音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年11月22日
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テーマ: Jazz(1972)
カテゴリ: ジャズ




 ハンク・モブレー(Hank Mobley)は、1930年、米国ジョージア州出身のテナー・サキソフォン奏者および作曲家。50年代後半から60年代にかけて数多くのリーダー・アルバムを主にブルーノート・レーベルに残しており、著名ミュージシャンのアルバムへの参加も数多い。70年代半ばからは体調を悪くして引退状態が続き、以降はほとんど吹き込みはなく、1986年に亡くなっている。

 この人の可哀相なところは、"愛すべきB級テナー"などという、嬉しくもない称号を与えられている点である。"B級"という表現にこだわる人は、"B級というのは二流という意味ではない"とか、"B級というのはほめ言葉である"とか言い訳がましい説明をする。けれど、どう考えてもいいネーミングじゃない。きっと"革新的"で、"難解な"音楽こそがジャズという偏見の上に生まれてきたネーミングなのかとすら疑ってしまう。

 ちなみに、レナード・フェザー(英国生まれのジャズ・ピアニスト)は彼のことを"テナー・サックスのミドル級王者"(アグレッシブでもなく甘くもないという意味でミドル級)と評している。もし"B級"という表現がここに由来するのなら、とんでもない解釈違いだし、"B級"などという格好悪い名称よりはせめてこの"ミドル級王者"の方がずっといいと思うのだけれど…。

 さて、そんな彼の代表作の一つがブルーノート盤の本作『ソウル・ステーション(Soul Station)』である。何よりも、ワン・ホーン(管楽器は彼のテナーだけ)という編成なので、モブレーの演奏を落ち着いて聴くことができる。1曲目の「リメンバー」からして、実に"まったり"なムードである(ただし、"甘い"とか"甘美な"という感じではない)。この曲での演奏は、とりわけ、彼のテナーが聴き手の心を暖めるものであることをよく表わしていると思う。以降、2曲目からはモブレー自身の作が続く。いずれも、リラックスした雰囲気のワン・ホーンのテナーを堪能できる。どの曲も好きなのだが、敢えて1曲だけお勧めを挙げるとすれば、表題曲(5.「ソウル・ステーション」)であろうか。

 本盤の特色が彼のテナーだけかというとそうではない。彼のテナーが際立つためには、きっとこのメンバーが必要だったのだろうというメンバーが揃っている。ピアノにウィントン・ケリー、ベースにポール・チェンバース、そして、ドラムはアート・ブレイキーが務めていて、いずれも名だたるジャズ・ミュージシャンたちだ。中でも、このアルバムではウィントン・ケリーの役割が大きいと思う。ピアノ・ソロだけではなく、全体を支える役としてのピアノ演奏が"心暖まるテナー"の魅力を存分に引き出しているように感じる。

 ともあれ、聴きやすい1枚なので、初めての方にも推薦できるアルバムである。まずは、ハンク・モブレーの暖かいテナーをご堪能あれ。



[収録曲]
1. Remember

3. Dig Dis
4. Split Feelin's
5. Soul Station
6. If I Should Lose You

Hank Mobley (ts)
Wynton Kelly (p)
Paul Chambers (b)
Art Blakey (ds)

録音: 1960年2月7日

Blue Note 4031





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