曲は、「ファン、ファン、ファン」(上述の通りビーチ・ボーイズの曲で、ブライアン・ウィルソンとマイク・ラヴのペンによる)のほか、収録順に、「この世の果てまで(ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド)」(スキータ・デイヴィス、1962~63年)、「ハイ・ロン・ロン」(ザ・クリスタルズ、1963年)、「デッドマンズ・カーブ」(ジャン&ディーン、1964年)、「ジョニー・エンジェル」(シェリー・フェブレー、1962年)、「燃ゆる瞳(ザ・ナイト・ハズ・ア・サウザンド・アイズ)」(ボビー・ヴィー、1962~63年)、「アワ・デイ・ウィル・カム」(ルビー&ザ・ロマンティックス、1963年)、「ワン・ファイン・デイ」(ザ・シフォンズ、1963年)です。 アルバムを取り上げた記事中にも書きましたが、長いのにあっという間の心地よい15分間です。ちなみに曲間のDJ風ナレーションをやっているのは、カーペンターズのリード・ギターを担当していたトニー・ペルーソ(Tony Peluso)という人で、カレンの死去でカーペンターズの活動が終焉した後はレコーディング・プロデューサーおよびエンジニアとして活躍し、2010年に亡くなっています。 さらに今回は、もう一つ。この同じ曲の滅法カッコいいカバーもお楽しみください。1996年にステイタス・クオー(Status Quo)がビーチ・ボーイズとの共演で演奏した「ファン、ファン、ファン」です。 原曲を壊すことなく、見事に“ステイタス・クオー・フレーバー”にできていると思うのですが、いかがでしょうか。[収録アルバム]Carpenters / Now & Then(1973年)Status Quo / Don’t Stop(1996年) 【RCP】【Joshinはネット通販部門1位(アフターサービスランキング)日経ビジネス誌2013年版】【送料無料】ナウ・アンド・ゼン/カーペンターズ[SHM-CD]【返品種別A】 [CD]STATUS QUO ステイタス・クオー/DON’T STOP + 4【輸入盤】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2014.08.20
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フランスの名ピアニスト初期の超名盤 先天性の病気を抱えながらも36歳の人生を全うしたミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)。フランス出身のこの人物は、歴史に残るピアニストとして記憶されている。 では、そのペトルチアーニの特徴とは何か。いろいろあると思うのだけれども、その一つとして、ワン・フレーズで聴き手をノックアウトさせられる“美しさ”が挙げられるように思う。ただのリリシズムではなく、身体全体からジャズが滲み出ているというと回りくどいだろうか。要は、その“美しさ”が実に自然体のまま出てくるというのがこの人の特徴でありよさなのだと思う。 いくつかの盤(そしてそれらに収録されたいくつかの楽曲)でそれが顕著に見られるわけだけれど、彼の盤のうちで時に代表盤として取り上げられる『エスターテ(Estate)』はそうした特徴を強く持った作品の一つである。 いくつか注目の曲をピックアップしてみたい。1.「パソリーニ」は冒頭からのリラックス感がたまらなくいい。19歳の若さでこの余裕と自信は実に類い稀としか言いようがないように感じる。ビル・エヴァンスの2.を挟んで続く表題曲の3.「エスターテ」は、彼の奏でる音と“音の空白”のコントラストが美しい。4.と5.はペトルチアーニの自作曲であるが、曲といい演奏といい上述のように“全身からジャズが滲み出る”感覚に満ちている。ラストを飾る7.「預言者のサンバ」は、タイトル通りいかにもブラジル風な曲調だけれども、この流れるようなピアノの美しさ(そこには上に書いたような余裕と自信があってこそなのだろう)に釘づけなってしまう。 そのようなわけで、ミシェル・ペトルチアーニを聴いたことがないという人にはとにかく勧めたい。たとえピアノ・ジャズがあまり得意でなくとも、ジャズを聴いてペトルチアーニを聴かないというのは実にもったいない。そして筆者が最初に勧めるとすれば、本盤『エスターテ』もしくは個人的に最初に聴いた盤である『ミュージック』、この2つが外せないと強く思う次第である。[収録曲]1. Pasolini2. Very Early3. Estate4. Maybe Yes5. I Just Say Hello6. Tone Poem7. Samba des Prophetes[パーソネル・録音]Michel Petrucciani (p)Furio Di Castri (b)Aldo Romano (ds)1982年3月29~30日、4月16日、5月5日録音。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ESTATE [ ミシェル・ペトルチアーニ ] 『ESTATE』 Michel Petrucciani Trio JAZZ名盤CD:輸入オリジナル盤 インスト【中古】 寺島本「JAZZピアノ・トリオ500」p221掲載 第5章 時代を超えるこの曲この盤~「エスターテ」を弾くペトルチアーニが最高。そういう方向にジャズ鑑賞の在り方をもってゆきたい。DIW 1982下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2015.09.18
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“幻のトランペット奏者”の第1作 ルイ・スミス(Louis Smith,ルイス・スミス)は、1931年テネシー州メンフィス出身のジャズ・トランペット奏者(84歳の現在も存命中)。1958年から2004年に至るまで10数枚のアルバムを吹き込んでいるが、キャリア当初はすぐにいったん身を引いたため、その録音は少なく、1950年代には2枚のリーダー作をブルーノートに残しているに過ぎない(その後は1970年代に2枚、1990年代~2000年代に残りのアルバム作品を発表)。 本盤『ヒア・カムズ・ルイ・スミス(Here Comes Louis Smith)』は、ブルーノートで最初に出された彼の作品であるが、厳密にはブルーノートで制作された作品ではない。プロデューサーとしてトランジションなるレーベルを設立したトム・ウィルソン(このプロデューサーは後にボブ・ディランのプロデュースなどを手掛けることになる)が吹き込んだものであった。つまりは、同レーベルの倒産によって宙に浮いた音源をブルーノートのオーナーのアルフレッド・ライオンが買い取り、レコード化したものであった。 デビュー盤と言っても完成度は高い。ダグ・ワトキンス(ベース)のほか、アート・テイラー(ドラム)とトミー・フラナガン(3., 4., 6.のピアノ)ならびにデューク・ジョーダン(1., 2., 5.のピアノ)が演奏をぐいぐいと牽引する。バックショット・ラ・ファンク(Buckshot La Funke)なるクレジット名のアルト・サックス奏者(4.を除く)も登場するが、これはキャノンボール・アダレイその人。当時すでにエマーシーと契約していたキャノンボールが変名で登場しているという訳である。 ルイ・スミスのトランペットは、ブラウニーのような天才的な響きとは違って、勢いと温かみの両方を備えている。筆者のおすすめは、1.「ブラウニーに捧ぐ(トリビュート・トゥ・ブラウニー)」の勢いに乗った演奏と、有名バラード曲の4.「スターダスト」での美しく温かみのあるトランペット演奏。また、2.,3.,5.,6.と計4曲の自作曲が収録されているが、これらの中では、スローテンポのブルースである2.「ブリルズ・ブルース」と、妻の名をとった3.「アンデ」が個人的には気に入っている。[収録曲]1. Tribute to Brownie2. Brill's Blues3. Ande4. Stardust5. South Side6. Val's Blues[パーソネル・録音]Louis Smith (tp)Buckshot La Funke [Cannonball Adderley](as: 1.~3., 5., 6.)Tommy Flanagan (p: 3., 4., 6.)Duke Jordan (p: 1., 2., 5.)Doug Watkins (b)Art Taylor (ds)1., 2., 5.: 1958年2月4日録音。3., 4., 6.: 1958年2月9日録音。 [期間限定][限定盤]ヒア・カムズ・ルイ・スミス/ルイ・スミス[CD]【返品種別A】下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2015.11.15
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ジョンの初ソロ作 ボン・ジョヴィは1984年にデビューし、1986年のサード作『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ(Slippery When Wet)』の大ヒットでスターダムにのし上がり、続く1998年の『ニュージャージー』も大きなヒットとなった。そんな中、1990年にヴォーカリストのジョン・ボン・ジョヴィ(Jon Bon Jovi)のソロ作なるものが発表された。それが本盤『ブレイズ・オブ・グローリー(Blaze of Glory)』で、全英2位、全米3位のヒットとなった。 ジャケットにも記されているように、映画作品の『ヤングガン2』に着想を得た楽曲群が収められている。事の流れとしては、西部劇である同作品の主演男優(エミリオ・エステベス、ビリー・ザ・キッド役)が、映画のためにボン・ジョヴィの楽曲使用を申し入れた。ところが、ジョンは既存の楽曲提供をするのではなく、わざわざ新たな曲を用意したとのこと。 そのようなわけで、収められた楽曲は映画作品をテーマにしたものであるが、今となってみれば、独立したアルバムとして聴いていいようにも思う。言ってみれば、ボン・ジョヴィの本流から少し外れてみてコンセプトのあるアルバムを作ったといった感じに捉えてもいいのかもしれないという風に思ってみたりもする(でも、いかにも映画サントラ盤的なジャケ写だけは、永遠にこのイメージには合わなさそうだけれど)。 いちばんの注目曲は、気がつくとボン・ジョヴィの曲になってしまっていた(ここではジョン名義だったが、後にボン・ジョヴィというバンドとしてのベスト盤に収録された)3.「ブレイズ・オブ・グローリー」。シングルとしてもヒットし、筆者的にはリリース当時にも繰り返し聴いたナンバーである。 他に個人的に気に入っているナンバーをいくつか挙げておこうと思うのだけれど、やはり5.「サンタ・フェ」と9.「バング・ア・ドラム」といったような曲に注目がいってしまう。ジョンの声に魅了されている筆者としては、こうしたタイプの曲はついつい聴き惚れてしまうというのがその理由。同じようにジョンのヴォーカルが冴える10.「ダイン・エイント・マッチ・オブ・ア・リヴィン」もお気に入りで、こちらではエルトン・ジョンがゲスト参加している。[収録曲]1. Billy Get Your Guns2. Miracle3. Blaze of Glory4. Blood Money5. Santa Fe6. Justice in The Barrel7. Never Say Die8. You Really Got Me Now9. Bang A Drum10. Dyin' Ain't Much of A Livin'11. Guano City1990年リリース。 【メール便送料無料】Jon Bon Jovi / Blaze Of Glory (輸入盤CD) (ジョン・ボン・ジョヴィ) ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひ“ぽちっと”お願いします。 ↓ ↓ ↓
2019.03.25
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2020クリスマス曲集(2/3) 続いては、“サッチモ”の愛称で知られるルイ・アームストロング(Louis Armstrong)によるクリスマス・ナンバーです。偉大なるトランぺッターであり、シンガーでもあった彼は、1901年ニューオーリンズ生まれで、1971年に没しています。 サッチモによるクリスマス曲を2つばかり取り上げてみたいのですが、まず1曲目は「クリスマス・ナイト・イン・ハーレム(Christmas Night in Harlem)」というナンバーです。1955年にシングル盤「クリスマス・イン・ニューオーリンズ」のB面としてリリースされたのが初出のようです。 続けてもう1曲。1952年にシングルとしてリリースされた「ホワイト・クリスマス」のやはりB面に収録された「ウィンター・ワンダーランド(Winter Wonderland)」をお聴きください。 生前のクリスマス・アルバムのリリースがあったのかどうかは、調べた限りではよくわかりませんが、彼がなくなった後にはいくつものクリスマス曲のコンピ盤が出されています。古臭いと思われがちという理由なのか、街中のBGMでは、もっと現代的で明るいクリスマス曲を耳にすることの方が断然多いような気がします。けれども、こういう味のある歌や演奏でクリスマスの気分に浸るとういのもいいのではないでしょうか。 Louis Armstrong ルイアームストロング / What A Wonderful Christmas 輸入盤 【CD】 送料無料【中古】Christmas Through the Years [Audio CD] Armstrong, Louis 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2020.12.23
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熟年に達したアルの密かな名作 アル・クーパー(Al Kooper)は1944年生まれで、ロックという音楽が確立されていった時代の生き証人の一人である。そんな彼のソロ作は決して多いわけではなく、しかも1960年代末から1970年代に集中している。1980年代には“指揮者”的な役割のアルバム(『チャンピオンシップ・レスリング』)、1990年代にはインスト盤(『リクーパレイション』)とライヴ盤(『ソウル・オブ・ア・マン』)をリリースしていたが、本格的なスタジオ作品は、30年近くという長い時を経て2005年に出された。それが本盤『ブラック・コーヒー(Black Coffee)』である。 久々の復活盤ともいうべきこの作品は、派手な新作でもなければ出涸らしの駄作でもなかった。まさしくアル・クーパーの世界、それも年月の流れを経て、円熟味が加わっている。そもそも彼の音楽は、基本的にはホワイト・ソウルなどと分類されがちだけれど、アップテンポもあればスローバラード系もあり、ロック色ありと一本調子ではない。本作でもその音楽的な幅というか多様さは十分に生かされており、2000年代の洋楽の密かな名作の一つに数えられてもいいのではと思ってみたりする。 個人的な好みで注目曲をいくつか挙げておきたい。アルの味がよく出ているナンバーとして、1.「マイ・ハンズ・アー・タイド」、9.「アナザー・マンズ・プライズ」が筆者的にはお勧めである。あと、いくつか共作のナンバーが含まれているが、4.「ゴーイング・ゴーイング・ゴーン」は要注目。R&Bやソウルの有名な作曲家ダン・ペンとの共作曲で、本盤収録曲のうち、1、2を争う出来のナンバーだと思う。 他方、全14曲(日本盤ではボーナス・トラックがあるので15曲)のうち自作ではないナンバーが5曲あるのにも注目されたい。筆者が特に気に入っているのは、まずはライヴ演奏(2001年のライヴとのこと)の8.「グリーン・オニオンズ」。言わずと知れたブッカーT&ザ・MG’ズのナンバーだが、アルのオルガン演奏は健在。11.「ガット・マイ・アイオン・フー」は、ダイアー・ストレイツのギタリストを務めたハル・リンデスのナンバーだが、見事にアルのカラーに仕上がっている。これと、同じことは、レイ・チャールズで知られる12.「ジャスト・フォー・ア・スリル」なんかにも言える。[収録曲]1. My Hands Are Tied2. Am I Wrong3. How My Ever Gonna Get Over You4. Going, Going, Gone5. Keep It to Yourself6. Get Ready7. Imaginary Lover8. Green Onions (Live)9. Another Man´s Prize10. Childish Love11. Got My Ion Hue12. Just for a Thrill13. Goin´Back In A Cadillac (Live)14. (I Want You To) Tell Me the Truth15. Test Drive [日本盤ボーナス・トラック]2005年リリース。 【輸入盤CD】AL KOOPER / BLACK COFFEE (アル・クーパー) ブラック・コーヒー / アル・クーパー 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2021.05.06
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古典的ハードロック・バンドのバンド第一作 クリームのプロデュースを担い成功を収めたプロデューサーのフェリックス・パパラルディは、1969年、レスリー・ウェスト(ギター、ヴォーカル)の初ソロ作のプロデュースを担当した。『マウンテン』という表題のこのアルバム制作はそのままバンドへと発展し、先駆的ハードロック・バンド、マウンテンが誕生することになった。 上記のウェスト盤で、パパラルディはプロデュースだけでなく、ベースなどの演奏も担当しており、彼自身、メンバーとして参加した。同じくそのレコーディングに参加していたN・D・スマート(ドラムス)、スティーヴ・ナイト(キーボード)が加わり、バンドとしてのマウンテンができあがったという経緯である(なお、ドラマーはデビュー盤までにコーキー・レイングに交代している)。 こうして1970年に発表されたファースト盤が、『勝利への登攀(Climbing!)』であった。ウェストとパパラルディの双方がヴォーカルを担当し(前者は1, 3, 4, 5, 8, 9、後者は2, 4, 5, 7, 9)、ナイトはハモンドオルガン(2, 3, 4, 5)やメロトロン(2, 9)などを演奏している。パパラルディのプロデュースの実力もあり、しっかりと作り込まれたアルバムに仕上がっており、シングル曲となった1.「ミシシッピー・クイーン」も全米ビルボードでチャートアクションを起こす(最高位21位)など成功を収めた。 注目の曲をいくつか見ておきたい。上記の1.「ミシシッピー・クイーン」はシンプルながらエッジの利いた演奏で、その演奏にヴォーカルとギターがピタリとはまっている。印象的なリフが特徴の3.「君がすべて」は、これぞ初期のハードロックといった曲調がいい。5.「ヤスガーの農場」はパパラルディのヴォーカルがなかなかよく、第2弾シングルとしてもリリースされた。 6.「友達のために」は、唯一のインスト曲。ハードな曲やややキャッチーな演奏もある中で、ドラムとベースを外したこういう変化球的な曲が織り込まれているのも、本盤のいいところだと思う(ちなみに、同じ流れの中でパパラルディがヴォーカルをとる7.「支配者」も異色の楽曲となっている)。8.「虹に坐って」は、上記の1.や3.と並ぶ本盤のハイライトの一つ。ベースとドラムの利いた演奏にヴォーカルやギターがしっかりと絡んでいる。アルバム末尾の9.「バンドの少年」は、哀愁漂うギターとヴォーカルで、名曲度という意味では本盤随一と言えるかもしれない。[収録曲] *( )内は邦訳タイトル1. Mississippi Queen(ミシシッピー・クイーン)2. Theme for an Imaginary Western(想像されたウエスタンのテーマ)3. Never in My Life(君がすべて)4. Silver Paper(銀色の紙)5. For Yasgur's Farm(ヤスガーの農場)6. To My Friend(友達のために)7. The Laird(支配者)8. Sittin' on a Rainbow(虹に坐って)9. Boys in the Band(バンドの少年)10. For Yasgur's Farm (Live) (ヤスガーの農場(ライヴ))[リマスターCDのボーナストラック]1970年リリース。 【国内盤CD】【新品】マウンテン / 勝利への登攀 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.02.10
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ハードロック界の不朽の名作 ディープ・パープル(Deep Purple)は、1968年にデビューし、レッド・ツェッペリンと並んで後のハードロックやヘヴィメタルの世界に多大な影響を与えた。メンバーを替えながらも長く存続しているバンドであるが、その全盛期の作品にしてハードロック界の不朽の名作と呼べるのが、1972年発表の本盤『マシン・ヘッド(Machine Head)』である。1970年の『イン・ロック』でハードロック路線での作品に成功した彼らのいわば完成形がこの『マシン・ヘッド』だった。セールス面でもイギリスをはじめ複数の国でアルバムチャートの1位、米国でも7位という成功を収めた。 録音はスイスのモントルーで行われた。当初、カジノのステージでの録音が計画されたものの、火事によってこの録音場所は失われてしまう。結局、録音はモントルーの別の場所で行われたのだが、この火災のアクシデントは、名曲5.「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を生み出すことにもなった。 収録されているのは全7曲で、文字通り捨て曲なしの完成度の高い作品である。収録された順に各曲を見ていくことにしたい。 LP時代のA面は、1.「ハイウェイ・スター」から幕を開ける。イアン・ギランのヴォーカルが冴え、疾走感と勢いを感じる曲調と、リッチー・ブラックモアのハードで的確なギター・プレイが印象に残る名曲である。2.「メイビー・アイム・ア・レオ」はメリハリがあって安定感のある演奏が特徴。表題の“しし座(レオ)”というのは、ヴォーカルのギランのことである。 続く3.と4.はライヴでもあまり取り上げられなかったせいか、本盤の中ではやや影の薄い曲であるが、決して質の面で劣っているわけではない。3.「ピクチャーズ・オブ・ホーム」は、個人的にはこのギター演奏も結構好きなのだが、当時はブラックモアが気に入らず、彼の在籍中のツアーでは一切演奏されなかったという楽曲。4.「ネヴァー・ビフォア」は、シングルカットされた曲ではあるもののさほど大きなチャートアクションを起こしたわけではなく、ライヴでもほとんど演奏されなかった(大衆の受けという意味ではよくできた曲で、ハードロック的要素をうまく生かした演奏に仕上がっているとは思うのだけれど)。 LPでのB面に当たるアルバム後半に移ろう。5.「スモーク・オン・ザ・ウォーター」はハードロック界を代表するナンバー。この印象的なギターのリフは、エレキギターを手にした少年なら誰もが弾いてみたフレーズと言えるほどポピュラーなものである。上で触れたとおり、ステージ火災の顛末をスリリングな曲調で表現した名曲に仕上がっている。続く6.「レイジー」は本盤の収録曲の中で最も長い尺(7分超)で、キーボードのジョン・ロードとギターのブラックモアの演奏がとにかく秀逸。アルバムを締めくくる7.「スペース・トラッキン」は宇宙旅行がテーマとなっており、本盤では4分半の収録時間だが、ライヴではその締めくくりに長い尺で演じられるようになった1曲。なお、本盤には25周年や40周年のエディションがあり、それぞれにリマスターやライヴなど複数ディスクの加えられたものが存在している。[収録曲]1. Highway Star2. Maybe I'm a Leo3. Pictures of Home4. Never Before5. Smoke on the Water6. Lazy7. Space Truckin'1972年リリース。 マシン・ヘッド [ ディープ・パープル ] マシン・ヘッド 2012リマスター・スペシャル・エディション [ ディープ・パープル ] マシン・ヘッド:スーパー・デラックス・エディション (完生産限定盤 3CD+アナログ+Blu-ray)【アナログ盤】 [ ディープ・パープル ] 下記のランキングに参加しています。 お時間の許す方は、バナーをクリックして応援してください! ↓ ↓
2026.05.13
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1970年発表のサード作 ザ・バンド(The Band)は、1967年から1976年まで活動し、後にロックの殿堂入りもしたカナダ人を中心としたバンド。リヴォン・ヘルム、ロビー・ロバートソン、リック・ダンコ、リチャード・マニュエル、ガース・ハドソンの5人組だが、昨年(2025年)ハドソンの死去により、メンバー全員が鬼籍に入った。 1968年にデビュー盤(『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』)、翌年にセカンド作(『ザ・バンド』)を発表した彼らの三作目が、1970年発表の本盤『ステージ・フライト(Stage Fright)』であった。全米ビルボードでは前作を上回る5位を記録し、ライヴ・パフォーマンスの場でバンドの顔となる楽曲(6.「ザ・シェイプ・アイム・イン」、9.「ステージ・フライト」)も生まれた。アルバム全体としては、ザ・バンドの作品群の中でいちばんロック・バンドらしさが伝わってくる作品と言えるのではないかと思う。 アルバム全体を見渡しながら、注目曲をいくつか挙げてみたい。1.「ストロベリー・ワイン」は、リヴォン・ヘルム節が前面に出た、個人的には特にお気に入りのナンバー。そして、前2作からのザ・バンドらしさという意味では、2.「スリーピング」が筆者としてイチオシのナンバーである。 上に書いたように、本盤はロックっぽさが強くなっている。その代表格としては、6.「ザ・シェイプ・アイム・イン」が頭一つ抜け出している。そして、別格として、9.「ステージ・フライト」。この曲は、さほど派手な演奏ではないのだけれど、曲調も演奏もヴォーカル(ダンコが担当)も、その魂はロックであるという印象が強い。 上記以外の収録曲もどれも質が高く、捨て曲はほぼない。強いて前2作に及ばない点を挙げるとすれば、前2作に比べて収録曲の統一感が低くなっていそうという点は指摘できるかもしれない。ファースト作とセカンド作で“深淵なる米国南部への探求”を進めたザ・バンドだったが、おそらくこのアルバムの頃にはある程度のところまでその探究は行きついてしまっていたのだろう。そういう意味では、次なるステップに移り行こうとする姿が垣間見えるアルバムだということもできそうな気がする。[収録曲]1. Strawberry Wine2. Sleeping3. Time to Kill4. Just Another Whistle Stop5. All La Glory6. The Shape I'm In7. The W.S. Walcott Medicine Show8. Daniel and the Sacred Harp9. Stage Fright10. The Rumor1970年リリース。 ステージ・フライト+4/ザ・バンド[SHM-CD]【返品種別A】 ステージ・フライト 50周年記念エディション [ ザ・バンド ] ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2026.05.24
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70年代シカゴのバラードを聴き直す ~その2~ 70年代のシカゴという、固定ファンのあまり多くなさそうな(?)中途半端な時期をテーマとしてみたが、この2回目で取り上げるのは、1977年のアルバム『シカゴXI(Chicago XI)』に収められたバラード曲である。邦語タイトルは「朝もやの二人」。原語では「ベイビー、何という驚き(Baby, What A Big Surprise)」(こんなわけわからないタイトルでは人を惹きつけられないので、「朝もやの二人」はどちらかと言えば成功した邦題のつけ方かと思う)。 さて、この「朝もやの二人」が、前作からのシングルヒットを受けて同じ路線を目指したものであったことは、時系列に見れば明らかである。つまり、「愛ある別れ」を出してみて見事にヒット(チャート1位にグラミー賞の大ヒット)し、シカゴとしては“これから生き残っていく道”として、この路線があることを認識したに違いない。では、この曲は単なる二番煎じだったのかというと、案外そうでもないような気がする。ちなみに、セールス面だけをみると、この“二匹目のドジョウ”は、一匹目を越えることはなかったが、それなりに十分成功を収めた。「愛ある別れ」が成し遂げた1位のヒットには及ばなかったものの、全米チャートでは4位のヒットを記録している。 “どこかのどかなバラード”という印象は、筆者の中では、「愛ある別れ」よりも強い。バラード的と言っても、80年代の「素直になれなくて」(『ラヴ・ミー・トゥモロウ』に収録)以降のバラード路線で急速に増していった仰々しさはない(その一例としては、過去記事の「スティル・ラブ・ミー」)。無論、80年代シカゴのバラードが悪いと言っているわけではないし、それはそれで筆者も思い入れのある曲が存在する。けれども、“素朴さ”と言い換えてもいいであろうこののどかで牧歌的な部分は、70年代後半のシカゴのバラードにしか見いだせず、とりわけこの曲ではその真髄がしっかり発揮されているように思える。 余談ながら、前述(「愛ある別れ」を参照)のピーター・セテラのアルバムにも同様に再録ヴァージョンが収められている。歌っているセテラ本人はどう思っているのかは知らないが、一人のリスナーとしての個人的な好みの意見を言わせていただくと、やはり元のヴァージョンにはかなわない。[収録アルバム]Chicago / Chicago XI (1977年)その他、ベスト盤類にも収録。[関連記事リンク]70年代シカゴのバラードを聴き直す ~その1~ へ70年代シカゴのバラードを聴き直す ~その3~ へ 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓
2011.08.10
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実力派によるカヴァー・アルバム ランディ・クロフォード(Randy Crawford)は、1952年ジョージア州メーコン(オーティス・レディングが住んでいた街としても知られる)出身の、リズム&ブルース・シンガー。本邦では、かつてTVドラマの曲として使用されて人気を集めた「スウィート・ラヴ(原題:Almaz)」でよく知られている。 1970年代半ば以降、ジョージ・ベンソン(参考過去記事)やキャノンボール・アダレイ(参考過去記事(1) ・参考過去記事(2) )との共演、ジェネシスのセカンド作への参加、さらにはザ・クルセイダーズでのリードシンガーとしての参加などでキャリアを重ねた彼女は、80年代に入ってコンスタントに活動を展開し、90年代以降も数年おきにアルバムを発表し続けた。本盤『ネイキッド・アンド・トゥルー(Naked and True)』は1995年に発表された12枚目の作品で、WEAと契約して最初の作品となった。 ランディ・クロフォードは、もともと“自作曲の人”ではなく、作詞作曲を手掛けるという比率は低い(したがって、自作である「スウィート・ラヴ」はその意味では例外的な曲である)。そういう点では、本盤は正面切ってのカヴァー作品集というわけで、彼女の得意分野で真っ向勝負という感じがする。実際、クロフォード自身もこの作品を各原作者に送りたいとリリース当時に語っていたという。 取り上げられている曲は、ジャズ寄り(ジョージ・ベンソン)から、ファンク系(プリンス)まで、さらには、アーシーなルーツ系(JJケイル)からホワイト・ソウル(シンプリー・レッド)までと、ヴァラエティに富んだカヴァー集になっている。サウンドは全体的にややオシャレにし過ぎな感じもしないではないが、若干きらきらしている部分を除けば特にやかましいサウンドというわけではない。むしろ落ち着きがあり、それでいてベースが抑え気味ながらもしっかり太いので、退屈しない音に仕上がっていると言えそう。 個人的に好みなのは、JJケイルの1.「ケイジャン・ムーン」。そもそも通向けなこういう曲を冒頭に持ってきているところからして、意気込みが感じられるというもの。有名曲で特に目を引くのは、2.「ギヴ・ミー・ザ・ナイト」と10.「ホールディング・バック・ザ・イヤーズ」。前者は、一緒に仕事をしたこともあるジョージ・ベンソンの有名曲で、オリジナルの雰囲気を損なわずに淡々と歌い上げる。後者は、シンプリー・レッドのデビュー時のヒット曲で、ブルー・アイド・ソウルを黒人ソウル系が歌うというのがそもそも不思議な感覚を想起させる。 この10.などは特にそうなのだけれど、何か計算づくで曲を選んでいるというよりは、“歌いたい曲を歌う”という、クロフォードの姿勢がこのアルバムにはちゃんと反映されているように感じる。それは、同じく有名曲でプリンスの4.「パープル・レイン」なんかにも共通する。そんな意味でもなかなか好感の持てるいいアルバムと思う。[収録曲]1. Cajun Moon2. Give Me The Night3. Glow Of Love4. Purple Rain5. Forget Me Nots6. I'll Be Around7. Joy Inside My Tears8. Come Into My Life9. What A Difference A Day Makes10. Holding Back The Years11. All The Kings Horses1995年リリース。 Randy Crawford ランディクロフォード / Naked And True 輸入盤 【CD】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2013.01.26
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移ろいゆく80年代後半LRB、意外に好盤 1970年代半ばに当時のオーストラリア発のバンドとしては例外的に米国進出を果たし、世界的な成功を収めたリトル・リバー・バンド(Little River Band, 頭文字を略してLRBと呼ばれることもある、参考過去記事)。しかし、1980年代初頭になると“バンドの声”であったオリジナル・メンバーのグレン・シャロックが脱退し、既にオーストラリアの有名歌手であったジョン・ファーナムをヴォーカルに迎えるも、86年にはファーナムが脱退してしまう。こうして、このバンドはオーストラリア国内ですら大きくヒットしない低迷期を経験した。 そんな中、上述のグレン・シャロック(ヴォーカル)、さらには、同じく一時脱退していたデレク・ペリッシ(ドラム)が復帰し、レコード会社を替えてMCAから1988年に発売された『モンスーン(Monsoon)』でバンドはちょっとした復活を果たす。米国ではチャートアクションなしだったものの、豪国内で久々にベスト10に入るヒット(アルバムは9位、シングルカットの3.「ラヴ・イズ・ア・ブリッジ」は全豪6位)となった。 1970年代後半全盛期のオリジナルメンバーのうち、グレアム・ゴーブル(この時点までずっと在籍していた)に加えて、グレン・シャロックとデレク・ペリッシが戻ったことで、かつてのLRBサウンドらしさが一気に戻ってきた作品になったと思う(なお、後々このバンドを存続させていくことになるウェイン・ネルソンもこの時点で在籍中)。もちろん、時代に沿って洗練された部分というのもあるのだけれど、基本は曲とハーモニーで勝負する楽曲が並び、そこにロック調も取り込んだ作品が混じるといった感じと言えそう。 個人的趣向で特におすすめ曲を挙げてみたい。1.「イッツ・コールド・アウト・トゥナイト」や5.「フェイス・イン・ザ・クラウド」(この曲は先に『ノー・レインズ』に収録されていて、筆者はそっちの方がさらに好みだけれど)は、リズムよし、かつメロディよしの筆頭。スロー~ミディアム系のナンバーとしては、LRBの隠れ名曲とも言える3.「ラヴ・イズ・ア・ブリッジ」、さらに本盤収録中ではこれと並ぶ好曲の9.「ソウル・サーチング」が聴き逃せない。 ちなみに邦盤(かつてよくあったCDとカセットのみ追加曲というパターン)には、1978年の大ヒット曲「追憶の甘い日々(Reminiscing)」のライヴ・ヴァージョンが収録されている。これはこの年のブリスベン万博でのライヴ演奏で、これがなかなかいい。LRBが好きな向きは必聴といいたくなるほどよくできたテイクで、個人的には強く推したい。[収録曲]1. It's Cold Out Tonight2. Parallel Lines3. Love is a Bridge 4. Rhythm King5. Face in the Crowd6. Cruel Madness7. Inside Story8. Son of a Famous Man9. Soul Searching10. Great Unknown11. Shadow in the Rain12. Reminiscing(追憶の甘い日々) *日本盤ボーナストラック1988年リリース。↓レア盤になってしまっているのか…?(と思いきや、状態を問わなければアマゾンで数百円で買えるみたいですね。)↓ 【中古】モンスーン/リトル・リバー・バンドCDアルバム/洋楽下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2014.09.04
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マル・ウォルドロン「レフト・アローン(Left Alone)」 第4回目はいかにもベタベタに名曲という感じの選曲ですが、マル・ウォルドロンの「レフト・アローン」です。同名のアルバム『レフト・アローン』に収録され、この曲にはジャッキー・マクリーンがゲスト参加しています。いわずとしれた名曲中の名曲と言われる曲です。 ところで、この曲は、“ビリー・ホリデイを追悼する曲”として、その切ない抒情的演奏が褒めたたえられてきました。ところが、アルバムの記事のところにも書いたように、実は録音時にはビリー・ホリデイは亡くなっていなかったとのことです(アルバムに収められた追悼のインタヴューは発売時のあとづけだそうです)。 感情移入して聴くのが好きな人にはがっかりな事実かもしれませんが、このメランコリックな演奏は、そういうバックグラウンドなしでも十分に感動ものではないかというのが、筆者の偽らざる感想です(あまり聴きすぎると感動が薄れるので、年に数回のみ、ひっぱり出してきては感動しています)。マル・ウォルドロンは本当にいい曲を書きますし、ジャッキー・マクリーンの演奏という点でもベスト5指に入る名演ではないでしょうか。 【送料無料】レフト・アローン +6 [ マル・ウォルドロン ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2012.12.29
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バルセロナ出身のシンガーソングライター、1970年の古き良き名曲 スペインと言えば、フィエスタとシエスタの国(?)。牛追い祭(サン・フェルミン祭)、バレンシアの火祭り(ファージャス)、トマト祭(トマティーナ)など有名な祭りを思い浮かべる人も多いかもしれない。シエスタの方は、“お昼寝”なわけだが、実際、スペインへ行ってみると、午後は見事にお店が閉まってしまう。実際に昼寝をするかどうかはともかく、夕刻、再び開店して夜まで営業。このリズムがスペインの人たちの生活リズムとしてすっかり馴染んでいる。 こういうのって、おそらくはスペインの一面的なイメージでしかないんだろうけれど、やっぱりフィエスタ好きなんだろう。古きよき地方の村や地区のフィエスタの光景を思い浮かべさせる1曲が、ジョアン・マヌエル・セラーの「フィエスタ(Fiesta)」である。 この曲は1970年のアルバム『ミ・ニニェス(子どもだった頃)』に収録されたが、当局の検閲で歌詞の一部が変更されたといういわくつきの曲でもあった。作者で歌い手のセラーは、1943年、バルセロナ生まれ。1943年と言えば、日本でも戦時中生まれということになるのは想像できる(そして日本やドイツでは戦後、社会が大きく転換した)。けれども、スペインでは、古い体制をさらに数十年引きずることになる。フランコ独裁体制である。フランコ死去が1975年だから、この「フィエスタ」が発表された時を含め、初期のセラーの作品は、当然のごとく検閲の対象だった。結果、スペイン本国では若干変更した詞で、それ以外の国々(スペイン語圏である中南米方面)では変更なしのオリジナル・バージョンで発表されるというイレギュラーな状況だったようだ(フランコ死去後はオリジナル・バージョンに統一された)。 冒頭の話に戻るが、スペインの生活リズムで夜が長いのはフランコ体制で長らく抑えつけられたからで、その反動で開放的になったのだ、とスペイン人はよく言う。フランコ時代が終わってもう40年になろうかというのに、本当にそうなのだろうか。いやはや、フィエスタ好きな伝統はもともとこの国民の中にあったんだろうかな、と思ったりもするけど。 * * *ついでながら、動画も付けておきます。まずはリリース前年、1969年のソング・フェスティヴァルからのバージョンです(古臭い雰囲気がいまいちな方はとばしてもう一つ下の映像をどうぞ)。 続いては、90年代のライブ映像から。スペイン系のシンガーソングライター系との共演です。なお、ボーカルは次の順序です。ミゲル・リオス→セラー→アナ・ベレン→全員(サビ)→ビクトル・マヌエル→セラー→アナ・ベレン→全員 [収録アルバム]Joan Manuel Serrat / Mi niñez(1970年)その他、編集盤(ベスト盤)類にも収録。 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2012.04.17
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愛しの名曲たち(1) 主に70年代に活躍し、数多くのヒットを残したカーペンターズ(Carpenters)。兄リチャードと妹カレンによるこのポップ・デュオは、1969年にデビューし、70年代に数多くのヒット曲を残した。80年代に入り、勢いは衰えるものの、摂食障害で1983年にカレンが死亡した後も、リチャードは編集盤や未発表音源の編集を続け、人気を博している。活動停止後のシングルのヒット・チャート上昇、90年代~00年代のコンピ盤の異常な多さはその人気が息の長いものであることを裏づけている。 さて、彼ら兄妹の代表曲は何かと問われると、選択肢が多過ぎて、正直、即答に困る。実際、ヒット曲を編んだベスト盤類も、上述の通り多数に及ぶ。そんな中で筆者がわりによく聴いたベスト盤はというと、活動当時に出された『ザ・シングルス』(1969-1973の1枚目と、1974-1978の2枚目がある)、それからカレンの死後まもなく出された2枚組の『イエスタデイ・ワンス・モア』。いずれも、カセットテープの頃によく聴いたアルバムである。数年前、この後者の方をCDで入手し、久々に落ち着いてシングル曲のオンパレードをベスト盤で聴ける環境になった。そこで今回の記事を思い立ち、何回シリーズになるかは分からないけど、不定期でカーペンターズのシングル曲を取り上げたい。 ひとまず第1回は、カーペンターズのデビュー・シングルとなった「涙の乗車券(Ticket To Ride)」。よく知られているように、原曲はレノン=マッカートニー(実質的にはジョン・レノン)作のビートルズの有名曲。ビートルズは1965年に9枚目のオリジナル・シングルとしてこの曲をヒットさせており、カーペンターズはこれをリメイクして1969年のデビュー曲とした。 大きな特徴は次の二点と言える。一つは、テンポが大幅に落とされ、バラード調な雰囲気になっていること。ドラムを叩きつつ、カレンはビートルズのヴァージョンのようにアップテンポで攻めるのではなく、しっとりと歌うという選択をとった。もう一つの特徴は、歌詞の内容が、女性が歌う仕様に若干変更された点。具体的には、歌詞の中の“girl”が“boy”に、“she”が“he”に変えられると言った変更が加えられている。 結局、この曲のチャート上の反応はいまいちで、全米チャートでは54位どまりに終わっている。けれども、詞を明瞭かつきれいに歌いこなす抜群の歌唱は既に完成されており、音楽シーンがロックな方向性を強める中、内容の良しあしとは裏腹に、簡単にはチャート・アクションに反映されなかったというところだろうか。 ちなみに、グループ(デュオ)名は、“カーペンターズ”で、A&Mの契約時に、兄妹は定冠詞の“The”をつけない(つまり、The Carpentersではない)という選択をしたとのこと。その理由は後に兄リチャードが“ザ・~ズ”じゃない方がカッコいいと思ったからと述べている。 ともあれ、カーペンターズの栄光の足跡はここから始まった。 [収録アルバム]Carpenters / Offering(後にTicket To Rideと改題) (1969年)その他、Carpenters / Yesterday Once More (ベスト盤、1984年)などベスト盤類に収録。1969年、シングル・リリース。[関連記事リンク]愛しの名曲たち(2)~「遥かなる影((They Long To Be) Close To You)」へ 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2012.06.09
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マイルスの幻影か新時代の音楽か マイルス・デイヴィス(Miles Davis)は、ジャズに関わるあらゆるアーティストにとって、程度の差や形式はともかく、何らかの形で避けて通れない存在であろう。それは、単にマイルスの音楽が凄かったからというよりも、現在のジャズ音楽の様々な部分が彼によって規定されていたり、その影響なしに存在し得ないからだと言える。それゆえ、現代の優れたアーティスト(ジャズメンとは限らない)の中にも、当然ながら、それを意識した作品を作ろうとする人物が時折現れ続ける結果となる。 カサンドラ・ウィルソン(Cassandra Wilson)の本作『トラヴェリング・マイルス(Traveling Miles)』は、必ずしもマイルスに追従するといった風情のものではない。けれども、ジャズあるいはそこから派生したり影響が及ぼされている音楽をやる人間として、マイルスの影響力から逃れられないという、彼女の立場・心情を如実に反映するものだと思う。もちろん、本盤の発表時には、既にマイルス死去(1991年)から何年も経過している。けれども、生を全うしてもなお、マイルスの存在は大きい。これってマイルスにしてみれば、音楽家冥利に尽きるのか。はたまた、あの世へ行ってまで後輩ミュージシャンたちに尻をつけまわされて迷惑しているのがマイルスの気持ちなのだろうか。 カサンドラによって取り上げられた本盤の楽曲群は、一見すると統一性がない。無論、そこにはマイルスに所縁のある曲という共通性はあるものの、6.や7.のようにかなり昔のマイルスに縁のある楽曲もあれば、表題曲(2.)をはじめカサンドラ自身の作も、さらにはポップ歌手シンディ・ローパーの4.(と言っても、これもエレクトリック以後にマイルスが取り上げたものである)といったバラエティに富んだ選曲になっている。マイルスの幅の広さをあらためて確認するとともに、カサンドラ・ウィルソンという新しい世代のシンガーが、いかに多様な楽曲を取り上げつつも自分の世界を構築できる人なのかがよくわかる1枚である。そのトーンは重いが、カサンドラの実力をよく示す盤であり、楽曲の多様性ゆえ、マイルスその人やジャズという音楽に馴染みがない人にも比較的とっつきやすいアルバムではないかと思う。[収録曲]1. Run the Voodoo Down2. Traveling Miles3. Right Here Right Now4. Time After Time5. When The Sun Goes Down6. Seven Steps7. Someday My Prince Will Come8. Never Broken9. Resurrection Blues (Tutu)10. Sky & Sea (Blue in Green)11. Piper12. Voodoo Reprise13. Prancing~日本盤ボーナストラック~1999年リリース。 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓
2011.08.26
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既製の音楽の解体と再構築 1990年代以降、2000年代にかけての洋楽シーンというのは、ジャンルの細分化が進み、聴き手にとって非常にわかりにくくなってしまったと思う。なおかつ、そういう細分化の一方で、その細分化されたジャンルに収まりきらないバンドやアーティストが続々と出現し、ジャンルの分類が意味を成さなくなるという矛盾も引き起こされた。脳ミソが単純な筆者にしてみれば、全部“ロック”でもいいのではないか、と思ったりさえすることもあるのだけれど…。 ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン(Jon Spencer Blues Explosion、以下、JSBXと略す)もまた、いったいどんなジャンルに属するのかよくわからなくて困ってしまうタイプである。ありきたりな言い方ではあるが、細分化されたジャンル分けの中では到底収まりきれず、複数ジャンルにまたがる音楽をつくっている。JSBXは1990年にニューヨークで結成されたバンドで、フロントマンのジョン・スペンサーは80年代後半には、プッシー・ガロア(Pussy Galore)というバンドで活動していた。長らくJSBXとして活動したが、2004年からはバンド名を単にブルース・エクスプロージョンと変えて活動を続けている。 本盤をかけ始めると、いきなりの奇声が響き渡る。が、ここでドン引きしたり、聴くのをやめてしまってはいけない。引き続きこのアルバムを一聴すると、ノイジーでミクスチャーなサウンドが耳につく。しかし、落ち着いて聴き進むとどうだろう。単にノイジーな音楽ではないということがすぐわかる。JSBXの音楽の基盤となっているのは、パンクとブルースなのである。しかし、実際にアルバムで鳴っている音はパンクでもなければブルースでもない。これがこのアルバムの不思議なところだ。 音の主な特徴としては、エフェクトの少ないギターにこもったヴォーカルの音、ドラムスの構成が極めてシンプルな点、あとはベースレスのトリオといったところ。パンクやブルース、さらにはヒップホップ等様々にジャンル分けされる音楽の“断片”が確かに随所で聴こえてはくる。けれども、不思議なことに、全体としてはなぜだか全く別物の音楽なのだ。言い換えると、既存音楽をいったん解体し、それを組み立てなおしで別の新たなものに仕立てられている。ジョン・スペンサーは類まれなる才能の持ち主ということがよくわかる。[収録曲]1. Skunk2. Identify3. Wail4. Fu●ck Shit Up5. 2 Kindsa Love6. Love All Of Me7. Chicken Dog8. Cool Vee *日本盤ボーナス・トラック9. Get With It *日本盤ボーナス・トラック10. Rocket Ship11. Dynamite Lover12. Hot Shot13. Can't Stop14. Firefly Child15. Eyeballin16. R.L. Got Soul17. Get Over Here18. Sticky1996年リリース。 【送料無料】【輸入盤】Now I Got Worry [ Jon Spencer Blues Explosion (Blues Explosion) ] 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓
2012.01.12
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ジュリアじゃなくてジュリエット… いきなりふざけた見出しをつけてしまったが、有名な女優のジュリア・ロバーツではなくて、ジュリエット・ロバーツ(Juliet Roberts)というのがここで取り上げる女性シンガーの名前。ちなみに、ジュリー・ロバーツというカントリー系シンガー(もちろん別人)もいるので、混乱せぬようご注意を(笑)。 さて、ジュリエット・ロバーツは、グレナダ(元イギリス領で1970年代に独立したカリブ海の小国)系の血を引くイギリス人シンガー。80年代、いわゆるイギリス発のアシッド・ジャズの動きの中にあったワーキング・ウィークというグループでヴォーカルを務めていたが、その個性が強すぎることから、グループを抜け、およそ5年の沈黙(この間、他のグループにゲストで出たりコラボをするなどしていた)の後、満を持してソロとしてリリースしたのが、本盤『ナチュラル・シング(Natural Thing)』というアルバムだった。 一聴してダンス・ビート・ミュージック的なのが気になる人もいるかもしれない。ハウスやアシッドなどと言われても思わず拒否反応を示したくなる。何を隠そう、実は筆者はこの手のものがあまり得意ではなかったりする。ところが、落ち着いて本盤のジュリエットの歌声に耳を傾けてみると、抜群の上手さに釘付けにされてしまう。 面白いことに、ジュリエット自身も“ダンスと呼ばれることに満足していない”と語っている。本人の意識はむしろ“ソウル・シンガー”であって、個人的には、聴き手としてはそうした部分を掬い上げたくなる。この視点に立つと、4.「ライフ・ゴーズ・アラウンド」なんかは、本盤の特徴をよく表しているのかもしれない。どこかありがちな演奏かもしれない一方で、この個性とヴォーカル力の強さは際立っている。同じく、10.「セプテンバー」も、1980~90年代辺りのソウル系女性シンガーによくある楽曲風とも取れなくはない雰囲気なのだけれど、ヴォーカルの個性が妙にはっきりしていて、つまるところは個性的に出来上がっている。 そのようなわけで、冒頭の話に戻ると、名前が紛らわしいだけで流してしまってはいけない。ちゃんと聴いてみるだけの価値がある実力派シンガーとしてのジュリエット・ロバーツ、機会があれば一聴の価値があると思う。[収録曲]1. Caught In The Middle2. Free Love 3. Tell Me4. Life Goes Around5. Someone Like You6. Force Of Nature7. Save It8. Again9. I Want You10. September11. Eyes Of A Child12. Natural Thing13. Caught In The Middle –original mix-14. Free Love –original mix-1994年リリース。 【中古】輸入洋楽CD juliet roberts / natural things[輸入盤]【P15Aug15】【画】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2015.08.18
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2014.02.16
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20万アクセス記念 いま聴きたい名曲(7)第7回: CSN&Y(二―ル・ヤング) 「ヘルプレス(Helpless)」元記事リンク: CSN&Y (Crosby, Stills, Nash & Young) / D?j? vu(2009年10月2日) 再びニール・ヤングの登場です。 数日前に「孤独の旅路(ハート・オブ・ゴールド)」を取り上げたばかりですが、今回は、1970年、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングとしての最初のアルバム『デジャヴ』収録の「ヘルプレス」です。 当初はクロスビー、スティルス&ナッシュの3人組でしたが、ニール・ヤングがここに入るきっかけはこの「ヘルプレス」だった(この曲を前にしてメンバーはニールの加入に乗り気になった)そうです。 結局、この曲はCSN&Yという枠組みに関係なく、ニール・ヤングの代表曲の一つとなっていきます。 次のザ・バンドとの共演ヴァージョン、何ともカッコいいですね。この曲の素晴らしさと同時に、ザ・バンドの凄さを再認識させてくれる好演奏です。 結果的にニール・ヤングの曲紹介になってしまいましたが、実を言うと、最初はザ・バンド(『南十字星』)が聴きたい気分だったのです(笑)。関連のいろんな動画を見ていたら、今回は「ヘルプレス」に行き当たってしまったという次第です。 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ ↓
2011.10.29
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気まぐれ80s,セカンド・シーズン(その2)~個人的にはベストに近いバングルスのシングル曲 前回シリーズでは、バングルス(The Bangles)の曲としては、「エジプシャン(Walk Like An Egyptian)」を取り上げましたが、今回は、同じ2nd作の『シルバースクリーンの妖精』からの別のシングル曲、「マニック・マンデー」をお届けします。 チャート上は後からシングルになった「エジプシャン」が1位、こちらの「マニック・マンデー」の方は2位どまりなのですが、個人的には、実はこっちの方が好みなのです。インパクトという意味では「エジプシャン」にかないません。けれども、バングルスらしさ、彼女たちの魅力という点では、この曲の印象の方が断然強いといったところです。 ちなみにこの曲の作者として、“クリストファー”なる人物がクレジットされています。その実、何を隠そうあのプリンスの変名で、スザンナ・ホフスをいたく気に入って曲を提供したとのこと。“Just another manic…”というサビに入るところのフレーズは、当時のスザンナの可愛さが抜群に表現されていると思うのですが、プリンスがそれをイメージして作った曲ならなお納得、とうい感じがします。 でもって、その後の彼女たちなのですが、再結成後のアコースティック(というのだろうか…)・ヴァージョンでの「マニック・マンデー」もついでにご覧ください。 惰性でやっている感もないではないですが、皆さんいい感じにお歳をお召しになったというか、最初のビデオのキャピキャピ感(?!)と比べれば、すっかり大人の女性たちになりました。特にスザンナ・ホフスは、上述の通りその当時も可愛らしかったのですが、大人の女性という感じにすっかり変わっています。[収録アルバム]The Bangles / Different Light(シルバースクリーンの妖精) (1986年) 【送料無料】シルヴァー・スクリーンの妖精 [ ザ・バングルス ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.29
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ライブで発揮される実力 正確には“オリヴァー・ネルソンのビッグ・バンド”(Oliver Nelson’s Big Band)という名義で出されたライブ録音盤。1967年6月にロサンゼルスの“マーティーズ”というライブハウスでの3日間の演奏からピックアップされたナンバーが収録されている。そもそも、60年代後半のこの時期になって、もはやビッグ・バンドという形式が商業的に成り立ちにくくなってしまっていたであろうこの時期に、こういう盤が吹き込まれた理由というのを少し考えてみたい。 そもそもオリヴァー・ネルソンが編曲家として実力を発揮するようになったのは、1961年に『ブルースの真実』を吹き込んでからであった。その翌年、ジミー・スミスの作品(ヴァーヴでの最初のアルバム)のアレンジを手掛け、彼は編曲家としての名声を得た。その後もニューヨークを拠点に活動していたが、ジャズに携わる一方で、テレビCMや映画音楽なども手掛けていた。そんな中、本盤を吹き込んだ年(1967年)の初頭、彼はロサンゼルスに居を移し、心機一転の生活を始めていた。本盤の収録場所がロスのジャズ・クラブというのは、こういう事情があったようだ。 本盤を聴きながら思うのは、何よりも、このオリヴァー・ネルソンという人のアレンジ力が本当に見事だという点である。そのことは、彼が編曲を担当した他の盤からも見て取れるわけだけれど、この『ライヴ・フロム・ロサンジェルス』が凄いのは、文字どおりライブ録音盤であるという点にあるような気がする。 当然、ライブだから、スタジオでのようにやり直し(何度も録り直す行為)がきかない。もちろん3日間のライブの中でベスト演奏をピックアップしているので、それなりに選ばれてはいるのだろう。また、録音が行われたロサンゼルスの“マーティーズ”での演奏は、実際にはこの3日間だけでなく1週間だったという。なので、実況録音という観点からすれば、それまでに4日間は公演しながら息をあわせ、完成度を高める機会はあったわけだ。そうは言っても、ライブの場でこれだけの構成力と統率力が発揮されているというのは恐れ入る。 当時の彼は、ジャズに限らずいろいろな音楽を好んで聴き、ポップヤクラシック、あるいは今で言うワールド・ミュージックなども分け隔てなく聴いていたらしい。つまり、聴き手としてのトータルな力がそのまま仕事に反映され、本盤の編曲、本演奏のまとまりに結びついているように思える。その編曲具合はと言えば、ある意味では実にキャッチー(もちろん悪い意味ではなく)で、聴衆のハートをつかむのがうまい。単なるビッグ・バンドというだけならなかなか人を振り返らせることがなくとも、これだけ聴き手の支持を得られるようなビッグ・バンドなら話は別だったのだろう。ライブの臨場感を楽しむというのがライブ録音盤の真髄なのかもしれないが、この盤にはそれに加えてネルソンの編曲のよさとバンドのまとまりがある。ふつうは後者が強いと前者が弱まるものだけれど、この盤はライブ感が失われないままそうした特徴が生かされている。その点において、傑出した出来の盤と言える。[収録曲]1. Miss Fine2. Milestones3. I Remember Bird4. Night Train5. Guitar Blues6. Down by the Riverside7. Ja-Da[パーソネル、録音]Oliver Nelson (ss, arr, cond)Buddy Childers, Bobby Bryant, Freddy Hill, Conte Candoli (tp)Billy Byers, Pete Myers, Lou Blackburn, Ernie Tack (tb)Gabe Baltazar, Tom Scott, Bill Perkins, Jack Nimitz, Frank Strozier (reed)Frank Strazzori (p)Monte Budwig (b)Mel Brown (g)Ed Thigpen (ds)1967年6月2、3、4日録音。 【送料無料】【輸入盤】Live From Los Angeles (24bit)(Rmt) [ Oliver Nelson ] 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓
2011.08.07
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