音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009.11.02
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テーマ: Jazz(2021)
カテゴリ: ジャズ




 ケニー・バレルのことを書く際にはこのアルバムを真っ先に取り上げたいと思っていた。にもかかわらず、気がつくと 『2 ギターズ』 『ジョン・ジェンキンス・ウィズ・ケニー・バレル』 といった他の盤について先に書いてしまった。今さらながら個人的な(しかも思い入れが多分に含まれた)見解を述べておくと、“ケニー・バレル最初の1枚はどれがいい?”と訊かれ、私的好みを存分に盛り込んでいいのならば、筆者は本盤を推すだろう。

 このアルバムのタイトルは少し紛らわしい。ジャケットを見れば"Kenny Burrell"としか記されていない。とはいえ、これは実は2枚目のリーダー作なのである(それゆえ、日本語タイトルには"Vol. 2"などという表現が添えられている)。実際に最初に出されたアルバム(デビュー作)は、『イントロデューシング・ケニー・バレル』というタイトルである。アルバムのタイトルだけがややこしいのではなくて、録音の月日の順序を考えるとさらにややこしい。少々紛らわしいが、落ち着いて整理してみると、次のようになる。

 1作目の『イントロデューシング・ケニー・バレル』の録音日は1956年5月29日である。ところが、第二作にあたる本盤『ケニー・バレル Vol. 2』の録音日は、同年3月12日(厳密には、この日付の録音は8曲中の5曲で、5月29日・30日・31日のものが各1曲ずつ含まれている)。つまり、3月12日に最初に録音されたものはファースト・アルバムには採用されず、いったんお蔵入りになってしまったという訳である。その後、2ヵ月半ほど経ってあらためて録音した音源から"ファースト・アルバム"が制作され、眠っていた音源はセカンド・アルバムで使用されてようやく陽の目を見る。

 1956年当時のバレルは、出身地デトロイトから前年にニューヨークへ出てきて間もないの25歳の若者。ブルーノートのオーナー、アルフレド・ライオンは相当に気に入ったのだろう。別のアルバム(サド・ジョーンズのアルバム)のサイドメンとして録音に参加させると同時に、同じ日にいきなり彼をリーダーにして録音を行なっている(それが本盤の4.~8.に収められた5曲となった)。ギター奏者をいきなりリーダーにして録音というのは、思い切った決断だったのではないかと思うが、バレルのブルージーなギター演奏は既に確立されているし、リーダー作を録音するのに申し分なかった。にもかかわらず、この録音がそのままデビュー作にはならなかった。おそらくは、録音結果がギター奏者を売り出すデビュー作としてのインパクトに欠けていたというのが唯一の理由だったのかもしれない。

 そのようなわけで、2ヵ月半後、今度はメンバーを変えて、あらたに録音がなされる。ドラムがケニー・クラーク、ベースがポール・チェンバースに変わったほか、コンガ奏者(キャンディド)も追加された。上述の通り、このセッションの音源がファースト・アルバムとなる。本セカンドアルバムにも、同じセッションから1曲が収録されることになる。冒頭の1.「ゲット・ハッピー」がそれである。さらには、その翌日にソロ・ギターを録音した2.「バット・ノット・フォー・ミー」、おまけに、さらに翌日の別のライブ(ケニー・ドーハムの『カフェ・ボヘミア』)からの音源である3.「メキシコ・シティ」。以上の計3曲を以前の最初の音源の5曲とあわせることで、8曲入りの本盤の完成となった。

 録音日のデータ見たいな話でいつもの字数に達してしまった。今回に関しては、前・後編にわけることにして、次項にこの続きを記したいと思う。思い入れのあるアルバムなのでつい話が長くなってしまった。煩雑だけれどもお許しいただきたい。




[収録曲]
1. Get Happy
2. But Not For Me
3. Mexico City
4. Moten Swing
5. Cheeta
6. Now See How You Are
7. Phinupi
8. How About You

録音: 1956年3月12日(4.~8.)、5月29日(1.)、5月30日(2.)、5月31日(3.)

パーソネル(曲別):

2.: Kenny Burrell (g) *ギターソロ。
3.: Kenny Dorham (tp), J. R. Monterose (ts), Kenny Burrell (g), Bobby Timmons (p), Sam Jones (b), Arthur Edgehill (ds)
4., 5.: Kenny Burrell (g), Tommy Flanagan (p), Oscar Pettiford (b), Shadow Wilson (ds)
6.~8.: Frank Foster (ts), Kenny Burrell (g), Tommy Flanagan (p), Oscar Pettiford (b), Shadow Wilson (ds)

Blue Note 1543








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Last updated  2016.02.04 22:47:56 コメントを書く


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