音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2014年09月21日
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 ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)は、1979年生まれで、2002年にブルーノートから 『カム・アウェイ・ウィズ・ミー』 (邦題は『ノラ・ジョーンズ』)でデビューした女性ジャズ・ヴォーカリスト、ピアニスト。ジャズ・ヴォーカルと言っても、ジャズべったりではなく、ポピュラー・ミュージック的要素を多分に取り入れたシンガーといった方がしっくりくる。同デビュー盤は予想を超えた大ヒットとなり、2004年にリリースされた第2作『フィールズ・ライク・ホーム』も発売5日後に100万枚(ミリオン・セラー)という売り上げを記録した。これに伴い多忙なツアーが続いた。

 その後、ようやく休養期間を得たノラ・ジョーンズは、前作から3年の間隔をあけて第三作を出すことになる。それが本盤『ノット・トゥ・レイト(Not Too Late)』で、2007年初頭にリリースされた。この間、よくあるパターンとしては、多忙な日々の後の休息をとりそうなものだけれど、彼女の場合は、レコード会社も関知しないところで、自作の準備をしていたとのこと。前作までは自作でない曲が結構多かったのだが、本作では共作を含めればすべて自作曲になっている。しかもそれらの中には既に前作のツアー時に書き溜めていたものも含まれていたという。本人としては休息以上に、それほどにまで意欲いっぱいの気持ちが持続していたということなのだろう。

 結果、出来上がった作品は、以前よりも曲の作者としての本人の役割が大きい。にもかかわらず、同時に、第1作、第2作の延長線にやはり位置しているようにも思う。その最大の理由は、やはり“この声の人”という点である。ソングライティングの占める比率が高くなり(その分、トム・ウェイツの影響を受けたと本人が語る“ストーリーテラー”的な部分も顔を見せている)、当初のイメージよりも“ジャズっぽさ”が一層少なくなったものの、最後は“この声の人”、つまりは、ヴォーカルが最大の魅力として継続している、というのが率直な感想だったりする。

 好曲多きアルバムだけれども、いくつか曲をピックアップしてみると、1.「あなたにいてほしい(Wish I Could)」や表題曲の13.「ノット・トゥ・レイト(Not Too Late)」は、期待通りのヴォーカルの聴かせどころ。その一方、2.「シンキン・スーン」や3.「ザ・サン・ダズント・ライク・ユー」のように少し雰囲気を変えてみたり、8.「マイ・ディア・カントリー」のようにピアノ中心にシンプルに歌うものもあったり(といってもこの歌詞の内容は刺激的だけれど)と、ヴァラエティにも飛んでいるように思う。

 その後の作品(2009年の『ザ・フォール』、2012年の『リトル・ブロークン・ハーツ』)を聴いてもそうだけれど、この人はまだまだ聴き続けられる作品を後世に残してくれそうな気がする。



[収録曲]

1. Wish I Could

3. The Sun Doesn't Like You
4. Until the End
5. Not My Friend
6. Thinking About You
7. Broken
8. My Dear Country
9. Wake Me Up
10. Be My Somebody
11. Little Room
12. Rosie's Lullaby
13. Not Too Late


2007年リリース。






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Last updated  2014年09月21日 07時53分02秒 コメントを書く
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