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2009.02.21
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カテゴリ: 映画・舞台観劇
行ってまいりました。

まずは田口章子教授のミニ講座。
この方、本当に美しい。私の宝塚歌劇での初恋のひと、元雪組トップスター
麻実れい さんに似ているんです。
江戸っ子であること、おっとりしたしゃべり方であるところも。
ただ、ターコさん(麻実れい)はどうだかわかりませんが、田口教授はかなり辛らつです。
歌舞伎に関して語るとき、役者や演目などに関してはかなり辛口。そこがまた壮快!

今回の演目に関するプチ講座。内容を思い出してご紹介すると…


元々この演目は江戸の役者が大坂(当時)に初めて勝負をかけた演目。
もともと江戸歌舞伎は荒事中心。スーパーヒーローがドンドコ暴れて
派手なアクションをしてお客さんを喜ばせる…というものだけど
関西のお客さんにはそれだけじゃ通用しない…ということで
謎解きの要素を含んだお芝居になっています。
小さい部分にひっかからずに、まずは様式美、形式美を楽しむつもりで
見ましょう…とのこと。

二、鷺娘(舞踊)
恋の妄執を描いた作品。女形の素養・才能(身体の柔らかさなど)を全て
披露できるような振り付けになっています。
まずは出の部分で七之助がどんな鷺の精になっているか見てみましょう。

引抜など、日本人が編み出した衣装換えの工夫も楽しめます。

三、女殺油地獄
23歳にもなって仕事もろくにせず、親のはんこをくすねてお金を借りては
女遊びなどをする放蕩息子の衝動殺人。
今の新聞記事にもありそうな題材です。

目だけではなく耳でも楽しめる作品。

約30分でのミニ講座のあと、ゲスト玉岡かおるさんのお話、
(昨日、「お家さん」織田作之助大賞の授賞式だったのですね)
抽選会(全然当たらなかった)、お土産をいただいて、松竹座へ移動。

お土産は南フランスのジャム屋さんがコトコト作った
さくらんぼ(ブラックチェリー)ジャム。たっぷりサイズの320gです。
2009/2/21お土産
松竹座前で、いつも玉岡かおるさんの講演会でおなじみの
女将さん と記念写真。
2009/2/21女将さんと松竹座前
光線の加減で着物の色がちょっとわかりづらいかしら。
女将さん、今日は絞りの帯に、雛人形の帯留。遊び心ありますねぇ。
2009/2/21ひな祭り帯留
さて、座席は3階2列。上手よりのサブセンター。
一幕目の「毛抜」
主役の粂寺弾正の中村獅童。何をしゃべっていても私の脳裏には
「いま会いにゆきます」がチラチラするのには ちょっと困りました。
(友人は「ピンポン」を思い出していたらしい)
この話、お姫様の髪の毛が逆立つという怪奇な病気のために
決まっていた縁談がなかなか進まず、相手方のお屋敷から
差し向けられた粂寺弾正が、お姫様の病気だけではなくお家騒動を
解決してしまうというお話。
特にお姫様の髪の毛の件は科学ミステリで、 東野圭吾の探偵ガリレオシリーズ
江戸時代にすでにあったのか、という感じ。
この作品は歌舞伎十八番の一つ、ということで元々は市川団十郎の
もちねたです。
そのせいか、台詞回しがすべて団十郎っぽかったのですが、
誰がやってもそういうふうに話さないといけないものかしら。
弾正くんが綺麗な男の子も好き、女性も好きなんて場面もあり
それも妙に現代と通じるものを感じて、人間の本質って
なかなか変わらないものなのねぇ…と思いました。

30分の休憩にお昼ごはん。
フェリシモさんからいただいたのは、 キムカツサンド とお茶。
分厚いとんかつ、よく見たらブタスライスのミルフィーユみたいになっていて
見た目より食べやすくてボリュームもあり。
美味しかったです。

続いて「鷺娘」
踊るは中村七之助。文句なしに綺麗な鷺娘です。
が、なんだか あっさりしてるなぁ…というのが正直な感想。
初役と聞いた先入観からか、踊るのに一生懸命で情感が乏しく見えたのです。
原因その一。
寂しげな風貌なので、クドキのあと曲調が明るくなる部分
「♪須磨の浦辺で汐汲むよりも
君の心は汲みにくい さりとは 実に誠と思はんせ…♪」
のあたり、この踊りの中で唯一楽しげな部分があんまり楽しそうに
見えないんですねぇ。
そして狂いの場面があんまり狂おしくない…。
私が始めて「鷺娘」を見たのは小学校3年生でしたがそれでも
「牙噛み鳴らし ぼったてぼったて…♪」の振り付けは音楽、歌詞とともに
強烈に印象に残ったのに、七之助は意外とおとなしい。
解釈の違いなのかなぁとも思いますけど、もっとメリハリをつけて
ほしいと思うのは、コテコテの関西人感覚かしら?

余談:あんまり表情が変わらないので、花組「太王四神記」の
ユウヒ君ホゲみたいや…と思っていたら、一緒に見に行っていたユウヒ君
ファンの友人もそう思っていたそうです。


「女殺油地獄」
役者以前に、なんて面白い話なんだろうかと、近松門左衛門は天才だ~!!と思いました。
パーッと明るく陽のふりそそぐ川の土手、野崎参りに行きかう人たち。
そんな明るい場所に、放蕩息子の与兵衛が登場。
笑いの中に、のちの悲劇の種が潜んでいるとは。
次の与兵衛の実家「河内屋」では与兵衛の目に余る態度、
家庭内暴力といった現代を思わせる展開が。
そして殺人現場となる油屋では、まずは勘当したものの息子を思う
親の気持ちが描かれ、それを垣間見て親にすまないとおもうと同時に
「とはいえ、今日中に借りた金を返さねば…」と転がり落ちていく
与兵衛の心の変化が描かれていきます。
どの場面をとってみても「あるある、そういうことって」の連続。
理屈はわかっていても行動できないのが人間…近松門左衛門は
センセーショナルな殺人事件を描きながらも、人間共通の
ものを描ききっていると思います。

与兵衛の片岡愛之助。
おととし拝見した仁左衛門さんと比べるのは酷でしょう。
仁左衛門さんは役をまさに手中にされている感じがしましたもの。
役に余裕があるというか、幅があるというか。
愛之助にはまだ余裕はみられません。
が、どういうことか見ていると「ああ、仁左衛門さんがいる…」と
感じました。表情、口の開け方…小さなことなんですが、
似ているんです。きっと仁左衛門さんの教えを受けたということも
あるでしょうけど、「家の芸」の伝承、芸風ってこうやって
受け継がれていくんだなぁと思いました。
殺されるお吉の市川亀治郎。
素顔はあんまり可愛くはないのですが、ちゃんと人妻に見えました。
しかもなんだか可愛いし色っぽい。演技も危なげないし。

若手による花形歌舞伎、歌舞伎の未来は明るいなぁ。

追伸:いつも着物の友人は、昨日仕事が忙しすぎて着物の用意ができず
洋服でした。
シック&ゴージャスだったのに、写真撮るのを忘れた~!!ごめん。

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最終更新日  2009.02.21 20:50:03
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