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2021.03.01
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カテゴリ: 沖縄市



「与儀集落」は沖縄市南部の国道329号線沿いに位置し、北中城村渡口地区に隣接しています。「与儀集落」は先祖を敬う事を重んじている地域で、多くの御願(うがん)行事が昔から大切に継承されています。旧正月、五月ウマチー(豊穣祈願)、六月ウマチー(収穫祭)、六月カシチー(収穫感謝祭)、八月シバサシ(悪霊祓い)、九月菊酒(健康祈願)、十二月ウガンブトゥチ(火の神の昇天)など、一年を通じて琉球王国時代から続く旧暦の伝統行事が行われます。


(シマカンカー)

(シマカンカーの左縄)

「与儀集落」に伝わる「シマカンカー」は沖縄市で唯一継承されている無病息災を祈る伝統儀式で、旧暦11月1日に集落の北側と東側の入り口2カ所に豚の皮を結んだ左縄(左撚り縄)を飾って疫病や厄災をもたらす悪い神が入らないように祈ります。"カンカー"とは見張る、見守るの意味で「シマカンカー」は「シマクサラシ」とも呼ばれる悪疫払いで、集落を悪霊から守る為に戦前から行われている大切な祭事なのです。


(上殿)

(上殿の祠内部)

「シマカンカー」が行われる「与儀遺跡」の中に「上殿」があります。この地は「与儀集落」を創始した「仲加」の祖先が暮らした場所と言われています。「上殿」は旧暦の1月1日(旧正月)、5月15日(ウマチー)、6月15日(ウマチー)、6月23日(カシチー)、8月10日(シバサシ)、9月9日(菊酒)、12月24日(ウガンブトゥチ)の行事で拝まれます。「上殿」の祠には霊石、霊石柱、ウコール(香炉)、巻貝が祀られています。


(与儀遺跡のガジュマルとデイゴ)



「上殿」がある「与儀遺跡」には樹齢が約100年のガジュマルと、同じく樹齢約100年のデイゴの古大木が集落を守っています。ガジュマルは神が宿る木で「キジムナー」という沖縄の妖精が住むと言われています。デイゴは言わずと知れた沖縄県の県花です。デイゴが見事に咲けば咲くほど台風がよく来る年になると言われており、その年のデイゴの咲き具合によっては、その年の台風の当たり年かどうかを占えるようです。更に「与儀遺跡」にはかつて遺跡で暮らした住民に利用された井戸跡が残されています。


(神屋トニー)

「与儀遺跡」の南側にある「神屋トニー」です。獅子舞を踊る神聖な場所とされており、拝所は旧暦の1月5日、5月15日、6月15日、6月25日、9月9日、12月24日に拝まれています。広場の奥側にはカミヤー(神屋)と呼ばれる神の祀る屋敷跡があり、ヒヌカン(火の神)などが祀られています。集落の住民はこの地を「ナーカアサギ」とも呼んでおり「仲加」の祖先が住居を構えた場所であると伝えられています。


(与儀の石碑)

「神屋トニー」の南部には石敢當のように畑地の隅に置かれている「石碑」があります。ニービ石でつくられた石碑には「◯◯◯ 西方 廣 ◯ 百難無」と記されています。何故この位置にこのような石碑が置かれて、石碑にどのような意味があるのかは未だに解明されていません。魔除けの意味が込められていると考えられていますが、多くの謎に包まれた「石碑」は今日も与儀集落の片隅に静かに佇んでいるのです。


(ウブガー/産川)

謎の「石碑」から道を挟んだ正面には「ウブガー(産川)」があり、集落の住民は「キヌガー」と呼んでいます。元旦の若水や子供が産まれた場合は、この井戸から水を汲む慣わしとなっていました。現在は8月10日(シバサシ)に拝まれています。この日は屋敷の御願をして、屋敷の神への感謝と家族の繁栄と安全が祈られます。また、周りと円滑な生活が送れるよう願いが込められるのです。


(火ヌ神)

(チナヒチ場所/綱引き場所)

「与儀集落」の中心部にある「与儀自治会」の敷地内に「火ヌ神」があり、3つの霊石が祀られています。かつて集落の全員がこの場に集まり豚を殺して食べたと伝わっており、旧暦11月1日の「シマカンカー」の日に「火ヌ神」が拝まれています。「与儀集落」の「火ヌ神」は土地の守り神として、悪霊祓いの意味も込められている聖域として崇められ住民により祈られています。また「与儀自治会」の前の道は「チナヒチ(綱引き)場所」となっており「与儀集落」の大切な行事として多くの住民で賑わいました。


(渡口の屋敷跡)



「与儀自治会」の南東側に「渡口の屋敷跡」があり、渡口の祖先に按司がいたと伝えられています。祠内には大型の霊石が3つ、小型の霊石が3つ、ウコール(香炉)が3つ祀られています。また「渡口の屋敷跡」の片隅には別の祠があり、地頭代の役人が暮らしていたといわれています。「与儀集落」の住民は「ジトーヤー」や「シルドゥンヤー」と呼び崇められています。「渡口の屋敷跡」は旧暦の1月1日、5月15日、6月25日、9月9日、12月24日に拝まれています。


(クガニチュー)

(クガニチュー祠内部)

「クガニチュー」と呼ばれる拝所が「与儀集落」の南部の入り口にあります。「クガニッツー」や「クガニツー」とも呼ばれるこの拝所は、旧暦5月15日、6月15日、9月9日、11月10日、12月24日に拝まれています。戦前までこの拝所の左側に海石で造られたシーサーがあったという。それは「クガニチュー」と同様に「魔よけの神様」として信じられていました。特に11月10日の「シマカンカー」の行事は、祠を境に豚肉や骨がついた左縄を吊るす慣わしになっています。


(ウルグチガー/下口井)




(ヒーケーシー)

「与儀集落」の東側にある「ヒーケーシー」と呼ばれる魔除けの石柱です。石敢當(イシガントウ)とも言われ、この古い石柱は南西側(集落の東側)を向いています。石柱の表面には「◯◯奉山石敢當」と記されています。現在は屋敷内にありますが、古より与儀集落を疫病や厄災から守る重要な役割があったと考えられます。また、集落の外部から悪霊が入らないようにする集落の守り神でもありました。


(アダンジャガー)

「与儀遺跡」の東側の坂道にある「アダンジャガー」です。「アダンヂガー」や「アカンジャーガー」とも呼ばれる井戸で、旧暦8月10日に行われるカーウガン(井戸の拝み)で祀られる井戸の一つとされています。井戸は神聖な拝所である為、周辺にゴミ等を捨てる行為は絶対に許されず罰当たりな行為になります。現在はコンクリートの板で蓋がされていますが、水源への感謝と水の神への祈りが捧げられる拝所となっています。


(アナガー)

「アナガー」という井泉が「与儀集落」の中北部にあり、住民は「クワガー」とも呼んでいます。初めて集落にやってきた与儀の祖先たちは、この湧水から生活の水を得たと言い伝えられています。現在の井戸は昭和52年に改築され、豊富な水源は主に農業用水として重宝されています。「アナガー」も同様に旧暦8月10日のカーウガン(井戸の拝み)に水への感謝と家族の繁栄と健康が祈願されています。


(ヤマグヮー)

「アナガー」の周囲には「ヤマグヮー」と呼ばれる聖なる森があります。森の西北にある拝所を「ウィーヌヤマグヮー」と呼び、南東にある拝所を「シチャヌヤマグヮー」と呼んでいます。これらの拝所は「琉球国由来記」(1713年)にも記載されており、旧暦の5月15日、6月15日、6月25日、12月24日に拝まれています。南東の拝所付近にある井戸は「ヤマグヮーガー」と呼ばれています。さらに、この森は与儀の人間が初めて住み着いた場所と伝えられ「ナコウジマ(名幸島)」と呼ばれているのです。


(魔除けの石碑)

「与儀集落」にはT字路の突き当たりにある現代の石敢當とは異なり、十字路の角に石柱の魔除けが設置されています。琉球王国時代から大切に継承される旧暦行事も住民の生活に根付いており「シマカンカー」と呼ばれる沖縄市に唯一残る有形文化財の祭事も残っています。井戸に宿る水の神様への祈りも受け継がれ「与儀集落」の繁栄と平和が保たれています。ぜひ、これからも集落の若者達が生まれ育った集落に誇りを持って、琉球の伝統文化を後世に引き継いで行く事を心から望んでいます。






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最終更新日  2023.10.28 19:22:26
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