音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2012年02月12日
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テーマ: Jazz(1967)
カテゴリ: ジャズ




 クラーク・テリー(Clark Terry)は、1920年、ミズーリ州セントルイス生まれのトランペット奏者。ビッグ・バンドでの活動が多い(ライオネル・ハンプトン、カウント・ベイシー、デューク・エリントン、クインシー・ジョーンズといったそうそうたるミュージシャンの楽団で演奏している)せいか、この人の活躍は、本盤を含め、あまり話題にされない。確かに、どこか地味ではあるのだが、実は凄いミュージシャンで、ひそかに高い定評がある。いわば“縁の下の力持ち”的で、主役としては登場しない名奏者が主役として吹き込まれたのが、この『セレナーデ・トゥ・ア・バス・シート(Serenade To A Bus Seat)』というわけである。

 安定感のあるメンバーでの録音で、ベースがポール・チェンバース、ドラムがフィリー・ジョー・ジョーンズ。ピアノは、センスとスィング感覚に溢れるウィントン・ケリーが演奏している。二管で共演しているのは、ジョニー・グリフィン(テナーサックス)である。この最後の人選は、本盤の録音の少し前にクラーク・テリーがエリントンのバンドでシカゴへ行った時、シカゴ出身のグリフィンの演奏を聴いて“絶対にこの人物が必要”と考え、ブルーノートからの客演が実現した。

 グリフィンとの二管は見事成功し、スリリングなアンサンブルが本盤のあちらこちらで聴くことができる(この点に関して、個人的好みは、4.と5.)。さらにグリフィンを迎えた理由は、スタンダード曲の6.「スターダスト」からもよくわかる。この曲におけるクラーク・テリーのトランペットとジョニー・グリフィンのサックスの対話は、この人選がベストだったことをよく示していると思う。

 もう一つ、この盤のすぐれている点を挙げると、曲のセンスであろう。アルバム自体はチャーリー・パーカーの曲で幕を開けるが、その後には自作曲が多く並び、間にスタンダード曲も挿入される。“既存の曲を料理してみました”というのではなく、自作曲中心に構成しながら必要に応じて他の曲も取り入れたという感じ。それでもって、自作曲は比較的シンプルながらいずれもよくできたものである(個人的には、2.、4.、5.が特にいい)。別に複雑な曲が悪いというつもりはないが、こういうシンプルでありながら聴き手の印象に強く残る曲を作れるところは、やはり見事な才能なのだろう。



[収録曲]

1. Donna Lee
2. Boardwalk
3. Boomerang

5. Serenade To A Bus Seat
6. Stardust
7. Cruising
8. That Old Black Magic


[パーソネル・録音]

Clark Terry (tp)
Johnny Griffin (ts)
Wynton Kelly (p)
Paul Chambers (b)
Philly Joe Jones (ds)

1957年4月録音






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