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スンニ派の主要3カ国、サウジアラビア、トルコ、パキスタンの間で8月7日に結ばれた「防衛協定」が注目されている。協定の詳細は公表されていないが、この協定によると、3カ国のいずれかに対する武力攻撃があった場合、3カ国すべてに対する攻撃とみなすと規定している。これはNATO条約第5条のマネだ。 調印に署名した人物はトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、パキスタンのシェーバズ・シャリフ首相。パキスタンが自国の国益に反する外国との紛争に巻き込まれる危険性があると指摘する人も少なくないが、NATO条約第5条は、加盟国が攻撃されたからといって、NATO全体が戦争に突入することを規定しているわけではない。 アメリカ軍とイスラエ軍が2月28日にイランにを奇襲攻撃対する奇襲攻撃から始まったが、アメリカやイスラエルがイランを攻撃しても勝利できず、大惨事になると言われていた。イランの地形や戦力を考えるならば、アメリカが地上軍を投入した場合、壊滅的な敗北を喫すると見通されていたのだが、アメリカのイスラエルは強硬し、大惨事になった。イランとの戦闘によってアメリカ軍が頼りにならないことも判明した。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、すでにイランは西アジアにおけるアメリカ軍基地、例えばカタールにあるアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアル・サレム基地、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地、バーレーンのアメリカ軍第5艦隊基地、サウジアラビアのリヤドにあるプリンス・スルタン空軍基地などを破壊、またイスラエルのテルアビブやハイファといった都市、ディモナにあるシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センター(ディモナ原子炉)周辺も破壊。そして予想された通りホルムズ海峡が封鎖された。 そうした中、サウジアラビア、トルコ、パキスタンのスンニ3カ国は軍事同盟を結んだのだが、どれだけ有効かは不明だ。これまでアメリカを無敵だと考え、そのアメリカに任せておけば全て思い通りになると信じていたのだろうが、そうならないことがはっきりした。自分たちでなんとかしようと考えたのかもしれない。それに対し、今でもアメリカに従属することしか考えていないのが日本にほかならない。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.09
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキーは6月下旬、ロシアに戦争を終わらせる、つまり降伏させると宣言した。NATOの衛星に誘導された長距離ドローンでロシアの深奥部を攻撃すればロシア人が怖気付くとでも思ったのだろうが、そうしたことにはなっていない。ゼレンスキーや彼を操っているイギリスの対外情報機関MI6は追い詰められた。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、ロシア国内ではNATO諸国に対する厳しい対応を求める声が高まり、キエフ、オデッサ、スミ、ドニプロペトロフスクなどの都市に対する攻撃を激化させると同時に、アゾフ海やドン・アゾフ運河におけるすべての海上交通、ならびにケルチ海峡の通航を停止させ、オデッサやニコラエフへ物資を輸送する船舶の航行を遮断した。ハリコフやザポリージャでもロシア軍の進撃が目立つ。その一方、ウクライナの防空システムは機能していない。 ドニプロペトロフスクにあるドニプロの南東部では弾道ミサイルのイスカンデルMが工場の敷地を攻撃した。そこには「ゼレンスキーの地下基地」があり、兵器を隠し、将兵が隠れていたという。攻撃がった日にはSBU(ウクライナ安全保障庁)の要員、イギリスのMI6やSAS(特殊空挺部隊)と密接な関係にある傭兵会社のG4Sのメンバーがそこにいて、死亡したとされている。G4Sはドローンやミサイルによるロシア攻撃に必要な情報を収集、MI6の本部へ連絡していたという。G4SはMI6やSASという名称を隠すための隠れ蓑だとも言える。 こうした地上で集めた情報と衛星で収集した情報を合わせて分析、ロシアを攻撃しているのだが、地上ではイギリスの情報機関や特殊部隊が果たしている役割は大きい。 ロシア側の要人を暗殺する工作もNATOは継続している。その一例は8月1日にモスクワで引き起こされたアレクサンドル・チャイコ航空宇宙軍司令官の暗殺未遂事件。チャイコ司令官自身は殺されなかったが、5人が殺されている。その一人が司令官の義理の息子だ。残りの犠牲者の中にチャイコ司令官の側近がいるとも噂されている。ロシア軍は8月4日から5日にかけてキエフの工業施設や倉庫を24発の弾道ミサイルと4発の極超音速ミサイルで攻撃したものの、ウクライナ軍はそれらを迎撃できなかった。 ウクライナ/NATOはクリミア橋(ケルチ橋)を破壊してクリミアを孤立させようと目論み、ロシア軍の艦船だけでなく民間の輸送船やタンカーを破壊しようとしてきた。 そうした水上での攻撃には水上ドローンが利用されるが、タイムズ紙によると、それらを開発したのはウクライナの会社ではなく、イギリスで設計され、製造されている。 開発したとされるUforceはあらゆる領域における戦闘用ドローンを開発するウクライナ会社だが、拠点はロンドンにあり、ドローンの設計もイギリスで行われている。開発には自動車レースのF1に参加したイギリス人エンジニアが関与、将来的にはイギリス軍やNATO軍の任務が想定されている。 ウクライナで対ロシア戦争を始めたのはアメリカのバラク・オバマ政権だが、その際、ネオコンをはじめとする好戦派は簡単に勝てると信じていたようだ。パランティアのAIからそのような御託宣が降りたのかもしれないが、それ以来、負け続けている。パランティアが介入し、AIを搭載したドローンで逆転しようとしたのかもしれないが、妄想で終わった。 イラン政府と同様、ロシア政府もアメリカをはじめとする西側エリートの約束を信じなくなっている。話し合いでの解決は無理だと認識、ロシア政府は停戦に応じない。西側諸国の政府は出まかせと脅しで勝利を演出しようとしているが、ロシアは徹底的に戦うつもりであり、詐欺師の手法は通じない。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.08
パランティア・テクノロジーズはウクライナを舞台にしたNATOの対ロシア戦争やアメリカ/イスラエルの対イラン戦争で作戦の立案や兵器の改良、あるいはガザでのイスラエル軍による住民虐殺などで重要な役割を果たしてきた。この会社は2003年にCIAのベンチャー・キャピタル部門であるIn-Q-Telからの資金によって創設されたが、イスラエルの情報機関とも緊密な関係がある。 そのパランティアの開発した「フェデレーテッド・データ・プラットフォーム(FDP)」をイギリスのNHS(国民保健サービス)は2020年にCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動が始まった後、導入した。ボリス・ジョンソン首相の下、2020年に競争入札を経ることなく導入が決められたのだ。 FDPとは、データを元の場所に留めたまま、必要な時にはリアルタイムで統合し、活用することができるというもので、異なるシステム間で多くの患者の医療記録を連携させられるとされていた。ところが、その評価に疑問が出ている。実際、FDPの利点を裏付けるとされたデータに誤りが見つかった。 パランティアがイギリスをターゲットにした理由のひとつは、同国が「ゆりかごから墓場まで」というスローガンで知られた社会福祉政策で個人情報が他国に比べて集中管理されていたからだとも言われている。その社会を利用して監視システムの試験的な運用を目論んでいるのだろう。 この政策は1980年代、マーガレット・サッチャー政権による新自由主義の導入で解体されていくが、データシステムは残っていた。彼女の時代、原油価格の高騰で北海油田が利益を産んでイギリスに利益をもたらしたものの、その政策はイギリスの社会を破壊してしまった。 おそらく、イギリス以上に個人情報を集中管理している国が日本に他ならない。その日本では管理システムを強化する政策が推進され、住民基本台帳ネットワークやマイナンバー制度が強引に導入された。現在、デジタル化が進められている。 パランティアは日本にも入り込んでいる。例えば自衛隊は指揮統制において指揮官らの判断を支援するAI(人工知能)として、同社のメイブン・スマート・システムの導入を検討しているという。メイブンはデータ中心型のプラットフォームだとされ、衛星画像、ドローンからの映像、レーダーのデータ、戦場センサー、情報報告などを統合するのだという。今年2月に実施された日米共同統合演習の「キーン・エッジ」でも試験運用された。 こうした軍事だけでなく、パランティアは住民を監視するシステムも開発しているのだが、その背後には2015年9月に国連で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」がある。 そのアジェンダで示された「SDGs(持続可能な開発目標)」を実現するため、個人を特定するためのシステムに記録されていない人びとを管理する必要があるとされ、デジタルIDの導入が進められることになっている。その決定に基づいて日本政府はマイナンバーカードを推進しているはずだ。マイナンバーカードはデジタルIDの一種だ。 デジタルIDはチップ化され、それを体内にインプラントする計画がある。例えば、WEFを率いていたクラウス・シュワブは2016年1月にスイスのテレビ番組に出演し、そこでマイクロチップ化されたデジタル・パスポートについて話している。チップを服に取り付けるところから始め、次に皮膚や脳へ埋め込み、最終的にはコンピュータ・システムと人間を融合、人間を端末化しようと考えているようだ。シュワブは2018年に著書『第四次産業革命を形作る』を出版、その中で、バイオテクノロジー、ニューロテクノロジー、トランスヒューマニズムについて論じている。 同じことをイーロン・マスのニューラリンクも計画している。ブルームバーグによると、ニューラリンクは2031年までに約2万人の脳にマイクロチップを埋め込むことを目指しているというのだ。脳の神経活動を計測、外部機器を制御するブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)のデバイスである「テレパシー」、視覚障害者に視覚を与えることを目指す「ブラインドサイト」、震えやパーキンソン病の治療を目的とする「ディープ」の提供が計画されている。その先に見えるのは脳の管理であり、シュワブの発言と結びつく。 シュワブの顧問でイスラエル人のユバル・ノア・ハラリはAIによって不必要な人間が生み出されると見通している。特に専門化された仕事で人間はAIに勝てず、「不必要な人間」が街にあふれるというのだ。放置しておけば反乱、あるいは犯罪に繋がる。そのため人びとを監視、コントロール、そして処分する必要があると彼らは考えているだろう。パランティアの監視技術は「見えない私的刑務所」として機能するかもしれない。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.07

バラク・オバマ政権がウクライナで始めた対ロシア戦争とドナルド・トランプ政権が始めた対イラン戦争はアメリカの軍事力が全能でないことを明確にすると同時にAI(人工知能)の愚かさも明らかにした。AIの判断を左右する情報源をCIAやモサドがコントロールしているからである。 元CIA分析官のラリー・ジョンソンが中国のAI「KIMI」で2026年のロシアによるウクライナ領土占領について調べていたところ、AIは奇妙な解説をしていたようだ。ウクライナ南部での反転攻勢により、ウクライナ軍は2026年前半にロシアが占領した領土を大きく上回る範囲を奪還したが、春以降、奪還のペースは鈍化し、6月から7月にかけてはロシアが小幅ながら領土を拡大しているとしているのだ。勿論、これは事実でない。ウクライナ当局の発表や西側のシンクタンクなどが情報源になっているからだ。 NATO諸国はクーデター後、2014年2月から22年2月にかけてキエフ体制軍に兵器を供与、将兵を訓練、ヒトラーユーゲント的な組織で年少者に対する戦闘訓練と思想教育を施し、さらにマリウポリ、マリーインカ、アブディフカ、ソレダルの地下要塞を中心とする要塞線を築き、ドンバスに対する軍事攻勢の準備をしていたが、2022年にマリウポリとソレダルが、また23年にはマリーインカとアブディフカが陥落、ここにきて要塞線は完全に崩壊した。 そして今年7月22日以降、ロシア軍の攻撃でオデッサやニコラエフを拠点とする海上輸送が事実上不可能になり、ウクライナは船で農産物を輸出することができなくなった。キエフのほか、物流や軍事の拠点に対してロシア軍は連日ミサイルやドローンで攻撃、工場や倉庫、あるいは地下司令部などが破壊されている。ウクライナの敗北は明白だ。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、2014年2月のキエフにおけるネオ・ナチのクーデター後、戦況はクーデター軍が劣勢だった。そこで新体制の後ろ盾であるNATO諸国は反クーデター軍の攻勢を抑えるため、停戦に持ち込むことに成功した。2014年のミンスク1と15年のミンスク2だ。 セルゲイ・グラジエフはロシア大統領の顧問だった2014年6月、アメリカはウクライナの軍事力を強化し、ドンバスを失えばロシアは平和も失うと主張、50万人程度のウクライナ軍がクリミアへ攻め込むと推測していた。クーデター直後、アメリカの元政府高官を含む人びとはロシア軍が動かなかったことを訝っていたが、ウラジミル・プーチン大統領の側近はアメリカが対ロシア戦争を始めたと認識していた。 停戦合意後、キエフの新体制はそれを守らず、NATO諸国は2014年2月から22年2月にかけてキエフ体制軍に兵器を供与、将兵を訓練、ヒトラーユーゲント的な組織で年少者に対する戦闘訓練と思想教育を施している。さらにマリウポリ、マリーインカ、アブディフカ、ソレダルの地下要塞を中心とする要塞線を築き、ドンバスに対する軍事攻勢の準備をしていた。ドンバスへロシア軍を誘い込み、足止めさせている間に別動隊でクリミアを制圧する作戦だったと見られているが、その目標は達成できなかった。 AIは西側情報機関の情報操作でウクライナが勝利しているかのように判断しているが、ロシアが停戦に応じないため、現実が西側の作り出した幻影を消し去ろうとしている。 1904年2月から05年9月にかけての日露戦争はアメリカのセオドア・ルーズベルト大統領の仲介で形式上、日本の勝利になったが、実際はロシア側が革命運動の激化で戦争を続けることができなくなっただけだった。 この戦争は1904年2月8日、日本軍が仁川沖と旅順港を奇襲攻撃したところから始まる。その際、日本に戦費を用立てたのはロスチャイルド系金融機関のクーン・ローブを経営していたジェイコブ・シッフ。日本に対して約2億ドルを融資、その際に日銀副総裁だった高橋是清はシッフと親しくなっている。 この戦争について、セオドア・ルーズベルト米大統領は日本が自分たちのために戦っていると語り、日本政府の使節としてアメリカにいた金子堅太郎はアングロ・サクソンの価値観を支持するために日本はロシアと戦ったと説明していた。1910年に日本は韓国を併合しているが、これもアメリカ政府は容認していたようだ。(James Bradley, “The China Mirage,” Little, Brown and Company, 2015) こうした遣り取りを可能にした一因はルーズベルトと金子がふたりともハーバード大学出身だということがある。ルーズベルトは1880年に卒業しているが、その2年前に金子は卒業、1890年にふたりはルーズベルトの自宅で会い、親しくなった。セオドア・ルーズベルトはロシアを敵視していた人物で、日本を対ロシア戦争の手先にしようとしていた。 韓国併合を目論む日本の動きを察知した朝鮮の高宗は特使としてホーマー・ハルバートをワシントンへ派遣するが、ルーズベルト大統領やエリフ・ルート国務長官はその特使と会おうとしない。朝鮮は米朝修好通商条約の第1条に基づいて独立維持のための援助を求めたが、これをアメリカ政府は拒否している。すでにセオドア・ルーズベルト政権は桂太郎や金子堅太郎らと韓国併合で話はついていた。 日露戦争はルーズベルト大統領のおかげで勝利したものの、新聞の戦勝報道で浮かれた日本人が期待したような戦利品はなかった。賠償金支払いはなく、遼東半島の権利のほか、旅順とハルピンを結ぶ鉄道の権利や樺太全土の譲渡もなかったのだ。 戦勝報道で売り上げを伸ばしていた新聞社はその交渉結果を非難して国民を煽り、日本各地で講和条約反対と戦争継続を唱える集会が開催され、日比谷焼き討ち事件も引き起こされた。そして現在、アメリカを絶対視するマスコミは同じような戦勝報道を続けている。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.06
アメリカの政界において戦争を煽ってきたリンゼー・グラハム上院議員が7月11日に急死する直前からロシア軍のウクライナの軍事施設や生産施設に対するミサイル攻撃が激しくなった。ロシア軍は「御上品な」戦い方をやめたようだ。 グラハムは死の直前、キエフにあるスカイフォール社のドローン工場を視察しているが、ロシア軍の攻撃でNATOの将兵だけでなく、ドローン工場で働くアメリカ人技術者も犠牲になっている。オデッサの港湾施設も壊滅的な打撃を受け、船に対する攻撃も激しく、オデッサやニコラエフへ船が出入りできない状況だ。要するにウクライナにおける対ロシア戦争でNATOは敗亡しつつあるのだが、それはNATO諸国の「エリート」にとって悪夢以外の何ものでもない。 1991年12月のソ連消滅を見たネオコン、つまりアメリカの軍事や外交を支配するシオニストはアメリカが唯一の超大国になったと考え、世界征服戦争を始めた。これは本ブログで繰り返し書いてきたことだ。 ビル・クリントン大統領は第2期目の1997年1月、国務長官をチェコスロバキア出身で反ロシア感情の強い好戦派でズビグネフ・ブレジンスキーの弟子であるマデリーン・オルブライトへ交代させた。この国務長官人事を大統領に働きかけていたのはヒラリー・クリントン、つまり大統領の妻だと言われている。 オルブライトは1998年秋にユーゴスラビア空爆を支持すると表明、翌年の3月から6月にかけて実際に爆撃。4月にはスロボダン・ミロシェビッチの自宅が、また5月には中国大使館もB-2に爆撃された。3機のミサイルが別々の方向から大使館の主要部分に直撃していることもあり、中国側は「計画的な爆撃」だと主張している。 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された後、03年3月にイラクを先制攻撃、08年8月にはアメリカやイスラエルに支援されたジョージアが南オセチアを奇襲攻撃、ロシア軍の反撃で完敗している。この奇襲攻撃は対ロシア戦争の予行演習だったのだろう。 バラク・オバマ政権は2013年11月から14年2月にかけての時期にキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で仕掛けたクーデターを仕掛け、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒してネオ・ナチ体制を築くことに成功した。 しかし、ヤヌコビッチの支持基盤でロシア文化圏の東部や南部では住民がクーデターを拒否、南部のクリミアは素早くロシアと一体化、東部のドンバス(ドネツクとルガンスク)では武装抵抗が始まった。軍や治安機関では約7割がクーデター体制を拒否して離脱、一部はドンバスの武装勢力に合流した。そのため武装抵抗を始めた集団はクーデター軍より強く、NATO諸国はクーデター体制の戦力を増強しなければならなくなった。そのために時間稼ぎすることにして、ロシアと停戦で合意。それが2014年のミンスク1と15年のミンスク2だ。ロシアは合意を守ったがキエフの新体制は守らなかった。 NATO諸国は2014年2月から22年2月にかけてキエフ体制軍に兵器を供与、将兵を訓練、ヒトラーユーゲント的な組織で年少者に対する戦闘訓練と思想教育を施す一方、マリウポリ、マリーインカ、アブディフカ、ソレダルの地下要塞を中心とする要塞線を築き、ドンバスに対する軍事攻勢の準備をしていた。ドンバスへロシア軍を誘い込み、足止めさせている間に別動隊でクリミアを制圧する作戦だったと見られている。 しかし、ウクライナ/NATOが攻勢をかける前にロシア軍がウクライナ軍部隊、軍事施設、生物化学兵器の研究開発施設などを攻撃した。当初、ロシア軍の戦力はウクライナ/NATO軍の数分の1で劣勢だったのだが、ドンバスがロシア軍にとって「ホーム」だったこともあり、戦況はロシア軍が優勢だった。 そこでウォロディミル・ゼレンスキー政権はロシア政府と停戦交渉を始めるが、それを壊すためにイギリスの首相だったボリス・ジョンソンがキエフへ乗り込む。2022年4月9日のことだ。(ココやココ) この当時、イギリス政府をはじめ、NATO諸国は簡単にロシアを屈服させられると信じていたのだろうが、地下要塞は2022年にマリウポリとソレダルが、また23年にはマリーインカとアブディフカがそれぞれ陥落、ここにきて戦略的に重要なコスティアンティニフカも制圧され、掃討が完了、ウクライナ軍の補給線を寸断した。住民の救出も終わったのだろう。 2023年にタイム誌はウクライナでの戦闘を「AI戦争」と呼んだが、戦術の作成や兵器の設計はAIが行なっていたのかもしれない。 その中心的な存在がパランティア・テクノロジーズ。地上の写真、ドローン映像、衛星画像を組み合わせて迅速に情報分析を実施、戦車や砲兵などの標的を指定しているのは同社だ。AIによってドローンの離陸、着陸、標的捕捉を自動化、GPSや無線通信が妨害されても攻撃できる。 こうしたことでロシア軍は劣勢になるという物語が西側では語られているが、実際はロシア軍に粉砕されている。そこでモスクワなどで爆弾テロを実行するしかなくなった。 ウクライナでアメリカの国防総省は生物化学兵器の研究開発を実施、民主党などはマネーロンダリング、武器弾薬の横流し、そしてゼレンスキーの周辺は懐へ資金を入れてきた。資金の流れを止められない人が少なくない。西側の私的権力の中には勝利による略奪を前提に多額の資金を投じた人もいるが、敗北すれば大損害だ。戦争を長引かせ、その間に戦況を何とかして変えようとしている人も少なくないだろう。が、そうしたことを許さないという姿勢をロシア政府は見せ始めた。ゼレンスキーを操ってきたイギリスの対外情報機関MI6も追い詰められている。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.05

アメリカ軍は81年前の8月、原子爆弾で広島と長崎を破壊、多くの人を殺害した。8月6日にはウラン型原子爆弾「リトル・ボーイ」を広島へ、また8月9日にはプルトニウム型原爆「ファット・マン」を長崎へ投下した。原爆投下から数ヶ月で広島は9万から16万6000人、長崎は6万から8万人が死亡、その約半数は投下当日に亡くなったと推定されている。被爆者はその後も癌などの発症に苦しんできた。 8月8日にはソ連が日本に対して宣戦布告、日本が占領していた中国東北部や千島列島などへ攻め込んできたが、これはその年の2月にクリミアのヤルタ近くでアメリカ、イギリス、ソ連の首脳によって行われた会談での取り決めに基づくものだ。 ヤルタ会談にアメリカの代表として参加したフランクリン・ルーズベルト大統領は1945年4月12日に急死するが、その時、アメリカ海軍のジェームズ・ランビー大尉に率いられた部隊がベルリンから西へ約130キロメートルの地点にある施設で約1100トンのウラニウム鉱石を発見したとする話がある。(Simon Dustan & Gerrard Williams, “Grey Wolf,” Sterling, 2011) ユニオン・ミニエール社が1940年にコンゴで採掘したウラニウム鉱石約1200トンをドイツは手に入れ、そのうちフランス海軍の兵器工場に保管されていた31トンはすでにアメリカ軍が回収してテネシー州オークリッジの施設へ運んでいたが、残りは行方不明になっていた。それが発見されたということだ。(前掲書) 原爆の開発は1940年2月にイギリスのバーミンガム大学のオットー・フリッシュとルドルフ・パイエルスのアイデアに基づ木、MAUD(ウラン爆発の軍事応用)委員会が設立されたところから始まる。 同委員会のマーク・オリファントが1941年8月にアメリカへ派遣されてアーネスト・ローレンスと会談、アメリカの学者も原子爆弾の可能性に興味を持つようになったという。 1941年10月にルーズベルト大統領は原子爆弾の開発を許可し、イギリスとの共同開発が始まった。1942年にはレスリー・グローブス准将(当時)の指揮下、「マンハッタン計画」が発足。グローブスは1944年、マンハッタン計画に参加していたポーランドの物理学者ジョセフ・ロートブラットに対し、その計画は最初からソ連との対決が意図されていると語ったという。ドイツや日本の核兵器開発を危惧したわけではないということになる。(Daniel Ellsberg, “The Doomsday Machine,” Bloomsbury, 2017) 1943年には核兵器用のウランとプルトニウムを製造するため、テネシー州オーク・リッジに4施設が建設され、そのひとつはオーク・リッジ国立研究所へと発展した。ワシントン州に建設されたハンフォード・サイトではプルトニウムを製造するため、1944年9月にB原子炉が作られている。 広島と長崎への原爆投下を許可したのは大統領に就任してまもないハリー・トルーマンである。アメリカ、イギリス、中国が「ポツダム宣言」を発表する2日前、7月24日のことだ。日本が「ポツダム宣言」にどう反応するかを見ずにトルーマンは原爆投下による市民虐殺を決めたわけである。 投下決定の8日前、7月16日にニューメキシコ州のトリニティ実験場でプルトニウム原爆の爆発実験が行われ、成功している。その翌日から始まるポツダム会談を意識しての実験だった。当初の実験予定日は7月18日と21日の間だったが、トルーマンの意向で会談の前日に早めたという。7月26日にアメリカ、イギリス、中国はポツダム宣言を発表、8月に入って原爆が投下された。 日本では1945年8月15日に天皇の声明が放送された。「玉音放送」とか「終戦勅語」と呼ばれているものだ。その半月後の8月30日、グルーブス中将に対してローリス・ノースタッド少将はソ連の中枢15都市と主要25都市への核攻撃に関する文書を提出。9月15日付けの文書ではソ連の主要66地域を核攻撃で消滅させるには204発の原爆が必要だと推計している。そのうえでソ連を破壊するためにアメリカが保有すべき原爆数は446発、最低でも123発だという数字を出した。ただ、その当時、アメリカはこれだけの原発を持っていなかった。(Lauris Norstad, “Memorandum For Major General L. R. Groves,” 15 September 1945) 1955年頃になるとアメリカが保有していた核兵器は2280発に膨らみ(Annie Jacobsen, “Area 51”, Little, Brown, 2011)、57年になるとアメリカ軍の内部でソ連に対する先制核攻撃を準備しはじめている。(James K. Galbraith, “Did the U.S. Military Plan a Nuclear First Strike for 1963?”, The American Prospect, September 21, 1994) そして1957年の初頭、アメリカ軍はソ連への核攻撃を想定したドロップショット作戦を作成した。それによると300発の核爆弾をソ連の100都市で使い、工業生産能力の85%を破壊する予定になっていたという。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012) そのころからアレゲーニー山脈の中、ウエストバージニア州のグリーンブライア・ホテルの地下に「地下司令部」が建設されている。いわゆるグリーンブライア・バンカーだ。1959年に国防総省が中心になって着工、62年に完成している。 1950年代に沖縄では「銃剣とブルドーザー」で土地が強制接収されて軍事基地化が推し進められ、今でも島民を苦しめている。1953年4月に公布/施行された布令109号「土地収用令」に基づき、武装米兵が動員された暴力的な土地接収で、55年の段階で沖縄本島の面積の約13%が軍用地になっている。こうした基地化はアメリカの先制核攻撃計画と無関係ではない。「核の傘」など戯言だ。 テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、統合参謀本部のライマン・レムニッツァー議長やSACの司令官だったカーティス・ルメイなど好戦派は、1963年の後半にソ連を奇襲攻撃る予定だったという。その頃になればアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていた。ソ連が反撃するためにはアメリカの近くから中距離ミサイルを発射するしかない。そこでソ連はキューバへ中距離ミサイルを運び込み、キューバ危機になる。1962年10月のことだ。この危機を回避することに成功したジョン・F・ケネディ大統領は1963年11月22日に暗殺された。 1992年2月に作成されたウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づいてアメリカのネオコンはアメリカが唯一の超大国で無敵だと信じ、世界制覇プロジェクトを開始、2001年9月11日から侵略戦争を本格化させた。そして今、ロシア、イラン、中国と戦争を始め、負けつつある。現在の世界情勢は当時より危険であり、核戦争が始まる危険性が高まっている。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.04
ドナルド・トランプ米大統領は8月2日、「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、イランに対する攻撃計画を中止したと発表した。彼によるとホルムズ海峡の即時かつ完全な開放、そしてイランによる核の脅威の終結を含む合意に達し、アメリカは「第2次世界大戦以来類を見ないほどの軍事的脅威、強さ、そして力を備え、イラン・イスラム共和国に対して即座に行動を起こせる態勢を整えている」のだが、「イランやその他の中東諸国から攻撃を控えるようにと要請されたとしているので攻撃計画を中止したという。 CBSニュースは7月31日、つまり金曜日、アメリカとイスラエルがイランのエネルギーインフラを標的とした大規模な爆撃作戦を計画していると報じていた。そうした攻撃が実施された場合、ペルシャ湾岸諸国の石油施設や発電所に対する報復攻撃があるとことは間違いない。そして日曜日にトランプは攻撃の中止を発表した。 アメリカ軍がイランを攻撃した場合、自国の施設がIRGC(イラン革命防衛隊)から報復攻撃されることが避けられないサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子/首相から事態を沈静化させ、攻撃を見送るように求められたというのだが、イランはトランプの主張を否定している。 勝利を演出するために大口を叩いて小規模な攻撃を実施、さまざまな市場で相場が始まる直前に取りやめるという、いつものTACO(トランプはいつも尻込みする)だという人も少なくない。本当にアメリカ軍がイランに対して大規模な攻撃を実施した場合、アメリカやイスラエルだけでなく世界が大惨事になるからだ。 すでにアメリカが保有する戦略石油備蓄(SPR)を含む総貯蔵量は大きく落ち込み、底をつきそうな状況であり、攻撃用のミサイルやドローンが枯渇、また迎撃率が数パーセントにすぎないパトリオット・システムのミサイルも足りず、イランのミサイルは迎撃を受けていない。 しかも、衛星測位システムをGPSから中国の北斗(BDS)へ切り替えてジャミング(妨害電波)やスプーフィング(なりすまし信号による欺瞞)の妨害を受けなくなり、イランのミサイルは迎撃されることなく正確に目標へ到達している。すでに西アジアのアメリカ軍基地は壊滅的な損害を受け、イスラエルの重要施設も破壊されてしまった。 例えばカタールにあるアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアル・サレム基地、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地、バーレーンのアメリカ軍第5艦隊基地、サウジアラビアのリヤドにあるプリンス・スルタン空軍基地、ヨルダンのムワファク・アル・サルティ空軍基地、クウェートにあるふたつの基地など。 イスラエルでは早い段階にテルアビブやハイファといった都市、情報機関モサドの司令部や軍情報部アマンの施設、イスラエルの核開発計画でも中心的な役割を果たしてきたワイツマン研究所も破壊され、ディモナにあるシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センター(ディモナ原子炉)周辺も攻撃された。 そしてペルシャ湾へ通じるホルムズ海峡はイランが管理、紅海への入り口であるバブ・エル・マンデブ海峡はイエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)がサウジアラビアからの船舶が航行することを阻止している。ふたつの海峡が封鎖された場合、世界、特に東アジア諸国の経済活動にとって深刻な事態だ。アンサール・アッラーのアブドゥル・マリク・アル・フーシはエスカレーションに対してはエスカレーションで応じると警告している。レバノンのヒズボラ、イラクのカタイブ・ヒズボラ、アサイブ・アル・アルハク、バドルといったシーア派の戦闘集団もアメリカやイスラエルがイランを攻撃しいた場合、参戦すると考えるべきだろう。 すでに数百名のアメリカ兵が戦死していると言われ、負傷した兵士を治療する拠点であるドイツのラントシュトゥール地域医療センターには150名以上の衛生兵が到着したと伝えられている。イランによるミサイル攻撃を生き延びた重傷のアメリカ兵の対応に追われ、人員不足が深刻化していたのだというが、地上作戦を実施した場合、アメリカ軍の犠牲者はこれまでの比ではないはずだ。 カスピ海を航行したイランの商船をウォロディミル・ゼレンスキーが率いるウクライナ軍は長距離ドローンで攻撃、イラン人船員ひとりを殺害しているが、そのウクライナではロシア軍が敵の防衛線を完全に突破したようだ。戦場にドローンが飛び交う現在、かつてのように戦車部隊が突進するというような作戦はとらず、ロシア軍は自軍の兵士だけでなく人質状態になっているウクライナの住民の犠牲者を少なくしようとしているが、確実に支配地域を拡大、最近ではNATO諸国の軍人や外交官の拠点に対する攻撃も激しくなってきた。戦術が変わった。 ウクライナ/NATO軍はロシア市民を殺傷し、ロシア社会に厭戦気分を広めようとしているが、逆効果になっている。イランと同じ現象だ。**********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.03

北アフリカに位置するセウタはスペインの領土で、約8万4000人が住んでいる。そこへ7月30日にモロッコ人が押し寄せて大混乱になり、41名以上が死亡したとされている。越境した「移民」は約6万人とされているが、スペイン治安警備隊の推計によると約7万5000人だ。そのうち約4万8000人が翌日の夕方までにモロッコへ戻ったという。 この騒動には奇妙なことがある。例えば、モロッコからフェンスを乗り越えて越境した集団は男性ばかり。インターネット上では、何台ものトラックが人びとをスペインとの国境近くへ運び込んでいる様子を撮影した映像が流れている。しかも警察や憲兵隊はそうした行為を阻止しようとしていない。越境者は国境へ向かうよう「暗黙の了解」を与えられていたように見えるのだ。モロッコ政府が越境に関係していると疑う人は少なくない。 そうしたセウタでの騒動を見たイスラエルのダニー・ダノン国連大使は喜びを隠さなかったが、モロッコ政府は親米であると同時に親イスラエルとしても知られている。2020年12月にモロッコはアメリカの仲介でイスラエルと国交を正常化、その見返りにアメリカは西サハラのモロッコ領有を認めた。イスラエルとモロッコは2021年11月に防衛協定を締結している。 それに対し、スペインは西サハラの先住民族であるサハラウィにスペインの市民権を付与するという案をスペインの議会委員会が採択。またスペインはモロッコと関係が悪化しているアルジェリアとの関係修復に乗り出している。 また、スペインのペドロ・サンチェス政権はパレスチナを国家として承認、またガザにおけるる住民虐殺をめぐり、イスラエルを「ジェノサイド国家」と非難。しかも自国の基地を経由したイスラエルへの武器輸送を阻止、イランに対する軍事作戦のためにモロン空軍基地やロタ海軍基地を使うことを拒否した。 7月19日にアメリカのニュージャージー州でFIFA(国際サッカー連盟)主催のワールドカップ決勝が行われ、スペインがアルゼンチンに1対0で勝ったが、この大会では審判がアルゼンチンに有利な判定を繰り返し、批判されている。 アルゼンチン・チームのエースであるリオネル・メッシは親イスラエルの象徴として使われている。だからこそメッシはイスラエルで絶大な人気があるのだ。 メッシは周辺をイスラエルの「元情報機関員」のボディガードで固めているほか、2020年にイスラエルのAI企業であるOrCamと提携した。この会社は着用できる人工視覚デバイスを製造するイスラエル企業で、イスラエルの電子情報機関、8200部隊の「元隊員」を雇用している。その会社でメッシはグローバル・ブランド・アンバサダーとして「顔」になっている。OrCamはパランティアと同様、ガザでの大量殺戮にも関与している。 パレスチナに「ユダヤ人の国」を築くことを目指すとして登場したシオニストは雄大な自然でも知られているアルゼンチンのパタゴニアを19世紀から目をつけていたとジャーナリストのセバスチャン・サルガドは語っている。 そのパタゴニアで今年1月5日から大規模な山火事が発生、当局は火災の一部は燃焼剤かガソリンを使った放火だと主張している。知事は根拠を示すことなく先住民のマプチェ族に火災の責任を押し付けているが、現地では退役したイスラエル軍兵士が火をつけるところを目撃したと主張する人が少なくない。アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は熱烈なシオニストで、山火事の直前にパタゴニアを外国人が購入できるようにしていた。 パタゴニアへはガザで戦争犯罪を犯したイスラエル兵が逃げ込んでいるとも言われているが、第2次世界大戦後、アルゼンチンへはナチの高官や協力者が逃げ込んでいる。今はシオニストの戦争犯罪人の逃亡先になったわけだ。 勿論、アルゼンチンそのものが親イスラエルであり、パレスチナ人虐殺を支援しているというわけではない。アルゼンチンのサッカー界で伝説的な人物、ディエゴ・マラドーナは自らを「パレスチナの人びとの最大のファン」と公言し、自分の心はパレスチナにあると語っていた。彼は一貫してアメリカとイスラエルの行動を非難していたのだ。 マラドーナとは違う考え方をしているメッシが率いるアルゼンチンがワールドカップの決勝でパレスチナを支持しているスペインに負けた。そのスペインの領内へ親イスラエルのモロッコから約6万人と言われる「移民」が押し寄せ、スペインを混乱させている。***********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.02

ウクライナで戦争が始まる2年前のロックダウン アメリカ議会ではランド・ポール上院議員らがCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)の問題を取り上げているのだが、「COVID-19のパンデミック」の存在を前提とした議論を展開、人権を否定するさまざまな規制を正当化していると批判する人がいる。 伝染病が世界的に蔓延、重症の肺炎患者が街にあふれ、死者が急増するという事実はなかったにも関わらずWHO(世界保健機関)は2020年3月11日にパンデミックを宣言。その前にアメリカではCOVID-19が国家安全保障上の脅威だと認定されていた。 それを口実にして各国政府はロックダウンや外出の「自粛」、あるいは人と人の間に物理的な距離を保ち、近距離で接触しないようにするというソーシャル・ディスタンスなる政策をとり始め、2021年初頭には「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」と称する遺伝子操作薬の接種が開始された。この政策が強制力を持って世界に広がれば、2022年2月に世界は戒厳令状態になっていただろう。 1992年2月に国防総省のDPG(国防計画指針)草案として作成されたネオコンの世界征服プロジェクト、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」は2001年9月11日に引き起こされたニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)への攻撃によって始動した。 その後、国防総省のDARPA(国防高等研究計画局)はワクチン開発の促進、新ウイルスの発見、医薬品製造の迅速化などの技術を開発するために投資するようになった。そうした中、空軍のダン・ワッテンドルフが迅速なパンデミック対応をDARPAの優先事項のトップに押し上げている。 ワッテンドルフはDARPAでプログラム・マネージャーを務め、診断学、哺乳類細胞合成生物学、RNAワクチン、モノクローナル抗体の迅速な発見、遺伝子導入による免疫予防、人工赤血球などのプログラムを立ち上げ、DARPAは2013年にモデルナへ最高2500万ドルを助成金として提供することに決めた。そして2016年にワッテンドルフはビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団へ移籍。COVID-19騒動でもこの財団は重要な役割を果たした。 その間、2005年8月に国防総省はウクライナ政府と契約を結び、同国にある生物研究施設をアメリカ政府が管理することになる。そしてアメリカはウクライナで生物化学兵器の研究開発を開始した。 ロイターによると、2020年6月2日、アメリカ陸軍感染症研究プログラムのディレクターを務めるウェンディ・サモンズ-ジャクソン大佐は国防総省の記者会見で、何らかの「新型コロナウイルス感染症ワクチン」が年末までに一部のアメリカ国民に利用可能になると期待を示したという。アストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、モデルナ、サノフィ国内外の企業と協力してアメリカの研究者が抗体医薬品を開発しているほか、晩夏にはアメリカ陸軍のワクチン候補の臨床試験を開始する計画だとも伝えていた。サモンズ-ジャクソン大佐が発表した直後から感染者数と死者数が急増し始めているのだが、その大佐は議会に呼ばれていないようだ。 2022年2月にロシア軍はウクライナ/NATO軍がドンバスに対する大規模な軍事攻撃を実行する直前にウクライナに対する攻撃を開始、ウクライナの部隊や軍事施設のほか生物化学兵器の研究開発施設も破壊、ウクライナ側の機密文書を回収、分析した。 ロシア軍はイゴール・キリロフ中将の指揮下、放射線・化学・生物防衛部隊は2022年2月以降にロシア軍がウクライナで回収した機密文書の分析、アメリカ国防総省の内局であるDTRA(国防脅威削減局)にコントロールされた研究施設が30カ所あると2022年3月7日に発表。研究開発はDTRAから資金の提供を受け、CBEP(共同生物学的関与プログラム)の下で進められたという。 ロシア国防省によると、ロズモント・セネカとジョージ・ソロスのオープン・ソサエティがウクライナにある生物化学兵器の研究開発施設へ資金を提供していることを示すものも含まれ、ロシアやウクライナを含む地域を移動する鳥を利用して病原体を広める研究もしていたという。 そのほか、国務省、USAID(米国国際開発庁)、USAMRIID(米国陸軍伝染病医学研究所)、WRAIR(ウォルター・リード陸軍研究所)、そしてアメリカの民主党が仕事を請け負い、さらに国防総省とメタバイオタ、ブラック・アンド・ビーチ、そしてCH2Mヒルが仕事をしている。USAIDが関係しているということは、CIAが関係していることを意味する。 USAIDへはNEDを通じてCIAの工作資金が流れ込んでいる。NEDの資金はそのほかNDI(ナショナル民主主義研究所)、IRI(国際共和研究所)、CIPE(国際私企業センター)、国際労働連帯アメリカン・センターなどを経由して流れていく。 2023年4月にはロシア議会が報告書を発表しているが、その中で、アメリカの研究者が人だけでなく動物や農作物にも感染でき、大規模で取り返しのつかない経済的損害を与える「万能生物兵器」を遺伝子組換え技術を利用して開発していたと指摘している。そうした兵器を秘密裏に使い、「核の冬」に匹敵する結果をもたらすつもりだという。 キリロフが記者会見でウクライナにおける生物兵器の問題について発表した翌日、2022年3月8日にアメリカの上院外交委員会で国務次官を務めていたビクトリア・ヌランドはウクライナの施設で研究されている生物化学兵器について語った。マルコ・ルビオ上院議員の質問を受け、兵器クラスの危険な病原体がロシア軍に押収されるかもしれないと語ったのだ。つまり、ウクライナの研究施設で生物化学兵器の研究開発が行われていたことを否定していない。免疫兵器の研究 この「COVID-19ワクチン」がCOVID-19に対して効果がないだけでなく、深刻な副作用を引き起こしていることが判明している。その「ワクチン」を開発したファイザー社の関連文書をFDA(食品医薬品局)は当初、75年間封印しようとしたのだが、アメリカでは一部の専門家が情報の開示を求める訴訟を起こし、迅速な公開が命令された。 製薬業界の研究開発部門で幹部職を歴任、最終的には複数の受託研究機関を所有、運営し、ファイザーを含む60社以上の製薬会社による臨床試験を支援してきたサーシャ・ラティポワは2022年以降、裁判所の命令で公開された文書には「COVID-19ワクチン」が軍事プロジェクトであり、医薬品メーカーは国防総省の契約企業だと指摘している。(ココやココ) 2020年2月4日にアメリカの保健福祉長官はCBRN(化学、生物、核、放射線)緊急事態に関するふたつの宣言を出した。そのひとつがEUA(緊急使用許可)で、大量破壊兵器が関与する重大な緊急事態を想定、CBRN物質に対する対抗手段を安全性と有効性を確保するため、規制監督なしに使用する許可だ。 アメリカのランド・ポール上院議員だけでなく、COVID-19の原因であるSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)は中国の武漢病毒研究所で作られたとして上で、その研究所へアンソニー・ファウチが所長を務めていたNIAID(国立アレルギー感染症研究所)から資金が流れていたと主張、ファウチの責任を問う人が少なくない。 しかし、SARS-CoV-2に感染した動物は中国でなく北アメリカで見つかっている。ジム・ハスラムによると、北アメリカの自然界ではシカ、ノネズミ、コウモリを含む5種類の動物が感染していることが判明、それらの種はモンタナ州にあるロッキー・マウンテン研究所で実験動物として使用されていたことが突き止められた。(Jim Haslam, “COVID-19 Mystery Solved,” Truth Seeking Press, 2024) COVID-19騒動にメスを入れるためには、ロッキー・マウンテン研究所やアメリカの国防総省が建設したウクライナの生物化学兵器に関する施設を調査する必要がある。 CIAが免疫について調査していることは1980年代、イラン・コントラ事件にかんで発覚したが、1969年6月には国防研究技術局のドナルド・マッカーサー副局長が議会で次のように証言した。 今後5年から10年の間に、既知のあらゆる病原体とは特定の重要な側面において異なる、新たな感染性微生物を作り出すことがおそらく可能になるだろう。その中で最も重要な点は、感染症から比較的免れた状態を維持するために我々が頼りにしている免疫学的・治療的プロセスに対して、その微生物が抵抗性を示す可能性があるということである。 1980年代にAIDSが問題になった際、この証言が人間を免疫不全にするこができる微生物の出現を予言したと話題になった。1969年の10年後とは1979年だ。***********************************************【Sakurai’s Substack】【櫻井ジャーナル(note)】
2026.08.01
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