音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2011年08月25日
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テーマ: musica latina(82)




 タニア・リベルター(Tania Libertad)は、ペルー出身で、メキシコで活躍する女性シンガー。現代風なポップやロックというよりは、いかにもラテン系の伝統的歌唱を得意とするタイプの歌手( 過去記事 を参照)である。他方、一緒にアルバムの名義人になっているフィル・マンザネラ(Phil Manzanera, スペイン語読みではマンサネラ)は、イギリス人ながらコロンビア人の母をもち、ラテンアメリカでの生活経験を持つ、一風変わった音楽的バックグラウンドのギタリストである(同じく 過去記事 を参照)。

 『ボレロス・デ・オイ』(スペイン語で『今日のボレロ』)という表題からもわかるように、本盤の題材はボレロでありながら、料理の仕方は“オイ(今日)”つまりは現在を意識したサウンドになっている。ボレロというのは、ショパンやラヴェルといったクラシックで言うところのボレロとは異なり、18~19世紀にキューバで発展した音楽で、ラテンアメリカ諸国に広まっていったとされる。タニア・リベルターが活躍するメキシコでもボレロの認知度は高く、根強い人気がある。それを現代的に解釈したのが、このアルバムということになる。

 アルバム全体としての特徴は二つある。一つは、マンザネラの幻想的ギターの演出が随所で効果を発揮している点である。“現代的な音で演るボレロ”というコンセプトは大部分がマンザネラの優れたセンスのおかげで成功しているとすら言ってもいいかもしれない。

 もう一つの特徴は、収録された全11曲中の4曲でのゲスト参加である。2.「トレス・パラブラス」は、いわゆるラテン・ジャズ系でもよく取り上げられる曲。ジャズ側の演奏では、例えば、ケニー・バレル(『ブルージー・バレル』)やスティーヴ・キューン( 『キエレメ・ムーチョ』 )などが思い浮かぶ。ここでは、スペインの有名シンガー、ミゲル・ボセー(Miguel Bos?)が共演している。3.「アモール・ヒターノ(ジプシーの愛)」ではアスカル・モレノ(Az?car Moreno)がゲスト参加となっている。

 残る二つの共演曲のゲストは、ラテンアメリカではそれぞれかなりのビッグネームである。5.「アオラ・レスエルタ(いま、わかった)」では、この曲の作者(ちなみに本盤中では4.と10.も彼のペンによる)であるアルマンド・マンサネロ(Armando Manzanero)とのデュエット。アルマンド・マンサネロはメキシコの“小さな巨人”(小さな、というのは背が低いという意味)で、歌手としてだけでなく、数々の有名曲の作者として知られる。さらに、10.「ア・エソ・デ・ラス・オチョ(8時ごろ)」では、ジャズ界でも名を知られたブラジルのミュージシャン、イヴァン・リンス(Iv?n Lins)とのデュエットである。





[収録曲]

1. Flor de azalea
2. Tres palabras (d?o con Miguel Bos?)
3. Amor gitano (con participaci?n especial de Az?car Moreno)
4. No ha pasado nada
5. Ahora resuelta (d?o con Armando Manzanero)
6. Qu? sabes t?
7. Ay cari?o
8. Estoy perdida
9. Por qu? negar
10. A eso de las ocho (d?o con Iv?n Lins)


1991年リリース。






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Last updated  2011年08月25日 13時10分56秒 コメントを書く
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