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2007.09.13
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カテゴリ: 読書
2007年本屋大賞と第28回吉川英治文学新人賞を受賞した佐藤多佳子「一瞬の風になれ」。
本屋大賞というのは、本屋さんで働いている人たちが「この本売りたい!
もっとたくさんの人に読んでもらいたい、面白いよ!」と選ぶ賞なので
まず「ハズレ」はないとみていいし、佐藤多佳子さんは「しゃべれどもしゃべれども」が
面白かったので、とても期待していました。

一冊ごとにサブタイトルがついていて、第一部が「イチニツイテ」


第二部が「ヨウイ」


第三部が「ドン」




このサブタイトルからピンとくるかも知れませんが、とある普通の公立高校の陸上部の生徒たちの青春群像。

兄はJリーグにスカウトされる逸材。それに比べてサッカーの才能の無い自分に迷っていたが
幼馴染の連の「足速いな。ボールが無かったらもっと速いんじゃないの?」という言葉に
愕然。サッカーをしている人間にその言葉はあんまりだ、と。

その言葉を発した連は中学時代陸上部に所属。天才と呼ばれ、周囲から大いに期待されながら
途中退部。かけっこは好きだけど練習やトレーニングにそれほど燃えることができなかったのだ。

この二人が、陸上部が特に強いわけでもない公立高校に進学し、陸上部に入部。
天才型の連と努力型の新二という逸材二人が入ったことで俄然活気づく陸上部。

走ること、強くなることをただひたすらに目指す高校生(特待生ではない)たちの
姿は美しさすら感じます。
また、個人競技でなく、四継(100×4リレー)により熱く燃えるところに
競技を超えた仲間の絆を感じて胸が熱くなるんです。


キャラクターがしっかり立っています。
私が一番好きなのは風水オタクの先輩。

シューズを何足も持っているのは、試合会場のコンディションに応じて、機能・性能で
選び分けるため…ではなく試合当日の風水占いで出たラッキーカラーで選ぶため。
スタート準備のときにも、自分の体調やライバルの様子などまるで関係なし。

ライバル校の陸上部顧問の「お前ンとこは誰が走るんだ、占いバカか?」と
いうセリフを読んだときには思わず噴き出してしまいましたよ。


さてこの「一瞬の風になれ」は直木賞を逃しています。

選考委員の一人 渡辺淳一氏によると
『優しく爽やかで軽すぎる。はたしてこれが男の子の実態といえるのか。
作家が異性を書くときは、その異性の感性から生理まで書ける自信がなくして、
簡単に挑むべきではない。』
だそうな。
私は渡辺作品を文学作品だと思ったことが一度も無いので、彼が直木賞の
選考委員を務めていること自体が驚きでございます。

そうプンプンしていたのですが、同じく直木賞選考委員・北方謙三氏
『丁寧に、よく書かれていると思う。しかし、汗の臭いがたちのぼってこない。
挫折や苦悩や嫉妬や屈辱という、マイナスの情念が、実は小説ではプラスに
なり得るものかもしれない、という発想が排除されているという気がする。
爽やかさに、手放しで拍手を送れない、と私は感じ続けていた。』

井上ひさし氏
『美点の多い作品である。また、走ることを書き切るために疾走感のある
軽やかな文体を採用したところにも感心したが、物語の展開があまりにも
定石通りだった。』

このお二人の言葉には素直にうなずけるものがありました。


でもそういったプロの意見もありながら、全国の本屋さんが
「この本をもっと皆に読んで欲しい」と選んだのは何故か?
長く生きていると、人間心に垢がたまってきます。
そんなときにピュアなものに触れれば、心に涼やかな風が吹いてくるものです。

だからいいんだ!直木賞がとれなくったって。
私は個人的にお勧めです。
私は走るのが得意ではなかったし、これからも走るつもりはないけれど
生まれかわったら陸上部に入ることに決めましたから。

三冊まとめ買いもありです。








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最終更新日  2007.09.13 19:51:15
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