《櫻井ジャーナル》

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2015.09.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 中東や北アフリカからEUへ向かう難民を西側のメディアが取り上げ、その「悲劇」の象徴として、トルコの海岸に横たわる3歳の子どもの遺体を撮した写真が使われている。 その子どもの父親、アイラン・クルディは難民の密航を助ける仕事をしていた

 さらに、難民の中には戦闘訓練を受けたIS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISISやダーイシュなどとも表記)のメンバーが潜り込んでいるとする情報も流れている。難民を送り出しているトルコはアル・カイダ系武装集団やISの拠点があり、トルコ政府からの支援を受けている。難民の中にそうした組織の戦闘員を紛れ込ませることは容易だ。以前からIS、あるいはアル・カイダ系武装集団をEUからロシアにかけての地域で活動させようとしていると推測する人はいた。すでにカフカスやウクライナとはつながっているが、EUへの工作が現実味を帯びてきたと言えるだろう。今後、EUの支配層がアメリカに対してどのような行動を取るかで、彼らの腐敗度がわかる。(勿論、日本の場合は腐りきっている。)

 違法難民の問題に関しては 今年4月にECIPS(情報政策安全保障欧州センター)が警鐘 を鳴らしていた。ところが西側の政府やメディアはそうした警鐘を無視。ここにきて突然、難民問題が脚光を浴びたことに胡散臭さを感じる人は少なくないだろう。

 ECIPSがこうした警鐘を鳴らした理由は明白。アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、カタールといった国々がアル・カイダ系武装集団やISを使い、リビアに続いてシリアを攻撃し、破壊と殺戮が続いているからである。最近、アメリカではISと戦わせるために「穏健派のアル・カイダ」を使うという話が出て来たが、笑止千万。修飾語で庶民を騙せると思っているのだろう。そこまで私たちは愚弄されていると言うことだ。

 シリアが攻撃されている理由はいくつかある。ひとつはイランとペルシャ湾岸産油国のパイプライン問題、地中海東岸の天然ガス田の利権、対ロシア戦略など。アメリカでは特にネオコン/シオニストが好戦的だ。

 ネオコンはアメリカ支配層の中で大きな影響力を持ち、ソ連が消滅した直後の1992年から 世界制覇プロジェクト を始動させている。そのベースになっているのが国防総省で作成されたDPGの草案、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」。その当時の国防長官はリチャード・チェイニー、草案作成の中心には国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがいた。

イラク、イラン、シリアを殲滅する と口にしていた。ヨーロッパ連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官だったウェズリー・クラーク大将がそのように語っている。ネオコンはイランと核問題に関して協議することに反対、シリアやウクライナを軍事力で制圧しようと計画したが、目論見通りには進んでいない。

 ウォルフォウィッツ・ドクトリンでは、旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジア、そしてライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアも支配することを決めている。イラク、イラン、シリアの3カ国だけがターゲットだというわけではない。

 このドクトリンが作られてから10年ほどするとロシアが再独立、最近では中国がそのロシアとの関係を緊密化、EUの内部でもアメリカを警戒する声を無視できなくなっている。「エリート」を「飴と鞭」でコントロールするだけでは支配システムを維持できなくなっている。

 すでにロシアに対してはチェチェンなどカフカス、最近ではウクライナで工作を進め、中国では新疆ウイグル自治区や香港を中心に揺さぶりをかけ、日本と朝鮮という不安定要素も東アジアにはある。EUには以前から難民に紛れて戦闘員がへ入っていると言われているが、その流れが強まる可能性がある。

 ウクライナのケースでは安全なロシアへ難民は向かったが、中東や北アフリカのケースではEUへ向かっている。本来なら、難民を生み出す原因を作った国々、つまり、アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、カタールなどが責任をとる義務があるのだが、事態は違う。奇妙な話だ。





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最終更新日  2015.09.13 23:07:24


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