《櫻井ジャーナル》

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2015.09.24
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 原発の周辺に住む人びとに健康被害が出ていると指摘されてきた。原発を推進している国の支配層は核ビジネスと深く結びついていることもあり、そうした主張を否定してきたが、アメリカでは2010年にNRC(原子力規制委員会)がNAS(国家科学アカデミー)に委託して調査を始める。その当時、NRCの委員長がグレゴリー・ヤツコだったことも調査の開始に影響したかもしれないが、 カネがかかりすぎるという理由でその調査は今年9月に中止

 2008年から12年にかけてフランスやドイツでも原発周辺に住む人びとの発癌リスクが調べられているが、5キロメートル圏内に住む2歳から4歳の子どもの場合、白血病にかかる確率は2倍になるという。また、 イギリスでの調査された3原発では、乳癌の発生率がひとつは5倍、ほかの2原発は2倍 だったと伝えられている。

 1979年3月に起こったアメリカのスリーマイル島原発にしろ、1986年4月に起こったロシアのチェルノブイリ原発事故にしろ、国の機関は被害を隠そうとし、調査は私的な形で行われ、実態が明らかにされてきた。経済活動では「私有化」を叫ぶ人びとも、こうした問題では国という「権威」を振りかざす。広島や長崎に投下された原爆の影響、あるいはビキニ環礁でアメリカが行った核兵器の実験による被害も調査らしい調査は行われず、実態は隠された。

 放射線の影響は20年から30年後に本格化するともいわれているが、チェルノブイリ原発事故から23年後の2009年に詳細な報告書『 チェルノブイリ:大災害の人や環境に対する重大な影響 』がニューヨーク科学アカデミーから発表されている。まとめたのはロシア科学アカデミー評議員のアレクセイ・V・ヤブロコフたちのグループ。1986年から2004年の期間に、事故が原因で死亡、あるいは生まれられなかった胎児は98万5000人に達し、癌や先天異常だけでなく、心臓病の急増や免疫力の低下が報告されている。

 福島第一原発ではチェルノブイリ原発より早く影響が現れている可能性がある。一般に放出された放射線物質の量は福島第一原発の方が圧倒的に少ないかのように言われているのだが、実態は違うようだ。福島のケースでも圧力容器は破損、燃料棒を溶かすほどの高温になっていたわけで、99%の放射性物質を除去することになっている圧力抑制室(トーラス)の水は沸騰状態で機能しなかったはず。水が存在したとしても、解けた燃料棒や機械が気体と一緒に噴出、水は吹き飛ばされていたと推測されている。つまり、圧力容器内の放射性物質はダイレクトに放出されたということ。原発の元技術者であるアーニー・ガンダーセンは少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2〜5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している。(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)

 2011年4月17日に徳田毅衆議院議員は「オフィシャルブログ」(現在は削除されている)で次のように書いている:



 12日に爆発したのは1号機で、14日には3号機も爆発している。政府や東電はいずれも水素爆発だとしているが、3号機の場合は1号機と明らかに爆発の様子が違い、別の原因だと考える方が自然。15日には2号機で「異音」、また4号機の建屋で大きな爆発音があったという。

 こうした爆発が原因で建屋の外で燃料棒の破片が見つかったと報道されているのだが、2011年7月28日に開かれたNRCの会合で、新炉局のゲイリー・ホラハン副局長は、 発見された破片が炉心にあった燃料棒のもの だと推測している。

 NRCが会議を行った直後、8月1日に東京電力は1、2号機建屋西側の排気筒下部にある配管の付近で1万ミリシーベルト以上(つまり実際の数値は不明)の放射線量を計測したと発表、2日には1号機建屋2階の空調機室で5000ミリシーベル以上を計測したことを明らかにしている。一種のダメージコントロールなのだろう。

 福島で働く医療関係者の間から作業員などの死者が出ているという話が漏れてくるが、国や東電はそうした事実を認めていない。徳田毅のブログはその禁を破るものだと言えるだろう。その徳田の姉などを徳洲会グループ幹部6人を東京地検特捜部は2013年11月に公職選挙法違反事件で逮捕、徳洲会東京本部や親族のマンションなどを家宅捜索した。2006年11月に行われた沖縄県知事選との関連を指摘しているが、原発事故の問題も関係していた可能性がある。

 事故当時に双葉町の町長だった 井戸川克隆は、心臓発作で死んだ多くの人を知っていると語っている 。福島には急死する人が沢山いて、その中には若い人も含まれているとも主張、東電の従業員も死んでいるとしているのだが、そうした話を報道したのは外国のメディアだった。

 この井戸川元町長を作品の中で登場させた週刊ビッグコミックスピリッツ誌の「美味しんぼ」という漫画は、その内容が気に入らないとして環境省、福島県、福島市、双葉町、大阪府、大阪市などが抗議、福島大学も教職員を威圧するような「見解」を出し、発行元の小学館は「編集部の見解」を掲載、この作品は次号から休載すると決めたという。

 福島県の調査でも甲状腺癌の発生率が大きく上昇していると言わざるをえない状況。少なからぬ子どもがリンパ節転移などのために甲状腺の手術を受ける事態になっているのだが、原発事故の影響を否定したい人びとは「過剰診療」を主張している。手術を行っている福島県立医大の鈴木真一教授は「とらなくても良いものはとっていない」と反論しているが、手術しなくても問題ないという「専門家」は、手術しなかった場合の結果に責任を持たなければならない。

 事故直後、福島の沖にいたアメリカ海軍の 空母ロナルド・レーガンに乗船していた乗組員にも甲状腺癌、睾丸癌、白血病、脳腫瘍といった症状 が出ているようで、放射線の影響が疑われ、アメリカで訴訟になっている。 カリフォルニアで先天性甲状腺機能低下症の子どもが増えている





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最終更新日  2015.09.24 22:17:58


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