そんなわけで、本盤『再会(原題:アマング・フレンズAmong Friends)』である。当時アート・ペッパーは自作曲中心のアルバムをコンテンポラリー/OJC(Original Jazz Classics)に吹き込んでいたが、そんな中、日本のレーベルが関わって録音したスタンダード曲集である。自作曲は1.「再会(Among Friends)」(セッションの最後に録音されたブルースで、録音後にこのタイトルが決まったという)だけで、残る7曲を見ると、セロニアス・モンク作の「ラウンド・ミッドナイト」、ケニー・ドーハム作の「ブルー・ボッサ」、さらには「ホワッツ・ニュー」や「四月の想い出(I’ll Remember April)」、加えてラテンの有名曲「ベサメ・ムーチョ」といった有名曲がずらりと並んでいる。いくつかの曲は過去にもアートが吹き込んだことのあるものである。例えば、5.「恋とはなんでしょう(What Is This Thing Called Love)」は『モダン・アート』にも収録されていたし、7.「ベサメ・ムーチョ」は妻ローリーのリクエストでその場に吹き込まれた再演である。