《櫻井ジャーナル》

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2012.09.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は昨年10月、NATOとアル・カイダ系武装集団によって倒された。反カダフィ派の拠点だった都市がベンガジ。その ベンガジからCIAの仕事をしていた十数名が外へ避難

 体制転覆から11カ月後の今月11日、アメリカの領事館と「別館」が攻撃され、クリストファー・スティーブンス大使を含むアメリカ人4名が殺されたが、その際に情報機関員などの隠れ家を示す文書も盗まれ、CIA関係者は危険の状態になったようである。

 中東/北アフリカが四分五裂の状態になることをアメリカの新保守(ネオコン、親イスラエル派)は望んでいたわけで、比較的小規模な勢力が互いに攻撃し合う状況は望んでいたこと。戦乱が広がることは「西側」の戦争ビジネスにとっても悪いことではないかもしれない。が、アメリカ大使を殺害し、CIAの活動を妨害することによる反作用も大きいわけで、違和感を覚える。

 このところ中東/北アフリカでは反米デモが繰り広げられている。「サム・バシル」の名前でアップされた「 ムハンマド映画予告編 」なる映像がYouTubeへアップされたその波は西ヨーロッパへも広がろうとしている。「表現の自由」を理由にしてイスラム教を愚弄する漫画を擁護しても、反イスラムに抗議する「表現」を認めない国が「西側」にはある。

 しかし、ベンガジの領事館襲撃に反米デモは関係していない。ベンガジはNATOや湾岸産油国がカダフィ体制を倒す拠点にしていた都市であり、アメリカ人にとって最も安全な場所のはずだった。 襲撃される前、領事館の前にデモ隊はいなかった と報道されている。

 では、誰が実行したのか?

LIFG(リビア・イスラム戦闘団)はアル・カイダ系 だった。アル・カイダの内部で抗争が始まったのか、この攻撃自体が何らかの目的を持った芝居なのか、ということになるだろう。

 しかし、殺されたクリストファー・スティーブンス大使はカダフィ体制を倒す工作の司令官的な人物。その人物を殺したなら、アメリカ政府を敵に回すことになるのだが、シリアでアル・カイダ系の武装集団はアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタールと手を組んでいる。

 リビアでカダフィ体制を転覆する際の構図が生きているわけだが、そうした状況でアル・カイダがアメリカ大使を殺害するだろうか、という疑問が残る。そこで、アル・カイダの幹部、アイマン・アル・ザワヒリが個人的に実行したという説が出てくる。

 そしてカダフィ派の反撃、いわゆる「緑のレジスタンス」だったという説。カダフィ派の多くは拘束されたり処刑されていると言われているが、そもそもカダフィ体制を転覆するという作戦自体が外国勢力が主導していたわけで、内心は反発しているリビア人も少なくないはず。相当数が地下に潜行している可能性は否定できない。

 いずれにしろ、中東/北アフリカが安定する方向へ向かっているとは言えない。アメリカは、日本軍が中国で陥った状況に似ている。





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最終更新日  2012.09.26 16:29:12


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