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2026.06.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 バラク・オバマ大統領が2014年2月にウクライナでクーデターを成功させて始めた対ロシア戦争と同様、ドナルド・トランプ大統領が2月28日にイスラエルと共同で実行したイランに対する斬首作戦は西側諸国を窮地に追い込んだ。ロシアとの戦争もイランとの戦争もアメリカとその従属国は負けている。

 イランに負けていることを認められないトランプは作り話で誤魔化そうとしている。トランプはアメリカは勝利した、イランは降伏を懇願していると繰り返し主張、 記者の バラク・ラビドに合​​意が間近であることを発表するよう命令、そしてイランを爆撃し、アメリカは勝利したというパターンを繰り返してきた。取り引きのプロであろうとメディアの記者であろうと、この「嘘の輪廻」に気づかないはずはない。トランプが嘘を繰り返す目的のひとつは石油や株式の相場が暴騰することを防ぐためだろう。

 ちなみに、ラビドは

 アメリカとイスラエルによる奇襲攻撃でイランのインフラなどは破壊されたが、​ トランプ大統領は「インフラ、新しい橋、新しい設備、新しい発電所などをすべて建設しなければならない」とした上で、「われわれは復興に関与する」と主張、その見返りとして「アメリカはイランの石油の半分をいただく」としている ​。好い気なものだ。

 トランプ大統領はアメリカがイランを軍事的に圧倒しているかのように宣伝しているが、ミサイルやドローンの枯渇に苦しんでいるのはアメリカであり、戦力不足から地上戦を始めれば大惨事になる。クルド人やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)の戦闘員を投入してもイラン軍に勝つことは難しいだろう。

 トランプが作り出す「嘘の輪廻」はイラン政府によって否定されてきたのだが、市場も西側メディアも騙されたふりをしている。相場を操作する口実にしているようにも見える。本ブログでも繰り返し書いてきたように、イラン政府の立場は2月28日以来一貫している。

 今回のアメリカとイスラエルによるイランへの攻撃に伴う石油相場の上昇について、かつての石油ショックと比べる人もいる。

 リチャード・ニクソン政権は1971年8月にドルと金の兌換を停止、スミソニアン体制を経て1973年初めに変動相場制へ移行していく。そして1973年10月に第4次中東戦争が勃発、それを受けてOPEC(石油輸出国機構)加盟国のうちペルシャ湾岸6カ国の石油相がクウェートに集まって原油価格を70パーセント引き上げると決定した。

 しかし、1962年から86年までサウジアラビアの石油鉱物資源大臣を務めていたシェイク・アーメド・ザキ・ヤマニは2001年1月14日付けのオブザーバー紙に掲載された記事の中で、「ある秘密会議」で石油価格の引き上げは決定されたと語っている。会議の席上、アメリカとイギリスの代表は400パーセントの原油値上げを要求したという。(“Saudi dove in the oil slick,” Observer, January 14, 2001)

 この値上げにサウジアラビアのファイサル国王は反対で、ヤマニはイランのモハンマド・レザー・パーレビにその旨を伝えたのだが、ジェフリー・ロビンソンは自身の著作『ヤマニ』の中で「ファイサル王は、高い石油価格を望んでいたキッシンジャーの本心をご承知でなかったようだ」というヤマニの話を紹介、「1973年の値上げは、イラン国王がアメリカの支援のもとに画策したお芝居だ」とするOPECの報道担当の元スポークスマン、ハメド・ザヘリの見方も明らかにした。

 この引き上げはペトロダラーの基盤になり、アメリカの石油業者にも利益をもたらした。またイギリスが利権を持つ北海油田にとっても原油価格の上昇は朗報。イギリスは1981年から2005年の間、原油の純輸出国になった。これがなければ、1979年5月にイギリス首相となったマーガレット・サッチャーが新自由主義を導入することはできなかった。

 ヤマニは秘密会議について詳しく語っていないが、イギリスのジャーナリスト、ロビン・ラムゼイはビルダーバーグ・グループの会議だということを突き止めた。1973年5月にそのグループは確かにスウェーデンで会議を開いている。(Robin Ramsay, "Was the 1974 oil price hike engineered by the Bilderberg group?" Lobser 41, Summer 2001)

 実は、石油価格高騰の背景で巨大石油企業の思惑が働いていたという疑惑は早い段階からあり、アメリカではフランク・チャーチ上院議員が委員長を務めていた「多国籍企業小委員会」が調査に乗り出している。1974年から公聴会が開かれ、翌年には報告書が公表されたが、その後も大手石油会社の抵抗を受けながら議会は調査を続け、司法省も乗り出す事態に発展した。捜査が打ち切られたのはロナルド・レーガン政権になってからのことだ。

 石油価格の引き上げは石油業界の利益という次元の話ではなく、アメリカを中心とする支配システムを維持する仕組みが関係していた可能性が高い。石油の価格が上げれば取引総額も膨らみ、ペトロダラーのドル回収効率も上がる。石油価格の上昇でアメリカの製造業は打撃を受けるが、アメリカ国内の製造業が繁栄すると、ドルの少なからぬ部分がアメリカ国内で流通し、相当部分は実社会に留まる。新たにドルを発行する余地が広がりにくいということだ。

 ペトロダラーの仕組みができあがって間もない1975年3月、アメリカにとって好都合なことが引き起こされる。自立の意思を持っていたサウジアラビアのファイサル国王が暗殺されたのだ。この暗殺はアメリカの支配力を強めることになった。

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【​ 櫻井ジャーナル(note) ​】






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最終更新日  2026.06.13 01:07:48


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