クラーク・テリー(Clark Terry)は、1920年、ミズーリ州セントルイス生まれのトランペット奏者。ビッグ・バンドでの活動が多い(ライオネル・ハンプトン、カウント・ベイシー、デューク・エリントン、クインシー・ジョーンズといったそうそうたるミュージシャンの楽団で演奏している)せいか、この人の活躍は、本盤を含め、あまり話題にされない。確かに、どこか地味ではあるのだが、実は凄いミュージシャンで、ひそかに高い定評がある。いわば“縁の下の力持ち”的で、主役としては登場しない名奏者が主役として吹き込まれたのが、この『セレナーデ・トゥ・ア・バス・シート(Serenade To A Bus Seat)』というわけである。