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2011年01月22日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
このミステリがすごい 2010年 海外編 第3位

安ホテルでヤク中が殺された。傍らにチェス盤。後頭部に一発。プロか。時は2007年、アラスカ・シトカ特別区。流浪のユダヤ人が築いたその地は2ヶ月後に米国への返還を控え、警察もやる気がない。だが、酒浸りの日々を送る殺人課刑事ランツマンはチェス盤の謎に興味を引かれ、捜査を開始する―。ピューリッツァー賞受賞作家による刑事たちのハードボイルド・ワンダーランド、開幕。 ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞三冠制覇



純文学作家マイケル・シェイボンが書いた 歴史改変SFミステリー です。
歴史改変SF とは実際の歴史とは異なる歴史の経過を経た世界を描くものです。「クレオパトラの鼻が低かったら歴史が変わっていただろう」というような、  「もし」歴史がこうだったら~・・ をベースにおはなしが構築されるものです。特徴は、実際の史実に基づき、その上で現実の歴史とは異なる発展をした社会や政治や産業の状況を描くことです。いわゆる パラレルワールド ですが、手法として タイムトラベル が、からむこともあるようです。

歴史改変SF作品
・フィリップ・K・ディックの『高い城の男』(1962年) ナチス・ドイツと大日本帝国が第二次世界大戦に勝利した世界を描いている。
・ウラジミール・ナボコフの『アーダ』(1969年) 帝政ロシアが北米の一部を支配する世界を描き
・アイザック・アシモフの『永遠の終わり』(1955年) この作品では、「永遠」は世界の現実を人々に気づかれずに改変できる。
・フィリップ・ロスの The Plot Against America(2004年) ルーズベルトが大統領選に負けリンドバーグが大統領となり、アメリカでのファシズムと反ユダヤ主義が高まる。
・マイケル・ムアコックの『この人を見よ』 主人公が紀元28年の聖地にキリストに会いに行き、結局自分がキリストを演じることになる。

ハリイ・タートルダヴ、グレゴリー・ベンフォード、マイク・レズニック、、S・M・スターリング、キム・スタンリー・ロビンソン、ハリイ・ハリスン、ハワード・ウォルドロップ らが、歴史改変ブーム時代多く作品をのこしています。(1980年代末から1990年代)


本書『ユダヤ警官同盟』は、↑そんな 歴史改変SF ですが、あんまりそうとは感じませんでした。というか全然。
「もし」第二次世界大戦後ユダヤ人移民を、 アラスカ 設定ということでしたが、読み始めはてっきり、 アラスカ にはお話の通りユダヤ人街があるのかと思って読んでました。
あとがきを読んでから、はじめてこの本ってSFだったの?そうなんだ~、と知りました。
救世主 約束の地 をめぐってウンタラカンタラ、、。途中で時空が変化するとか、主人公が実は未来から来た人でやがて帰っていくとか、キリストがSF的な奇跡を行うとか、そんな派手なことは何もありませんでした。ハードボイルドな主人公が、貧ぼらしいホテルで「酒」「銃」「不眠」「鬱」を抱え、外では自分の直感で上の指示を無視してイロイロ動き、やがて傷つき弱った主人公が再生していくといういたってシンプルな展開。鬱々しているのにそんなに暗くないのは何故?元の奥さんを恋しがってウジウジしているのがなんだか微笑ましい。他にない要素と言えば「チェス」ですね。それと、ここでも父と息子の問題が。父はもう亡くなっているんですが、主人公には父の死にまつわるトラウマが年がら年中「鬱」になる元。

ユダヤ人問題を知らないと理解しずらいのが難点でしたが、なんとか読めました。シオニズム?ヘブライ語?う~ん聞いた事はあるけれど、良く知らない。これはこれで掘り下げると又勉強になりそうですね。今回は、民族の深い苦悩を感じつつ、おはなしの展開に身をゆだねてました。そしてなんといっても、とても豊かな表現。ユダヤ教、親子問題、夫婦問題、殺人事件、、あれやこれやあるのに、とってもシンプルなんですよね。そして豊かな表現にしばしばびっくり。

さすがピューリッツァー賞作家さん。こうしたランキングとは無縁の方が、ミステリを書いたら凄いものになった、、と言う感じでした。というか、日本が勝手にブックランキングさせてもらった、ということでしょうか。

マイケル・シェイボン著作


『ワンダー・ボーイズ』 (1995)  映画化
『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』 (2000)ピューリッツァー賞受賞作
『サマーランドの冒険』 (2002)
The Final Solution (2004)
『ユダヤ警官同盟』 (2007) コーエン兄弟による映画化決定
Gentlemen of the Road (2007)





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最終更新日  2011年01月26日 12時49分38秒


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