そゆぶろ

そゆぶろ

2023.11.15
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今回はワイヤレスキーボードのレビューです。

旧IBMの、今となってはLenovoのブランドへお引越しして久しいThinkPad。

キーボードの赤ポチことポインスティックが特徴的で、且つ7段のキー配列もアイデンティティの一つでした(私自身はあまり触れたことがありません)。



Lenovo傘下となってから、というか世のラップトップが薄型化していくのに合わせて、といった方が正確か。ThinkPadキーボードのデザインも薄型化してきていますね。

そんなThinkPadのキーボード、ワイヤレスキーボードとして販売されているモデルがあります。
それが今回レビューするTrackPoint KeyboardⅡ(日本語配列モデル 4Y40X49522)です。



 外観



カラーはブラックのみ。使われている素材は特に高級感は無く、シルク印字のキープリントも事務用品といった趣。アイソレーションタイプのキーボードは、ラップトップからそのままトリミングしてきたような印象です。

FnLockやCapsLockはキートップのLEDが点灯するので視認できます。有線モデル
(0B47208) は未だにこのLEDがなかったり、microUSBポート採用であったりと前時代感があるので、本機の方がインフォメーションが豊富で現代的です。

ちなみにThinkPadの「 i 」ドットは光りません。ESCキー近くにあるLenovoロゴはとても控えめな配色。




スイッチ類はDeleteキー付近の側面に集約されていて、電源スイッチ、ドングル/Bluetooth切替スイッチ、OS切替スイッチが用意されています。

画像ではボケていますが、OS切替スイッチの奥には充電専用のUSB-Cポートがあり、隣には2.4GHz帯接続用のドングル(USB-A)が格納されています。



マウスの3ボタン相当の機能を盛り込んだクリックボタンはSpaceキー手前に配置。このあたりはなだらかに傾斜しているものの、パームレストを途中で切り落としたような中途半端な感じになっていますね。背面には畳まれた脚が用意されています。


キー配列

私は英語配列の支持者ですが、今回は日本語配列を選びました。ここは仕事の環境を考えての妥協点です。



メインとなるキーに不自然なシュリンクはなく基本的な部分は良好と言ってよいと思います。右手用のAlt/PrtScだけは小さめですね。
ただ、配置的にFn/Ctrl/PrtSc/PgUp/PgDnなどは馴染めないと感じる方もいると思います。独立キーとしてHome/End/Insert/PrtScが残されているのはThinkPadキーボードとしての矜持でしょうか。Spaceキーは日本語配列らしく小さめで、左側にやや寄せてあります。

IBM時代の7段配列と比べると、アイソレーション化やクリックボタンのフラット化など、ずいぶん変わってしまっていますね。特にクリックボタンはフラットになっていることで指先に感じられる周囲との差が少なく、使い始めたばかりの私は誤打が多かったです。カーソルキーについてもとっさに押すとPgDnを押してしまうことがままあります。

Ctrlキーの位置もあまり好きではありませんが、Fnキーよりも若干大き目なので思ったほど誤打にはならなそう。私としてはCtrl2CapをインストールしてCapsLockキーをCtrlキー化しているので、この配置にはあまり不満はないというか、関心の外にあります。
また、Fn+ESCでFnLockのON/OFFが切替でき、最上段のキーをマルチメディアキーと通常のF1~12のどちらかに固定できます。

 打鍵感

薄型のアイソレーション(パンタグラフ)ですが、頻繁に使うキーのピッチに窮屈な感じはなく(約19mm)、キーストロークは約1.8mmとある程度の深さが確保されていて好印象。浅いことは浅いのですが、押下した感覚が得られます。

タクタイルな感触のあとは一気に下死点にソフトランディングする印象で、底打ちの打感はソフト。薄型キーボードとしては長時間の打鍵でも疲れにくい部類になるのではないでしょうか。

打鍵音は静音設計とは感じませんが、うるさいとも感じません。私は割と静かに打鍵するタイプなので、よほどカチャカチャ鳴らない限り気にならない質です。



キー表面はSpaceキーなどを除いて形状がやや窪んでいるので、指先をミートしやすいですね。メカニカルキーボードなどのキーキャップのような深いシリンドリカル形状ではありませんが、フラット形状よりも良いと思います。Spaceキーと両脇の無変換・変換キーは表面形状がやや膨らんでいてデスクトップPCのキーボードのよう。アプリケーションキーの代わりにPrtScキーをねじ込むように配置しているのは、きっとこだわりなのでしょう。多くのキートップ形状は下端が少しだけ湾曲していて、単純な正方形でない点もIBM時代からの継承を感じます。

カーソル [↑] キーの真横にあるPgUp/PgDnキーの誤打は今のところ多いです。一応カーソルキーとは形状が少しだけ変えてありますし、[↓] キーにはF/Jキーのようなポジションマークがあるのですが、小指で操作しようとすると誤打しやすいですね。



不本意ながらホームポジションから右手をずらして、人差し指、中指、薬指をカーソルキーにあてがうスタイルが一番誤打が少ないです。Fn+I/J/K/Lでカーソル操作できるキーボードが羨ましくなります。


 ポインティングスティックとクリックボタン


このキーボードがThinkPadキーボードたる所以、それがこのポインティングスティックとクリックボタンでしょう。ホームポジションから手を放すことなくマウス操作ができる・・・これがあればマウス要らず・・・まぁ確かにそうなのですが、慣れるまではむしろマウスが恋しくなるのではないでしょうか。

ひとたび慣れてしまえば、ホームポジションと同軸に3ボタンマウス相当のデバイスが組み込まれたThinkPadキーボードはとても快適です。手をホームポジションから離すのが手間に感じてしまうようになり、よほどマウスの操作性が有利な場面以外はトラックポイントシステムで済ませたくなります。ショートカットキーを駆使する人ほど強く感じるのではないでしょうか。

もともとテンキーレスキーボードですし、マウスを置かない分、デスク上もスッキリします。
対極にあるのはテンキー付フルキーボードとマウスの組み合わせでしょうか。

ポインティングスティック先端は凹凸のある赤いキャップがあり、指先へのかかりは良好です。G/B/Hキーをタイプする時に邪魔になることもありませんが、その分低く設計されており、倒す感覚と水平に力、というか圧を加える感覚は、水平加圧の感覚が支配的。ここは好みが分かれると思います。スペアの型番は0A33908です。

スティックの感度調整をするにはドライバのインストールが必要で、中央クリックボタンを押しながらスクロール操作はできるものの、このドライバで設定をしない限り横スクロールはできず縦スクロールのみのようです。ちなみにこのドライバソフトでF12キーに任意の機能をある程度割り当てることもできます。


上の方でもふれましたが、クリックボタンの起伏の少なさは誤打というか指が彷徨ってしまう原因の一つのように思えます。ネットでIBM時代のキーボードを見ると分かりますが、当時のクリックボタンは明確に起伏があり、分かりやすそうですね。Lenovo傘下となってから、徐々に簡素化されているのでしょうか。これも慣れてくれば解決されそうではありますが、ボタン表面に厚みのあるシールなどを貼って分かりやすくするという手段もありますね。



クリックボタンは垂直に押下する他のキーと違い、左右クリックは手前、中央クリックは奥側に倒れるように押下される構造になっているようで、
左右クリックボタンは親指の第一関節側、中央クリックボタンは親指の先で押すようにしてみると、押しやすい上に誤打もホームポジションの乱れも減らせることが分かってきました。




有線モデル
(0B47208) のクリックボタンは感触で判断しやすい




 その他

このキーボード、USB-Cポートはあるものの、充電専用であり有線キーボードとしては使えません。付属ドングルを使った専用の2.4GHz帯接続またはBluetooth接続の2台までとなっています。側面のスライドスイッチによる接続切替は2台のデバイス間で可能ですが、ショートカットキーで切り替えられるタイプと違ってあまり頻繁な切り替えには向かない手順だと感じました。Fn+1/2/3とか、そんなショートカットが良かったと思います。有線接続が不可なのも残念ですね。全部盛りモデルは敢えてやらないのでしょうか。



誤打しやすいと下げた、カーソルキー周りのPgUp/Dn。ブラウジングではCtrlと組み合わせてタブ切替、カーソルキーの左右はAltと組み合わせて進む/戻る の操作ができ意外と高い操作性を発揮します。



用途によっては一般的なマウスやトラックボールが適しているケースもあると思いますが、ポインティングスティックとクリックボタンをキーボードに統合しているThinkPadキーボードを導入すれば、デバイス数の削減、デスク上の省スペース化、手の負荷軽減といった効果が期待できるのではと思います。

趣味性は薄く、実用品として購入するキーボードであってマルチデバイスでの利用を考えると痒いところも残るキーボードですが、それでもブラックの筐体に鎮座する赤いポインティングスティック、ThinkPadのロゴ、打鍵感にはブランドとしての魅力を感じてしまいます。Lenovoさんにはこれからも大切にしていただきたいブランドですね。












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Last updated  2023.12.28 19:20:44
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