本作『クールの誕生(Birth Of The Cool)』は、1949~50年に吹き込まれ、ビ・バップ以降発展してきたアドリブ至上のジャズの世界に新たな転換をもたらした、いわゆるクールジャズの出発点とされるアルバムである。そんなわけで、ジャズ史的には重要作品ということになるわけだが、その一方で、果たして聴いて面白いのか、という批判も受けてきた。確かに、本盤をマイルスの「代表作」として、初めてマイルスを聴く人にすすめるというのはどうかと思う部分もある。
録音:1949.1.21(1, 2, 5, 7); 1949.4.22(4, 8, 10, 11); 1950.3.9(3, 6, 9, 12) Miles Davis (tp), Kai Winding (tb), J.J. Johnson (tb), Lee Konitz (as), Gerry Mulligan (bs), Al Haig (p), Joe Shulman (b), Nelson Boyd (b), Max Roach (ds), Kenny Clarke (ds)ほか