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2011.07.03

ともみ先生（立ともみ）＠「第５回　宝塚パリ祭」

(4)

テーマ：宝塚ＯＧさんは今どんな活動していますか？(1200)

カテゴリ：宝塚

昨日と今日、宝塚ソリオホールで開催の第５回宝塚パリ祭。

初日の昨日がスイート、今日がビターで
ともみ先生（元宝塚歌劇団　立ともみ）は昨日の「スイート」に
ご出演でした。

歌われたのは３曲。
第１部６番　アコーディオン弾き
第２部３番　黒い鷲
　〃　１０番　ひとかけらの勇気

先生の聞き取りやすい発音と芝居心で
自然と世界に入り込むことができました。
ともみ先生は、いろんな方が歌う「アコーディオン弾き」を聞き比べ
ご自身、どのように歌いだそうか、どんなテイストにするのが良いのか
随分研究なさったとのことです。
私、物語世界に没頭しすぎて、先生がどんな衣装だったか
思い出せません…うーん。白いジャケット着てらしたような…
唯一この歌で気になったのはのは、ミキシングです。
先生の肺活量、声量は並大抵ではありません。
直前の方がウィスパーボイスとまではいきませんが
息をたっぷりと含んだお声で、その直後だったせいか

音が割れた感じに聞こえる個所があり、ちょっとだけ残念でした。

「黒い鷲」
直前は「スイート?フレンチポップスメドレー」というちょっとした
息抜き的要素の歌でした。
歌われた方が「この後は立さんに締めていただいて…」とおっしゃったのを受けて

黒いブラウスに黒パンツ。まさに黒い鷲のいでたち。
左手でマイクを持ち、右手でさまざまな表情を紡ぎだされる。
ともみ先生って腕が長いんだなぁと惚れぼれしたのは
鷲が飛ぶ様子を右腕を上下にしなやかに動かされていた時。
ただ上下に腕を動かしているだけなのに、やっぱりダンサーって
普通の人とは動きが全く違うんだと実感。
肘や手首のしなやかさ…。
そこには確かに黒い鷲が飛んでいるのが見えました。
すばらしー。

そしてそして「待ってました！」の「ひとかけらの勇気」。
歌い出す前のMCでは、お父様も、そしてともみ先生自身も
宝塚で生まれて宝塚で育ったこと、お母様が元タカラジェンヌの須磨磯子であり
宝塚とは切っても切れないご家族であることをご紹介。
また、宝塚歌劇時代は専科にいてお芝居が中心であり
（在団前半はダンサーの側面が強かった。後半がお芝居）
舞台で歌うということがほとんどなかった、
退団してから歌う楽しさを感じていますとお話になりました。
さて、歌について語る前に、ここで伴奏のピアニスト
吉田幸生さんについて触れなくてはいけないでしょう。
宝塚パリ祭の音楽監督も勤めておられる吉田さんのピアノは
とても個性的で力強い。
歌い手さんがうかうかしていると、ピアノに食われてしまいそうなくらい。
単なる伴奏に終始せず、さながら歌い手さんとピアノとの真剣勝負といった
雰囲気までしてきます。
そしてこの「ひとかけらの勇気」では、演出的にも
歌とピアノとの真っ向勝負が際立っていました。
ともみ先生が歌っていらっしゃる間は舞台は明るく、
ともみ先生にスポットライトが当たっているのですが
ピアノの独奏部分では、ともみ先生にあたっていたスポットライトが消えて暗転、
ピアノにスポットがあたるのです。
そうしてともみ先生の「ひとかけらの勇気」は堂々たる歌唱で、
歌い終わったときは　ひいき目でなく
本日一番の拍手が沸き起こりました。
誇らしい～！！

ただ…。
私はともみ先生の舞台を見に行った人間なので
この演出、いくらピアノとの真剣勝負といっても、
曲の間に何回もともみ先生の立ち位置を暗転にしなくても
いいんじゃないかなぁ…と思いました。
だってやっぱり歌い手さんが主役じゃないのかしら？

念のために申し上げておきますと、
私は吉田幸生さんのドラマティックな演奏が大好きで
CDも持っているくらいなんですヨ。

2011/7/3吉田幸生さんCD

でもね「ひとかけらの勇気」に関しては、
ともみ先生にずっとスポット当てていて欲しかったなと
そのように感じております。

さて、もう一人のもとタカラジェンヌ、千城恵さんについても少し。
チョイさん（元雪組　千城恵）は
「イヴ」（バウホールで主演されたミュージカル「アップルツリー」より）、
「愛の旅立ち」「ジジラモローゾ」を歌われました。
「イヴ」はストライプのシャツに白いパンツ、ネクタイ姿、
「愛の旅立ち」は衿もとに緩やかなフレアのついた鮮やかな青いブラウスに
白いパンツ、どちらも　いかにも男役さんといったいでたちでした。
そして「愛の旅立ち」歌い終わりのMCで
「次は女装して出てきますから」と笑いをとって
「ジジラモローゾ」では鮮やかな花柄のタイトなサンドレスで登場。
とても華やかで、歌の雰囲気にもあっていて
私はチョイさんの出番の中で「ジジ…」が一番好きですワ。

シャンソンというのは他のジャンルの歌と比べると
芝居的要素が強いように思います。
ささやくように、笑いながら、泣きながら歌う歌かなと。
出演者の皆さん、それぞれ個性的で、誰一人同じような人がいらっしゃらず
聞きごたえがありました。

個人的な好みで一つだけ言わせていただくと、
上にちらっと書いた「スイート?フレンチポップスメドレー」。
ちょっとした息抜き的場面というのはわかりました。
でもそれにしては長い、長すぎる…。
ちゃんと計ったわけではないですが、７分以上あったのではないでしょうか。
お二人でお人形さんのような扮装で歌われるのですが
シャンソンってそもそもデュエットに向いていない歌のような気がするのですね。
しかも片一方の方がファジーな感じの歌い方で、
全然ユニゾンになっていなくて、聞いていてしんどかった。
すみません、これは正直な感想です。
クスッと笑える場面するのだったら、
時間にして半分くらい、コンパクトにまとめれば、
良いアクセントになるのになぁと
そのように思いながら聞いておりました。
で、その浮いた時間で、出演者全員で「幸せを売る男」を歌ってフィナーレ
私ならそのように構成しますわ。
すみません。
阪神タイガースファンなもので
甲子園球場でチューハイ飲みつつ「ここはピッチャー交代やぁ！」と
にわか監督になる、それと同じ感覚で書いております。

それから、付け加えておきますが、
スイート?フレンチポップスメドレーを歌われたかたたちは
お一人ずつで歌われれている時にはとても素敵なのです。
出演者のバッシングが目的ではありません。

あ、客席には、元星組の夏峰千さんがいらっしゃいまして
終演後　チョイさんにご挨拶なさっていました。

【おまけ１】
昨年、度肝を抜かれたシモーヌ深雪さん、
昨日はさほど過激には見えず。
見慣れただけ？

【おまけ２】
いつもお互いのブログを行ったり来たりの
さんきゅうさん姉妹が
東京からお越しになっていて、終演後お声をかけてくださいました。
わーい。
やっとお目にかかれた～！
（先方は私をご存じでいらした）
無理やり占ってしんぜました。
ご迷惑だったかも(^^;)
これからもよろしくお願いします。

【おまけ３】
ロビーのお花（撮影：ニコラ）

2011/7/3花