音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年09月12日
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カテゴリ: ジャズ




 最初にこのアルバムを手にした時の目当てはパット・メセニー(Pat Metheny)であった。しかも、パット・メセニーのアルバムの中で最初に手にとったのがなぜかこのアルバムだった。実際に聴いてみると、すぐに気に入った。本作は、一聴すると、確かにパットのギターがメインであるように聞こえる。したがって、筆者は、パット・メセニーのギターを気に入ったのだと勘違いした。

 他のパット・メセニーのアルバムを聴くうちに、何か違うと思うアルバムもあった。そうこうするうちに気づいたのは、パット・メセニーの演奏を気に入ったというよりも、チャーリー・ヘイデンの方が気に入った要因だったということに気がついたのだ。いや、もう少し正確に言えば、チャーリー・ヘイデンが作り出す世界(それゆえその中でギターを演奏するパット)が筆者の心を打ったのだった。

 本盤は、ギター(パット・メセニー)とベース(チャーリー・ヘイデン)の二人による演奏から成る。ベースとギターだけが織りなす、静かな世界である。1.「ワルツ・フォー・ルース」からして、物憂げな旋律が非常に美しい。旋律の美しさと物悲しさの共存という点では、4.「トゥー・フォー・ザ・ロード」、5.「ファースト・ソング」、8.「ヒーズ・ゴーン・アウェイ」、11~12「ニュー・シネマ・パラダイス」、13.「スピリチュアル」といったあたりの叙情性に強く惹かれる。上で述べたように、パットのギターだけがそれを演出しているのかと思いきや、何度か繰り返して聴けば、ベース奏者チャーリー・ヘイデンの役割が実は大きいということがわかる。

 本作『ミズーリの空高く(原題:Beyond The Missouri Sky (Short Stories))』のタイトルにある、ミズーリ州は、パット・メセニーの出身地である。しかし、筆者はミズーリに行ったこともないし、どんな場所なのかというイメージすらない。けれども、このアルバムを聴いていると、ジャケットに映し出された光景と重なって、ミズーリの夕暮れの空が浮かんでくる。続いて、その光景は静謐さをたたえた夜になり、やがて夜明けへと近づいていく。これはこれで聴き手の勝手な解釈なのかもしれないけれど、音楽がイマジネーションを促すものということを実感させてくれるアルバムだと強く感じる。



[収録曲]

1. Waltz for Ruth
2. Our Spanish Love Song
3. Message to a Friend

5. First Song (for Ruth)
6. The Moon Is a Harsh Mistress
7. The Precious Jewel
8. He's Gone Away
9. The Moon Song
10. Tears of Rain
11. Cinema Paradiso (love theme)
12. Cinema Paradiso (main theme)
13. Spiritual

録音:1996年(1997年リリース)






Charlie Haden/Pat Metheny チャーリーヘイデン/パット メセニー / ミズーリの空高く Beyond The Missouri Sky 【CD】




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Last updated  2016年02月04日 09時52分26秒 コメントを書く


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