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衆院選を受けた第215特別国会で石破茂首相は11日、衆院本会議での首相指名選挙で決選投票の末、第103代首相に選出されました。テレビがどのように報じたのか振り返ってみます。
同日の「NHKニュース7」は、この結果について政治部の田尻大湖記者が 「野党側がまとまれなかったことに助けられたという印象です。衆議院では野党が過半数あるので仮に一致すれば政権を取れた。協力したのは共産党など一部で国民民主党、日本維新の会は応じなかった」 と解説。しかし「ニュースウオッチ9」は、各党のコメントのみで政治部記者の解説はありませんでした。非常に物足りなさを感じました。
「報道ステーション」(テレビ朝日系、11日)は、決選投票の84票の無効票について「野党は野党で反省がある。決選投票で出た無効票84票は単なる死に票でなく自民党政権の存続に役立った」と指摘。しかしスタジオでその点を深めることはありませんでした。
「news23」(TBS系、11日)は、国民民主党・玉木雄一郎代表の不倫や「103万円の壁」についての報道が中心で首相指名選挙に触れませんでした。「FNN Live News α」(フジテレビ系、11日)も同様でした。
各テレビ局の恬淡(てんたん)とした紹介に反して「サンデーモーニング」(TBS系、10日)での畠山澄子さん(ピースボート共同代表)のコメントは光っていました。国民民主党の玉木代表が決選投票でも玉木と書く、と発言したことに触れ「党首を担う政治家としてあるまじき発言。事実上無効票になる票を投じたり結果として自民党に利する行動は受け入れたくない」と。 有権者が下した自民・公明両党への審判に対し、石破政権の延命に手を貸した各党の姿勢は、メディアも批判すべきでした。
(こすみ・ひさよし=ジャーナリスト)
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